インドは人口が多く、IT教育が進んでいる新興国だ。経済が好調なため投資先として興味がある人もいるだろうが、インド株を日本から直接購入することはできない。インド株へ投資する方法や商品の情報、それらを取引できるおすすめの証券会社を比較していきたい。

目次

  1. 1,インド株の5つの特徴・メリット
  2. 2,日本の証券会社を利用してインド株に投資する3つの方法
  3. 3,インド株を取引できる証券会社5社を徹底比較
  4. 4,インド株を取引できる証券会社5社の特徴
  5. 5,インド株の買い方は? 楽天証券、マネックス証券での流れを紹介
  6. 6,インド株投資はどの証券会社がおすすめ?
  7. 7,インド株投資の際の3つの注意点 ETFの投資では運用コストなどを考慮すべき
  8. 8,インド株を取引する証券会社は自分が取り引きする商品によって選びたい
  9. インド株についてよくある5つのQ&A

1,インド株の5つの特徴・メリット

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

インドとその株式市場にはどのような特徴があるのだろうか。

インド株に関連する特徴やメリットを5つ紹介しよう。

インド株の特徴・メリット
  • インドは近い将来に中国の人口を抜き人口世界一に
  • モディノミクスで経済成長するIT大国
  • インド株式市場の時価総額上位にはITサービス企業と銀行が多い
  • 代表的な株価指数はSENSEX指数とNifty 50指数
  • 株式市場も好調で上昇が続く

インド株の特徴・メリット1,インドは近い将来に中国の人口を抜き人口世界一に

インドは人口13億人を超え、中国に次いで世界で2番目に人口が多い国だ。 出典:外務省『インド』

国連の予想では、2027年ころには中国を抜いて人口世界一の国になり、2040年代には人口16億人に達する見込みだ。
出典:United Nations『World Population Prospects 2019 Highlight』

インド経済は好調であり、実質GDP成長率は1992年以降30年近く3%以上を維持。リーマンショック時は大きく落ち込んだものの、コロナショック前の2019年までは3%以上の実質GDP成長率を維持していました。

出典:世界銀行『Global Economic Prospects, June 2021』世界銀行『GDP growth (annual %)』

人口増加は経済成長をもたらす可能性が高く、株価上昇を期待できます。

インド株の特徴・メリット2,モディノミクスで経済成長するIT大国

モディノミスク
2014年に就任したインドのモディ首相がリードする経済政策は、「モディノミクス」と呼ばれている。モディノミクスでは、経済成長率の加速、物価安定、財政の経常赤字の縮小などを進めている。

モディノミクス下での実質GDP成長率は、2015年から2018年まで6~8%ほどの高成長率を達成。

しかし、2019年は4%ほどに失速し、2020年は新型コロナウイルスの影響によりマイナス8%ほどと大幅に落ち込んだ。
世界銀行『GDP growth (annual %)』

2021年4~6月期は前年同期比20%ほどの大幅な改善を見せており、今後も経済成長率の回復を期待したいところです。

インドは国策としてITへ投資し、大学などでITを専攻する優秀な学生も多いことから、今後IT分野でのさらなる発展も期待できます。

インド株の特徴・メリット3,インド株式市場の時価総額上位にはITサービス企業と銀行が多い

インド株式市場の時価総額上位には、石油化学、ITサービス、銀行、金融、通信、塗料の企業などが並んでいる。

なかでもITサービス企業と銀行が多いのが特徴だ。

時価総額の上位にITサービス企業が多いのは、IT大国のインドならではといえます。経済が大きく成長している国は銀行が企業として成長する傾向があり、時価総額上位の銀行が多いのもそれを反映した結果と考えられます。

インド株の特徴・メリット4,代表的な株価指数はSENSEX指数とNifty 50指数

インドの代表的な証券取引所は、ボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange:BSE)とナショナル証券取引所(National Stock Exchange:NSE)です。
ボンベイ証券取引所(Bombay Stock Exchange:BSE)
BSEは1875年に設立されたアジア初の歴史がある証券取引所である。BSEの代表的な株価指数は、SENSEX指数(S&P BSE SENSEX)であり、BSEに上場する30の大企業で構成される。
ナショナル証券取引所(National Stock Exchange:NSE)
NSEは1992年に法人化され、1994年に株式取引をスタートしたインド最大の証券取引所だ。NSEの代表的な株価指数は、Nifty 50指数であり、NSE上場の13セクターの50銘柄で構成される。

インドの主要企業はBSEとNSEの両方に上場しており、SENSEX指数とNifty 50指数には同じ企業が多く含まれています。

インド株の特徴・メリット5,株式市場も好調で上昇が続く

インドの株式市場は好調であり、SENSEX指数は上昇を続けている。

モディ首相が就任した2014年のSENSEX指数は30,000弱でしたが、2021年10月には60,000を超えることもり、SENSEX指数は2倍以上にも上昇しています。

出典:SBI証券『インドSENSEX』

コロナ禍でもSENSEX指数は上昇が続いており、株式市場の好調さを物語っている。

2,日本の証券会社を利用してインド株に投資する3つの方法

(画像=編集部作成)
インド株へ日本から直接投資することはできません。インド政府が外国人の投資家に対し制限をかけているためです。ただし間接的であれば日本の証券会社からもインド株への投資が可能です。

主な方法は「ADR」「ETF」「投資信託」の3つである。

インド株に投資する方法1,ADR……インドの個別株への投資が可能

ADRとは?
ADRはAmerican Depositary Receiptのことで、米国預託証券のことだ。米国預託証券は、米国以外の国の企業の株式を裏付けとして、米国で発行される有価証券である。ADRを買うことで、株式の保有とほぼ同様の投資効果を得る。
インド株に対するADRの仕組み
  • 米国の銀行がインドのA社株を購入してインドの銀行へ預ける
  • 米国の銀行は預けた株を裏付けとして預託証券(預かり証券)を発行
  • 米国の銀行とA社が預託証券を米国証券取引所に上場させる

米国証券取引所に上場したADRは、米国の上場企業と同等の情報開示の義務があり、投資情報を得やすいメリットがある。

ADRを保有すれば、実際の株主と同じように配当金を受け取れます。株主としての議決権を行使できるかは、ADRを販売する証券会社によって違います。
ADRのメリット
  • ADRのメリットはインドの個別企業へ投資できることだ。インドに注目している企業があれば、ADRの買い付けで、その企業への投資が可能だ。
ADRのデメリット
  • ADRのデメリットは、個別企業への投資になるため、ETFや投資信託と比べてリスクが高いことである。

インド株に投資する方法2,ETF……海外ETFと国内ETFがありインデックス運用が可能

ETFとは?
ETFは上場投資信託のことだ。複数の資産で構成され、個別の企業へは投資できないものの、分散投資により投資リスク低減を期待できる。ETFの多くはインデックス型であり、株価指数に連動する運用成果をめざすインデックス運用ができる。
インド株を資産に組み込むETFであれば、インド株のETFを買い付けることで、間接的にインド株へ投資できます。

ETFには、海外の株式市場に上場している海外ETFと国内の株式市場に上場している国内ETFがある。

海外ETFと国内ETFのメリット
  • 海外ETFと国内ETFのメリットは、多くがインデックス型のために、投資信託に比べて保有中のコスト(信託報酬)が低めなことだ。
海外ETFのデメリット
  • 海外ETFのデメリットは、取引の際に取引手数料や為替手数料を負担する必要があることである。
国内ETFのデメリット
  • 国内ETFのデメリットは、インド株のETFの銘柄が非常に少なく、商品の選択肢がほとんどないことだ。

インド株に投資する方法3,投資信託……インド株へ投資するものの多くがアクティブ型

投資信託には、インド株を資産に組み込む商品がある。

インド株の投資信託を買い付けることで、ETFと同じように間接的にインド株へ投資できます。投資信託はETFと同様に複数のインド企業へ分散投資が可能です。
日本で組成・販売されるインド株の投資信託は、多くがアクティブ型であり、インドの株価指数を上回る運用成果をめざすファンドだ。
投資信託のメリット
  • 投資信託のメリットは、証券会社によっては買い付け手数料が無料なことと、100円などの少額から積立投資ができることだ。
投資信託のデメリット
  • 投資信託のデメリットは、多くがアクティブ型のために信託報酬が年1%以上と高めなことである。

「ADR」「ETF」「投資信託」それぞれにおすすめの人とは

ADRは、個別のインド企業に投資したい人におすすめです。

投資したい企業があるなら、その企業のADRを買い付ければいいでしょう。ただし、ADRとして上場しているのは一部のインド企業のみなので注意しましょう。

ETFは多くがインデックス型のため、インドの株価指数に連動する投資成果を望む人におすすめです。

ETFのうち、国内ETFは商品数が非常に少ないものの、証券会社によっては手数料無料で取引できるため、手数料を抑えたい人や短期で取引したい人に向いています。

投資信託は、インド株を少額から積立投資したい人におすすめだ。

ただし、インド株の投資信託は多くがアクティブ型のため、買い付けの前に投資信託の良し悪しを判断すべきです。アクティブ型の投資信託の選択には投資の知識が必要になります。

3,インド株を取引できる証券会社5社を徹底比較

(画像=daboost/stock.adobe.com)

インド株へ投資する3つの方法(ADR、ETF、投資信託)は、日本の証券会社でも利用できる。

それらの商品へ投資できるおすすめの証券会社5社を比較する。

項目 商品種別 楽天証券 マネックス証券 SBI証券 DMM株
(DMM.com証券)
野村證券
銘柄数 ADR 14銘柄 8銘柄 8銘柄 8銘柄 6銘柄
海外ETF 7銘柄
(市場別
米国:3
香港:2
シンガポール:2)
4銘柄
(市場別
米国:3
香港:1)
5銘柄
(市場別
米国:3
香港:2)
1銘柄
(市場別
米国:1)
2銘柄以上
(市場別
米国:2以上)
国内ETF 1銘柄 1銘柄 1銘柄 1銘柄 1銘柄
投資信託 20本以上 15本以上 20本以上 取り扱いなし 5本以上
取引時間
(日本時間)
ADR
米国ETF
23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
左に同じ
※注文時間は平日6:00-17:10
取引手数料
(税込)
約定代金の0.495%
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル
(円換算 2,508円)
約定代金の0.495% *1
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル
(円換算 2,508円)
※売却時のみ現地取引費用負担あり
約定代金の0.495% *2
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル
(円換算 2,508円)
0円 1注文の約定代金により手数料が決まる
約定代金20万円まで2,389円(オンラインサービス)
為替手数料
(1米ドルあたり)
0.25円(円換算 約0.22%) 買付時:0円
(今後見直しの可能性あり)
売却時:0.25円(円換算 約0.22%)
0.25円(円換算 約0.22%) 0.25円(円換算 約0.22%) (10万米ドル未満時)
0.50円(円換算 約0.44%)
決済方法 ・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
日本円による円貨決済 ・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
※各社ホームページ( 楽天証券マネックス証券SBI証券DMM株野村證券)を元に作成 ※データは2021年11月11日時点、円換算の為替レートは1米ドル114円にて計算
*1 マネックス証券:米国ETF「ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)」はUSAプログラムにより買付手数料全額キャッシュバック
*2 SBI証券:米国ETF「ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)」は買付手数料無料の対象銘柄のため買付手数料無料

米国市場に上場しているADRやETFの取引では、取引手数料の負担がある。

為替手数料は日本円決済の場合に追加で負担する手数料だ。

取引手数料、為替手数料、銘柄数について、それぞれ5社を比較しよう。

インド株の取引手数料で5社を比較

取引手数料で5社を比較した場合に、お得に取引できる証券会社はここだ。

・取引手数料が一番安いのはDMM株(DMM.com証券)

ADRや米国ETFの取引手数料が一番安いのはDMM株であり、取引手数料は無料です。

DMM株なら、取引手数料なしで為替手数料のみで取引できるため、米国株などが初めての人でも利用しやすいシンプルな料金体系です。

・米ドル決済なら楽天証券、マネックス証券、SBI証券が有利

取引手数料無料のDMM株だが、米ドル決済に対応していない。

もし、米ドル決済で考えるなら、楽天証券、マネックス証券、SBI証券の取引手数料がほぼ横並びで安い。

なお、その3社の最低手数料0ドルは魅力的ですが、対象は約定代金がおよそ2米ドル以下の非常に少額の場合です。そのため、最低手数料0ドルが適用される取引はほとんど該当しないと思われます。

インド株の為替手数料で5社を比較

為替手数料で5社を比較した場合に、お得に取引できる証券会社はここだ。

・為替手数料が一番安いのはマネックス証券

為替手数料は、楽天証券、マネックス証券、SBI証券、DMM株が1米ドルあたり0.25円ですが、マネックス証券のみ買付時の為替手数料が無料です。

取引を買付と売却のセットで考えると、買付時の為替手数料無料のマネックス証券が一番安いです。

インドのADR・ETF・投資信託の銘柄数で5社を比較

銘柄数で5社を比較した場合に、対象銘柄が多い証券会社はここだ。

・インドADRは楽天証券が最多14銘柄

インドADRは楽天証券が14銘柄と最多だ。

ADRの銘柄は、以下のようなものがあり、全体的にはIT関連企業が多い。

ソフトウェア
・Infosys(シンフォシス)
・Wipro(ウィプロ)
自動車
・タタ・モータース
銀行
・HDFC銀行
・ICICI銀行

・海外ETFも楽天証券が最多7銘柄

海外ETFも楽天証券が7銘柄と最多だ。

そのうち米国ETFは次の3銘柄である。

・ウィズダムツリー インド株収益ファンド
・Direxion デイリー MSCI インド株 ブル2倍 ETF
・ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF

・分散投資したいインド株初心者はETF・投資信託が多い楽天証券とSBI証券がおすすめ

ADR、ETF、投資信託のうち、ADRは個別企業が対象のため、インド株への分散投資ならETFか投資信託が適している。

海外ETFは、海外の株式市場に上場している商品であり、取引手数料や為替手数料の負担があるのがデメリットだ。

ただし、有中の管理費用(信託報酬など)が1%より低い銘柄があり、投資信託より管理費用が低いのがメリット保だ。

投資信託は日本の金融機関で普通に取引できる商品である。

投資信託は、購入や売却の手数料は銘柄により異なりますが、楽天証券、マネックス証券、SBI証券なら全てノーロード(購入手数料無料)であり、取引しやすいメリットがあります。
インド株の投資信託は、ほぼアクティブ型であり、保有中の管理費用が1.5~2%程度と高めなのがデメリットです。

インド株に投資できる投資信託は、楽天証券とSBI証券が20本以上であり最多です。

4,インド株を取引できる証券会社5社の特徴

(画像=TexBr/stock.adobe.com)

インド株のADRや海外ETFを取引するには、それらを取り扱う証券会社を利用する。

インド株のADRや海外ETFの取り扱いが豊富な証券会社5社の特徴を確認しよう。

インド株を取引できる証券会社
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • SBI証券
  • DMM株(DMM.com証券)
  • 野村證券

楽天証券……口座開設数国内トップ2で豊富な取扱商品のネット証券

楽天証券
楽天証券は、2021年5月に600万口座を国内証券でSBI証券に次いで達成するなど、人気の証券会社だ。取扱商品が豊富で、ネット証券で最低水準の取引手数料が多い。海外株式は、米国、中国など計6ヵ国の取引に対応している。
インド株のADR数は14銘柄、海外ETFは7銘柄と3社のなかで最多です。楽天証券なら、シンガポール市場のインド株のETFへの投資もできます。

インド株関連の商品の取引は、SBI証券と同じ手数料のものが多いが、香港市場の取引手数料は高めである。

米ドルや香港ドルの為替手数料はSBI証券と同額だ。

決済方法は、ADRや米国ETFは外貨決済と円貨決済に対応しているが、香港市場やシンガポール市場での取引は円貨決済に限定される。

項目 商品種別 内容
銘柄数 ADR 14銘柄
海外ETF 7銘柄
(内、米国ETF 3、香港上場ETF 2、
シンガポール上場ETF 2)
国内ETF 1銘柄
投資信託 20本以上
取引時間 ADR
米国ETF
・日本時間23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
・現地時間9:30~16:00
香港上場ETF 日本時間
10:00~10:30 プレ・オープニング
10:30~13:00 前場
14:00~17:00 後場
17:00~17:10 クロージング・オークション
シンガポール
上場ETF
日本時間
9:30~10:00 プレ・オープニング
10:00~13:00 オープン
14:00~18:00 オープン
18:00~18:04 プレ・クロージング
取引手数料
(税込)
ADR
米国ETF
約定代金の0.495%
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル(円換算 2,508円)
香港上場ETF 約定代金の0.55%
・最低手数料:550円
・上限手数料:5,500円
シンガポール
上場ETF
約定代金の1.1%
・最低手数料550円
国内ETF 無料
(手数料0円ETF対象銘柄の場合 *3)
投資信託 ・購入時:無料
・解約(売却)時:
投資信託によっては手数料負担あり
為替手数料 ADR
米国ETF
0.25円(円換算 約0.22%)
香港上場ETF 0.15円(円換算 約1%)
シンガポール
上場ETF
0.83円(円換算 約1%)
決済方法 ADR
米国ETF
・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
香港上場ETF
シンガポール
上場ETF
・日本円による円貨決済
楽天証券ウェブサイトより筆者作成
※データは2021年11月12日時点、円換算の為替レートは、1米ドル114円、1香港ドル14.5円、1シンガポールドル84円にて計算
*3 楽天証券、SBI証券:国内ETF「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678)」は手数料無料の対象銘柄

楽天証券でインド株投資をするメリット・デメリットとおすすめの人は次の通りだ。

・楽天証券でインド株投資をするメリット

楽天証券でインド株投資をするメリットは、インド株のADRと海外ETFが5証券会社で最多であり、投資の選択肢が多いことです。

・楽天証券でインド株投資をするデメリット

楽天証券でインド株投資をするデメリットは、香港市場の商品の取引手数料がマネックス証券とSBI証券に比べて高めなことと、香港とシンガポール市場の商品の外貨決済に対応していないことです。

・楽天証券でインド株投資をするのにおすすめの人

インド株投資でADRや海外ETFを多くの選択肢から選びたい人や、楽天証券が取り扱うADRのなかに投資したいインド企業がある人は楽天証券がおすすめです。

マネックス証券……米国や中国の株式などに強いネット証券

マネックス証券
マネックス証券は、米国株や中国株などの取扱銘柄が多く、手数料も主要ネット証券で最低水準の外国株に強いネット証券だ。

インド株のADRはSBI証券と同じ8銘柄であり、米国ETFは楽天証券、SBI証券と同じ3銘柄の取り扱いだ。

取引手数料は、ADRと米国ETFでは楽天証券とSBI証券とほぼ同じながら、香港市場ではSBI証券よりも低い。為替手数料では、米国商品の円貨決済による買い付け時は無料(期間限定の可能性あり)です。

出典:マネックス証券『米ドル買付時の為替手数料が0銭!10月以降も継続!』

決済方法は、米ドル・香港ドルの外貨決済と円貨決済の両方に対応している。

項目 商品種別 内容
銘柄数 ADR 8銘柄
海外ETF 4銘柄
(内、米国ETF 3、香港上場ETF 1)
国内ETF 1銘柄
投資信託 15本以上
取引時間 ADR
米国ETF
・日本時間23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
・現地時間9:30~16:00
香港上場ETF 日本時間
10:00~10:30 プレ・オープニング
10:30~13:00 前場
14:00~17:00 後場
17:00~17:10 クロージング・オークション
取引手数料
(税込)
ADR
米国ETF
約定代金の0.495% *1
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル(円換算 2,508円)
※売却時のみ、現地取引費用負担
(約定代金1ドルにつき0.0000051ドル)あり
香港上場ETF 約定代金の0.275%
・最低手数料:49.5香港ドル(円換算 約718円)
・上限手数料:495香港ドル(円換算 約7,178円)
国内ETF 無料
(信用取引の場合)
投資信託 ・購入時:無料 ・解約(売却)時:
投資信託によっては手数料負担あり
為替手数料 ADR 米国ETF ・買付時:0円(今後見直しの可能性あり)
・売却時:0.25円(円換算 約0.22%)
香港上場ETF 0.15円(円換算 約1%)
決済方法 ADR
米国ETF
・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
香港上場ETF ・香港ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
マネックス証券ウェブサイトより筆者作成
※データは2021年11月12日時点、円換算の為替レートは、1米ドル114円、1香港ドル14.5円にて計算
*1 マネックス証券:米国ETF「ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)」はUSAプログラムにより買付手数料全額キャッシュバック

マネックス証券でインド株投資をするメリット・デメリットとおすすめの人は次の通りだ。

・マネックス証券でインド株投資をするメリット

マネックス証券でインド株投資をするメリットは、米国株買付時の為替手数料が無料(今後見直しの可能性あり)である点です。また、香港上場ETFの取引手数料が楽天証券とSBI証券よりも低いです。

・マネックス証券でインド株投資をするデメリット

マネックス証券でインド株投資をするデメリットは、国内ETFの現物取引手数料が無料ではない点です。また、投資信託の商品取扱は証券会社として十分なものの、楽天証券とSBI証券に比べると若干少ない。

・マネックス証券でインド株投資をするのにおすすめの人

インド株投資でADRや米国ETFの取引を考えているなら、マネックス証券なら為替手数料を抑えることが可能です。また、香港上場ETFの取引を考えているなら、取引手数料が低いマネックス証券がおすすめです。

SBI証券……商品ラインアップなどで国内証券をリードし9ヵ国の海外株式取引に対応

SBI証券
SBI証券は日本のネット証券をリードする証券会社といえる。取扱商品が豊富で、取引手数料は主要ネット証券最低水準であり、9ヵ国の海外株式の取引が可能だ。ADRや海外ETF、投資信託の取り扱い数も多く、インド株を投資対象とする商品を多く取り揃えている。
ADR・米国ETF、香港上場ETF、国内ETF、投資信託の取引手数料は主要ネット証券で最低水準であり、米ドルや香港ドルの為替手数料も同じく最低水準です。

決済方法は、米国市場と香港市場の商品で外貨決済と円貨決済の両方に対応している。

項目 商品種別 内容
銘柄数 ADR 8銘柄
海外ETF 5銘柄
(内、米国ETF 3、香港上場ETF 2)
国内ETF 1銘柄
投資信託 20本以上
取引時間 ADR
米国ETF
・日本時間23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
・現地時間9:30~16:00
香港上場ETF 日本時間
10:00~10:30 プレ・オープニング
10:30~13:00 前場
14:00~17:00 後場
17:00~17:10 クロージング・オークション
取引手数料
(税込)
ADR
米国ETF
約定代金の0.495% *2
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:22ドル(円換算 2,508円)
香港上場ETF 約定代金の0.286%
・最低手数料:51.7香港ドル(円換算 約750円)
・上限手数料:517香港ドル(円換算 約7,497円)
国内ETF 無料
(国内ETFの取引手数料無料対象銘柄の場合 *3)
投資信託 購入時:原則無料
解約(売却)時:
投資信託によっては手数料負担あり
為替手数料 ADR 米国ETF 0.25円(円換算 約0.22%
香港上場ETF 0.15円(円換算 約1%)
決済方法 ADR
米国ETF
・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
香港上場ETF ・香港ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
SBI証券ウェブサイトより筆者作成
※データは2021年11月12日時点、円換算の為替レートは、1米ドル114円、1香港ドル14.5円にて計算
*2 SBI証券:米国ETF「ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)」は買付手数料無料の対象銘柄のため買付手数料無料
*3 楽天証券、SBI証券:国内ETF「NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信(1678)」は手数料無料の対象銘柄

・SBI証券でインド株投資をするメリット

SBI証券でインド株投資をするメリットは、豊富な取扱商品と低コストの手数料などのトータルバランスの高さです。各商品や手数料、サービスなどに大きなデメリットがなく、さまざまな商品を取引するなら満足度が高いネット証券といえます。

・SBI証券でインド株投資をするデメリット

ADRや米国ETFの取引をメインにするなら、期間限定の可能性があるもののマネックス証券よりも為替手数料の負担が大きくなります。

・SBI証券でインド株投資をするのにおすすめの人

インド株を投資対象とする、ADR、米国ETF、香港ETF、国内ETF、投資信託など、さまざまな商品を取引するならトータルバランスが高いSBI証券がおすすめです。

DMM株……株式の取引手数料が業界最安レベルで25歳以下なら国内株式(現物)の手数料無料

(画像=DMM株 公式サイトより)
DMM株
DMM株は、DMM.com証券が運営するネット証券会社だ。手数料の安さに定評がある。

DMM株の一番の特徴は、株式の取引手数料が国内証券で最安レベルであることだ。

国内株式の約定ごとの取引手数料は、現物取引では全ての約定代金レンジにて楽天証券やSBI証券よりも安い。さらに、25歳以下なら国内株式の現物取引手数料が無料です。信用取引でも取引手数料は最安レベルです。

出典:DMM株『株式取引の手数料』

ただし、DMM株の株式の手数料には1日の約定代金合計の手数料コースがないことがデメリットだ。

1日の約定代金合計が高くない人にとっては、他社の1日の約定代金合計の手数料コースを利用したほうが得な場合があります。

項目 商品種別 内容
銘柄数 ADR 8銘柄
海外ETF 1銘柄
(内、米国ETF 1)
国内ETF 1銘柄
投資信託 取り扱いなし
取引時間 ADR
米国ETF
・日本時間23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
・現地時間9:30~16:00
取引手数料
(税込)
ADR
米国ETF
0円
国内ETF ・25歳以下なら現物取引手数料が
全額キャッシュバックにより実質0円
・26歳以上は約定代金により取引手数料が異なる
為替手数料 ADR
米国ETF
0.25円(円換算 約0.22%)
決済方法 ADR
米国ETF
日本円による円貨決済
DMM株ウェブサイトより筆者作成
※データは2021年11月12日時点、円換算の為替レートは、1米ドル114円にて計算

DMM株は、外国株では米国株のみの取引に対応している。

投資信託の取り扱いはない。

DMM株でインド株投資をするメリット・デメリットとおすすめの人は次の通りだ。

・DMM株でインド株投資をするメリット

メリットは、米国株(ADR、米国ETFなどを含む)の取引手数料が無料なことです。楽天証券などの米ドル決済での米国株取引手数料0.495%(税込)より、DMM株の為替手数料約0.22%(1米ドル114円時)のほうが低い。

・DMM株でインド株投資をするデメリット

デメリットは、米国株の米ドル決済に対応していないことです。決済方法は円貨決済のみのため、取引のたびに為替手数料の負担があります。
楽天証券などの米ドル決済では、米国株取引手数料は22米ドル(1米ドル114円時2,500円程度)の上限があるが、DMM株の為替手数料には上限がない。たとえば、10,000米ドルを超える取引をすれば為替手数料は2,500円(0.25円×10,000)を超えてしまう。

・DMM株でインド株投資をするのにおすすめの人

ADRの取引代金が、およそ10,000米ドル(1米ドル114円時)を下回る人は、取引手数料と為替手数料の合計を節約できるDMM株がおすすめです。

米国ETFについて、DMM株が取り扱うインド株の米国ETFは「ウィズダムツリー インド株 収益 ファンド(EPI)」のみだ。

マネックス証券やSBI証券は、「ウィズダムツリー インド株 収益 ファンド(EPI)」の買付手数料が実質無料なため、売却のみの取引手数料負担になり、購入と売却を考えた場合に手数料は半額になる。

米国ETFの取引代金については、およそ5,000米ドル(1米ドル114円時)を下回る人は、DMM株がおすすめです。

野村證券……国内トップレベルの対面証券は米国株のネット取引も可能

野村證券
野村證券は、国内証券で最大の顧客基盤をもつ証券会社であり、全国の店舗などを活用して顧客の資産運用などの要望に応えるサービスを提供している。取扱商品は、国内株、外国株、投資信託、債券など、ラインアップが充実。外国株は、米国、ドイツ、オーストラリア、香港の株式と米国ETFの取引が可能だ。

米国株などの外国株のネット取引に対応し、インド株投資でのネット取引を前提とした証券会社としても選択肢に入ります。

項目 商品種別 内容
銘柄数 ADR 6銘柄
海外ETF 2銘柄以上
(内、米国ETF 2以上)
国内ETF 1銘柄
投資信託 5本以上
取引時間 ADR
米国ETF
・日本時間23:30~翌6:00
(サマータイム:22:30~翌5:00)
・現地時間9:30~16:00
※注文時間は平日6:00-17:10
取引手数料
(税込)
ADR
米国ETF
1注文の約定代金により手数料が決まる
約定代金20万円まで2,389円(オンラインサービス)
国内ETF ・現物取引:約定代金により手数料が決まる
 約定代金10万円まで152円(オンラインサービス)
・信用取引:約定代金にかかわらず524円
投資信託 ・購入時:最大5.5%
・解約(売却)時:投資信託によっては手数料負担あり
為替手数料 ADR
米国ETF
・10万米ドル未満:0.50円(円換算 約0.44%)
・10万米ドル以上:0.25円(円換算 約0.22%)
・100万米ドル以上:別途相談
決済方法 ADR
米国ETF
・米ドルによる外貨決済
・日本円による円貨決済
野村證券ウェブサイトより筆者作成
※データは2021年11月12日時点、円換算の為替レートは、1米ドル114円にて計算

野村證券の商品ラインアップは、インド株投資の関連銘柄ではネット証券大手に比べて若干少ないようだ。

野村證券でインド株投資をするメリット・デメリットとおすすめの人は次の通り。

・野村證券でインド株投資をするメリット

メリットは高額取引での為替手数料の優遇です。100万米ドル以上の取引なら、為替手数料が1米ドルあたり0.25円を下回る可能性があります。

・野村證券でインド株投資をするデメリット

デメリットは、米国株の注文時間が平日6:00-17:10(日本時間)とリアルタイム取引に対応していないこと。また、取引金額が高額でない場合には、ネット証券に比べて手数料が高くなります。

・野村證券でインド株投資をするのにおすすめの人

野村證券の既存顧客で、良い取引条件などを得る人はおすすめです。また、高額な取引を予定しているなら、低い為替手数料の適用可能性がある野村證券に相談してみるといいでしょう。

5,インド株の買い方は? 楽天証券、マネックス証券での流れを紹介

(画像=sugiwork/stock.adobe.com)

インド株投資では、ADR、海外ETF、国内ETF、投資信託とさまざまな商品があり、それぞれの商品によって買い方が異なる点がある。

例として、ADR「インフォシス・テクノロジーズ」の楽天証券とマネックス証券での買い方を紹介しよう。

楽天証券のインド株の買い方

楽天証券の米国株(ADR、米国ETF含む)は、PCではウェブサイトやマーケットスピード、スマートフォンではiSPEEDアプリから取引可能だ。

ここでは、PCサイトからのADRの注文方法を紹介しよう。

手順は3ステップである。

  • STEP1……銘柄の画面から注文
  • STEP2……買い注文の入力
  • STEP3……入力した注文の確認と確定

・STEP1……銘柄の画面から注文

取引する銘柄を表示するにはいくつかの方法があるが、ここでは楽天証券ウェブサイト上部の銘柄検索ボックスを利用する。

楽天証券ホームページにログインし、上部の銘柄検索ボックスのプルダウンから「米国株式」を選んで、ティッカーや用語などを入力すると候補が表示される。

候補から取引する銘柄を選択。

銘柄が表示されたら「買い」注文を選択。

・STEP2……買い注文の入力

「米国株式取引(買い注文 / 受付)」画面が表示される。

注文内容を入力し「確認」を選択。

・STEP3……入力した注文の確認と確定

「米国株式取引(買い注文 / 確認)」画面が表示される。

注文内容を確認し、「取引暗証番号」を入力し、「注文」を選択。

注文が完了すると「米国株式取引(買い注文 / 受付完了)」画面が表示される。

マネックス証券のインド株の買い方

マネックス証券の米国株(ADR、米国ETF含む)は、PCのウェブブラウザまたはスマホアプリ「トレードステーション米国株 スマートフォン」にて取引できる。

ここでは、PCのウェブブラウザからのADRの注文方法を紹介しよう。

手順は3ステップである。

  • STEP1……銘柄を選択
  • STEP2……買い注文の入力
  • STEP3……入力した注文の確認と注文実行

・STEP1……銘柄を選択

マネックス証券ホームページにログインし、サービスショートカットに「米国株取引サイト」が登録されていれば、それを選択。

米国株取引サイトが表示される。

注文方法は「スタンダード注文」と「条件付注文」を選択できる。

スタンダード注文
成行、指値、逆指値(指値)、逆指値(成行)
条件付注文
連続注文、ツイン指値注文

シンボルにティッカーや会社名などを入力すると候補が表示される。

取引する銘柄を選択。

・STEP2……買い注文の入力

数量、注文種類、期間などを入力し、「買い」を選択。

・STEP3……入力した注文の確認と注文実行

「注文確認」が表示される。

注文内容を確認し、「注文実行」を選択。

画面左下に「注文送信完了」と表示されれば注文は完了だ。

6,インド株投資はどの証券会社がおすすめ?

(画像=vegefox.com/stock.adobe.com)

・楽天証券やDMM株がおすすめな人

インド株投資の初心者ならADR、海外ETF、投資信託の銘柄数が多く、手数料のバランスがとれた楽天証券がおすすめだ。

楽天証券は、ADRが14銘柄、海外ETFが7銘柄と5証券会社で最多である。

ADRや海外ETFの手数料を安くしたいなら、取引手数料が無料のDMM株がおすすめ。

ただし、DMM株は海外ETFが1銘柄、投資信託は取り扱いなしのため、インド株投資の銘柄が限られる。

DMM株のADRと海外ETFの取り扱い銘柄で十分な人が対象である。

・マネックス証券、SBI証券、野村證券がおすすめな人

ADRや海外ETFの銘柄がある程度揃っていて、日本円決済での為替手数料を節約したいならマネックス証券がおすすめ。

マネックス証券なら、ADRと米国ETFの為替手数料が買付時無料のため、買いと売りの為替手数料合計を半額に節約できます。

海外ETFと投資信託の取引を重視するなら、米国ETF「ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)」の買付手数料が無料で、投資信託の取り扱いが多いSBI証券がおすすめだ。

インド株投資を店舗などで相談したい人は、店舗が充実している野村證券がおすすめ。

取引金額が高額な人も、有利な為替手数料などの可能性がある野村證券に聞いてみるといいでしょう。

7,インド株投資の際の3つの注意点 ETFの投資では運用コストなどを考慮すべき

(画像=編集部作成)

インド株投資にも注意すべき点がある。ここでは3つの注意点を紹介しよう。

インド株投資の注意点1……インドは内需型の経済構造であり他の新興国とは主要セクターに違いがある

多くの新興国は製品の輸出などによる経済成長が目立つが、インドは内需型の経済構造であり輸出はあまり強くない。

インドの2019年の輸出額トップ2の製品は、石油製品と宝石・宝飾品だ。

インド経済の主要な業種は、前述のようにITサービスや銀行などである。

インドのITサービスの大企業はグローバル展開しているところが多く、タタ・コンサルタンシー・サービシズ、インフォシス(Infosys)、HCL、テックマヒンドラ(Tech Mahindra)などがある。

これらのITサービス企業はSENSEX指数などの構成銘柄でもあり、SENSEX指数などには銀行も多く含まれている。

インドのETFの保有によりインデックス運用する場合などは、ITサービス企業や銀行が株価指数に与える影響が大きいことに気を付けましょう。

インドは輸出があまり強くないといっても、グローバルな製造業は存在します。たとえば、自動車のジャガー・ランドローバーを傘下におさめるタタ・モータースはグローバル展開している自動車メーカーです。

インド株投資の注意点2……インド株のETFの運用コスト(信託報酬)は先進国株に比べて高め

インド株を投資対象とするETFの保有中のコストである信託報酬は、先進国株を投資対象とするETFに比べて割高である。

先進国株のETFは、年0.3%程度以下の低コストの信託報酬の銘柄が数多くあるが、インド株のETFの信託報酬は年1%弱程度の銘柄が多い傾向にあります。

インド株が先進国株との信託報酬の差を上回って成長すれば、高めの運用コストを上回る投資成果を得られるものの、運用コストに差があることを認識しておきましょう。

インド株投資の注意点3……ADRは米国株式市場での上場廃止リスクあり

ADRは、インドの証券取引所に上場するインド株とは異なる仕組みで米国の証券取引所に上場する。

このため、インドの企業や株式に問題がなくても、インド株のADRが米国の証券取引所で上場廃止になるリスクがあります。

ADRが上場廃止になっても、ADRが継続されれば店頭市場で売買できることがあります。ADR上場廃止の場合には、証券会社に対応を確認しましょう。

8,インド株を取引する証券会社は自分が取り引きする商品によって選びたい

インド株へ投資する商品は、ADR、海外ETF、国内ETF、投資信託などがある。

自分が取り引きしたいインド株の商品が決まっていれば、その商品を取り扱う証券会社を選べばよいでしょう。

商品が上場している国によって取引手数料や為替手数料が違うため、自分が取り引きする予定の商品の手数料を比較して、利用する証券会社を決めたい。

インド株取引の決済方法については、円貨決済では毎回為替手数料が発生する。繰り返し取り引きするなら、外貨決済に対応している証券会社を選ぶのが良いでしょう。

インド株についてよくある5つのQ&A

インド株投資のメリットは?
インドは近い将来に中国の人口を抜き人口世界一になる巨大市場であり、モディノミクスで経済成長するIT大国でもある。 株式市場の時価総額上位にはITサービス企業と銀行が多く、株式市場も好調で上昇が続いていることがメリットだ。

日本の証券会社でインド株に投資する方法は?
インドの個別株への投資が可能な「ADR(米国預託証券)」を購入する、インド株を資産に組み込む「ETF」や「投資信託」を購入することが挙げられる。

インド株を取引できる日本の証券会社は?
楽天証券、マネックス証券、SBI証券、DMM株、野村證券が挙げられる。

日本の証券会社でインド株に投資する手順は?
インド株関連の商品を扱う証券会社で総合口座と外国証券取引口座(投資信託以外)をつくり、入金すれば取引開始が可能だ。

インド株投資の注意点は?
インドは内需型の経済構造であり、他の新興国とは主要セクターに違いがあることに留意すること、インド株のETFの運用コスト(信託報酬)は先進国株に比べて高めなこと、ADRは、インドの証券取引所に上場するインド株とは異なる仕組みで米国の証券取引所に上場するため、インドの企業や株式に問題がなくても、インド株のADRが米国の証券取引所で上場廃止になるリスクがあることに注意しよう。

執筆・松本雄一
群馬大学工学部情報工学科卒業。外資系コンピューター会社にて、ITサービス・トランジションやセキュリティ対策に携わり独立。

自らの投資経験をもとに、株式・投資信託や証券会社などの情報を発信。金融アドバイザーとして、これまでに300件以上の金融記事の執筆を手掛けている。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
群馬大学工学部情報工学科卒業。外資系コンピューター会社にて、ITサービス・トランジションやセキュリティ対策に携わり独立。

自らの投資経験をもとに、株式・投資信託や証券会社などの情報を発信。金融アドバイザーとして、これまでに300件以上の金融記事の執筆を手掛けている。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。

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