旅行好きな人に人気の株主優待銘柄と言えば、ANAホールディングス <9202> と日本航空(JAL) <9201> 。今回は、ANAとJALのどちらがお得かについて探っていこう。両社の株主優待を受けるために必要な投資額や株主優待の内容、両社の株主優待の違いなども含めて解説する。

目次

  1. 1,ANAとJALの株主優待を獲得する方法 株価と最低投資額、購入方法は?
  2. 2,ANAとJALの株主優待を徹底比較 両社とも国内線運賃の割引がメイン
  3. 3,ANAの株主優待の2つの特徴 豊富な優待内容、専用サイトの設置
  4. 4,JALの株主優待の2つの特徴 何人でも割引になる優待、特別企画展
  5. 5,ANAとJALの株主優待の違いは? チェックすべきは搭乗運賃割引券の発行枚数基準
  6. 6,投資タイプ別!ANAとJAL、株主優待がお得なのはどちら?
  7. 7,株主優待を目的としたANAやJALへの投資は意味があるのか?
  8. ANAとJALの株主優待についてよくある5つのQ&A
  9. ANAとJALの株主優待が欲しいなら……

1,ANAとJALの株主優待を獲得する方法 株価と最低投資額、購入方法は?

1.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
2021年8月27日時点での株価推移 (※dメニューマネーより引用)
ANAやJALの株主優待を受けるためには、各銘柄を単元株(100株)以上購入し、権利確定日の3月31日と9月30日に株主名簿に名前が載っている必要がある。

株の購入に必要な最低投資額(取引手数料と消費税を除く)は以下のとおりだ。株価は、2021年8月27日終値を採用した。

銘柄 コード 株価 最低投資額
ANAホールディングス 9202 2,653円 26万5,300円
日本航空(JAL) 9201 2,364円 23万6400円
※筆者作成


株主優待の権利を得るには、権利確定日から起算して3営業日前の権利付最終日までに、欲しい銘柄の買付注文が約定される必要があります。

2021年9月、2022年3月の権利付最終日と権利確定日、株主優待番号発送日は以下のとおりだ。

権利付最終日 2021年9月28日(火) 2022年3月29日(火)
権利確定日 2021年9月30日(木) 2022年3月31日(木)
株主優待番号等発送日 11月中旬 5月中旬
※筆者作成


近藤真理

ANA、JALともに、最低投資額は25万円前後。普段使う航空会社を特に決めておらず、株主優待目当てで購入する場合はどちらに投資するか迷うかもしれません。

2,ANAとJALの株主優待を徹底比較 両社とも国内線運賃の割引がメイン

2.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=aapsky/stock.adobe.com)
ANAとJALの株主優待内容は、どちらも国内線の運賃割引が主体で、そのほかにいくつかの優待サービスがあります。

両社が提供する株主優待内容を、簡単に比較しておこう。

ANAとJALの株主優待比較表(2021年8月1日現在)

株主優待内容 ANAホールディングス 日本航空(JAL)
国内線搭乗優待 株主優待番号
ご案内書
国内線株主優待割引運賃
(ANA FLEX Dの
50%割引)
・株主優待番号1つにつき
割引運賃1件
・ご案内書は保有株数に
応じた枚数を発行
・プレミアムクラスへの
変更も可能
株主割引券 国内線普通席運賃の
50%割引
・割引券1枚で1名分
・保有株数に応じた枚数を発行
・クラスJまたは
ファーストクラスへの
変更も可能
マイル積算率 ・区間基本マイルの75%
・プレミアム株主優待
割引運賃は125%
・区間基本マイルの75%
・クラスJは85%
・ファーストクラスは125%
グループ内
ホテル、
提携ホテル優待
ANA
グループ
優待券一冊
(優待クーポン18枚)
・提携ホテル室料
20%割引
・ホテル飲食費
10%割引
パッケージツアー
割引
対象の海外・国内ツアー商品
5%~7%割引
(1枚で5人まで)
海外・国内ツアー
割引券
・対象の海外ツアー
7%割引×2枚
・対象の国内ツアー
7%割引×2枚
・1枚で株主含む参加者
全員割引
(100~199株保有は
5月のみ発行、200株以上
保有は5月と11月発行)
空港内売店での
買い物割引
空港内売店または
免税店での買物
10%割引×5枚
ゴルフ料金割引 ・「武蔵の杜カントリークラブ」
ゴルフプレー
優待券×4枚
・「早来カントリー倶楽部」
ゴルフプレー
優待券×3枚
※1枚で4名まで
利用可能
通信販売 株主限定通信販売
その他の株主
サービス
「株主様専用サイト」
・機体工場見学
・ANAカレンダー
・株主特別価格による通信販売
「株主特別企画」
・客室サービス訓練見学会
・JAL工場見学「SKY MUSEUM」
※上記比較表は、ANAのホームページおよびJALのホームページの株主優待情報から抽出して作成した
※2社とも工場見学は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため休止中(2021年6月30日時点)


ANAとJALの株主優待のメインとなる国内線搭乗割引サービスは、どちらも普通席の大人普通運賃または普通席の小児普通運賃が50%割引になります。

次項以降では、両社の株主優待の特徴と違いを掘り下げていく。


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3,ANAの株主優待の2つの特徴 豊富な優待内容、専用サイトの設置

3.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=編集部作成)

国内線搭乗割引サービス(50%割引)以外の、ANAの株主優待の主な特徴は2つだ。

  • 「ANAグループ優待券」(株主1人につき1冊ずつ)
  • 「株主様専用サイト」の利用

ANAの株主優待の特徴1,「ANAグループ優待券」の優待内容がバラエティに富んでいる

「ANAグループ優待券」で利用できる株主優待サービスは、ANAグループが手掛けるさまざまな事業に紐付いており、バラエティに富んでいる。

・ANAグループの対象ホテル内での各種割引(室料20%割引、レストランまたはバーでの飲食代10%割引)
・対象のANAパッケージツアー料金の5%割引
・空港内売店あるいは免税店での買物代金10%割引
・対象ゴルフコースでの優待料金利用
・株主限定の通信販売
ANAグループ優待券は、優待クーポン18枚が入った冊子。100株以上保有の株主に対して1人1冊発行されます。
近藤真理

夏休みや年末年始の休みに国内旅行を計画する際には、割引搭乗券をはじめホテルの宿泊費、飲食代、買物、ゴルフなどあらゆる場面でANAの株主優待を利用できるでしょう。

ANAの株主優待の特徴2,「株主様専用サイト」が用意されている

3月末と9月末に100株以上の株式を保有している株主は、固有の株主番号でログインする「株主様専用サイト」を利用できる。

「株主様専用サイト」では、株主優待情報が提供されるだけでなく、人気のあるANA機体工場見学(コロナの影響により当面休止中)の申し込みができたり、ANAカレンダーのタイプを選べたりします。

近藤真理

他にもANA優待旅行商品の申し込みができたり、厳選された通信販売商品を株主特別価格で購入できたりします。株主でなければログインできないサイトには特別感を感じるはず。

4,JALの株主優待の2つの特徴 何人でも割引になる優待、特別企画展

4.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=編集部作成)

国内線搭乗割引サービス(50%割引)以外の、JALの株主優待の特徴は2つだ。

  • パッケージツアー料金が2%〜7%割引になる「海外・国内ツアー割引券」
  • 株主特別企画への参加

JALの株主優待の特徴1,「海外・国内ツアー割引券」は大人数の旅行でも参加者全員が割引対象

JALの「海外・国内ツアー割引券」は、保有株数によって配布枚数がことなる。

<100~199株>
・年1回(5月中旬)
・海外ツアー割引券2枚と国内ツアー割引券2枚
<200株以上>
・5月中旬と11月中旬の年2回
・それぞれ海外ツアー割引券2枚と国内ツアー割引券2枚の計8枚
割引券1枚で対象のJALパッケージツアー料金が一律2%〜7%割引になる優待サービス。最大の特徴は株主と同行する人なら誰でも、何人でも割引対象になることです。
近藤真理

一般的な割引券だと1枚で利用できる人数には制限があるので、参加者全員が割引対象になるJALの優待サービスは魅力的です。

JALの株主優待の特徴2,趣向を凝らした「株主特別企画」

株主向けの特別企画として、例年100株以上を保有する株主を対象に、企画Aと企画Bが用意されている。

(2020年の例)
・企画Aが「客室サービス訓練見学会」
・企画Bが「JAL工場見学」

企画Aの抽選応募資格は、株主とその同伴者が1名(高校生以上)。1回の定員が20名という狭き門(企画Bは各回70名)だが、なかなか体験できない客室サービス訓練を見学できるのは、話題性もあり興味深い内容となっている。

上期、下期、あるいは年度によって、企画Aの内容は変わる可能性がある。

近藤真理

2021年6月現在、コロナ禍によって「株主特別企画」は休止となっています。再開時にはJALのホームページで日程・内容が告知される予定となっています。同社ならではの趣向を凝らした貴重な体験をしたい人は、こまめにチェックしておきましょう。

5,ANAとJALの株主優待の違いは? チェックすべきは搭乗運賃割引券の発行枚数基準

5.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=vpanteon/stock.adobe.com)
ANAもJALも、国内線普通席の搭乗券が50%割引になる割引券が発行される点は同じだ。しかし、所有株数に応じた発行枚数基準には違いがあります。

1年間で受け取れる搭乗運賃割引券

保有枚数 ANA JAL
100株 2枚 1枚
200株 4枚 2枚
300株 6枚 3枚(3年保有で5枚)
1,000株 14枚 10枚(3年保有で14枚)
※筆者作成


上表のとおり、同じ保有株数ならANAのほうが受け取れる枚数は多い。ただし、JALでは3年以上の長期保有株主に対して株主割引券を追加発行している。300株保有する3年以上の株主には2枚、1,000株保有する株主には4枚が追加される。

近藤真理

2021年6月30日現在、東京-札幌間の普通席運賃は4万円程度。株主優待で50%割引になっても安いとは言えないので、余裕資金で購入できる株数と、両社から発行される割引券の枚数との兼ね合いで、どちらが自分にとってお得かを見極めましょう。

6,投資タイプ別!ANAとJAL、株主優待がお得なのはどちら?

6.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=naka/stock.adobe.com)

ANAとJALの株主優待について説明してきたが、株主優待の柱である国内線普通席搭乗券運賃の割引率は同じなので、どちらがいいか迷うこともあるだろう。

近藤真理

そんなときは、自分ライフスタイルに合った株主優待が用意されている銘柄を選択するといいでしょう。

100株だけでも株主優待を満喫したい人は「ANA」がお得

100株保有の場合を見ると、ANAは「株主優待番号ご案内書」と「ANAグループ優待券」を年2回受け取ることができるのに対して、JALでは「株主割引券」と「海外・国内ツアー割引券」が発行されるのは年1回のみだ。

100株保有でも株主優待のメリットを十分享受できるのはANAです。
近藤真理

ANAなら、割引運賃を年2回しか利用できなくても、大株主と同じように株主1人につき1冊ずつANAグループ優待券が発行されます。これを使って、さまざまなANAのサービスを安く利用できるメリットは大きいでしょう。

年に数回は家族や友人と旅行に行きたい人は「JAL」がお得

年に数回は家族や友人と旅行に行きたい人は、参加者全員のツアー料金が2%〜7%割引になるJALの「海外・国内ツアー割引券」が大いに役立つはずです。

3世代一緒の家族旅行でも、友人との旅行でも、安く旅行ができるのは旅好きな人にはありがたいはずだ。


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7,株主優待を目的としたANAやJALへの投資は意味があるのか?

7.ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?航空会社2社の違いをチェック
(画像=naka/stock.adobe.com)

ANAやJALは、どちらも値がさ株と呼ばれる株価の高い銘柄だ。単元株でも最低投資額は25万円前後になるため、株式投資初心者には敷居が高いかもしれない。

しかし両社とも国内線の搭乗割引サービスやツアーの割引など株主優待が充実しているので、ANAまたはJALの株式を購入することは、初心者であっても検討に値するだろう。

お盆や正月、ゴールデンウィークなどの繁忙期は株主優待用の座席数が制限され、予約時期によっては完売することもある。その点に気をつければ、どちらも株主優待のメリットを大いに活かせる銘柄と言えるだろう。

ANAとJALの株主優待についてよくある5つのQ&A

ANAとJALの株主優待を獲得する方法は?
ANAやJALの株主優待を受けるためには、各銘柄を単元株(100株)以上購入し、権利確定日の3月31日と9月30日に株主名簿に名前が載っている必要がある。そのため、権利確定日から起算して3営業日前の権利付最終日までに、欲しい銘柄の買付注文が約定しなければならない。

ANAの株主優待の特徴は?
株主1人につき一冊づつ配られる「ANAグループ優待券」で飛行機の搭乗券やホテルの宿泊など、ANAグループのさまざまな事業にたいして優待が受けられる。「株主様専用サイト」が用意されていて、優待情報などが確認できる。

JALの株主優待の特徴は?
「海外・国内ツアー割引券」対象のJALパッケージツアー料金が一律2%〜7%割引になる優待サービス。最大の特徴は株主と同行する人なら誰でも、何人でも割引対象になることだ。保有株数によって配られる枚数が異なる。もう一つは、株主向けの特別企画として、例年100株以上を保有する株主を対象に、工場見学などを開催。毎年内容は変わる。参加には抽選が行われる

ANAとJALの株主優待の違いは?
ANAもJALも、国内線普通席の搭乗券が50%割引になる割引券が発行される点は同じだ。しかし、所有株数に応じた発行枚数基準には違いがあり、同じ保有株数ならANAのほうが受け取れる枚数は多い。ただし、JALでは3年以上の長期保有株主に対して株主割引券を追加発行している。

株主優待を目的としたANAやJALへの投資は意味がある?
ANAやJALは、単元株でも最低投資額は25万円前後になるため、株式投資初心者には敷居が高いかもしれない。 しかし両社とも国内線の搭乗割引サービスやツアーの割引など株主優待が充実しているので、ANAまたはJALの株式を購入することは、初心者であっても検討に値するだろう。 お盆や正月、ゴールデンウィークなどの繁忙期は株主優待用の座席数が制限され、予約時期によっては完売することもあるので、その点だけ注意すれば、どちらも株主優待のメリットを大いに活かせる銘柄といえるだろう。

ANAとJALの株主優待が欲しいなら……

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近藤真理
執筆・近藤真理
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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