米国株(アメリカ株)の高配当利回りランキングTOP10!ダウの平均利回り、「ダウの犬」投資法も紹介

2020.7.7
投資
米国では株主還元意識が強く、日本に比べて株式配当利回りが高い傾向にある。そのため配当を目的に米国株に投資する投資家も少なくない。ここでは米国株の高配当銘柄の配当支払回数や利回り、該当企業概要など紹介。今まで投資対象は日本株のみという人も、これを機に米国株投資を検討してみてほしい。

目次
1,米国株の配当の3つの特徴――配当回数、連続増配、配当利回りの高さ
2,世界的有名企業の配当利回りは?アップル、マイクロソフト、マクドナルドなど
3,米国株の中大型優良銘柄配当利回りランキングTOP10!利回り8%台も
4,米国株投資の有名戦略「ダウの犬」とは?
5,米国株は長期保有でリターンに期待できる

1,米国株の配当の3つの特徴――配当回数、連続増配、配当利回りの高さ

米国では「株式会社は株主のもの」という意識が強く、利益の株主還元策として配当を重視している企業が多く見られる。こうした米国株の特徴でも特に際立った3つの特徴を挙げていきたい。

特徴1,配当が年4回配の企業が多い

米国企業には日本企業のような株主優待制度はないものの、四半期配当、つまり配当金の支払いが年4回ある企業が圧倒的に多い。日本では配当は年2回あるいは年1回の企業が大半だ。

たとえば、世界的に有名な米国のアップル <AAPL> の配当は、例年2月、5月、8月、11月の年4回だ。マクドナルド <MCD> は3月、6月、9月、12月の年4回。ペプシコ <PEP> は1月、3月、6月、9月の年4回である。

特徴2,日本ではあまりない長期連続増配銘柄が存在

何十年も増配を継続している企業も多く、63年連続増配で第1位のプロクター・アンド・ギャンブル <PG> や61年で第2位のスリーエム <MMM>、 57年のコカ・コーラ <KO> とジョンソン&ジョンソン <JNJ> などが名を連ねる。

連続増配企業は、概して経営基盤が安定しており、成長性も期待できる優良企業であるため、配当を得るだけでなく投資対象としても魅力がある。

米国の取引所に上場している企業で流動性のある大型株から選ばれたS&P500の構成銘柄のうち、25年以上連続増配している銘柄で構成される株価指数は「S&P 500 Dividend Aristocrats Index」(S&P500配当貴族指数)と呼ばれる。その構成銘柄はインカムゲインを目的とした投資銘柄選定に大いに役立つ。

構成銘柄の上位には、AT&T<T>やシスコ<CSCO>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>などがある。

特徴3,日経平均株価よりNYダウの配当利回りのほうが高め

個別銘柄の配当利回りだけでなく、日米の代表的な株価指数であるNYダウ工業平均株価と日経平均株価においても、前者に分がある。

2019年10月21日現在の指数ベースの配当利回りは、NYダウが2.39%(ブルームバーグ公表)、日経平均は1.96%(日経平均プロフィル公表)となっている。

相場によって多少の変動はあるものの、長期的に見ると、NYダウ配当利回りが日経平均配当利回りを上回る傾向が見られる。

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2,世界的有名企業の配当利回りは?アップル、マイクロソフト、マクドナルドなど

米国企業の配当利回りがどれほどなのか、確認してみよう。

サンプルは米国を代表する有名企業5社、アップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>、マクドナルド<MCD>、ジョンソン&ジョンソン<JNJ>、そしてエクソン・モービル<XOM>。上記5社の2020年5月4日時点での配当利回りと株価(現地終値)、各社の直近1年間に支払われた1株あたりの年間配当金総額も併せて紹介する。

ティッカー 会社名 配当利回り
(実績)
直近1年間の
1株あたり
年間配当金総額
基準株価
(2020/5/4終値)
APPL アップル 1.05% 3.08米ドル 293.16米ドル
MSFT マイクロソフト 1.11% 1.94米ドル 178.84米ドル
MCD マクドナルド 2.65% 4.82米ドル 181.87米ドル
JNJ ジョンソン&ジョンソン 2.56% 3.8米ドル 148.27米ドル
XOM エクソン・モービル 7.75% 3.48米ドル 44.88米ドル

米国を代表するアルファベット<GOOG/GOOGL>(グーグル)やアップル、フェイスブック<FB>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>のような持続的成長企業は、株主還元にあまり積極的ではない。事実、アルファベット、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムは配当を実施しておらず、利益を自社の成長のために使っている。 配当を実施している企業も、配当金が抑えられているため配当性向が低く、配当利回りも低めになっている。

それに対して、米国の典型的な重厚長大産業のエクソン・モービル<XOM>は、株主還元を重視しているが株価が安いため、配当利回りが相対的に高くなっている。

3,米国株の高配当利回り銘柄ランキングTOP10!利回り8%台も

米国株の中で、ダウ平均やナスダック100、S&P500を構成する中型株と大型株を対象に、高配当銘柄上位10社のランキングを見てみよう。

配当利回り(実績)算出のための基準株価は現地時間2020年6月29日終値、1株あたり年間配当金は直近1年間に支払われた配当金の合計額、参考株価は現地時間2020年6月30日11時54分時点の株価である。

米国株の中大型優良銘柄高配当ランキング
順位 会社名
(ティッカー)
配当利回り
(実績)
直近1年間の
1株あたり
年間配当金総額
参考株価
1
オクシデンタル・
ペトロリウム
(OXY)
17.58% 0.04米ドル 17.8米ドル
2 シュルンベルジェ
(SLB)
11.1% 0.05米ドル 18.0米ドル
3 フォード・モーター
(F)
9.98% 0.60米ドル 6.1米ドル
4 ウィリアムズ・カンパニー
(WMB)
8.27% 1.52米ドル 13.4米ドル
5 アルトリア・グループ
(MO)
8.26% 3.23米ドル 39.1米ドル
6 エクソン・モービル
(XOM)
7.74% 3.43米ドル 43.7米ドル
7 ウェルズ・ファーゴ
(WFC)
7.47% 1.92米ドル 25.8米ドル
8 ラスベガス・サンズ
(LVS)
6.90% 3.08米ドル 45.0ドル
9 AT&T
(T)
6.32% 2.05米ドル 30.0米ドル
10 ウエルタワー
(WELL)
6.79% 2.44米ドル 52.2米ドル

配当利回りは、1株あたりの配当金だけでなく、株価によっても大きく変わる。

「米国株の中大型優良銘柄高配当ランキング」上位企業の中には、赤字決算の発表や業績不振などの理由で株価が一時的に暴落し、実績配当利回りが著しく高くなっているものがある。このような企業は、将来配当の中止や減額も想定されるため、株式の購入は見送ったほうがいいだろう。 長期的かつ安定的な配当の実施を前提にすると、米国株の高配当利回りの目安は7~8%程度と考えるべきだ。

第1位,オクシデンタル・ペトロリアム<OXY>――石油、ガスの生産会社

テキサス州ヒューストンに本社を置く、独立系石油・ガスの探鉱および生産会社。米国、中東、ラテンアメリカで事業を展開している。石油・ガス部門では原油や天然ガスなどを採掘しており、パイプラインも所有・運営する。化学品部門も有する。

2019年12月期は、大幅な減益によって最終赤字となった。さらに、2020年3月の原油価格急落と2020年3月以降の新型コロナウイルス感染拡大による原油の需要減少により、2020年4月~6月業績は減損損失を計上する見込みだ。

支出削減のため、設備投資の大規模縮小と、2020年12月期年間配当金の大幅減配(3.14米ドル→0.04米ドル)を予定。

第2位,シュルンベルジェ<SLB>――パリが本社の油田サービス会社

パリに本社を置き、石油と天然ガス開発に関わる技術やプロジェクト管理、ITサービスを世界中で展開している。

シュルンベルジェの特徴的な事業はシュルンベルジュ生産管理(SPM)事業である。業界の成長性のあるサービスに活発に投資を行っており、パフォーマンスに応じた報酬を受け取っている。この報酬は同社の売上構成比の10%にものぼっている。

2019年12月期は第4四半期の特損増加が響き、前期の好調な業績から一転して税引前利益、当期純利益ともに大幅な赤字に転落した。2020年7月には、業績立て直しのため、組織構造の変革による抜本的なコスト削減を目指している。

2020年12月期より、1株当たり年間配当金の減配が予定されている(2.0米ドル→0.5米ドル)。

第3位,フォード・モーター<F>――コロナ禍の工場操業停止の影響で赤字幅拡大

ミシガン州に本社を置く大手自動車メーカー。「フォード」と「リンカーン」という2大ブランドを擁し、世界的に展開している。市場シェアは米国で14%超、欧州で約7%となっている。乗用車とトラックの製造と販売が主力事業。

2019年12月期は北米市場で販売台数が落ち込んだ。さらに、2020年1月~3月期業績でも販売台数が振るわず、結果的に純損益が19憶9,300万米ドル(1米ドル=108円換算で2,152憶4,400万円)の赤字に転落した。2020年4月~6月期の業績は、新型コロナウイルス感染拡大による工場操業停止のダメージが大きく、赤字幅が拡大すると予想されている。

2020年12月期の1株当たり年間配当金については未定。

第4位,ウィリアムズ・カンパニー<WMB>――天然ガスが主力の大規模パイプライン運営会社

本社がオクラホマ州に所在するインフラ・エネルギー会社。カナダで各種天然ガスなどの炭化水素資源を採掘し、生産、収集、精製している。精製後の天然ガスを、自社が保有・運営する大規模パイプラインで輸送し、ニューヨーク都市部や米国全土の天然ガスや天然ガス液市場、オレフィン市場に供給している。

2019年12月期業績は、2018年12月期の赤字から一転、8憶5,000米ドル(1米ドル=108円換算で918億円)の黒字を確保した。

2020年12月期の1株当たり年間配当金は、前年度の1.52米ドルから1.60米ドルに増配予定。

第5位,アルトリア・グループ<MO>――ワイン製造も手掛ける世界的に有名な米国たばこメーカー

バージニア州に本社を置くたばことワインの製造持株会社。アルトリア・グループの米国におけるたばこと無煙たばこ売上高は業界首位、機械巻き葉巻は業界第2位に位置する。傘下には、ワインの製造・販売を手掛けるセント・ミシェル・ワイン・エステイトや、世界最大級のビール製造・販売会社のアンハイザー・ブッシュ・インベブがある。

2019年12月期に、傘下の電子たばこメーカー「ジュール・ラブズ」株式の評価額を見直して評価損を計上、12億米ドルの赤字決算となった。米国ではジュールが販売するフレーバー付き電子たばこの販売規制が強化されており、ジュールを抱えるアルトリア・グループの今後の懸念材料となっている。

2019年12月期業績は大幅減益による赤字決算となったが、2020年1月~3月期は主に無煙たばこ製品の売上拡大によって業績が回復し、純利益は前年同期比36.8%増となった。

2020年12月期の1株当たり年間配当金は、3.28米ドルから3.36米ドルに大幅増配になる見込み。

第6位,エクソン・モービル<XOM>――世界最大級の石油ガス生産・精製会社

エクソン・モービルは米国の世界最大級の石油・ガス精製会社。世界各地で原油や天然ガスの探査および生産・精製を行っている。主力は石油であり、石油関連製品やスペシャリティー・ケミカルの製造大手でもある。精製や石油化学製品販売のようなダウンストリーム事業が売上構成比のおよそ80%を占める。

2020年1月~3月期は原油価格の下落と、新型コロナウイルス感染拡大による原油需要の減少で減収と赤字に転落した。

2020年12月期の1株当たり年間配当金は連続増配を継続し、0.05米ドル増配で3.48米ドルになる予定。

第7位,ウェルズ・ファーゴ<WFC>――リテール業務に注力する米国大手銀行

ウェルズ・ファーゴはサンフランシスコに本店を置く、総資産およそ1.9兆米ドルにものぼる米国の大手銀行である。

個人や小規模事業者に預金、クレジットカードサービスや学生ローンなど幅広い金融商品やサービスを提供するコミュニティ・バンキング部門、企業向けに金融ソリューションを提供するホールセール・バンキング部門、富裕層向けサービスのウエルス&資産運用部門の3事業を展開する。

他の米大手銀行に比べて、トレーディング業務よりリテール業務に注力しており、全体の売上構成比に占めるリテール部門の割合が53%と高くなっている。住宅ローン事業が全米最大であるのも同行の特徴。

2020年1月~3月期は、コミュニティ・バンキングの純利益は前年同期比94.5%減の1憶5,500万米ドル(1米ドル=108円換算で167憶4,000万円)、ホールセール・バンキングの純利益が前年同期比88.3%の3憶1,100万米ドル(およそ335憶8,800万円)に減少した。

FRBの財務体質強化指示に応じて、2020年7月~9月期から1株当たり配当金の減額が表明されている。

第8位,ラスベガス・サンズ<LVS>――米国、マカオ、シンガポールのカジノリゾート運営会社

ラスベガス・サンズは、米国内、マカオ、シンガポールの3地域を拠点に、カジノを中心とした複合型観光施設の開発、所有、運営を行っている。カジノは同社の主力事業であり、売上構成比の7割以上を占める。

新型コロナウイルス感染拡大により世界的に外出規制措置がとられたため、カジノや宿泊事業を中心とする同社は打撃を受け、2020年1月~3月期は赤字に転落。財務基盤は強固であるとして、マカオとシンガポールでの設備投資計画に変更がないことを表明している。

2020年12月期の1株当たりの年間配当金は非公表。

第9位,AT&T<T>――無線通信事業主力の米国第2位携帯電話会社

米国携帯電話業界で第2位の大手通信会社。売上高のおよそ40%を無線通信事業が占める。

無線通信事業に次いで注力しているのが、コンシューマー・エンターテインメント事業であり、売上げの25%を占める。消費者向け固定電話サービスや衛星テレビ放送を、テレビやインターネット経由などで提供している。

ワーナー・メディア事業では、HBOやターナーといったケーブルテレビネットワークや、メディア資産のトップブランドであるワーナー・ブラザーズを所有・運営。ワーナー・メディアでは、2020年5月に動画配信サービス「HBO Max」を開始し、ネットフリックスやアマゾンが先行するストリーミングサービス事業に参入した。

2020年12月期の1株当たり年間配当金は0.03米ドル増配の2.08米ドルになる予定。

第10位,ウエルタワー<WELL>――高齢者施設や医療不動産に投資するREIT

ウエルタワーは、米国、カナダ、英国市場を中心に、不動産とインフラに投資をする不動産投資信託(REIT)。投資対象は、高齢者住宅、急性期後コミュニティ、ケア付き退職者コミュニティ、外来治療施設といった高齢者施設や医療不動産に焦点を絞って投資している。

2020年12月期の1株当たりの年間配当金は、2.44米ドルから3.13米ドルに増配される予定だ。

 

4,米国株投資の有名な戦略「ダウの犬」とは?

米国株の特徴やランキングを見てきたが、ではどのようなポートフォリオを組めばよいのだろうか?その参考になるのが「Dogs of the Dow」(ダウの犬)と呼ばれる投資戦略だ。どのような戦略か、簡単にそのフローを示そう。

  1. NYダウ工業株30種平均株価を構成する30銘柄の中から、高配当の10銘柄に投資する
  2. 1年間購入した10銘柄を保有する
  3. 1年後にその時点で配当利回りが高い10銘柄と入れ替える

ダウの犬を構成する銘柄はいずれも、世界でも指折りの優良な超大型株である上に、比較的株価が割安であることが多い。最も注目すべきは、ダウの犬の平均配当利回りがNYダウの平均配当利回りを上回っていることだ。

「Dogs of the Dow」公式サイトの発表によると、2019年12月31日現在のダウの犬の平均配当利回りは3.90%、2020年5月5日現在では4.95%だ。一方、NYダウの全構成銘柄の平均利回りは前者が2.60%、後者が3.17%であり、どちらの基準日においても、ダウの犬の配当利回りのほうが高い。ダウの犬への投資は、効率的にリターンを得る手段だと考えていいだろう。

2019年12月31日を基準とした「2020年ダウの犬」は、以下の10銘柄である。

「2020年ダウの犬」10銘柄
ティッカー 会社名 実績配当
利回り1
株価1
(2019/12/31)
実績配当
利回り2
株価2
(2020/5/5)
DOW ダウ 5.12% 54.73米ドル 8.39% 33.37米ドル
XOM エクソン・
モービル
4.99% 69.78米ドル 7.65% 44.83米ドル
IBM IBM 4.83% 134.04米ドル 5.25% 122.58米ドル
VZ ベライゾン 4.01% 61.40米ドル 4.29% 56.51米ドル
CVX シェブロン 3.95% 120.51米ドル 5.12% 92.89米ドル
PFE ファイザー 3.88% 39.18米ドル 3.74% 38.51米ドル
MMM 3M 3.26% 176.42米ドル 3.91% 147.43米ドル
WBA ウォルグリーン・
ブーツ・
アライアンス
3.10% 58.96米ドル 4.27% 42.02米ドル
CSCO シスコ 2.94% 47.61米ドル 3.33% 41.46米ドル
KO コカ・コーラ 2.89% 55.35米ドル 3.52% 45.40米ドル
2020年ダウの犬10社平均 3.90%   4.95%  
ダウ平均 2.60%   3.17%  
※実績配当利回り算出のための1株あたり配当金総額は、2019年の配当金合計額

5,米国株は長期保有でリターンに期待できる

「株式会社は株主のもの」という意識が強い米国では、日本に比べて高配当利回り銘柄や連続増配銘柄が多く、年4回配当が主流だ。

経営基盤が安定し、安定的あるいは継続的な増配も見込める優良銘柄を、さまざまな基準で選りすぐって長期的に投資する。そうすることで、10年後、20年後には配当金暮らしが実現するかもしれない。

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執筆・

証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
 

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