価格変動(ボラティリティ)リスク

価格の上昇や下落によって損失を被るリスクのこと。仮想通貨は株式などに比べてボラティリティが高く、短時間で暴騰・暴落することも珍しくないので注意が必要だ。

流動性リスク

暗号通貨市場の動向や国の政策などで通貨の流動性が失われると、「購入したいときに購入できない」「売却したいときに売却できない」といった状況になる。また、仮想通貨自体がマイナーで、もともと発行量や流通量が非常に少ない「草コイン」の場合も、流動性リスクがある。

営業時間外リスク

暗号通貨取引所の営業時間外やシステムメンテナンスの時間も、各通貨の価格は変動する。営業時間外に価格が大きく変動すると、投資家の損失につながるリスクがある。

システムリスク

暗号通貨取引は、取引所のシステムや顧客の通信機器、インターネット回線などで成り立っている。これらのトラブルにより、暗号通貨の取引ができなくなるリスクがある。システムリスクは複数の取引所を利用することで、ある程度抑えられる。

サイバー攻撃リスク

取引所または投資家の端末がサイバー攻撃を受けると、顧客情報や秘密鍵などの情報が流出し、暗号資産を失うリスクがある。2018年のコインチェック事件などは、サイバー攻撃によって発生したものだ。

51%リスク

暗号通貨のネットワークの51%以上の採掘(マイニング)計算量を支配できると、不正な取引が発生する恐れがある。その場合は通貨の信頼性が失われ、価格も下落する可能性が高い。

流出・喪失リスク

ウォレットのパスワードや秘密鍵を失くすと、ウォレットから暗号資産を取り出せなくなる。また、第三者に知られると不正に使用される恐れがあるため、厳重な管理が必要だ。

取引所破綻リスク

暗号通貨の取引所が事業を継続できなくなると、顧客の資産が返還されなくなるリスクがある。破綻の原因としてはサイバー攻撃や行政からの業務改善命令などがある。

法令・税制変更リスク

日本および各国の暗号通貨に関する法律や税制は、改正される可能性がある。改正内容によっては、価格の変動や取引量の制限、税金の支払いの増加などが発生し得る。国によっては、暗号通貨の取引が全面的に禁止になるリスクもある。

スリッページリスク

注文価格と約定価格がずれてしまうことを「スリッページ」と呼ぶ。スリッページは、注文を出してから取引所のシステムが処理を終えるまでに相場が動くことで発生する。

ICOでの詐欺リスク

ICOとは、仮想通貨の発行による資金調達のこと。ICOで仮想通貨を購入できたとしても、いつまでたっても仮想通貨が発行されないといった詐欺まがいの案件も多い。

スケーラビリティ問題のリスク

取引量が非常に多い場合や急増した場合は、取引の承認に時間がかかることがある。また、送金から着金までに価格が大きく変動したり、手数料が高くなったりするリスクもあるのだ。

ハードフォーク発生リスク

ハードフォーク(互換性のないブロックチェーンに分岐すること)には、スケーラビリティ問題の解決やハッキング対策などのメリットがある。その反面、どちらか一方のブロックチェーンが使われなくなる恐れや、分岐によるハッシュパワーの低下によって一時的に取引承認に遅延が生じ、混乱が発生する恐れもある。