eMAXISはここ数年で急激に純資産残高を伸ばしている投資信託シリーズで、eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)はそのなかの1つのブランドだ。eMAXIS Slimの特徴を押さえながら、NISAやつみたてNISAで購入するときの注意点を考えてみたい。

目次

  1. 1,eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)とは?
  2. 2,eMAXIS SlimシリーズとeMAXISシリーズとの違いとは?
  3. 3,eMAXIS Slimシリーズの取り扱いがある金融機関とつみたてNISA(積立NISA)対象銘柄
  4. 4,eMAXIS Slimシリーズを初心者が買うメリット・デメリット
  5. 5,NISA口座にeMAXIS Slimシリーズがあれば購入を検討
  6. つみたてNISAを始めたい人におすすめの証券会社はこちら

1,eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)とは?

1.つみたてNISAで人気のeMAXIS Slimを徹底解説!
(画像=編集部作成)
eMAXISとは?
「ネット向け投信」と呼ばれる、主にインターネット経由で取引される投資信託(一部販売会社では店頭での取引も可能)。eMAXISシリーズとは三菱UFJ国際投信が設定・運用する投資信託ラインアップの総称。
eMAXISの特徴
  • シリーズに含まれる商品は59本で、すべてノーロードのインデックスファンド
  • 投資対象地域は国内のみならず先進国・新興国あるいは全世界
  • 投資対象資産は株式・債券・REIT、複数の資産を組み合わせたバランス型と幅広い
篠田わかな

eMAXISは販売手数料がかからず特定の指数に連動する投資成果をめざすタイプの商品をラインアップしており、初心者にも分かりやすいのも魅力です。また徹底したコスト業界最低水準を目指しており、たびたび信託報酬の引き下げを行っています。

eMAXISシリーズは2009年10月に設定開始し、順調に合計純資産残高を伸ばしている。2019年12月には5,000億円に到達し、2021年1月には1兆円を突破した。出典:三菱UFJ国際投信『ノーロード・インデックスファンド「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズ合計純資産残高 1 兆円を突破」

eMAXIS SlimはeMAXISシリーズのうちの1つ

eMAXISには次のとおり、いくつかの種類がある。

  • ベーシックな「eMAXIS
  • より低コストを意識した「eMAXIS Slim」
  • コモディティなどハイリスク商品を対象とした「eMAXISプラス」
  • 宇宙開発・ロボット・自動運転などテーマ投資ができる「eMAXIS Neo」
篠田わかな

eMAXIS Slimは13商品を展開しているシリーズです。eMAXISシリーズの残高のうち45%を占めるほど好調なので、今後さらにeMAXIS Slimが追加される可能性は高いでしょう。出典:三菱UFJ国際投信『eMAXIS Slim』

eMAXISに似た投資信託もある

eMAXISに類似した投資信託は以下のとおりだ。

・三井住友トラスト・アセットマネジメント「SMTインデックスシリーズ」
・ニッセイアセットマネジメント「購入・換金手数料なし」シリーズ
・野村アセットマネジメント「ファンズアイ(Funds-i)」
・アセットマネジメントOne「たわらノーロード」 など

2,eMAXIS SlimシリーズとeMAXISシリーズとの違いとは?

2.つみたてNISAで人気のeMAXIS Slimを徹底解説!
(画像=編集部作成)

eMAXIS SlimとeMAXISは名前も類似し、同じような指標のインデックスファンドを扱っているため混同されがちだ。2つの違いを「手数料」と「販売チャネル」から比較してみよう。

手数料(信託報酬)……eMAXIS SlimシリーズのほうがeMAXISシリーズよりも安い

両シリーズの大きな違いはコストです。販売手数料が無料なのは共通していますが、保有中に発生する信託報酬はeMAXIS Slimシリーズのほうが低めです。

試しに同じインデックス(指標)をベンチマークとする投資信託がeMAXIS SlimシリーズとeMAXISシリーズとではどう違うのか比較してみよう(2021年7月9日を基準日とする)。

<eMAXIS Slim先進国株式>
基準価額:1万7,706円
純資産総額:2,241.09億円
信託報酬:年率0.1023%(税抜 年率0.093%)以内
出典:三菱UFJ国際投信『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』
<eMAXIS先進国株式>
基準価額:3万9,690円
純資産総額:481.56億円
信託報酬:年率0.66%(税抜 年率0.6%)以内
出典:三菱UFJ国際投信『eMAXIS 先進国株式インデックス』

いずれも日本を除く先進国の株価動向を示す「MSCIコクサイ・インデックス」と連動する投資成果をめざすファンドだ。基準価額はeMAXISのほうが高いが、純資産総額ではeMAXIS Slimが好調のようだ。

注目すべきは信託報酬の差で、0.5%以上の開きがある点です。

投資金額100万円、運用期間5年でシミュレーションすると、信託報酬の年率の違いが支払うコストに与えるインパクトは大きい。

eMAXIS Slim(信託報酬:年率0.1023%)=5,102円
eMAXIS(信託報酬:年率0.66%)=3万4,118円

上記のようにeMAXISのほうがeMAXIS Slimよりもコストが3万円弱高い。

篠田わかな

インデックス投資はハイリターンが見込める投資法ではないため、ひかえめな収益を目減りさせる手数料はできる限り少ないほうが良いでしょう。コストを重視するならeMAXIS Slimを選ぶのが賢明です。

eMAXIS Slimシリーズを取り扱う金融機関は23社、eMAXISシリーズは107社

eMAXIS Slimがここまで低コストを実現できるのは販売チャネルを絞っているからだろう。

eMAXISシリーズの販売会社は銀行と証券会社合わせて107社に対し、eMAXIS Slimシリーズは23社です。

出典:三菱UFJ国際投信『eMAXISシリーズ』

eMAXIS Slimシリーズを扱うのはいずれもネット証券または銀行のインターネット専用販売に限られる。

篠田わかな

信託報酬は販売会社にも支払われるので、信託報酬が低いファンドを扱うことに同意が得られる金融機関が少ないことも一因にあるでしょう。

3,eMAXIS Slimシリーズの取り扱いがある金融機関とつみたてNISA(積立NISA)対象銘柄

eMAXIS Slimシリーズはどんなところで買えるのか、取り扱いのある金融機関とつみたてNISA対象銘柄についてみていこう。

eMAXIS Slimシリーズの取り扱いがある金融機関

eMAXIS Slimシリーズの取り扱いがある23社は以下だ。ただし販売会社によっては、取り扱わないファンドがある(※印が付いている金融機関は一部取り扱いがない)。

楽天証券 丸三証券※
SBI証券 CONNECT※
松井証券 新生銀行※
マネックス証券 千葉銀行※
SMBC日興証券 岩井コスモ証券※
岡三オンライン証券 auカブコム証券※
三菱UFJ銀行 GMOクリック証券※
三菱UFJ国際投信 フィデリティ証券※
三菱UFJ信託銀行 ほくほくTT証券※
東京スター銀行 水戸証券※
PayPay銀行 LINE証券※
あおぞら銀行※


篠田わかな

eMAXIS Slimシリーズの取り扱いのある銀行や証券会社ならNISA制度を使って非課税で売買することもできます。

つみたてNISA(積立NISA)対象のeMAXIS Slimシリーズは9銘柄

つみたてNISAの対象商品になるには、金融庁から長期安定的な積立投資に適していると認める条件をクリアする必要がある。出典:金融庁『つみたてNISAの対象商品』

もともとeMAXIS SlimシリーズはつみたてNISA向きの評価の高さで業績を伸ばしてきた背景もあり、商品のほとんどが長期積立向きである。実際にeMAXIS Slimシリーズは13銘柄中9銘柄が適格となっている。

先ほどの販売会社で以下の取り扱いがあれば、つみたてNISA口座で保有できる。

つみたてNISA対象のeMAXIS Slim銘柄
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
・eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
・eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
・eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

一方、以下の4銘柄はつみたてNISAの対象には入っていない。取り扱いのある金融機関であれば一般NISAで購入できる。

つみたてNISA対象ではないeMAXIS Slim銘柄
・eMAXIS Slim 国内リートインデックス
・eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
・eMAXIS Slim 国内債券インデックス
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

4,eMAXIS Slimシリーズを初心者が買うメリット・デメリット

4.つみたてNISAで人気のeMAXIS Slimを徹底解説!
(画像=編集部作成)

投資信託ではどれほどのリターンが見込めるか判断がまだ難しい状況では、いかにコストを低く抑えるかが重要/span>になる。特にインデックス投資ではそれが顕著だ。

eMAXIS Slimシリーズのメリット

eMAXIS Slimシリーズは、そのコストの低さから初心者が買うのに適した投資信託といえます。
篠田わかな

安定性も重要です。eMAXIS Slimシリーズは市場全体に投資するインデックス型が中心となっており、地域や資産を幅広く分散投資できます。とりわけつみたてNISA適格の9銘柄に関しては信頼性が高いと言えるでしょう。

つみたてNISAの対象商品となるには、一定水準以下の身体報酬、信託契約期間が無期限または20年以上、分配頻度が毎月でないことなど細かな条件をクリアする必要がある。いずれも長期安定的な運用に不可欠な要素だ。

篠田わかな

初心者にとって難易度が高い「銘柄選び」と「売買のタイミング」が、eMAXIS Slimシリーズに積立投資をすることによって容易になります。

eMAXIS Slimシリーズのデメリット

eMAXIS Slimシリーズのデメリットとしては、取り扱っている販売チャネルの少ない点が挙げられる。

徐々に増えてきているとはいえ販売会社はインターネット専用の23社のみだ。対面で投資信託を販売している金融機関では店頭でeMAXIS Slimシリーズは購入できない。

篠田わかな

またeMAXIS Slimシリーズを取り扱うすべての会社が、全13商品のラインアップをそろえているわけでもありません。

5,NISA口座にeMAXIS Slimシリーズがあれば購入を検討

5.つみたてNISAで人気のeMAXIS Slimを徹底解説!
(画像=naraz/stock.adobe.com)

eMAXIS Slimはメリットも多いが、現在使っているNISA口座でのeMAXIS Slimの取り扱いがないからといって、そのために別の金融機関にNISA口座を開設するかは考えものである。

新商品が次々と開発され、低コスト競争も激しいなかで、いつまでもeMAXIS Slimシリーズの優位が続くとは限らない。無理をしてまでeMAXIS Slimシリーズを購入する必要はないのかもしれない。

篠田わかな

現在使っているNISA口座でeMAXIS Slimシリーズの取り扱いがある場合は、運用を検討してみるといいでしょう。

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篠田わかな
執筆・篠田わかな
外資系経営コンサルティング会社で製造・物流・小売部門のコンサルタント業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社で製造・物流・小売部門のコンサルタント業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。

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