eMAXISとeMAXIS Slimの主な違いは、「信託報酬」「販売チャネル」「商品ラインアップ」「新NISAつみたて投資枠対象銘柄への採用状況」の4つだ。
投資信託の保有にかかるコストである信託報酬は、eMAXIS SlimのほうがeMAXISよりも圧倒的に安い。
販売チャネル(販売経路)は、eMAXISが対面販売とオンライン販売の両方に対応しているのに対し、eMAXIS Slimはオンライン販売のみだ。
商品ラインアップはeMAXISのほうが幅広く、バラエティに富んでいる。
新NISAのつみたて投資枠対象銘柄には、eMAXISからは18銘柄、eMAXIS Slimからは9銘柄が選ばれている。
eMAXIS Slimを購入するならSBI証券や楽天証券、マネックス証券の新NISA口座がおすすめだ。3社とも、新NISAのつみたて投資枠の対象商品であるeMAXIS Slimシリーズ9本をすべて取り扱っている。
新NISAのつみたて投資枠は、長期積立分散が基本であり、eMAXIS Slimと相性がよい。新NISAを活用して運用にかかるコストや税金を抑え、効率的な資産形成を目指していこう。
- 信託報酬(保有コスト)……同じインデックスを対象とする商品ならeMAXIS Slimのほうが安い
- 販売チャネル……eMAXIS Slimはネット販売のみ、eMAXISは対面販売もあり
- 商品ラインアップ……eMAXISは41本あり投資対象が幅広く、eMAXIS Slimは14本と少ないが主要な投資先はカバーされている
- 新NISAつみたて投資枠対象銘柄への採用状況……eMAXIS Slimが9本、eMAXISが18本
目次
eMAXISとは?
eMAXISシリーズは、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用するノーロード(購入時手数料無料)のインデックスファンドシリーズの総称だ。
eMAXISシリーズには4つのシリーズがあるが、代表的なのは「eMAXIS」と「eMAXIS Slim」の2つである。eMAXIS Slimは低コストが魅力のシリーズであり、個人投資家から特に人気が高い。
ここではeMAXISシリーズと、同シリーズの中でもっとも人気が高いeMAXIS Slimについて解説していこう。
eMAXISシリーズとは?
eMAXISシリーズは、三菱UFJアセットマネジメント株式会社が運用する、4つのノーロード・インデックスファンドシリーズの総称だ。
4つのeMAXISシリーズには、それぞれに以下のような特徴がある。
eMAXISは、幅広くさまざまな資産に投資できるファンドを41本ラインアップしている(2024年7月現在)。最初に設定されたシリーズであり、ベースといえる存在だ。
・eMAXIS Slim
eMAXIS Slimは運用コストにとことんこだわる、低コストファンドシリーズだ。業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける方針を掲げている。ラインアップは全14本だ(2024年7月現在)。
・eMAXIS プラス
eMAXIS プラスは、株式、債券、REIT(不動産)以外の資産への投資を可能にするファンドシリーズだ。株式、債券、REIT(不動産)に投資するファンドと組み合わせることで、分散投資の幅が広がる。ラインアップは「コモディティ」の1本のみである(2024年7月現在)。
・eMAXIS Neo
eMAXIS Neoは、銘柄選定にAIを活用した革新的なテーマ指数に連動を目指すファンドシリーズだ。全13本のファンドをラインアップしている(2024年7月現在)。
eMAXISシリーズ全体の商品は69本で、すべてノーロードのインデックスファンドである(2024年7月現在)。
eMAXISシリーズの投資対象地域は、国内のみならず先進国・新興国あるいは全世界だ。投資対象資産についてもファンドによって株式・債券・REIT、複数の資産を組み合わせたバランス型と幅広い。
eMAXISシリーズは購入時手数料がかからず、特定の指数に連動する投資成果を目指すタイプの商品のみをラインアップしており、初心者にも運用方針や組み入れ銘柄が分かりやすいのが魅力です。
eMAXISシリーズ全体の純資産総額は、2024年7月19日現在で12兆5,051億円だ。 2009年10月にeMAXISシリーズが設定されて以来、順調に純資産を増やしている。
eMAXISシリーズ純資産総額合計の推移(2009年10月28日~2024年7月19日)
eMAXISシリーズの純資産総額のうち、大部分を占めるのがeMAXIS Slimシリーズだ。
eMAXIS Slimシリーズ全体の純資産総額は、2024年6月20日に11兆円を突破した。新NISAなどの追い風もあり、2024年5月15日の10兆円到達から1ヵ月足らずで、合計純資産総額が1兆円増加している。
この度、『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』シリーズ(以下、本シリーズ)合計の純資産総額が 2024年6月20日に11兆167億円と、11兆円を突破いたしましたことをお知らせいたします。
出典:三菱UFJアセットマネジメント『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』シリーズ合計純資産額11兆円突破のお知らせ
eMAXIS Slimとは?
eMAXIS Slimは、eMAXISシリーズのなかでも特に運用コストにこだわったシリーズだ。
eMAXIS Slimシリーズの方針として、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」と掲げている。最も信託報酬率の高いファンドで年率0.22%(税込)で、最も信託報酬率が低いファンドは、なんと年率0.5775%である。
投資先 | ファンド名 | 信託報酬率 (年率・税込) |
---|---|---|
全世界株式 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 0.05775% | |
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | 0.05775% | |
国内株式 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.143% |
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.143% | |
先進国株式 (除く日本) |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 0.09889% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% | |
eMAXIS Slim 全米株式 | 0.09372% | |
新興国株式 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 0.1518% |
国内債券 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 0.132% |
先進国債券 (除く日本) |
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス | 0.154% |
国内リート | eMAXIS Slim 国内リートインデックス | 0.187% |
先進国リート (除く日本) |
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス | 0.22% |
バランス | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.143% |
eMAXIS Slimは、信託報酬率の引き下げが積極的に行われている。
直近では、2023年9月8日にeMAXIS Slim 全世界株式の3本(オール・カントリー、除く日本、3地域均等型)の信託報酬率引き下げが実施され、信託報酬の上限が年率0.1133%(税込)から年率0.05775%(税込)になった(出典:三菱UFJ国際投信「業界最低水準の運用コストをめざす『eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)』信託報酬の引き下げを実施)。
eMAXIS Slim信託報酬率の引き下げ実績(イメージ図)
前述した純資産総額の大きさからもわかるように、eMAXIS Slimは個人投資家から人気が高く、今やシリーズの中心的存在である。
eMAXIS Slimの人気の高さは、純資産総額以外のデータにも現れている。
たとえば、楽天証券が毎週公表している自社の投資信託販売金額ランキングでは、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とが1位と2位を独占している(出典:楽天証券、集計期間2024年8月26日~2024年8月30日)。
eMAXIS Slimのなかでも、特に人気なのはeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と、「オルカン」と呼ばれるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の2本だ。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の純資産総額は約5兆2,279億円、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産総額は約4兆5億円(2024年7月19日現在)である。この2本で、eMAXIS Slim全体の純資産総額の7割超を占める。
SBI証券の販売金額ランキングTOP20のなかには、そのほかにeMAXIS Slim シリーズから3本、計5本がランクインしている。
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
・eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
※出典:SBI証券(集計期間2024年8月19日~2024年8月23日)
さらにeMAXIS Slim全14本のうち5本が、「投信ブロガーが選ぶFund of the year 2023」の20位以内にランクインしている。1位は6年連続でeMAXIS Slimのファンドだ。
3位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
5位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
6位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(2018年1位)
9位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
出典:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2023
eMAXIS Slimは9本が新NISAつみたて投資枠の対象商品に選ばれています。つみたて投資枠は長期運用が基本です。信託報酬が安く、長期間運用してもコストを抑えられる点が人気を集める理由の一つといえます。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
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eMAXISとeMAXIS Slimの違いは?
eMAXISとeMAXIS Slimの主な違いは、信託報酬(保有コスト)、販売チャネル、商品ラインアップ新NISAつみたて投資枠対象銘柄への採用状況の4つだ。
保有にかかるコストである信託報酬は、eMAXIS Slimのほうが圧倒的に低い。
販売チャネル(販売経路)は、eMAXISが対面販売とオンライン販売の両方に対応しているのに対し、eMAXIS Slimはオンライン販売のみだ。
商品ラインアップはeMAXISのほうが幅広く、バラエティに富んでいる。
新NISAのつみたて投資枠対象銘柄には、eMAXISからは18銘柄、eMAXIS Slimからは9銘柄が選ばれている。
違い1,信託報酬(保有コスト)
投資先 | eMAXIS Slim | eMAXIS |
---|---|---|
全世界株式 (オール・カントリー) |
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) |
該当なし |
0.05775% | - | |
米国株式 (S&P500) |
eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) |
eMAXIS S&P500 インデックス |
0.09372% | 0.330% | |
先進国株式 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
eMAXIS 先進国 株式インデックス |
0.09889% | 0.660% | |
全世界株式 (除く日本) |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
eMAXIS 全世界株式 インデックス |
0.05775% | 0.660% | |
バランス (8資産均等型) |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) |
eMAXIS バランス (8資産均等型) |
0.143% | 0.550% | |
新興国株式 | eMAXIS Slim新興国 株式インデックス |
eMAXIS 新興国 株式インデックス |
0.1518% | 0.660% |
たとえばeMAXIS S&P500インデックスとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、どちらもS&P500指数をベンチマークとするインデックスファンドだが、信託報酬率は前者が0.330%、後者が0.09372%と、3倍以上の開きがある。
eMAXIS SlimとeMAXISシリーズの信託報酬率の差は大きい。先進国株式、全世界株式に至っては、0.5%以上の開きがある。運用成果にほとんど差がない場合、信託報酬率の違いにより増えるコストは無視できない。
下表は、eMAXISとeMAXIS Slimに投資金額100万円を5年間運用した場合のコストの比較である。
投資先 | eMAXIS Slim | eMAXIS |
---|---|---|
先進国株式 | 0.09889% | 0.66% |
4,945円 | 3万3,000円 | |
全世界株式(除く日本) | 0.05775% | 0.66% |
2,888円 | 3万3,000円 | |
バランス(8資産均等型) | 0.143% | 0.55% |
7,150円 | 2万7,500円 |
あくまで概算ではあるが、今回の条件ではeMAXISのほうがeMAXIS Slimよりもコストが約2万~3万円高くつく。
インデックス投資は、投資先(ベンチマークとする指数)が同じならファンドの違いで利益に差はつきにくく、利益を目減りさせる運用コストは少ないに越したことはありません。コストを重視するならeMAXIS Slimを選ぶのが賢明です。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
同じ指数に連動するような投資成果を目指すファンドなのに、これだけ信託報酬に差がある理由は、昨今の信託報酬引き下げ競争の激化に一因がある。
そもそもインデックスファンドは、目標とする指数「インデックス」に連動した運用を目指すため、目標とする指数が同じ場合、ファンドごとにリターンの差が出にくい。
リターンに差が出ないのならば、投資家としてはなるべく信託報酬の低いファンドを買ったほうが良い。しかし昔から販売しているeMAXISの信託報酬をいきなり下げるのは、販売コストなどの面から難しい。
そこで登場したのがeMAXIS Slimという新シリーズである。この商品は、後述するように販売チャネルをネットに限定し、信託報酬を低く抑えている。その結果、高い競争力を獲得し、人気ファンドの地位を確固たるものにしたのだ。
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違い2,販売チャネル
eMAXIS Slim は、ネット証券のほか、一部の総合証券や銀行でも取り扱っている。ただし対面販売は行われておらず、インターネット専用口座(コース)でのみ購入できる。
販売チャネルをネットに限定していることが、eMAXIS Slimが低コストを実現できる一因と考えられる。
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違い3,商品ラインアップ
eMAXISの銘柄数は41本だ。世界中の資産に広く分散投資するファンドから、投資先を絞ったファンド、インド株や新興国の債券・リート、ターゲットイヤーファンドまで取り揃えている。
一方、eMAXIS Slimの銘柄数は14本だ。先進国が中心の比較的メジャーな投資先に、広く分散投資するファンドが中心だ。
投資先 | ファンド名 | |
---|---|---|
eMAXIS | eMAXIS Slim | |
全世界株式 | ・全世界株式インデックス | ・全世界株式(オール・カントリー) ・全世界株式(除く日本) ・全世界株式(3地域均等型) |
国内株式 | ・日経225インデックス ・TOPIXインデックス ・JPX日経400インデックス ・JPX日経中小型インデックス ・JAPAN クオリティ150インデックス ・日経半導体株インデックス ・ジャパンESGセレクト・リーダーズインデックス |
・国内株式(TOPIX) ・国内株式(日経平均) |
先進国株式 (除く日本) |
・NYダウインデックス ・S&P500インデックス ・S&P500クオリティ高配当インデックス ・NASDAQ100インデックス ・先進国株式インデックス |
・先進国株式インデックス ・米国株式(S&P500) ・全米株式 |
新興国株式 | ・インド株式インデックス ・新興国株式インデックス ・日経アジア300インベスタブルインデックス |
・新興国株式インデックス |
国内債券 | ・国内債券インデックス ・国内物価連動債券インデックス |
・国内債券インデックス |
先進国債券 (除く日本) |
・先進国債券インデックス ・先進国債券インデックス(為替ヘッジあり) ・豪州債券インデックス |
・先進国債券インデックス |
新興国債券 | ・新興国債券インデックス ・新興国債券インデックス(為替ヘッジあり) |
該当なし |
国内リート | ・国内リートインデックス | ・国内リートインデックス |
先進国リート (除く日本) |
・先進国リートインデックス ・米国リートインデックス ・欧州リートインデックス ・豪州リートインデックス |
・先進国リートインデックス |
新興国リート | ・新興国リートインデックス | 該当なし |
バランス | ・債券バランス(2資産均等型) ・バランス(4資産均等型) ・バランス(8資産均等型) ・バランス(波乗り型) ・最適化バランス(マイゴールキーパー) ・最適化バランス(マイディフェンダー) ・最適化バランス(マイミッドフィルター) ・最適化バランス(マイフォワード) ・最適化バランス(マイストライカー) ・マイマネージャー 1970s ・マイマネージャー 1980s ・マイマネージャー 1990s |
・バランス(8資産均等型) |
eMAXISは、より多くの選択肢から自分に合った銘柄を選んで投資したい人や、投資先を絞り込んで投資したい人などに向いています。
一方、eMAXIS Slimは投資先をあまり絞らず広く分散投資したい人や、選択肢が多すぎても迷って決められない人などによいでしょう。
投資初心者には、シンプルでわかりやすいeMAXIS Slimのほうが向いています。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
違い4,新NISAつみたて投資枠対象銘柄への採用状況
新NISAは2024年に始まった新しい非課税投資制度だ。新NISAを通じて投資した商品から得た値上がり益(譲渡益)、配当金・分配金がすべて非課税になる。
新NISAは2023年までの旧NISAよりも大幅に拡充され、より使いやすく有利な制度になった。
これまでは一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選択する必要があったが、新NISAでは一本化され、それぞれ成長投資枠とつみたて投資枠として併用可能になった。
旧NISAでは非課税で保有できる期間が限定されていたが、新NISAでは無期限化され、生涯にわたって非課税で保有し続けることが可能になった。
投資上限額も大きく増額された。年間360万円(うち成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)も非課税で投資することが可能になり、非課税保有限度額(総枠)は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)となった。
非課税保有限度額(総枠)は簿価残高方式で管理されるため、商品を売却すればその分の枠が再利用可能になったことも重要な変更だ。
新NISAのつみたて投資枠の対象商品は従来のつみたてNISAと同じく、金融庁の基準を満たし、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託である。
eMAXISとeMAXIS Slimシリーズで、新NISAのつみたて対象銘柄は以下だ。
出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品」(2024年7月19日現在)
・eMAXIS TOPIXインデックス
・eMAXIS 日経225インデックス
・eMAXIS JPX日経400インデックス
・eMAXIS 先進国株式インデックス
・eMAXIS S&P500インデックス
・eMAXIS NYダウインデックス
・eMAXIS 新興国株式インデックス
・eMAXIS バランス(4資産均等型)
・eMAXIS バランス(8資産均等型)
・eMAXIS マイマネージャー 1970s
・eMAXIS マイマネージャー 1980s
・eMAXIS マイマネージャー 1990s
・eMAXIS 最適化バランス(マイ ゴールキーパー)
・eMAXIS 最適化バランス(マイ ストライカー)
・eMAXIS 最適化バランス(マイ ディフェンダー)
・eMAXIS 最適化バランス(マイ フォワード)
・eMAXIS 最適化バランス(マイ ミッドフィルダー)
・eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
・eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
・eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
・eMAXIS Slim先進国株式インデックス
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim新興国株式インデックス
・eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
新NISAつみたて投資枠の対象は、株式へ投資することが条件の一つであるため、投資対象が債券のみあるいはリート(不動産投資信託)のみの銘柄は選ばれていない。
eMAXISから選ばれた対象銘柄のうち、半分以上を株式や債券、リートなど複数の資産に投資するバランス型と呼ばれる銘柄が占めている。
eMAXIS Slimからは、債券やリート(不動産投信)のみに投資する4銘柄と、直近に設定された1銘柄(全米株式)以外はすべて採用されている。
eMAXIS SlimとeMAXISはどんな人におすすめ?
eMAXIS Slimは、投資経験者からこれから投資を始める初心者まで幅広い人に向いているファンドだ。特に運用コストを抑えたい人や人気の銘柄に投資したい人はeMAXIS Slimを選ぶといいだろう。
eMAXISは、投資する国や銘柄を絞って分散投資したい人、対面で担当者から説明を受けて購入したい人などに向いている。
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eMAXIS Slimがおすすめの人1,運用にかかるコストを抑えたい人
eMAXIS Slimのコンセプトは、「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」というものだ。
これを実現するため、自社ファンドの信託報酬率を下回る他社の類似ファンドがある場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬を引き下げる方針を示している。
運用自体に差がない場合、コスト(信託報酬)が低いファンドのほうがパフォーマンスは高くなります。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
ここでは、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の信託報酬を、同じく全世界の株式を投資対象とする他社のインデックスファンドの信託報酬率と比較してみよう。
ファンド名 | 運用会社 | 純資産総額 | 信託報酬 (年率・税込) |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
三菱UFJアセットマネジメント | 約4兆5億円 | 0.05775% 以内 |
Tracers MSCIオール・ カントリーインデックス(全世界株式) |
日興アセットマネジメント | 約45億円 | 0.05775% |
はじめてのNISA・全世界株式 インデックス(オール・カントリー) |
野村アセットマネジメント | 約230億円 | 0.05775% |
SBI・全世界株式 インデックス・ファンド |
SBIアセットマネジメント | 約2,224億円 | 0.1022% 程度 |
たわらノーロード 全世界株式 | アセットマネジメントOne | 約556億円 | 0.1133% |
Smart-i Select 全世界株式 | りそなアセットマネジメント | 約52億円 | 0.1144% |
SBI・V・全世界株式 インデックス・ファンド |
SBIアセットマネジメント | 約465億円 | 0.1338% 程度 |
楽天・全世界 インデックスファンド |
楽天投信投資顧問 | 約5,229億円 | 0.192% 程度 |
つみたて全世界株式 | 三菱UFJアセットマネジメント | 約341億円 | 0.198% |
全世界株式 インデックス・ファンド |
ステート·ストリート· グローバル·アドバイザーズ |
約239億円 | 0.528% |
eMAXIS 全世界株式インデックス | 三菱UFJアセットマネジメント | 約592億円 | 0.66% 以内 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)は、日本を含む全世界の株式を投資対象とするインデックスファンドのなかで最も信託報酬率が低く、「0.05775%以内」である。
ほかに「Tracers MSCIオール・カントリーインデックス(全世界株式)」と「はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)」の2つのファンドも信託報酬率0.05775%で並んでいる。
しかし、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)は0.05775%「以内」であり、ファンドの純資産額が5,000億円を超える部分にはより低い信託報酬率(※)が適用される。
※純資産額5,000億円以上1兆円未満の部分:年率0.05764%(税込)、純資産額1兆円以上の部分:年率0.05753%(税込)
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の実質的な信託報酬率は、約0.05757%だ(2024年7月19日現在の純資産額である約4兆5億円で加重平均して計算)。
またeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)と、はじめてのNISA・全世界株式インデックス(オール・カントリー)の信託報酬率には、目論見書や運用報告書の作成にかかる費用なども含まれている。
一方でTracers MSCIオール・カントリーインデックス(全世界株式)の信託報酬には、これらの費用が含まれていない。
以上の点を考慮すると、3つのなかでeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の信託報酬率が最も低いといえる。
ただしeMAXIS Slimシリーズのすべてのファンドが、同じ投資対象であるファンドの中で最も低い信託報酬率になっているわけではない。
たとえばS&P500に連動するインデックスファンドの場合、eMAXIS Slim シリーズよりも信託報酬率の低いファンドが2つある。つみたてiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックスファンドと楽天・S&P500インデックス・ファンドである。
ファンド名 | 運用会社 | 純資産総額 | 信託報酬 (年率・税込) |
---|---|---|---|
つみたてiシェアーズ 米国株式 (S&P500)インデックスファンド |
ブラックロック・ジャパン | 約35億円 | 0.0586% 程度(※1) |
楽天・S&P500インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 約2,489億円 | 0.07700% |
eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) |
三菱UFJアセットマネジメント | 約5兆2,279億円 | 0.09372% 以内 |
たわらノーロード S&P500 | アセットマネジメントOne | 約457億円 | 0.09372% |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の信託報酬率は、2023年4月25日に0.0968%から0.09372%へ引き下げられている。
これは、2023年3月30日に業界最低水準の信託報酬率0.09372%で新たに設定された「たわらノーロード S&P500」に追随したものだ。
その後、2023年10月27日に信託報酬率0.77%(税込)の「楽天・S&P500インデックス・ファンド」が登場した。2023年11月17日には「つみたてiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックスファンド」が信託報酬率0.0586%(税込)で設定された。
これにより、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、S&P500に連動するインデックスファンドの信託報酬率で3位となっている。
eMAXIS Slim シリーズの信託報酬率が最も低いとは限りませんが、業界最低水準であることは確かです。コストを重視する人にとって、このシリーズは有力な選択肢といえるでしょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
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eMAXIS Slimがおすすめの人2,どんな投資信託を選んだらいいか分からない人
投資する国や銘柄は定まっていないものの、株式に投資したいと考えているなら、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を選べばよいだろう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)なら、全世界の株式が投資対象のため、どの国のどの銘柄に投資すればよいか迷う必要がない。
これ1本で日本を含む先進国および新興国47ヵ国・地域の中・大型株、約2,800銘柄に分散投資するのと同じ運用成果が期待できる(2024年7月現在、出典:MSCI|Index Factsheet|MSCI ACWI Index (USD))。
しかも運用にかかるコスト(信託報酬)は、同じ投資対象のファンドのなかでも最低水準だ。
株式以外の資産にも投資したいなら、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が向いている。世界中の株式・債券・リート(不動産投信)に分散投資するeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)なら、地域だけでなく資産カテゴリーの分散もできる。
eMAXISに比べてラインアップが少ない点は、選択肢が厳選されていると捉えればメリットになります。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
eMAXIS Slimがおすすめの人3,多くの投資家に選ばれているファンドへ投資したい人
eMAXIS Slimシリーズのファンドは、インデックスファンドのなかで群を抜いて純資産残高が大きい。これは、多くの投資家に選ばれている証だ。
たとえば新NISAつみたて投資枠の対象となっている投資信託を純資産総額の大きい順に並べると、上位5ファンドのなかにeMAXIS Slimが3つランクインしている(ETFを除く)。
1位はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)、2位がeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、5位がeMAXIS Slim 先進国株式インデックスだ。
純資産総額が小さすぎると、途中で運用を終了してしまう償還リスクが高くなるため、注意が必要です。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
インデックスファンドでファミリーファンド方式をとっていない場合、純資産総額が小さいと資産の入れ替えなどに支障が出て、運用効率が低下したりベンチマーク(目標とする指標)からの乖離が大きくなったりするおそれもある。
多くの投資家に選ばれているファンドを選びたいなら、eMAXIS Slimは有力な候補になるでしょう。ただしファンドの善し悪しは、人気や純資産総額の大きさだけで決まるわけではありません。あくまで目安の一つと考えましょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
(公式サイト)
eMAXISがおすすめの人1,投資する国や銘柄を絞って分散投資したい人
eMAXISは、41本のファンドをラインアップしており、日本株を投資対象とするファンドだけで7本ある。
・eMAXIS TOPIXインデックス★
・eMAXIS JPX日経400インデックス★
・eMAXIS JPX日経中小型インデックス
・eMAXIS JAPAN クオリティ150インデックス
・eMAXIS 日経半導体株インデックス
・eMAXIS ジャパンESGセレクト・リーダーズインデックス
※★は新NISAつみたて投資枠対象銘柄
eMAXISなら投資対象を中小型株や半導体株に絞って、その範囲で分散投資することも可能だ。
一方、日経225やTOPIXに連動するファンドに投資するのであれば、信託報酬率の低いeMAXIS Slimを選んだほうが有利だ。運用は、同じ日経225マザーファンドで行われるため、運用自体に差はなく信託報酬の差が運用成績の差になる。
そのほか新興国株では、新興国に広く分散投資するファンドのほか、今注目されているインド株に投資するファンドもラインアップされている。
両方のシリーズで取り扱いのある投資対象のファンドに投資するなら、eMAXIS Slimを選んだほうが低コストなので有利です。両方取り扱っている金融機関を利用する場合は、混同しないように注意しましょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
eMAXISがおすすめの人2,対面で担当者から説明を受けて購入したい人
一方、eMAXIS Slimはコストを抑えるためにオンライン販売しか行っておらず、対面では購入できない。
対面販売にかかるコストの違いが、eMAXISとeMAXIS Slimの信託報酬率に差を生んでいる一因だ。
割高なコストを負担してでも対面で説明を受けたり相談したりしたい人は、eMAXISが選択肢になります。そうではなく自分で情報を集めて投資判断ができる人は、eMAXIS Slimを選んだほうがいいでしょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
eMAXIS Slimシリーズの取り扱い金融機関と新NISAの対象銘柄
eMAXIS Slimは、SBI証券や楽天証券などネット証券を中心に、50社の金融機関で取り扱いがある。ただし、購入できる銘柄は金融機関によって異なるため注意が必要だ。
またeMAXIS Slim全14銘柄のうち、新NISAのつみたて投資枠の対象となっているのはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)など9本だ。
ネット証券であればeMAXIS Slim銘柄はいずれも購入できるが、それ以外の証券会社を検討している場合は、気になっている銘柄の取り扱いがあるかチェックしておこう。
また銘柄選びにおいても、非課税メリットを最大限受けるためになるべく新NISAつみたて投資枠の対象になっている銘柄を選択するほうがよいだろう。
eMAXIS Slimの取り扱いがある金融機関
全14本取り扱いのある金融機関と、一部のみ取り扱いのある金融機関は以下の通りだ。
・楽天証券
・マネックス証券
・auカブコム証券
・松井証券
・SBIネオトレード証券
・フィデリティ証券
・三菱UFJ銀行
・三菱UFJアセットマネジメント
一部取り扱いのある金融機関一覧
アイザワ証券、あおぞら銀行、足利銀行、岩井コスモ証券、SMBC日興証券、FFG証券、岡三証券、沖縄銀行、香川銀行、北九州銀行、きらぼしライフデザイン証券、熊本銀行、京葉銀行、高知銀行、三十三銀行、静岡銀行、七十七銀行、Jトラストグローバル証券、十八親和銀行、GMOクリック証券、スマートプラス、立花証券、大和コネクト証券、CHEER証券、千葉銀行、東京スター銀行、東邦銀行、東洋証券、徳島大正銀行、西日本シティ銀行、野村證券、福岡銀行、PayPay銀行、PayPay証券、北國銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、武蔵野銀行、もみじ銀行、山口銀行、横浜銀行
参照元:三菱UFJアセットマネジメントのホームページ(2024年7月19日現在)
eMAXIS Slimの一部を取り扱う金融機関の取扱状況は、下表の通りだ。ここでは、一例として5社の取扱状況を取り上げている。
ファンド名 | 金融機関名 | ||||
---|---|---|---|---|---|
野村證券 | SMBC 日興証券 |
岡三証券 | GMOクリック証券 | PayPay 銀行 |
|
全世界株式 (オール・カントリー) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
全世界株式 (除く日本) |
◯ | ◯ | ◯ | × | ◯ |
全世界株式 (3地域均等型) |
× | ◯ | ◯ | × | ◯ |
国内株式 (TOPIX) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
国内株式 (日経平均) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
先進国株式インデックス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
米国株式 (S&P500) |
◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
全米株式 | × | × | × | × | × |
新興国株式インデックス | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
国内債券インデックス | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
先進国債券インデックス | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
国内リートインデックス | × | ◯ | ◯ | × | ◯ |
先進国リートインデックス | × | ◯ | ◯ | × | ◯ |
バランス (8資産均等型) |
× | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
表を見ると、eMAXIS Slim 全米株式が全14本の取り扱いを阻む一因になっている。eMAXIS Slim 全米株式以外の13本を取り扱う金融機関は16社あり、先ほどの9社から7社(※)増える。
(※SMBC日興証券、岡三証券、千葉銀行、東京スター銀行、PayPay銀行、北國銀行、三菱UFJ信託銀行/2024年7月19日現在)
eMAXIS Slim 全米株式は、2023年9月に設定されたばかりの新しいファンドです。新NISAつみたて投資枠の対象銘柄ではなく、投資先もeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に近いこともあり、取り扱う金融機関が少ないのではないかと考えられます。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
つみたて投資枠の 取扱銘柄数 |
229本 | 233本 | 227本 | 230本 | 234本 |
成長投資枠の 投資信託の 取扱銘柄数 |
1,164本 | 1,238本 | 1,206本 | 1,039本 | 1,124本 |
クレカ積立の ポイント還元率 |
1.1%(※1) | 0.5~5.0% | 0.5~1.0% | 1.0% (※2) |
- |
クレカ積立で貯まる ポイント |
マネックス ポイント |
Vポイント | 楽天ポイント | Pontaポイント | - |
積立頻度 | 毎月 毎日 |
毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
最低投資金額・ 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
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新NISAつみたて投資枠対象のeMAXIS Slim銘柄
eMAXIS Slimは、全14銘柄中9銘柄が新NISAにおけるつみたて投資枠の対象商品だ。
すべて低コストのインデックスファンドで構成されるeMAXIS Slimは、つみたてNISA(新NISAにおけるつみたて投資枠に相当)との相性がいい。
新NISAつみたて投資枠(旧つみたてNISA)の対象商品になるには、金融庁が定める条件をクリアし、長期の積立・分散投資に適したファンドであると認められなければならない。その条件とは以下のようなものだ。
○公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
出典:金融庁「つみたてNISAについて』
ちなみにeMAXIS Slimで新NISAつみたて投資枠の対象になっていないのは、以下の5銘柄だ。
・eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
・eMAXIS Slim 国内債券インデックス
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
・eMAXIS Slim 全米株式
上から4銘柄は、債券またはリートのみに投資するファンドであり、「投資対象に株式を含む」という要件を満たしていない。
eMAXIS Slim全米株式は、指標とする「MSCI USAインベスタブル・マーケット指数」が金融庁の指定する「指定インデックス」に含まれず、新NISAつみたて投資枠の指定インデックス投信の要件を満たしていない。
このような投資信託も指定インデックス投信以外の投資信託として対象になる可能性がある。しかし「設定から5年以上」という要件があり、2023年9月に設定されたeMAXIS Slim全米株式はこの要件を満たしていない。
eMAXIS Slim(イーマクシススリム)はどこで買う?新NISAで購入できる証券会社
eMAXIS Slimを買うなら、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券の新NISA口座がおすすめだ。
eMAXIS Slimに投資する場合、商品ラインアップには差がない。大手ネット証券5社では、eMAXIS Slim全14本を取り扱っており、新NISAのつみたて投資枠対象となっている9本も取り扱っている(2024年8月29日現在)。
そのためネット証券のどこで買うかは、以下の4つのポイントで選ぶと良いだろう。
新NISAの投信積立の引落方法の多様さでは楽天証券やSBI証券、積立頻度の選択肢の多さならSBI証券と松井証券に強みがある。
サポートサービスが充実しているのは、松井証券だ。ポイントを効率よく獲得したいなら、マネックス証券や楽天証券が候補になる。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
証券会社 | |||||
取り扱いのある eMAXIS Slim 銘柄名(最大9本) |
・米国株式 (S&P500) ・全世界株式 (除く日本) ・全世界株式 (オール・カントリー) ・全世界株式 (3地域均等型) ・先進国株式 インデックス ・新興国株式 インデックス ・国内株式 (日経平均) ・国内株式 (TOPIX) ・バランス (8資産均等型) |
・米国株式 (S&P500) ・全世界株式 (除く日本) ・全世界株式 (オール・カントリー) ・全世界株式 (3地域均等型) ・先進国株式 インデックス ・新興国株式 インデックス ・国内株式 (日経平均) ・国内株式 (TOPIX) ・バランス (8資産均等型) |
・米国株式 (S&P500) ・全世界株式 (除く日本) ・全世界株式 (オール・カントリー) ・全世界株式 (3地域均等型) ・先進国株式 インデックス ・新興国株式 インデックス ・国内株式 (日経平均) ・国内株式 (TOPIX) ・バランス (8資産均等型) |
・米国株式 (S&P500) ・全世界株式 (除く日本) ・全世界株式 (オール・カントリー) ・全世界株式 (3地域均等型) ・先進国株式 インデックス ・新興国株式 インデックス ・国内株式 (日経平均) ・国内株式 (TOPIX) ・バランス (8資産均等型) |
・米国株式 (S&P500) ・全世界株式 (除く日本) ・全世界株式 (オール・カントリー) ・全世界株式 (3地域均等型) ・先進国株式 インデックス ・新興国株式 インデックス ・国内株式 (日経平均) ・国内株式 (TOPIX) ・バランス (8資産均等型) |
新NISA つみたて投資枠 商品数 |
233本 | 227本 | 229本 | 230本 | 234本 |
最低 積立金額 |
100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
積立 設定単位 |
1円 | 1円 | 1円 | 1円 | 1円 |
積立頻度 | 毎日、毎週、毎月 | 毎月 ※NISAのみ 毎日を選択可 |
毎日、毎月 | 毎月 | 毎日、毎週、毎月 ※つみたて投資枠は 毎週の選択不可 |
引落方法 | 証券口座 銀行口座 クレジットカード (三井住友カード) |
証券口座 銀行口座 クレジットカード (楽天カード) 楽天キャッシュ |
証券口座 銀行口座 (つみたて定期自動 入金サービス利用) クレジットカード (マネックスカード) |
証券口座 銀行口座 クレジットカード (au Payカード) |
証券口座 銀行口座 (定期入金 サービス利用) |
ボーナス 設定の有無 |
有 | 有 | 有 | 有 | 無 |
おすすめ ポイント |
・投信クレカ決済の 還元率が最大5.0% (※1) ・5種類から貯めたい ポイントを選べる ・ポイントで 投信積立が可能 |
・楽天ポイント プログラム ・毎月15万円までの 投信積立がポイント 付与対象 |
・投信クレカ決済の 還元率が最大1.1% ・マネックスポイントは さまざまな ポイントサービスの ポイント等と交換可能 |
・投信クレカ決済の 還元率が最大3.0% (※2) |
・投信保有で貯まる ポイントが 業界最高水準 ・サポート サービスが充実 |
新NISAつみたて投資枠対象の全296本のうち、4社とも220本以上の取り扱いがあります。各社対象商品を着々と増やしており、トップがいつ入れ替わってもおかしくない状況です。(2024年7月19日現在)
投信積立資金の引落方法の多様さで選ぶなら楽天証券・SBI証券
楽天証券は、投信積立資金の引落方法が豊富で証券口座、銀行口座(自動引落)、楽天カードクレジット決済、楽天キャッシュ(電子マネー)の4つの方法から選べる。
楽天カードを持っていれば積立金額に応じて楽天ポイントが貯まる。貯まったポイントは、投資信託や株式の購入に使うことも可能だ。
SBI証券における投信積立資金の引落方法は、証券口座、銀行口座(自動引落)、三井住友カードクレジットカード決済から選べる。
三井住友カードクレジットカード決済であれば、積立金額に応じてVポイントが貯まる。貯まったポイントで投資信託や株式も購入できる。
(公式サイト)
投信積立頻度の選択肢の多さで選ぶならSBI証券・松井証券
SBI証券では、投信積立の積立頻度を毎日・毎週・毎月の3パターンから選べる。
松井証券でつみたて投資枠を利用する場合は、毎日・毎月のいずれか、成長投資枠を利用する場合は毎日・毎週・毎月の3パターンから積立頻度を選択可能だ。
毎日・毎週・毎月 | 毎月 ※NISAのみ 毎日も選択可 |
毎月・毎日 | 毎月 | 毎日・毎週・毎月 ※つみたて投資枠は 毎週の選択不可 |
投資リスクの軽減には、時間分散(投資するタイミングの分散)も有効な方法です。時間分散の効果を高めるために、毎日や毎週積立を利用してみてもよいでしょう。積立は自動で行われるので、毎日でも毎月でも手間は変わりません。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
サポートサービスの充実度で選ぶなら松井証券
松井証券の「投信アプリ」は、取引や資産管理だけでなくロボアドバイザーによる投資信託の提案やシミュレーションが行える。スマホアプリでここまでできるのは、非常に珍しい。口座を持っている人なら誰でも無料で利用可能だ。
松井証券は、チャットや電話によるサポート体制も充実している。口座開設者は、各種取引やサービス全般、パソコンのトラブルに対応する顧客サポートのほか、株の取引相談窓口も無料で利用できる。
株の取引相談窓口では、銘柄選びから取引のタイミングまで、具体的な相談ができるのが特徴です。積立投資の次のステップとして株式投資を始めたいと考えている人には、心強いサポートといえるでしょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
ポイントサービスの充実度で選ぶならマネックス証券・楽天証券・auカブコム証券
新NISAの投信積立でポイントを効率よく獲得したいなら、積立額が月5万円まではマネックス証券、月5万円超なら楽天証券やauカブコム証券がよいでしょう。
ポイントの種類 | ・Vポイント ・Pontaポイント ・dポイント ・JALマイル ・PayPayポイント |
楽天ポイント | ・マネックスポイント ・dポイント |
Pontaポイント | 松井証券ポイント |
ポイント付与率 (投信) |
【投信保有】 投信保有残高に対し 最大0.25%(年率) 【クレカ投信積立】 0.5%~最大5.0% (※1) |
【投信保有】 (投信残高プログラム) 投信保有残高に対し 最大0.053%(年率) (※3) (投資信託資産形成ポイント) 一定の残高達成で 10~500ポイント 【楽天キャッシュ投信積立】 一律0.5%(※4) 【クレカ投信積立】 0.5%~最大1.0% |
【投資信託の保有】 投信保有残高に対し 最大0.08%(年率) 【クレカ投信積立】 最大1.1%(※5) |
【投信保有】 (資産形成プログラム) 投信保有残高に対し 最大0.24%(年率) (auの投資信託 ポイントプログラム) 投信保有残高に対し 最大0.10%(年率) (※6) 【クレカ投信積立】 1.0%~最大3.0% (※7) |
【投信保有】 投信保有残高に対し 最大1.0%(年率) |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
実際にどのくらいのポイントを獲得できるか、大手ネット証券5社で10年間、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に積立投資を行った場合に獲得できるポイント数をシミュレーションした。
証券会社 | カード種類 (還元率/年会費) |
月5万円積立 | 月10万円積立 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
クレカ 投信積立 |
投信保有 | 合計 (10年間) |
クレカ 投信積立 |
投信保有 | 合計 (10年間) |
||
SBI証券 | 三井住友カード(NL) (0.5%/0円)※1 |
30,000 | 10,145 | 40,145 | 60,000 | 20,350 | 80,350 |
三井住友カード ゴールド(NL) (1.0%/5,500円) ※1、※2 |
60,000 | 10,145 | 70,145 (64,645) ※2 |
120,000 | 20,350 | 140,350 (134,850) ※2 |
|
楽天証券 | 楽天カード (0.5%/0円) |
30,000 | 34,252 | 64,252 | 60,000 | 67,471 | 127,471 |
楽天カードゴールド (0.75%/2,200円) |
45,000 | 34,252 | 79,252 (57,252) |
90,000 | 67,471 | 157,471 (135,471) |
|
auカブコム証券 | au Payカード (1.0%/0円) |
60,000 | 2,855 | 62,855 | 120,000 | 5,770 | 125,770 |
au Pay ゴールドカード (2.0%~3.0%/ 11,000円)※3 |
180,000 | 2,855 | 182,855 (72,855) |
360,000 | 5,770 | 365,770 (255,770) |
|
マネックス証券 | マネックスカード (1.1%/0円) |
66,000 | 10,145 | 76,145 | 87,600 | 20,350 | 107,950 |
松井証券 | ※クレカ積立 利用なし |
0 | 10,145 | 10,145 | 0 | 20,350 | 20,350 |
年会費を考慮すると、積立額が月5万円までならマネックス証券が有利だ。この範囲内であれば、マネックス証券でのクレカ積立によるポイント還元率は主要ネット証券最大の1.1%であるためだ。
2022年2月に発表したマネックスカードでの投信積立サービスでは、ポイント還元率を主要ネット証券(※2)のクレジットカード投信積立サービスの中では最大の1.1%といたしました。これらの取組みをお客様から評価いただき、その結果としてこの度2022年3月末で投資信託の残高1兆円を突破いたしました。
(引用元:PR TIMES|マネックス証券株式会社|投資信託残高1兆円突破のお知らせ)
積立額が月5万円を超えると、マネックス証券はクレカ積立の還元率が低下するため、積立額が月10万円では、楽天証券やauカブコム証券のほうが有利になる。
楽天証券は、楽天キャッシュによる投信積立も可能であり、クレカ投信積立の10万円と合わせて、月15万円までの積立に対してポイントがつく。
三井住友カード ゴールド(NL)を毎年100万円以上利用するなら、SBI証券も候補になる。auユーザーなら、auマネ活プランに加入し、NISA口座とau Payゴールドカードを利用することで還元率が大幅にアップする。
獲得できるポイント数は、積立金額やそのほかの条件によって大きく変わってきます。自分にとってどの証券会社が効率よくポイントを獲得できるのか、条件を比較して選びましょう。
竹国弘城(ファイナンシャル・プランナー)
(公式サイト)
よくあるQ&A
また市場全体に投資するインデックスファンドのため、地域や資産を幅広く分散投資できる。分散投資によってリスクが軽減され、新NISAのつみたて投資枠にも対応していることから、初心者にもおすすめだ。
対面・インターネットで購入できるベーシックな「eMAXIS」、インターネット経由のみで購入可能でコストにこだわった「eMAXIS Slim」の2つのシリーズが代表的だ。
その他、コモディティに投資ができる「eMAXIS プラス」、宇宙開発やAIなど、革新的なテーマに投資ができる「eMAXIS Neo」もある。
ちなみにeMAXIS Slimの先進国株式は、欧米を中心とした先進国の企業のみに投資するファンドだ。一方、オルカンは約9割(日本を含む)の先進国に残りをインドや中国といった新興国に投資する(2024年6月28日時点)。
オール・カントリーは、日本を含む先進国および新興国の株式を投資対象とする。残る2つは全世界株式(除く日本)と全世界株式(3地域均等型)だ。
全世界株式(除く日本)は、日本を除く先進国と新興国の株式を投資対象とする。
全世界株式(3地域均等型)は、日本、先進国、新興国の株式に均等な割合で投資するファンドだ。
利益を分配金としてファンド外に払い出してしまうと運用資産が減少し、複利効果が薄れて運用効率は低下してしまう。投資家は分配金を受け取れないが、基準価額の上昇によって売却時に利益を享受できる。
より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、家計改善や住宅購入、資産形成、相続など、お金に関するコンサルティング、大手金融機関や各種メディアでの執筆・監修を行う。RAPPORT Consulting Office代表。
■保有資格
1級ファイナンシャルプランニング技能士
CFP®︎
一種証券外務員
サウナ・スパプロフェッショナル
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