初心者がNISA口座で米国株を購入する場合のおすすめ銘柄は何か? ここでは、成長を続けるアメリカ株の選び方を紹介する。注目すべき個別銘柄のほか、米国株のメリットやNISA口座で購入する際に必要なステップ、注意点などを解説していく。

目次

  1. 1,米国株の3大メリット 長期的な株価の上昇、手厚い配当、購入のしやすさ
  2. 2,NISAで米国株を購入する方法を3ステップで解説
  3. 3,NISAに適した米国株の選び方、3つのポイント
  4. 4,NISAで購入するのにおすすめの米国株10選 長期投資向け銘柄は?
  5. 5,NISAで米国株投資する際の3つの注意点
  6. 実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

1,米国株の3大メリット 長期的な株価の上昇、手厚い配当、購入のしやすさ

米国株のメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISAで米国株の購入を検討しているなら、まずは米国株にどのようなメリットがあるかを押さえておきたい。

米国株と日本株を比べると、成長性、配当、売買単位の3点が大きく異なる。

米国株に投資する最大のメリットでもある3つの相違点について、わかりやすく解説しよう。

米国株のメリット
  • 長期的な株価上昇を期待できる
  • 日本株より配当が手厚い
  • 1株単位で売買できる

米国株のメリット1,長期的な株価上昇を期待できる

1991年のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショック、2011年に発生した東日本大震災を含む平成の30年間(1989年~2019年)における、NYダウ平均と日経平均株価の変化率を比較してみよう。

日経平均は低迷していた期間が長く、近年は上昇基調になったものの、長期的には横ばいに近い値動きに終始している。

それに対してダウ平均は、上昇と下降を繰り返しながらも、結果的に30年間で大きく値を上げている。

当該期間の始値と終値だけを見ても、ダウ平均は2,163.21米ドル(1989年1月始値)から28,538.44米ドル(2019年12月終値)と13.19倍になり、1,219.26%という驚異的な伸び率を示した。同期間で日経平均は30,166.00円で始まり、6,994.90円の最安値をつけ、23,205.18円で終わっている。
出典:日経平均プロフィル『ヒストリカルデータ』Investing.com『NYダウ平均株価 過去データ』

米国を代表する銘柄で構成されるダウ平均が、過去30年間で日経平均よりはるかに優れたパフォーマンスを上げていることから、今後も米国株には日本株以上の株価上昇を期待できる。その理由は数々あるが、主に2つの点が挙げられる。

米国株の成長理由
  • 人口増加と経済成長
  • ベンチャー企業が成長できる環境

・米国株の成長理由1,長期的な株価上昇を支える安定的な人口増加と経済成長

米国株に長期的な株価上昇を期待できる理由は、米国内における今後の持続的な人口増加と、それにともなう経済成長が見込めることです。

国際連合の報告によれば、米国は2010年から2020年にかけて移民の入国超過が見込まれており、2019年から2050年までの人口増加率が2%、世界で9番目に人口が増加する国になるという。

人口増加は個人消費の拡大に直結するため、今後も米国の経済成長が持続する可能性は高い。

・米国株の成長理由2,ベンチャー企業が巨大企業に成長する土壌

米国では、マイクロソフトやアップル、フェイスブックのように、かつてのベンチャー企業が世界的な巨大企業に成長する事例が少なくない。

その原動力になっているのは、米国に根付いているスタートアップやベンチャー企業を支え、成長させる社会的なシステムだ。

近藤真理

創業間もない企業への出資とM&Aが繰り返されることで、さらなる新事業や起業、情報交換、技術革新につながり、創出された新産業が成長するという好循環が生まれます。このような土壌が、米国経済をけん引する巨大企業の成長を支えているのです。

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メリット2――日本株より、配当の手厚い米国株が多い

日本株に比べると、米国株の配当は手厚い傾向にあります。これは、多くの米国企業が株主還元策としての配当を重視しているからです。

株主重視の配当政策を活かして、米国では、配当目的で株を保有して資産を増やす投資手法も一般的になっている。

米国株配当の魅力は、大きく分けると以下の3点だ。

米国株配当の魅力
  • 年4回配当の会社が多い
  • 配当利回りが高い
  • 連続増配銘柄が豊富

・米国株配当の魅力1,年4回配当を実施する企業が多い

日本は年2回配当が主流ですが、米国の多くの上場企業は年4回配当を採用しています。

配当を年4回実施している代表的な米国株は次のとおり。

・アップル
・フェイスブック
・オラクル
・マクドナルド
・コカコーラ
・ジョンソ・エンド・ジョンソン

・米国株配当の魅力2,日本株より総体的に配当利回りが高い

NYダウ工業株30種の平均配当利回りは2.27%である(2020年1月31日時点)。

それに対して、東京証券取引所第一部上場銘柄の2020年1月における単純平均利回りは1.88%、加重平均利回りが2.22%(ともに月中平均)、有配会社平均利回りは2.0%(月末現在)だ。

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株の購入価額×100
近藤真理

上記のように算出されるため、配当利回りが高い銘柄は、株価の割に配当金が多いことを意味します。つまり米国株は日本株より、概してコストパフォーマンスが良いと言えます。

・米国株配当の魅力3,連続増配銘柄が豊富

米国株のうち、25年以上連続増配を継続している企業は151社だ。50年以上も連続増配を実施している企業も29社ある(2020年2月2日時点)。

たとえば、日本でも消費財メーカーとして馴染みのあるプロクター・アンド・ギャンブル(P&G) は63年、ポストイットで有名なスリーエム(3M) は61年、医療品メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソンやコカコーラは57年もの間、連続増配を続けている。
近藤真理

連続増配銘柄を長期保有していれば、安定的に配当を受け取ることができると考えられます。

メリット3――売買単位は購入しやすい1株以上、1株単位

米国株式市場には日本のような単元株制度がない。米国株最高値のアマゾン・ドットコム(3,327.59米ドル、現地時間2021年7月30日終値。1米ドル=110円の場合、33万2,759円に相当)でも1株単位で購入することができる。

日本の値がさ株の代表格であるファーストリテイリング <9983> の2021年7月30日終値は、7万3,920円。この株価で単元株(100株)を購入するためには、739万円もの資金が必要になる。

近藤真理

資金不足で日本の有名企業の株式を購入できなくても、米国株なら超有名企業の株主になれます。

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2,NISAで米国株を購入する方法を3ステップで解説

NISAで米国場株を購入する3ステップ
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
投資で得た収益が非課税になるNISA口座を利用して、投資メリットのある米国株を購入すると、特定口座や一般口座で購入するより、より効率的に利益を積み増すことができます。

出典:金融庁『NISAの概要』

米国株の具体的な買い方は、次の3ステップだ。

米国株の買い方
  • 外国株式取引口座の開設
  • 買付資金の用意
  • 買付注文

次からは、米国株取引ができる主要ネット証券のSBI証券、楽天証券、マネックス証券に証券総合取引口座とNISA口座を開設していることを前提として、NISA口座で米国株を購入する各ステップを詳しく解説していこう。

ステップ1,外国株式取引口座を開設する

米国株の購入にNISA口座を利用する場合は、外国株式取引口座内のNISA口座で取引する。

近藤真理

外国株式取引口座を開設していない場合は、ネット証券サイトにログイン後、外国株式取引口座の開設手続きをする必要があります。

ステップ2,NISA口座で米国株を買い付けるための資金を用意する

SBI証券、楽天証券では、証券総合口座にある資金をそのまま使えるが、マネックス証券の場合は外国株取引口座へ振り替える必要がある。

・SBI証券の場合

NISA口座の利用にあたって、証券総合口座から外国株式取引口座に資金を振り替える必要はない。

米国株を購入する際は、円貨決済ができる。

円貨決済では、証券総合口座の残高がそのまま外国株式取引口座の買付余力として反映されるので、日本円の必要額が証券総合口座にあるかどうかを確認すればいい。 出典:SBI証券『NISA口座でのご注文方法<外国株式>』

外貨(米ドル)決済の場合は、総合証券口座の残高のうち、必要額をPCメインサイトの「為替取引画面」上で為替取引によって日本円から米ドルに両替する。為替取引で米ドルに振り替えた金額が、外国株式取引口座の買付余力に反映される。

近藤真理

外貨決済の場合、住信SBIネット銀行から必要額の米ドルをSBI証券の証券総合口座に直接入金して(手数料無料)、米ドルの買付余力に反映させることもできます。

・楽天証券の場合

楽天証券でも、総合取引口座の資金を振り替えることなく、NISA口座の買付資金としてそのまま利用することができる。

為替取引、円貨あるいは外貨購買余力確認、NISA口座区分の選択、買付注文は、すべて同一のWEBサイトまたはマーケットスピードの銘柄別「米国株式取引」画面で処理する。 出典:楽天証券『取引ガイド(外国株式)』

円貨決済では、総合取引口座にある日本円の購買余力の範囲内で米国株を購入できる。

外貨(米ドル)決済の場合、同じ「米国株式取引」画面上で、日本円から米ドルへの為替取引(両替)を行う。

・マネックス証券の場合

マネックス証券の場合は、少し手間かかってしまう。NISAで米国株を購入するためには、①~③の手順を踏む必要がある。

マネックス証券のNISAで米国株を買う手順
  • マイページのメニューバーにある「入出金」画面を開いて、「資金振替/外国株取引」で、日本円を証券総合取引口座から外国株取引口座に振り替える。案内にしたがって、振替先口座(外国株取引口座)や振替金額を指定する。
  • 外国株取引口座にログイン後、「為替振替、口座振替」ボタンをクリックしてから、「振替」タブを選択し、案内にしたがって日本円から米ドルへの為替振替手続きを行う。
  • 次に「口座情報」タブを選択し、「非課税口座へ資金の割当」をクリックして、購入した米ドルを外国株取引口座内のNISA用米国株口座に割り当てる。

出典:マネックス証券『米国株NISA 取引ガイド』

ステップ3,米国株の買付注文をする

NISA口座で実際に米国株を買い付ける際は、以下のように、各ネット証券の米国株取引サイトで、NISA口座区分を選択して取引を行う。

・SBI証券の場合

メインサイトの「外国株式 取引」ボタンをクリックし、「外貨建商品取引サイト」に遷移して取引する。「NISA対象銘柄」と表示されている銘柄を選んで必要事項を入力し、預り区分の「NISA預り」をチェックしてから買付注文を出す。

・楽天証券の場合

為替取引やNISA区分選択で使用した、WEBサイトまたはマーケットスピードの銘柄別「米国株式取引」画面上で、必要事項を入力して買付注文を出す。

・マネックス証券

「外国株(米国株・中国株)」画面上の「米国株取引 NISA」ボタンをクリックして、NISA口座専用取引画面で買付注文を出す。

3,NISAに適した米国株の選び方、3つのポイント

NISAに適した英国株の選び方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISA口座を利用した米国株取引の下準備と、取引手順を確認できたら、いよいよ米国株の個別銘柄を選ぶことになる。「期間内なら譲渡益や配当金が非課税になる」というNISAの特性を最大限に活かした米国株の選び方や選定基準は、

  • ポイント1.10年間のインカムゲインを意識する
  • ポイント2,非課税枠を活かして成長株を狙う
  • ポイント3,コストを抑える

の3点だ。以下を参考にして、自分の投資方針に適した米国株をじっくり選んでほしい。

ポイント1――10年間でインカムゲインを最大化できる銘柄を選ぶ

投資初心者でも失敗が少ないのが、配当収入を目的とした米国株投資だ。

配当を資産形成の手段と考えるなら、必ず押さえておきたいのが「持続的で安定的な配当」と「長期投資」の2点である。

近藤真理

その観点では、「高配当利回り銘柄」あるいは「連続増配銘柄」の中からお気に入りの銘柄を資金の範囲内で数株買い付ける、同一銘柄を買い増す、あるいは複数の銘柄でポートフォリオを組むという方法が考えられます。

ただし、インカムゲイン重視の米国株選びには注意点もある。

NISA口座で非課税になるのは、国内で課せられる20.315%の所得税や住民税だけです。米国籍企業が支払う配当に対しては、日米租税条約にもとづいて、米国内で10%の税率で源泉徴収されます。
近藤真理

1株当たりの年間配当金額が決して多くないのも配当の弱点です。配当金で同一銘柄を数株あるいは複数銘柄を保有し、ロールオーバーによる非課税期間の延長によって、少なくとも10年間はNISA口座で運用することを目指しましょう。

ポイント2――値上がり益を期待できる成長性の高い銘柄を選ぶ

国内株と同様に米国株を売却した時も、国内で約定代金の0.45%の取引手数料がかかる。

利益に対しても、国内で20.315%の税率で課税されるほか、現地でSEC Feeという取引手数料が約定代金1米ドルあたり0.0000051米ドル(小数点以下第3位切り上げ、最低0.01米ドル)かかる(2021年7月30日現在)。
出典:マネックス証券『取引ルール』

NISAの場合は利益に対する20.315%の課税がないので、投資経験があり、株式投資のリスクを十分理解している人には、将来の売却益を見越して米国の成長株に投資するのもいいだろう。

米国の株式市場には、ハイテク関連を中心に、将来株価が大きく上昇する可能性を秘めた銘柄が多い。

近藤真理

しかし成長銘柄への投資には、当然ながら価格変動リスクがともないます。株価が暴落した際、どのタイミングで損切りするか考えておく必要があります。また、非課税期間満了後の対応なども計画しておきましょう。

ポイント3――コストをできる限り抑えられる銘柄や証券会社を選ぶ

コストの抑え方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

せっかくNISAの非課税投資枠を利用するのだから、徹底的にコストを削減して、利益の最大化を狙いたいところだ。コストの抑え方には次の3つがある。

コストの抑え方
  • 米国での源泉徴収を回避する
  • キャンペーンを活用する
  • 手数料の安い証券会社を選ぶ

・コストの抑え方1,米国での源泉徴収課税を回避する→英国株や豪株が狙い目

米国本土に登記されている企業から支払われる配当金は、現地で10%が源泉徴収される。

米国市場に上場している米国籍でない企業については、各国で源泉徴収税率が異なるが、英国やオーストラリアで登記されている企業のADR(米国預託証券)は、米国内では源泉徴収税が課せられない。

・コストの抑え方2,為替手数料や買付手数料が無料になるキャンペーンを活用する

マネックス証券では、米国株投資のコストが削減されるキャンペーンを適宜実施している。2021年7月現在、米ドル買付時の為替手数料が無料だ(米ドル売却時は片道25銭)。
出典:マネックス証券『米ドル買付時の為替手数料が0銭!7月以降も継続!』

誰でも利用できるので、為替手数料無料のタイミングで米国株を購入すると投資コストを削減できる。

※SBI証券と楽天証券の日本円/米ドル片道為替手数料はいずれも25銭(2021年7月30日現在)
出典:SBI証券『米国株式取引』楽天証券『外国為替の手数料』

・コストの抑え方3,米国株購入の買付手数料が安いネット証券を選ぶ

昨今、株式取引の手数料が無料というところが増えているが、米国株取引においてもその動きが出始めている。

SBI証券と楽天証券では、NISA口座で取り扱う米国ETFの買付手数料は常時無料です。マネックス証券なら、NISA口座取り扱いのETFを含むすべての米国株の買付手数料は恒常的に無料です。

4,NISAで購入するのにおすすめの米国株10選 長期投資向け銘柄は?

NISA口座で米国株を購入する方法やメリット、銘柄選びのポイントなどを紹介してきた。このような基準で米国株を選ぶと、具体的にどのような銘柄が挙がってくるのだろうか。

NISA口座を使った投資では、最長10年間米国株を保有しながら、非課税の恩恵を最大化できる銘柄を選びたい。配当重視前提で、長期運用向きの銘柄抽出条件を以下のように設定した。

条件
25年以上連続増配銘柄
配当利回りが2.5%以上
予想PERが15倍程度以上
予想ROEが18%以上
景気に影響されにくい業種(消費財、食品、医薬品、天然ガス、鉱物資源、通信など)

実際に、以下のような順で銘柄を絞り込んだ。

銘柄のスクリーニング方法
  • 2021年7月23日現在で、25年以上連続増配を実施した企業→129社 ※1
  • 配当利回り2.5%以上→51社 ※1
  • 予想PERが15倍以上、予想ROEが18%以上、さらに直近3年間の通期決算が黒字→10社 ※2
  • 景気に影響を受けにくい業種であることを確認→10社(変わらず)
※1,米サイト『The Dividend Investing Resource Center“U.S.Dividend Champions”』(現地時間2021年7月2日終値基準)で、25年以上連続増配銘柄(Dividend Champions)一覧から、配当利回り2.5%以上の銘柄を抽出した。
※2, SBI証券米国株個別銘柄情報から、予想PERと予想ROEの値(現地2021年7月23日終値基準)と、直近3年間の業績(2021年7月24日現在公表分)を参照した。

上記のような手順で抽出された10社を配当利回りの高い順に並べ替えた場合の、ランキングTOP10は以下のようになった。

長期投資に適したNISA口座おすすめ米国株TOP10

順位 会社名<ティッカー> 配当
利回り
連続増配
年数
2021/7/2終値
(円換算※)
1 インターナショナル・
ビジネス・マシーンズ(IBM)<IBM>
4.47% 26年 146.84米ドル
(1万6,152円)
2 キンバリークラーク<KMB> 3.42% 49年 133.52米ドル
(1万4.687円)
3 コカ・コーラ<KO> 3.11% 59年 53.96米ドル
(5,935円)
4 スリーエム(3M)<MMM> 2.97% 63年 199.09米ドル
(2万1,899円)
5 ペプシコ<PEP> 2.90% 49年 148.2米ドル
(1万6,302円)
6 ソノコ・プロダクツ<SON> 2.70% 39年 66.68米ドル
(7,334円)
7 クロロックス<CLX> 2.59% 44年 178.85米ドル
(1万9,673円)
8 プロクター・アンド・
ギャンブル(P&G)<PG>
2.57% 65年 135.24米ドル
(1万4,876円)
9 ジョンソン・エンド・
ジョンソン(J&J)<JNJ>
2.55% 59年 165.96米ドル
(1万8,255円)
10 ジェネラル・
ダイナミックス<GD>
2.53% 30年 188.05米ドル
(2万685円)
※1米ドル=110円を想定して円換算


上記のTOP10銘柄は、NISA口座で米国株を保有する10年間、非課税で連続増配を受けられて、保有期間中に株価が上がれば非課税で売却益を獲得できる。

TOP10銘柄の大半の株価は1株100米ドル~200米ドルであり、米国株としては決して安くはない。株価は市場からの期待や人気などの評価も反映しているので、将来性と株価上昇にも期待がもてる。

近藤真理

手持ち資金が少ない人でも、保有株数を徐々に増やしていけば、NISA口座閉鎖時にはちょっとした資産形成ができるでしょう。

第1位,インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)<IBM>……B2Bに特化したグローバルIT企業

インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)
世界中に8万のビジネスパートナーや5,200もの顧客にITサービスを提供する巨大B2B企業。IBMの主要事業部門の売上構成比(2020年12月期実績)は、グローバルテクノロジーサービス部門が約35%、グローバルビジネスサービス部門22%、クラウド&コグニティブソフトウェア部門32%、システム部門9.5%となっている。

2005年にPC事業、2014年にPCサーバー事業を中国のRenovoに売却して以来、収益性の高いクラウド事業、企業向けソリューションビジネスに経営資源を集中している。

2020年12月はコロナ禍の影響もあり、大幅な減益となった。2021年12月第1四半期、それに続く第2四半期はクラウド事業が好調で、市場予測も上回る業績を記録している。

IBMの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
26年 4.47% 17.67% 39.17%
※連続増配年数と配当利回りは米サイト『The Dividend Investing Resource Center“U.S.Dividend Champions”』(現地時間2021年7月2日終値基準)から、予想PERと予想ROEはSBI証券米国株個別銘柄情報から引用した(以下の銘柄も同じ)

業績好調によって、株価は上値追いが期待できます。フリーキャッシュフローも増加しているため、2021年12月期も連続増配が見込まれます。換金の必要があれば、相場環境次第で、売却によって値上がり益を得ることも可能です。

近藤真理

IBMはクラウド事業や企業向けソリューションサービス事業への特化という経営戦略が奏功し、好業績の波に乗っています。長期保有による連続増配や株価上昇が楽しみな銘柄です。

第2位,キンバリークラーク<KMB>……北米市場が中心のパーソナル用品メーカー

キンバリークラーク
パーソナル用品を製造・販売するメーカー。使い捨ておむつやトレーニングパンツなどの個人向け衛生用品を取り扱うパーソナルケア事業、フェイシャルティッシュやペーパータオルなどのコンシューマーティッシュ事業、石鹸や消毒剤などのソリューション製品のK-Cプロフェッショナル事業などを展開する。ブランドとしては、Huggies、Kotex、Kleenexなどが有名。

2020年12月期の業績は、企業向け事業のみ減益となったが、好調なパーソナルケア事業やコンシューマーティッシュ事業などの利益で減益分が吸収された。

2021年12月期第1四半期は、好調だった直前四半期の反動もあり、前年同期比で減収減益となった。

キンバリークラークの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
49年 3.42% 19.04% 279.06%
日用品メーカーの売上げは景気に左右されにくいので、比較的安定した業績を期待できる会社です。
近藤真理

個別銘柄でポートフォリオを組成する際には、キンバリークラークのような日用品メーカーを1社組み入れることで、リスクヘッジできるでしょう。

第3位,コカ・コーラ<KO>……世界最大の清涼飲料メーカー

コカ・コーラ
世界最大の清涼飲料メーカーであり、コカ・コーラ、ファンタ、スプライトなどのブランド炭酸飲料や、ミニッツメイド、ジョージアコーヒーといったブランドの非炭酸飲料を数多く販売している。

コカ・コーラのビジネスモデルは、自社飲料の濃縮原液を米国本社で集中的に製造するスタイルである。

製造された濃縮原液は、世界各国のボトラーに供給され、加工・販売される。コカ・コーラの売上構成比の85%は濃縮原液事業による売上である。

2020年12月期は、コロナ禍の影響が顕著であった。とりわけ第2四半期は大幅減収減益となり、事業再編の一環で自主退職による人員削減を余儀なくされた。

2021年12月期第1四半期の業績は回復の兆しが見られ、売上高は前年同期比4.87%増となり、市場予測を上回った。

第2四半期も米国や欧州では以前苦戦が続いていたが、中国、インド、途上国、新興国市場では売上高は伸長した。

コカ・コーラの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
59年 3.11% 26.38% 46.09%
2020年12月期のように業績悪化に対する対策が迅速で的確なため、業績の回復も早いです。収益性の高さや健全な財務状態だけでなく、会社としての意思決定能力の高さもコカ・コーラの特長の一つだと言えるでしょう。
近藤真理

連続増配年数は59年間で、米国でもトップクラスです。業績にかかわらず、株主還元を重視する姿勢が一貫しており、連続増配を継続できる高い財務能力も魅力です。

第4位,スリーエム(3M)<MMM>……優れた商品開発力を武器に連続増配63年

スリーエム(3M)
1902年創業の米国の老舗コングロマリットであり、商品開発力の高さは業界随一である。セーフティ&インダストリアル、輸送&エレクトロニクス、ヘルスケア、コンシューマーの4部門で構成されており、セーフティ&インダストリアル部門は、全社売上高の大半を占める主要事業である。米国外市場の売上高が全社売上高の50%以上にものぼる、代表的なグローバル企業でもある。

2019年12月期の減収減益から一転して、2020年12月期は増収増益となった。

2020年初頭から拡大した新型コロナウイルス感染症により、人工呼吸器や医療用空気清浄マスクなどの需要が急拡大し、量産型モデルの販売を促進した効果が業績に反映された。

2021年12月期第1四半期決算では、売上高は前年同期比9.6%増、純利益は30%増で、予想を上回る好業績ながら、通期見通しは据え置きとなった。

スリーエムの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
63年 2.97% 20.27% 41.78%
好業績に反して2021年12月期通期予想が据え置きとなったことで、市場では失望感が広がり、一時的に株価は大幅に下落しました。その後、株価は上昇と下落、そして上昇を経て、今後の四半期決算発表次第で、株価は上昇局面に入ると予想されます。
近藤真理

株価は200米ドル前後で安くはありませんが、優れた商品開発力を背景に、今後も好調な業績と株価の上昇、連続増配を期待できる銘柄です。

第5位,ペプシコ<PEP>……飲料だけでなく、スナック菓子や食品も手掛ける

ペプシコ
世界中に拠点をもつ食品、スナック、飲料品メーカーである。炭酸飲料ブランドのゲータレードやペプシコーラ、非炭酸飲料のトロピカーナ、スナック菓子ブランドのフリトレイ、穀類やパスタブランドのクエーカーフーズなど、多くのブランド飲料や食品の製造と販売を手掛けている。6つの事業部門で構成されるが、そのうち、フリトレイ北米事業、クエーカーフーズ北米事業、北米飲料事業からなる北米3事業部門だけで、ペプシコの連結売上高の60%以上を占める。

2020年12月期は、コロナ禍の影響で第1、第2四半期は減益となった。一方、第4四半期は市場予想を上回る好業績の効果で、通期の売上高は前期比4.76%増、当期純利益も2.65%減にとどまった。

2021年12月期第1四半期も業績は好調で、前年同期比で大幅な増収増益を記録し、2021年12月通期見通しを上方修正した。

ペプシコの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
49年 2.90% 25.30% 56.47%
好調な業績と2021年12月期予想の上方修正で、2021年5月から7月現在で、株価は上昇トレンドを形成しています。
近藤真理

連続増配年数は49年、今後も連続増配を期待できます。会社の事業も日常生活に身近でわかりやすく、株価上昇も見込めるため、ポートフォリオの選択肢に加えたい銘柄です。

第6位,ソノコ・プロダクツ<SON>……創業100年超の米国包装製品メーカー

ソノコ・プロダクツ
業務用および一般消費者用包装製品の製造と販売、関連サービスの提供を手掛ける会社である。軟質または硬質プラスチック、パレット、コンポジット缶など、さまざまな包装製品を製造しており、100年以上にわたって米国で事業を展開している。複合缶、アルミニウム缶、プラスチックボトルなどを製造・販売するコンシューマーパッケージ部門と、繊維ベースの包装原材料を扱う紙および工業用加工製品部門、拡張発砲保護包装や温度保証保護製品などを製造する保護ソリューション部門の3事業で構成されている。
2020年12月期の第4四半期は大幅減益で赤字となりましたが、通期決算では辛うじて黒字を維持した。2021年12月期も黒字確保の見通しになっています(2021年7月26日現在)。

2021年12月第1四半期の業績は持ち直したが、第2四半期には売上高と営業利益は直前四半期より若干の増収となったものの、税引前利益と純利益が直近5年間で最大の損失額を計上した。

コンシューマーパッケージ部門で51%、工業用加工製品部門で40%の大幅減益が、損失額拡大につながった。

2021年第2四半期の業績悪化にともなう通期業績予想の下方修正は確認されていないが(2021年7月26日現在)、第2四半期決算発表後は売り優勢となり、株価を下げた。

2021年通期業績予想の下方修正や第3四半期以降の業績次第では、通期決算が赤字予想となる可能性があります。その場合、連続増配が据え置き、あるいは減配となる可能性もあるので、十分注意するべきでしょう。

ソノコ・プロダクツの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
39年 2.70% 19.06% 18.39%
近藤真理

連続増配39年の優良企業ですが、ここにきて業績悪化がいつ回復するのか、あるいは配当にどうような影響を及ぼすのかが気に掛かります。

第7位,クロロックス<CLX>……創業100年超の大手生活必需品メーカー

クロロックス
1913年創業の大手生活必需品メーカー。「クロロックス」ブランドの家庭用漂白剤、洗濯用洗剤、掃除用洗剤、ごみ袋以外にも、家庭用木炭や、猫のトイレ砂「フレッシュステップ」、「ブリタ」ブランドの家庭用浄水器とフィルターなどを製造している。製造された各種製品は、スーパーマーケットや量販店、小売店などに納入され、消費者に販売されている。米国内での売上高が全体の85%を占める。

2020年6月期は前期より増収増益の好決算となった。

2021年6月期に入ると、第1四半期は純利益が前年同期比104.4%増で絶好調、第2四半期の業績も引き続いて好調であったが、第3四半期になると税引前利益と純利益が前年同期比100%を超える大幅減益により赤字に転落した。

クロロックスの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
44年 2.59% 23.79% 111.53%
2021年6月期第3四半期決算こそ赤字になりましたが、第1、第2四半期が好業績だったため損失額を吸収可能で、通期決算には大きな影響はないと予想されます(2021年7月26日現在では通期決算未発表)。そのため、2021年6月期の年間配当も、予定通り1株あたり0.4米ドル増配を期待できます。
近藤真理

黒ロックスは44年連続増配の実績があり、収益性と財務安定性の評価も比較的良好な会社なので、一時的に業績が悪化しても、連続増配の方針は維持されるでしょう。

第8位,プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)<PG>……世界最大手の消費財メーカー

プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
1837年の創業以来、世界最大手の日用消費財メーカーとして、米国内だけでなく、世界各国にP&Gブランドの製品を多数供給している。知名度の高いブランドを21も保有しており、洗濯用洗剤「タイド」、トイレットペーパーの「シャーミン」、おむつの「パンパース」などが有名。米国外市場での売上高が売上構成比の55%程度を占めており、中でも全体の3分の1は新興市場向けの売上げで構成されている。P&G製品は、量販店やドラッグストア、デパート、赤ちゃん用品専門店以外にも、eコマースや専用サイトでも販売されている。

2019年6月期の大幅減益から一転、2020年6月期は新型コロナウイルス感染拡大による買いだめ需要や家庭での衛生対策製品の売上増もあり、V字回復を果たした。

2021年6月期第1四半期以降も引き続き、家庭用衛生用品や掃除用品の需要が高く、売上げも好調。買いだめによる特需は一巡したものの、全体として好業績が続いている。

P&Gの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
65年 2.57% 25.16% 31.11%

好業績が続く中、2021年4月には、樹脂や紙パルプなどの素材価格や輸送費の上昇を理由に、同年9月から一部製品価格を5~9%程度、値上げすることが発表された(米国内)。

値上げ発表後も売上げは順調で株価も上値追いの状態が続いていますが、2021年9月の値上げ実施が、株価に若干のインパクトを与える可能性があります。
近藤真理

創業以来の長い社歴や、革新的な商品の開発・投入実績などによって、市場からの信頼も高い会社です。堅調な業績に加えて、成熟市場ゆえの研究開発費の抑制効果で潤沢な内部留保も可能です。こうした事情も、米国内最長レベルの65年連続増配を支えています。

第9位,ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>……世界最大規模のヘルスケア企業グループ

ジョンソン・エンド・ジョンソン
医薬品事業部門、医療機器・診断事業部門、消費者部門の3部門で構成されるヘルスケア多角経営企業グループの持株会社である。一般消費者向けのベビーケア用品や口腔ケア用品、美容用品なども普及しているが、J&Jの主力事業は、医療品事業部門と医療機器・診断企業部門の2部門である。両事業部門の合算売上高は全体の80%にものぼる。

医療品事業部門では、免疫、腫瘍、神経、肺、心臓、代謝疾患などの領域を対象としている。医療機器・診断事業部門では、整形外科領域の医療機器や、手術器具各種、コンタクトレンズなどを取り扱っている。

グローバル企業であるが、米国内での売上が売上構成比の約半分を占めている。

2020年12月期は第4四半期の大幅減益の影響もあり、通期決算は増収減益となった。

2021年12月期第1四半期は、既存の多発性骨髄腫治療薬や乾癬治療、抗がん剤などの売上げが好調で、売上高の伸長に貢献した。

2021年12月期第2四半期は、長引くコロナ禍で世界的な医療機器需要が高止まりしており、世界医療機器売上高は前年同期比63%増となった。医薬品部門でも、連結売上高が市場予測を大きく上回り、前年同期比27%増、純利益は49%増を記録した。

J&Jの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
59年 2.55% 20.98% 34.48%

収束の兆しが見えないコロナ禍で、医療機器需要は引き続き高い状態が続くため、J&Jの好業績は今後も続く見込み。

J&Jは新型コロナウイルスワクチンの開発競争に出遅れていましたが、J&J開発のワクチンは1回接種型、デルタ株に強力な免疫反応を示したことが公表されている。

株価上昇のための好材料が散見され、配当狙いの長期投資だけでなく、上昇トレンドに乗った押し目買いも選択肢の一つになります。
近藤真理

充実した研究施設と高い研究開発能力によって、ヘルスケア企業として世界トップクラスの実力と高い財務安定性を誇っています。56年間の連続増配年数は、今後も継続されるでしょう。

第10位,ジェネラル・ダイナミックス<GD>……潜水艦に強みをもつ軍需産業コングロマリット

ジェネラル・ダイナミックス
世界トップクラスの航空宇宙防衛企業であり、航空宇宙事業、戦闘システム事業、マリンシステム事業、情報システム・テクノロジー事業の4事業を展開している。航空宇宙事業では、ビジネスジェット機やキャビンシステムの開発・設計、製品サービスなどの提供を行っている。戦闘システム事業では、戦闘車両や武器システム、軍需品を、マリンシステム事業では原子力潜水艦や補助戦闘物流船などを設計・製造している。情報システム・テクノロジー事業は政府系機関を中心に、各種プログラムをサポートするための技術・製品・サービスを提供しており、ジェネラル・ダイナミックスの売上高の30%弱を占める主要事業となっている。

2020年12月期通期決算は減収減益であったが、2021年12月期第1四半期は4事業部門すべての業績が好調で、市場予想を上回る増収増益となった。

ジェネラル・ダイナミックスの主な経営指標

連続増配年数 配当利回り 予想PER 予想ROE
30年 2.53% 17.00% 19.67%

戦闘システム事業、マリンシステム事業、情報システム・テクノロジー事業はいずれも米国国防総省関連機関への製品とサービス提供が中心であるため、将来的にも防衛費増額や大型案件受注の恩恵を期待できる。

軍事企業としては同業他社に後れをとっていましたが、合併を繰り返すことで軍事関連事業の多角化を図り、他社を追随しています。近年では、業績の伸長とともに株価も上昇基調にあります。そのため、中長期的に見て、想定外の業績悪化や無配などの可能性は低いと予想されます。
近藤真理

2021年現在では、ビジネスジェット事業が堅調であるのに対して、初期段階の海軍関連超大型案件を抱えているため、全社的な利益率改善には、もう少し時間がかかるでしょう。

5,NISAで米国株投資する際の3つの注意点

NISAでおすすめの米国株(アメリカ株)10銘柄 SBI、楽天、マネックスのNISA口座での外国株の買い方も紹介
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISA口座を使った米国株投資は、非課税効果で長期運用による利益を最大化できるのが最大の魅力だ。その反面、通常の国内株取引とは異なる特徴がリスクを招くこともある。本稿の最後に、リスクを最小限に抑えるために覚えておきたい注意点を3つ紹介する。

NISAで米国株投資する際の注意点
  • 値幅制限がない
  • 損益通算と繰越控除ができない
  • 非課税期間満了時の資産処理方法の設計

注意点1――制限値幅がないので、株価暴落の影響が深刻

米国株には、日本株にあるような制限値幅が設けられていません。

そのため、想定以上の株価高騰で大きなリターンを得ることもあれば、大暴落によって大きな含み損を抱えることもある。

中長期で米国株投資を考えているのであれば、仮に保有する米国株の株価が大暴落しても、状況によっては相場環境が改善するまで辛抱強く持ち続ける忍耐力が必要になることもある。

近藤真理

米国株の購入に際しては、自分の投資スタンスを明らかにした上で、制限値幅がないことによって生じるリスクにどう対処するかを確認しておくべきでしょう。

注意点2――NISA口座内の譲渡損は、損益通算も繰越控除もできない

「源泉徴収あり」の特定口座内では、損失が生じると源泉徴収済みの利益と自動的に損益通算が行われ、支払いすぎた源泉徴収金額が還付される。

複数の金融機関に特定口座を持っている場合も、確定申告で損益通算をすることができる。

NISA口座はもともと非課税口座なので、仮に大幅な売却損が発生してもNISA口座内で損益通算が行われず、確定申告によって他の特定口座などと損益通算をすることもできません。NISA口座内で生じた損失は、金額の大小にかかわらず、税務上損失はなかったものとみなされます。

また、特定口座や一般口座で年間を通して譲渡損失が生じると、確定申告によって翌年以降の3年間で損失を繰り越せるが、NISA口座で損失が出ても繰り越せないことを覚えておきたい。

近藤真理

NISA口座を使って米国株を取引する場合は、売却によって大きな損が発生しないような投資戦略を立てることをおすすめします。

注意点3――非課税期間満了時の資産処理方法の設計

NISA口座の非課税期間が満了になると、NISA口座内の資産は特定口座や一般口座に移管される。非課税期間満了となる最終営業日に取得価格が見直され、移管後は利益が出れば源泉徴収される。

注意したいのは、課税口座への移管時に、NISA口座での買付価格より大幅に低い取得価格に見直されてしまうケースです。移管後に、買付時より低い価格で売却したとしても、見直された取得価格より高ければ利益が出たことになって源泉徴収されてしまうからです。
近藤真理

課税口座への移管後に不要な税金を納めることがないように、NISAの非課税期間満了前に必ず保有株式の買付価格と時価を見比べましょう。高騰していればNISA口座内で売却する、あるいは株価が低迷していれば移管後も当面保有するなど、状況に応じた対応が必要になります。

実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

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近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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