新興国投資はリスクは高いが大きなリターンを得られる可能性もある。かつてBRICsの一角として注目されたインドであるが、近年では経済改革が進み、再び注目の市場となりつつある。日本からインド株へ投資するにはどのような方法があるのだろうか。

目次
1,インド株の3つの特徴
2,インド株の買い方
3,インド株(ADR・海外ETF)が買える日本の証券会社5社を比較
4,日本の証券会社でのインド株ADR・海外ETFの買い方、流れ
5,おすすめインド株(ADR)5選
6,おすすめインドETF5選
7,インド株を買うときの3つの注意点
8,インドへの投資はポートフォリオの大きなアクセント

1,インド株の3つの特徴

インド株はかつてBRICsの一角として、ブラジル、ロシア、中国と並ぶ新興国の有望市場として注目を集めていた。しかし、中国では景気減速の兆候が強まり、ロシアも資源価格の下落に悩まされ、ブラジルもスタグフレーションに苦しめられてきた。一方でインドは好調な経済環境を維持しており、BRICsの中で唯一状況の異なる国となりつつある。インド株の現在の特徴を簡単に3つ説明しよう。

特徴1……高いGDP成長率

インドは経済成長に勢いがあり、高いGDP成長率を誇る。世界銀行によると、リーマンショック以降、2009年から2018年までの10年間でGDP成長率は常に5%を超えている。2019年に4.2%とやや失速し、2020年はコロナの影響もありマイナス成長となるが、2021年は再び5%超の成長が予想されている。

特徴2……人口13億人の巨大国内市場

国連の統計によると、インドの総人口は2019年時点で13億人を超えている。また、若年層の人口比率も高く、2030年までには中国の人口を上回るといった試算もある。巨大な国内市場を抱える点もインド株の大きな特徴だ。

特徴3……モディノミクスで経済環境が改善

インドでは2014年にモディ首相が就任して以降、大規模な経済改革が実施された。経済環境の改善などを目的とした各種政策を総称して「モディノミクス」と呼ばれる。10%超のインフレ率は5%前後まで改善し、経常赤字も減少、インフラの整備や汚職対策も進む。インドの経済環境はモディノミクス以降で大きく改善しており、インド株への投資を後押しする材料となっている。

2,インド株の買い方

高い経済成長を続けるインドは魅力的な投資市場である。では、日本からインド株へ投資をする方法を説明していこう。

日本でインド株を直接買うことはできない

インド市場でインド株を直接購入するのが最もシンプルにインド市場へ投資を行う方法であるが、現在の所、インド株を日本から直接購入することはできない。これはインド政府が外国人投資家に対して投資規制を掛けているためだ。

日本でインド株を買う方法は4つ……ADR、海外ETF、国内ETF、投資信託

日本にいながらインド株を買う方法は4つ、ADR(米国預託証券)、海外ETF、国内ETF、投資信託である。それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介していこう。

・方法1……ADRとは?インド株をADRで買うメリット・デメリット

インド株を購入する方法の一つとしてADRと呼ばれる証券に投資を行う方法がある。ADRはAmerican Depositary Receiptの略で、日本語では米国預託証券と呼ばれる。ADRとは米国以外で発行された株式を米国の預託銀行が取得、その株式を裏付けとした預かり証券を発行し、投資家が売買を行う仕組みである。ADRは米国株式と同様に取引を行えて、配当などの権利も得ることができる。

インド株をADRで購入するメリットは企業を選んで投資を行うことができる点である。有望企業の成長をダイレクトに取り込める方法だ。また、預託銀行への管理費用は発生するものの、比較的低コストで投資ができる点もメリットであろう。

一方でインド株をADRで購入するデメリットは選択できる銘柄数の少なさだろう。現状、インド株ADRの取り扱い銘柄数は各証券会社共10銘柄に満たない。ADRで購入できるインド株は全体の一部となるため、銘柄の分散が難しかったり、お目当ての企業がADRを発行していなかったりといった可能性がある。

・方法2……海外ETFとは?インド株を海外ETFで買うメリット・デメリット

インド株を購入する方法として、海外ETFへ投資を行う方法もある。海外ETFとは、海外市場に上場している上場投資信託(ETF)のことである。ETFは指数に連動した値動きとなるため、インド株の指数を対象とする海外ETFを購入することで、インド株への投資が可能となる。

インド株を海外ETFで購入するメリットは分散投資を行うことができる点である。例えばインドの主要株式指数であるNifty50指数をベンチマークとする海外ETFであれば、その構成銘柄である50銘柄全体へ投資を行っているのに等しい。ADRでは購入可能な銘柄が限られるため、インドの株式市場全体の値動きを取り込みたい場合には、海外ETFが有効だ。

また、次に説明する国内ETFと異なり、銘柄数が多く、コストの低い商品が多くある点も海外ETFのメリットだろう。さらに、海外ETFであれば、数千円程度から投資を行うこともできる。

インド株を海外ETFで購入するデメリットは特定銘柄をピックアップした投資が行えない点である。あくまでも指数との連動となるため、特定の有望企業を発掘し、短期間で大きな利益を得るといった投資は難しい。

・方法3……国内ETFとは?インド株を国内ETFで買うメリット・デメリット

先に海外ETFの説明を行ったが、東京証券取引所に上場する国内ETFでもインド株へ投資が可能である。「NFインド株」 <1678> がインドを対象とした国内ETFであり、ベンチマークはインドの代表的な株価指数Nifty50である。

インド株を国内ETFで購入するメリットは日本株と同様に投資ができるため、投資のハードルが低い点である。円建てで投資を行うことができ、海外投資を行ったことがない場合でも簡単に投資を行うことができる。

一方でインド株を国内ETFで購入するデメリットは銘柄数の少なさとコストの高さである。運用管理コストにあたる信託報酬は1.045%(税込)であり、海外ETFのほうがコストの低い商品が多い。また、この1銘柄のみしか選択肢がないため、他の代表的な株価指数であるSENSEX指数などへの投資はできない。

・方法4……投資信託とは?インド株を投資信託で買うメリット・デメリット

インド株を購入する方法として投資信託を活用する方法もある。投資信託には特定の株価指数へ連動するように運用されるインデックスファンドと、細かく銘柄選別を行って投資を行うアクティブファンドがある。

インド株を投資信託で購入するメリットは主要株価指数に反映されない企業へ投資ができる可能性がある点だ。アクティブファンドであれば、独自の調査によって銘柄選別を行うため、有望な成長企業へ投資を行う場合もある。また、投資信託であれば、取り扱う金融機関も多いため、銀行などでも投資ができる。

一方でインド株を投資信託で購入するデメリットはコストの高さであろう。特にアクティブファンドの場合、運用管理コストにあたる信託報酬が2%超となるファンドも多い。運用のプロに銘柄選定を任せるコストであるため、割高になるのは当然であるが、ETFよりも多くのコストを支払う必要が生じる。

3,インド株(ADR・海外ETF)が買える日本の証券会社5社を比較

日本からインド株を購入する4つの方法のうち、ADRと海外ETFを活用する場合、購入できる証券会社は限られる。ここではネット証券4社に対面証券最大手である野村證券を加えた5社で違いを比較していこう。

各社の違いをまとめた表は以下の通りである(情報は2021年1月25日時点)。

取引手数料
(ADR・
米国ETF)
最低取引
手数料
(ADR・
米国ETF)
インドADR
銘柄数
インドETF
銘柄数
為替
スプレッド
(米ドル)
SBI証券 0.495%
(税込)
0ドル 8銘柄 5銘柄 0.25円
楽天証券 0.495%
(税込)
0ドル 14銘柄 6銘柄 0.25円
マネックス証券 0.495%
(税込)
0ドル 8銘柄 5銘柄 0.25円
DMM.com
証券
0ドル 0ドル 8銘柄 0銘柄 0.25円
野村證券 1.1945%
※1、2
2,389円
※2
6銘柄 4銘柄 0.50円
※3
※2021年1月25日時点の各社ホームページ( SBI証券楽天証券マネックス証券DMM証券野村證券)を元に作成
※1.約定代金20万円、オンライン専用支店の取引におけるオンラインサービスの場合。手数料率は約定代金によって異なる。
※2.海外金融商品市場での取引にかかる手数料は別途
※3.10万米ドル未満の場合

 

なお、上記のインド株を対象とした海外ETFの中には香港市場やシンガポール市場へ上場しているものも含まれている。これらの市場に上場する海外ETFを取引する場合には、上記の手数料とは異なり、各社が定めている市場ごとの手数料率が適用されることとなる。

続いて、各証券会社の特徴を説明していこう。

SBI証券…インドADR、インドETF共に多くの選択肢

SBI証券はインド株ADRの取扱本数が8本、インド株を対象とした海外ETFの取扱本数が5本と多く、インド株への投資において、豊富な選択肢が用意されている。ネット証券最大手として、十分な選択肢を揃えていると言えるだろう。

楽天証券…インド株ADR、インドETFの取扱本数No.1

楽天証券はインド株ADRの取扱本数が14本、インド株を対象とした海外ETFの取扱本数もSBI証券よりも多い6本と、共に主要ネット証券でトップである。インド株への投資を考える際には真っ先に選択肢としたい証券会社である。

マネックス証券…十分な銘柄数と為替手数料優遇キャンペーンが魅力

マネックス証券はインド株ADR(8本)の銘柄数、インド株を対象とした海外ETF(5本)の取扱本数も比較的多く、銘柄選択で困ることは少ないだろう。さらに、2021年7月27日時点においては、米国株取引(ADR、海外ETF含む)を行う際の為替手数料を無料とするキャンペーンを行っている。期間限定のキャンペーンではあるものの、こうしたキャンペーンが活用できる点には注目したい。

DMM.com証券…インドADRの取引手数料無料

DMM.com証券はインド株ADRの取引手数料が無料であり、コスト面で大きなメリットがある。インド株を対象とした海外ETFは取り扱っていないものの、インド株ADR銘柄数は8本と他の証券会社に引けを取らない。インド株ADRを検討する場合には注目すべき証券会社だ。

野村證券…コストは高いが豊富なレポートなどを活用できる

対面証券最大手の野村證券はインド株ADR(6本)、インド株を対象とした海外ETF(4本)の取扱本数も多い。しかし、手数料は他のネット証券に比べて割高となるため、注意が必要だ。ただし、野村證券には多くのアナリストが在籍しており、口座開設すれば、豊富なレポートが活用できる点はメリットであろう。

4,日本の証券会社でのインド株ADR・海外ETFの買い方、流れ

日本の証券会社でインド株ADRやインド株を対象とした海外ETFを購入する方法を簡単に説明しよう。

手順1……証券口座開設(外国証券取引口座)

まずは取引したい証券会社で証券口座を開設する必要がある。証券口座の開設は原則としてWEB上で行える。本人確認書類や使用する銀行口座の情報などの必要書類を準備し、各証券会社のホームページから手続きを進めることとなる。

注意したい点は、インド株ADRやインド株を対象とした海外ETFの取引はすべて米国など海外の市場での取引となるため、証券口座開設時に併せて海外証券取引口座の開設も行う必要があることだ。海外証券取引口座の開設は基本的にチェックボックスにチェックの上、必要書面にWEB上で目を通せば完了となるので、忘れずに行っておこう。

なお、すでに証券口座を開設済みの場合には、海外証券取引口座の開設も行っているかの確認を行い、まだであれば、その手続きを行う必要がある。

手順2……入金

証券口座(外国証券取引口座)を開設した後、購入に先立って買付資金を事前に入金しておく必要がある。インド株ADRやインド株を対象とした海外ETFの取引は海外市場での取引となり、外貨決済となるため、注文時から約定時の為替レートが変動することとなる。また、成行注文を行う場合には、購入銘柄の価格が買付時まで分からないこととなる。購入にあたっては余裕を持って資金を準備する必要がある。

手順3……買い注文

資金を口座に準備したら、買い注文を出すこととなるが、買い注文を出す際は、次の点を確認して発注を行う必要がある。

  • 株数
  • 指値注文か成行注文
  • 円貨決済か外貨決済

株数は各証券会社のルールによって定められるが、原則として1株から購入が可能である。また、価格を指定して発注を出す「指値注文」か、価格を指定せず発注を出す「成行注文」を選択することもできる。価格のブレを避けるため、なるべく指値注文を行うようにしたい。また、すでに外貨を準備している場合には外貨決済を、そうでない場合は円貨決済を選択する。

なお、海外市場は取引時間が日本と異なり、米国市場の場合は23時30分~翌6時(サマータイム時は22時30分~翌5時)となる。

5,おすすめインド株(ADR)5選

国内の主要ネット証券で購入できるインド株ADRのうち、おすすめのインド株ADRを5銘柄ピックアップして紹介しよう。

株価は2021年1月22日の終値、配当利回りは過去1年間の配当金をベースに現在株価より算出している。

銘柄名 ティッカー
コード
業種 株価 配当
利回り
売買
単位
最低
投資金額
(1ドル=
105円)
タタ・モーターズ TTM 自動車 19.57ドル - 1株 19.57ドル
(約2,050円)
インフォシス INFY ソフト
ウェア
18.18ドル 1.58% 1株 18.18ドル
(約1,910円)
ウィプロ WIT 情報処理
サービス
6.55ドル 0.21% 1株 6.55ドル
(約690円)
ドクター・
レディース・
ラボラトリーズ
RDY 医薬品 68.83ドル 0.48% 1株 68.83ドル
(約7,230円)
HDFCバンク HDB 金融
(銀行)
74.25ドル 0.59% 1株 74.25ドル
(約7,800円)
※筆者作成

 

各銘柄について、簡単に説明をしていこう。

タタ・モーターズ……インドを代表する自動車メーカー

タタ・モーターズはインド3大財閥の一つ、タタ・グループの自動車部門であり、インド最大の自動車メーカーである。商用車部門に強みを持つことに加え、英高級車ブランド「ジャガー・ランドローバー」を傘下にもつことでも知られている。インドを代表するグローバル企業である。近年は中国などでの需要低迷に加え、新型コロナウイルスの影響もあり、業績面で厳しい状況となっているが、インドの内需を考えれば、伸びしろも大きい。

インフォシス……インドの巨大ITサービス企業

インフォシスはバンガロールに本社を置く、インド有数のITサービス企業である。ソフトウェアの受託開発業務に加え、ITコンサルティング業務なども手掛ける。北米での売上高も大きく、グローバルな展開にも力を入れる。近年も成長を続けており、新型コロナウイルスの影響を受けた2021年3月期においても前期比増収の予想を立てている。

ウィプロ……インフォシスと双璧をなすITサービス大手

ウィプロはバンガロールに本社を置き、インフォシス、タタ・グループの一角であるタタ・コンサルタンシ―・サービシズと並ぶインド大手IT企業である。ソフトウェア開発・保守の他、情報システムのアウトソーシング・ソリューションなどにも力を入れる。直近は新型コロナウイルスの影響などで業績も伸び悩むが、世界に誇るインドIT企業の1社であり、注目したい企業だ。

ドクター・レディース・ラボラトリーズ……インドの大手製薬会社

ドクター・レディース・ラボラトリーズはインドの大手製薬会社である。主に後発薬(ジェネリック)の製造・販売に強みを持ち、取り扱う後発薬は200種以上、約80カ国へ提供している。グローバルな展開に加え、研究開発費を多く投じる点にも特徴がある。

HDFCバンク……インドの大手商業銀行

HDFCバンクはインド中央銀行から独立した商業銀行である。法人向け融資や中高所得者向けの金融サービスに強みを持つ。インド全国に展開しており、人口13億人を誇る巨大市場を営業基盤とする点に大きなアドバンテージがある。

6,おすすめインドETF5選

続いて、国内の主要ネット証券で購入できるインド株を対象とする海外ETFのうち、おすすめのインドETFを5銘柄ピックアップして紹介しよう。

株価は2021年1月22日の終値、分配金利回りは過去1年間の分配金をベースに現在株価より算出している。

銘柄コード ティッカー
コード
株価 経費率 分配金
利回り
純資産
総額
(1ドル=
105円)
売買
単位
最低
投資金額
(1ドル
=105円、
1香港ドル
=13.3円)
ウィズダムツリー・
インド株収益ファンド
EPI:US 30.05
ドル
0.85% 1.07% 753.663
百万米ドル
(約790億円)
1口 30.05ドル
(約3,160円)
ヴァンエック・
ベクトル・
インド小型株ETF
GLIN:US 34.27
ドル
0.80% 0.23% 70.377
百万米ドル
(約73億円)
1口 34.27ドル
(約3,600円)
iシェアーズ・
MSCIインディア
INDIA:SP 10.29
ドル
1.00% - 88.392
百万米ドル
(約92億円)
100口 1,029ドル
(約10万
8,000円)
iシェアーズ S&P
BSEセンセックス・
インディア・
インデックスETF
2836:HK 29.90
香港ドル
0.64% - 95.216
百万米ドル
(約100億円)
200口 5,980
香港ドル
(約8万円)
db xトラッカーズ・
ニフティ50・
UCITS ETF
3015:HK 1,502.00
香港ドル
0.85% - 133.946
百万米ドル
(約140億円)
5口 7,510
香港ドル
(約10万円)
※筆者作成

 

各銘柄について、簡単に説明をしていこう。

ウィズダムツリー・インド株収益ファンド……大型株から小型株まで約300銘柄が対象

ウィズダムツリー・インド株収益ファンドは米国市場に上場する海外ETFである。ベンチマークは運用会社が独自に算出するウィズダムツリー・インディア・アーニング・インデックスであり、大型株から小型株まで幅広く対象とし、利益額で加重した銘柄構成である点に特徴がある。インドの主要指数であるSENSEX指数やNifty50指数よりも銘柄数が多く、分散投資を行う場合には積極的に選択肢としたい銘柄だ。

ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF……インドの小型株に特化したETF

ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETFは米国市場に上場する海外ETFである。ベンチマークはマーケット・べクトル・インド小型株インデックスと呼ばれる指数であり、インドの小型株に特化している。組入銘柄数は約80銘柄である。小型株に特化したETFであるため、インドの主要株価指数であるSENSEX指数やNifty50指数を対象とするETFと組み合わせれば、分散効果が期待できるだろう。

iシェアーズ・ MSCIインディア……インドの大型・中型株を対象としたスタンダードなETF

iシェアーズ・ MSCIインディアはシンガポール市場に上場する海外ETFである。ベンチマークは米MSCI社が算出するMSCIインディア・インデックスであり、インドの大型・中型株の約100銘柄で構成されている。インドにはボンベイ証券取引所やナショナル証券取引所など複数の証券取引所があるが、このETFを活用すれば、複数の取引所の主要銘柄へ万遍なく投資を行うことができる。なお、先程説明した5社のうち、楽天証券、野村證券でのみ取り扱いがある。

iシェアーズ S&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF……インドの主要株価指数SENSEX指数へ低コストで投資

iシェアーズS&P・BSEセンセックス・インディア・インデックスETFは香港市場へ上場する海外ETFである。ベンチマークはS&P BSE SENSEXインデックス(SENSEX指数)だ。SENSEX指数はインドのボンベイ証券取引所に上場する30銘柄から構成されるインドを代表する株価指数である。銘柄数はやや少ないものの、インドの主要株価指数へシンプルに投資ができる。また、経費率も0.64%と低く、低コストで投資ができる点もメリットだ。

db xトラッカーズ・ニフティ50・UCITS ETF……インドの主要株価指数Nifty50へ投資

db xトラッカーズ・ニフティ50・UCITS ETFは香港市場へ上場する海外ETFである。ベンチマークはNifty50指数だ。Nifty50指数はインドのナショナル証券取引所に上場する50銘柄で構成される。SENSEX指数と並ぶインドの代表的な株価指数である。インドの主要指数へ低コストでシンプルに投資ができるETFとして、選択肢に加えたいETFだ。

7,インド株を買うときの3つの注意点

インド株を購入する際の注意点も説明しておこう。主に次の3点に気を付けたい。

注意点1……根強く残るインフレ懸念

インドは長年国内のインフレに悩まされてきた。モディ首相の就任以来、インフレ率は低下傾向にあったが、足下ではインフレ率の減少は鈍化しており、高止まり懸念もある。インフレ懸念は金融緩和政策の足かせになる可能性もあり、今後の成長を阻害してしまう可能性もはらむ。

注意点2……モディノミクスの成功でもまだ経済環境は脆弱

モディノミクスによって経済環境は大きく改善しているが、それでもインドは新興国市場としての脆弱性が大きく残る。インフラ整備も途上であり、まだまだ国内の経済格差は大きい。また、中国でも問題となった不良債権問題を抱える金融機関も多い。その中で新型コロナウイルスの影響を受けており、今後の経済の状況には十分に注意して投資を行う必要があるだろう。

注意点3……日本からの投資では時差にも注意

日本からインド市場へ直接投資を行うことはできない。そのため、インド株へ投資を行う場合には、米国市場などでADRや海外ETFへ投資を行う必要がある。しかし、米国市場での取引は米国の市場が動いている間での取引となるため、インド市場が動いている時間とは時差が生じる。インド市場で大きな変動があった場合でも、取引は米国市場の開場を待つ必要があるので、リスク管理は十分に行っておく必要があろう。

8,インドへの投資はポートフォリオの大きなアクセント

新興国市場への投資は高いリターンを得られる可能性があり、ポートフォリオにアクセントを加える上で非常に重要な役割を果たす。これまでもBRICsという括りでブラジル、ロシア、インド、中国などが注目されたが、多くの国では構造的な問題が表面化し、勢いが落ち込んでいる。

インドは新興国の中でも有数の勢いがある有望市場となった。13億人を超える人口を抱え、今後の成長の余地も大きい。インドへの投資はポートフォリオの大きなアクセントとなる可能性がある。もちろん、インドにもカントリーリスクはあり、十分なリスク管理は必要だ。今回紹介した国内からインド株へ投資を行う方法を駆使し、ポートフォリオの一部にインドの成長を取り入れることを検討してみると良いだろう。

 

樋口壮一
執筆・樋口壮一
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP
新卒で証券会社に入社後、10年間リテール営業、ホールセール営業を経験。現在は事業会社の営業企画部門に努める傍ら、個人として投資を行い、マーケットに携わる。AFP

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