ANAホールディングス <9202> と日本航空(JAL) <9201>の株主優待の特徴は、国内線運賃が50%割引になる株主割引券だ。同じくらいの投資額であればANAのほうがより多くの割引券をもらえるのでおすすめだ。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | ||
現物取引手数料 <1約定ごとプラン> |
〜5万円 | 55円 | 55円 | 55円 | 55円 | - |
〜10万円 | 99円 | 99円 | 99円 | 99円 | ||
〜50万円 | 275円 | 275円 | 275円 | 275円 | ||
〜100万円 | 535円 | 535円 | 535円 | 535円 | ||
現物取引手数料 <1日定額プラン> |
〜50万円 | 0円※1 | 550円 | 0円 | 0円 | 0円 |
〜100万円 | 1,100円 | |||||
〜150万円 | 1,238円 | 2,750円 | 2,200円 | 2,200円 | 2,200円 | |
〜200万円 | ||||||
〜300万円 | 1,691円 | 3,300円 | 3,300円 | 3,300円 | ||
現物取引 手数料優遇制度 |
・25歳以下手数料無料 ・国内株式手数料マイレージ |
・<1約定ごとプラン> 手数料半額還元(月間手数料30万円以上) ・<1日定額プラン> 日計り取引手数料片道分還元 |
・25歳以下手数料無料 ・シニア割 ・NISA割 ・株主推進割 ・auで株式割 ・au割+ |
超割ポイント プログラム |
25歳以下 手数料無料 |
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詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
目次
ANAとJALの株主になるには?株価や優待を受けるための最低投資額は?
株主になるには、権利確定日から起算して3営業日前の権利付最終日までに株を購入する(買付注文が約定される)必要がある。
2023年3月と9月の権利付最終日と権利確定日、株主優待の発行時期、優待割引権の有効期間は以下のとおりだ。
3月権利確定分 | 9月権利確定分 | |
権利確定日 (発行基準日) |
2023年3月31日(金) | 2023年9月30日(土) |
権利付最終日 | 2023年3月29日(水) | 2023年9月28日(木) |
株主優待発行時期 | 5月中旬 | 11月中旬 |
有効期間 | <ANA> 6月1日から翌年5月31日 <JAL> 6月1日から翌年11月30日 |
<ANA> 12月1日から翌年11月30日 <JAL> 12月1日から翌々年5月31日 |
・ANAとJALの株価と最低投資額は?
ANAとJALの株価と、株の購入に必要な最低投資額(取引手数料を除く)は以下のとおりだ。
銘柄 | コード | 株価 | 最低投資額 |
---|---|---|---|
ANAホールディングス | 9202 | 2865.5円 | 28万6,550円 |
日本航空(JAL) | 9201 | 2,723円 | 27万2,300円 |
▼ANAホールディングス <9202> 株価推移
▼JAL<9201>株価推移
新型コロナウイルスの感染拡大は航空業界を直撃した。入国制限や移動の自粛による旅客需要の減少を受け、両社ともに2021年3月期、2022年3月期と2期連続で大幅な赤字となった。
しかし2023年2月2日に両社が発表した2022年4~12月期連結決算は、両社とも純利益が黒字に。日本の水際対策緩和や円安を追い風に国際線の旅客需要も回復に向かっており、2023年3月期は黒字化を見込んでいる。
両社の株価は、新型コロナウイルスの発生を受け、2020年1月から3月にかけて大きく下落した。2023年1月現在も急落前を下回る水準で推移している。
2022年以降は旅客需要の回復が進み、株価も上昇基調にある。為替の影響や燃油市況による費用増加という懸念材料はあるものの、旅客需要の本格的な回復による株価上昇に期待したい。
最低投資額は、ANA、JALともに30万円弱でほとんど差はありません。株主割引券の有効期間は、ANAが1年間であるのに対してJALは1年6ヵ月であり、JALのほうがより余裕を持って利用できます。
(公式サイト)
ANAとJALの株主優待を徹底比較!両社とも国内線運賃の割引がメイン
株主優待内容 | ANAホールディングス | 日本航空(JAL) | ||
---|---|---|---|---|
国内線搭乗優待 | 株主優待番号 ご案内書 |
国内線株主優待割引運賃 (ANA FLEX D運賃の 50%割引) ・株主優待番号1つにつき 1名分、片道1区間 ・保有株数に応じた枚数の 「株主優待番号ご案内書」 が発行される ・プレミアムクラスへの 変更も可能 |
株主 割引券 |
国内線普通席運賃の 50%割引(※1) ・割引券1枚で1名分、 片道1区間 ・保有株数に応じた枚数の 「株主割引券」が 発行される ・クラスJまたは ファーストクラスへの 変更も可能 |
マイル積算率 | ・区間基本マイルの75% ・プレミアム株主優待 割引運賃は125% |
・区間基本マイルの75% ・クラスJ株主割引 利用時は85% ・ファーストクラス 株主割引利用時は125% |
||
グループ内ホテル、 提携ホテル優待 |
ANA グループ 優待券1冊 (優待クーポン18枚) |
・提携ホテル室料 20%割引 ・対象ホテル飲食費 10%割引 |
- | |
パッケージツアー 割引 |
・ANAトラベラーズ ダイナミックパッケージ (国内/海外)の支払いに 利用できるクーポン (旅行代金総額に応じて、 国内1,000円〜7,500円分、 海外1,000円〜3万円分) ・対象の海外・国内ツアー商品 5%割引 |
海外・国内旅行商品 割引券 |
・対象の海外旅行商品 2〜7%割引 ・対象の国内旅行商品 2%割引 ・1枚で株主含む参加者 全員割引 (100~199株保有の場合は 5月のみ国内・海外各2枚発行、 200株以上保有の場合は 5月と11月に国内・ 海外各2枚、年間4枚発行) |
|
空港内売店での 買い物割引 |
空港内売店または 免税店での買い物 10%割引×5枚 |
- | ||
ゴルフ料金割引 | ・「武蔵の杜カントリークラブ」 ゴルフプレー料金 優待券×4枚 ・「早来カントリー倶楽部」 ゴルフプレー料金 優待券×3枚 ※1枚で4名まで 利用可能 |
- | ||
通信販売 | 株主限定通信販売 | - | ||
その他の株主 サービス |
「株主様専用サイト」 ・機体工場見学 ・ANAカレンダー ・株主特別価格による通信販売 |
「株主特別企画」 ・JAL工場見学 「SKY MUSEUM」など |
(公式サイト)
ANAとJALの搭乗運賃割引券の発行枚数の違いは?
ANAもJALも、国内線普通席の運賃が50%割引になる株主割引券が発行される点は同じだ。しかし、所有株数に応じた発行枚数基準に違いがある。
保有株数 | ANA | JAL | ||
---|---|---|---|---|
3月権利獲得分 | 9月権利獲得分 | 3月権利獲得分 | 9月権利獲得分 | |
100株 | 1枚 | 1枚 | 1枚 | - |
200株 | 2枚 | 2枚 | 1枚 | 1枚 |
300株 | 3枚 | 3枚 | 2枚 (3枚) |
1枚 (2枚) |
400株 | 4枚 | 4枚 | 2枚 (3枚) |
2枚 (3枚) |
500株 | 3枚 (4枚) |
2枚 (3枚) |
||
600株 | 5枚 | 5枚 | 3枚 (4枚) |
3枚 (4枚) |
700株 | 4枚 (5枚) |
3枚 (4枚) |
||
800株 | 6枚 | 6枚 | 4枚 (5枚) |
4枚 (5枚) |
900株 | 5枚 (6枚) |
4枚 (5枚) |
||
1,000株 | 7枚 | 7枚 | 5枚 (7枚) |
5枚 (7枚) |
上表のとおり、保有株数が同じならANAのほうが受け取れる枚数は多い。
なお、JALでは300株以上を3年以上継続して保有する株主に対して株主割引券を追加発行している( 7基準日連続、同一株主番号で株主名簿に記載された株主が対象)。
追加発行される枚数は、300株以上保有する株主が各基準日ごとに1枚(年2枚)、1,000株以上保有する株主が2枚(年4枚)だ。長期保有すればANAとの差は縮まる。
株主割引後の運賃でもANAのほうが安い傾向がある。
航空会社 | 株主割引運賃(カッコ内は基準運賃) | |
---|---|---|
通常時 | ピーク時 | |
ANA | 1万9,600円 (3万9,200円) |
2万750円 (4万1,500円) |
JAL | 2万650円 (4万1,250円) |
2万1,950円 (4万3,850円) |
ANAとJALの株を買うならどこがおすすめ?手数料が安いネット証券5選
1日定額プランの場合は、SBIネオトレード証券やGMOクリック証券、SBI証券、楽天証券が良いだろう。これらの証券会社では、1日の約定代金の合計で100万円までは手数料がかからない。
国内株式の取引手数料体系には、1注文ごとの約定代金に応じて手数料が決まる「1約定ごとプラン」と、1日の約定代金の合計金額に応じて手数料が決まる「1日定額プラン」がある(手数料プランの名称や取り扱いの有無は証券会社によって異なる)。
ANA株、JAL株の優待を獲得するために必要な投資金額と、各証券会社でかかる取引手数料は次のとおりだ。取引手数料欄のカッコ内の金額は、1日の約定代金合計額に応じて手数料が決まる「1日定額プラン」を利用し、その日に他の取引がなかった場合の手数料を記載した。
1日定額プランの場合、2023年1月20日時点のANAとJALの株価水準であれば、それぞれ300株まで手数料無料で購入できる(同じ日に他の取引をしない場合)。1日に400株以上購入するのであれば、SBIネオトレード証券の手数料が最も安い。
1日定額プランに手数料無料枠のある証券会社を利用する場合、購入する日を分けて1日あたりの約定代金を100万円以内に抑えれば、手数料をかけず購入できます。
(公式サイト)
ANAとJAL、株主優待がおすすめなのはどっち?
・100株だけでも株主優待を満喫したい人は「ANA」がおすすめ
100株保有の場合を見ると、ANAは「株主優待番号ご案内書」と「ANAグループ優待券」を年2回受け取ることができるのに対して、JALでは「株主割引券」と「海外・国内旅行商品割引券」が発行されるのは年1回のみだ(200株以上保有で年2回)。
ANAなら、100株しか保有できず割引運賃を年2回しか利用できなくても、大株主と同じように株主1人につき1冊ずつグループ優待券が発行されます。これを使って、さまざまなANAのサービスを安く利用できるメリットがあります。
(公式サイト)
・年に数回は家族や友人と旅行に行きたい人は「JAL」がおすすめ
割引券をもらうには、3月末時点で100株以上の保有が必要だ。100株以上であれば保有株数にかかわらず、5月に海外旅行商品割引券と国内旅行商品割引券をそれぞれ2枚ずつもらえる。
9月末時点で200株以上保有している株主には、11月にもそれぞれ2枚ずつ割引券が発行される。
(公式サイト)
ANAの株主優待の2つの特徴 豊富な優待内容、専用サイトの設置
国内線搭乗割引サービス(50%割引)以外の、ANAの株主優待の主な特徴は2つだ。
特徴1,「ANAグループ優待券」の優待内容がバラエティに富んでいる
「ANAグループ優待券」の株主優待サービスはバラエティに富んでおり、グループが手掛けるさまざまな事業で優待を受けられる。
・ANAグループ各社国内・海外ツアー料金割引(旅行代金に応じた割引クーポン、旅行代金5%割引)
・空港内売店あるいは免税店での買物代金10%割引
・対象ゴルフコースでの優待料金利用
・株主限定の通信販売
特徴2,「株主様専用サイト」が用意されている
「株主様専用サイト」では、株主優待情報が提供されるだけでなく、人気のあるANA機体工場見学の申し込みができたり、株主に配布されるカレンダーの種類(壁掛け型または卓上型)を選べたりする。
ほかにもANA優待旅行商品の申し込みができたり、厳選された通信販売商品を株主特別価格で購入できたりします。株主でなければログインできないサイトには特別感を感じるでしょう。
JALの株主優待の2つの特徴 何人でも割引になる優待、特別企画展
国内線搭乗割引サービス(50%割引)以外の、JALの株主優待の特徴は2つだ。
特徴1,「海外・国内ツアー割引券」は大人数の旅行でも参加者全員が割引対象
JALの「海外・国内ツアー割引券」は、保有株数によって配布枚数が異なる。
・海外旅行商品割引券2枚と国内旅行商品割引券2枚
・それぞれ海外旅行商品割引券2枚と国内旅行商品割引券2枚(年間では各4枚)
一般的な割引券だと1枚で利用できる人数には制限があるので、参加者全員が割引対象になるJALの優待サービスは魅力的です。
特徴2,趣向を凝らした「株主特別企画」
例年100株以上を保有する株主を対象に、工場見学などの特別企画が用意されている。
概要:大型のマルチディスプレイなどを導入して全面リニューアルした展示エリアや格納庫の見学
企画B(大阪地区)「伊丹空港 客室訓練施設・工場見学」
概要:伊丹空港の格納庫見学やJ-AIRの客室訓練施設見学
企画Aは各回50名(株主1名につき同伴者3名まで可)の4回(計200名)、企画Bは各回30名(同)の2回(計60名)の定員があり、参加は抽選制だ。
定員が少なく狭き門と言えますが、一般に公開されていない客室訓練施設の見学などは貴重です。
株主優待を目的としたANAやJALへの投資は意味があるのか?
ANAやJALは100株購入するにも30万円程度の資金が必要になるため、株式投資初心者にはやや敷居が高いかもしれない。
しかし両社とも国内線の搭乗割引サービスやツアーの割引など株主優待が充実しているので、ANAまたはJALの株式を購入することは、初心者であっても検討に値するだろう。
お盆や正月、ゴールデンウィークなどの繁忙期は株主優待用の座席数が制限され、予約時期によっては完売することもある。その点に気をつければ、どちらも株主優待のメリットを大いに活かせる銘柄と言えるだろう。
ANAとJALの株主優待についてよくある11のQ&A
JALでは3年以上の長期保有株主に対して株主割引券を追加発行しており、長期保有すればANAとの枚数差は縮まる。
これに伴い、2020年3月期の期末配当から2023年3月期の中間配当まで無配が続いている状況だ。2023年3月期の期末配当での復配を目指しているが、2023年1月20日時点では未定となっている。
地政学リスクの長期化や原油市況の高騰等のリスクへの警戒は引き続き必要なものの、今後大きなイベントリスクが発生しない限り、当社は今期の業績目標の達成と、2023年3月期末での復配を目指しております。
出典:「配当情報|JALホームページ」(2023年1月20日閲覧)
旅客需要は回復に向かっており、2023年3月期には黒字転換を見込んでいるが、復配は2024年3月期以降にずれ込みそうだ。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。
■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル
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