NISA口座は1人につき1口座しか持つことができないが、年単位であれば口座を開いている金融機関の変更はできる。ただし、NISA口座を変更するにあたっては注意点やデメリットもあるので、変更方法とともに確認が必要だ。
目次
1,NISA口座の証券会社や銀行を変更すべき4つのケース
NISA口座の金融機関は変更できるが、多少の手間と時間がかかる。現在の金融機関で満足しているのなら変更する必要はないだろう。変更すべきは現在の金融機関に不満があり、他の金融機関であればその不満が解消されるときだ。具体的には次の4つのケースが考えられる。
- 購入したい商品がない
- 取引手数料が高い
- ノーロードファンドの数が少ない
- 使い勝手が悪い
ケース1,現在の証券会社や銀行で購入したい商品を取り扱っていない
金融機関により商品ラインナップには違いがあります。投資信託の取扱銘柄数も、金融機関によって数銘柄~数千銘柄と幅があり、外国株や海外ETFなどは取り扱っていない証券会社もあります。
金融機関ごとに取扱商品を比較したのが以下の表だ。大手金融機関でも取扱商品は大きく違うことがわかる。
取扱商品の比較 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
メガバンク | 対面型証券会社 | ネット証券会社 | ||||
三菱UFJ銀行 | 三井住友銀行 | 野村證券 | 大和証券 | SBI証券 | 楽天証券 | |
投資信託 | 506本 | 188本 | 987本 | 538本 | 2,646本 | 2,678本 |
国内株式 (*) |
- | - | ○ | ○ | ○ | ○ |
外国株式 | - | - | 4カ国 | 20カ国 | 9カ国 | 6カ国 |
海外ETF | - | - | 155本 | 83本 | 366本 | 394本 |
ケース2,取引手数料が高い
国内株式(ETF・REIT含む)の取引手数料はネット証券を中心に無料にしている証券会社も多い。外国株式や海外ETFの取引手数料についても証券会社によって優遇される。
同じ商品を購入するにしても取引手数料が優遇される金融機関で購入したほうが有利だ。
取引手数料の比較(NISAの場合) | ||||
---|---|---|---|---|
対面型証券会社 | ネット証券会社 | |||
野村證券 | 大和証券 | SBI証券 | 楽天証券 | |
国内株式 (ETF・REIT含む) 売買手数料 [約定金額50万円] |
524円 (*1) |
1,897円 (*1) |
0円 | 0円 |
外国株式 売買手数料 (米国の場合) [約定金額50万円] |
5,405円 (*1) |
取引価格に含まれる (2~3%程度) (*2) |
約定代金の 0.495%(*3) |
約定代金の 0.495%(*4) |
海外ETF 売買手数料 (米国の場合) [約定金額50万円] |
5,405円 (*1) |
取引価格に含む (2~3%程度) (*2) |
【買付時】 0円 【売却時】 約定代金の 0.495%(*3) |
【買付時】 0円 (全額キャッシュバック) 【売却時】 約定代金の 0.495%(*4) |
ケース3,ノーロード投資信託の取り扱いが少ない
購入時に3%近い買付手数料がかかる投資信託も多くあるが、手数料はリターンには確実にマイナス要素であるため無視できない。 主な金融機関のノーロード投信の本数は以下だ。(※2021年7月14日時点)
出典:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、大和証券、SBI証券、楽天証券のホームページをもとに筆者作成
なお、つみたてNISAの投資信託(ETFを除く)の購入時手数料は無料(ノーロード)のため、つみたてNISAではノーロード投資信託を気にする必要はありません。
ケース4,現在のNISA口座の使い勝手が悪い
たとえば、NISA口座で定期的な積立投資を行うのであれば、自動積立設定ができる金融機関だと手間が省けて便利だ。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などではNISA口座の取引もできるスマホアプリも提供している。
外国株式では現地価格でリアルタイムに売買できる証券会社がある一方、会社側から提示される価格でしか売買できなかったり、店頭や電話でしか注文できなかったりする証券会社もあります。この違いは投資成果に影響する可能性もあり、使い勝手だけの問題にとどまりません。
2,NISA口座変更の実際のケースをメリット、デメリットとともに紹介
NISA口座を変更する実際のケースについて、いくつかの金融機関を想定して考えてみたい。
たとえば2大ネット証券である楽天証券からSBI証券に変更する場合と、メガバンクである三菱UFJ銀行からSBI証券に変更する場合には、どのようなメリット・デメリットがあるのだろうか。
ケース1……楽天証券からSBI証券にNISA口座を変更する場合
NISA口座を楽天証券からSBI証券に変更する場合は、どちらもネット証券大手のため全体のサービスは同等だが、いくつかの違いがある。
楽天証券からSBI証券にNISA口座を変更する場合のメリット・デメリット | ||
---|---|---|
つみたてNISA/ 一般NISA |
メリット | デメリット |
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
・Tポイントを主に利用する人は、 ポイント制度を活用しやすい |
・楽天ポイントを主に利用する人は、 ポイント制度を活用しにくい ・SBI証券は積立買付などでの ポイント投資不可 |
つみたてNISA | ・積立頻度は「毎週」も可 ・「NISA枠ぎりぎり注文」設定が可 |
・特になし |
一般NISA | ・外国株の取扱が3ヵ国多い | ・特になし |
・つみたてNISA・一般NISA共通……ポイント制度は人によってメリットまたはデメリットに
人によってメリットにもデメリットにもなるのが楽天証券とSBI証券のポイント制度の違いだ。
楽天証券では楽天ポイント(または、楽天証券ポイント)が、SBI証券ではTポイントが貯まり、使える。
逆に、Tポイントを主に利用する人にとっては、SBI証券への変更がメリットになるでしょう。
楽天証券でポイントを利用して積み立てをしていた人にとってはデメリットになるだろう。
出典:SBI証券『つみたてNISAや積立買付でポイント投資はできますか?』、楽天証券『ポイント投資(投資信託)』
・つみたてNISA……SBI証券は楽天証券よりも柔軟な積立設定ができる
SBI証券と楽天証券 つみたてNISAの比較 | |||
---|---|---|---|
SBI証券 | 楽天証券 | ||
積立設定 | 積立頻度 | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
NISA枠ぎりぎり注文 | 可 | 不可 | |
投信本数 | 175本 | 177本 |
NISA口座を楽天証券からSBI証券へつみたてNISAを変更する場合、つみたてNISAの投資信託の買付手数料は全て無料のため同じである。
SBI証券の積立頻度は「毎月」「毎日」以外に「毎週」も可能であり、「NISA枠ぎりぎり注文」の選択もできます。
NISAの残りの枠が積立金額を下回る場合に、積立金額を下げてぎりぎりまでNISA枠を使い切るサービス。
・一般NISA……SBI証券のほうが楽天証券よりも外国株の取り扱い数が多い
SBI証券と楽天証券 一般NISAの比較 | ||
---|---|---|
SBI証券 | 楽天証券 | |
投信本数 | 2,589本 | 2,604本 |
ノーロード 投信本数 |
2,589本 | 2,604本 |
国内 株式・ETF 取引手数料 |
0円 | 0円 |
取り扱い 外国株数 (ETF、ADRを含む) |
6,000銘柄超 (米国、中国など計9ヵ国の株) |
5,000銘柄超 (米国、中国など計6ヵ国の株) |
外国株式 取引手数料 (米国の場合) (税込) |
約定代金の0.495% (*) |
約定代金の0.495% (*) |
海外ETF 取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 0円 【売却時】 約定代金の0.495% (*) |
【買付時】 実質0円(全額キャッシュバック) 【売却時】 約定代金の0.495% (*) |
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・スマートフォンサイト | ・iSPEED |
一般NISA口座を楽天証券からSBI証券へ変更する場合は、国内株式の手数料は両社とも無料であり、外国株式の手数料はほとんど差がない。
商品ラインアップにおいて国内株式は同等であるが、外国株式ではSBI証券のほうが3ヵ国多い取り扱いだ。
その他には、楽天証券とSBI証券はほとんど差がありません。金融機関を変えた場合、使い慣れたツールの変更に戸惑う可能性がある程度でしょう。
ケース2……三菱UFJ銀行からSBI証券にNISA口座を変更する場合
三菱UFJ銀行からSBI証券にNISA口座を変更する場合のメリット・デメリット | ||
---|---|---|
つみたてNISA/ 一般NISA |
メリット | デメリット |
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
・Tポイントを主に利用する人は、 ポイント制度を活用しやすい |
・対面サポートを受けられない (インターネットコース) ・Pontaポイントを主に利用する人は、 ポイント制度を活用しくい |
つみたてNISA | ・投資信託が10倍以上多い | ・特になし |
一般NISA | ・投資信託が多い ・国内株・外国株へ投資可 |
・特になし |
・つみたてNISA・一般NISA共通…… SBI証券は対面サポートを受けにくい
三菱UFJ銀行では商品残高などに応じてPontaポイントがたまり、SBI証券ではTポイントが貯まる。
SBI証券はダイレクトコースを選べば店舗での相談もできます。ただダイレクトコースは取引手数料がインターネットコースよりも割高です(※出典:SBI証券のホームページより)。
・つみたてNISA……商品数はSBI証券のほうが10倍以上多い
SBI証券と三菱UFJ銀行 つみたてNISAの比較 | ||
---|---|---|
SBI証券 | 三菱UFJ銀行 | |
積立頻度 | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 |
投信本数 | 175本 | 12本 |
つみたてNISAの利用で三菱UFJ銀行からSBI証券に変更する場合は、対象の投資信託本数が10倍以上に増えるのが大きなメリットだ。
三菱UFJ銀行のつみたてNISA対象投資信託12本に対して、SBI証券は170本以上の投資信託がつみたてNISA対象です。両社ともつみたてNISAの購入時手数料は無料のため、手数料の違いはありません。
出典:三菱UFJ銀行『つみたてNISA』、SBI証券『つみたてNISAの取扱商品』
・一般NISA……SBI証券のほうが投資商品の自由度が高い
SBI証券と三菱UFJ銀行 一般NISAの比較 | ||
---|---|---|
SBI証券 | 三菱UFJ銀行 | |
投信本数 | 2,589本 | 506本以下 (*1) |
ノーロード 投信本数 |
2,589本 | 148本以下 (*1) |
国内株式 | 対象 | 対象外 |
外国株式 | 対象 | 対象外 |
※各社ホームページ(SBI証券、三菱UFJ銀行)をもとに筆者作成(2021年9月13日時点) (*1)一般NISA対象外銘柄を含む可能性があり、一般NISAで取引可能な本数はこれ以下
三菱UFJ銀行では株式の取り扱いがないが、SBI証券は一般NISAで国内株式や外国株式の取引もできる。
また投資信託の本数も4倍に増えるうえ、すべて買付手数料無料のノーロード投信になります。
3,NISA口座の変更におすすめの証券会社5選
NISA口座を変更するならネット証券がおすすめだ。
つみたてNISAや一般NISAでおすすめのネット証券5社を比較し表にまとめた。
つみたてNISA・一般NISAでのおすすめ証券会社の比較表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 楽天証券 | 松井証券 | マネックス証券 | auカブコム証券 | ||
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 毎週 毎日 |
毎月 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 |
投信本数 | 175本 | 177本 | 170本 | 151本 | 157本 | |
一般NISA | 投信本数 | 2,589本 | 2,604本 | 1,540本以下 (*1) |
1,200本 | 1,450本以下 (*1) |
ノーロード 投信本数 |
2,589本 | 2,604本 | 1,540本以下 (*1) |
1,200本 | 1,450本以下 (*1) |
|
国内 株式・ETF 取引手数料 |
0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | |
取り扱い 外国株数 (ETF、ADRを含む) |
6,000銘柄超 (米国、中国など 計9ヵ国の株) |
5,000銘柄超 (米国、中国など 計6ヵ国の株) |
取り扱いなし | 6,000銘柄超 (米国株、中国株) |
取り扱いなし | |
外国株式 取引手数料 (米国の場合) (税込) |
約定代金の 0.495% (*2) |
約定代金の 0.495% (*2) |
取り扱いなし | 【買付時】 実質0円 (全額キャッシュ バック) 【売却時】 約定代金の 0.495% (*2) |
取り扱いなし | |
海外ETF 取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 0円 【売却時】 約定代金の 0.495% (*2) |
【買付時】 実質0円 (全額キャッシュ バック) 【売却時】 約定代金の 0.495% (*2) |
取り扱いなし | 【買付時】 実質0円 (全額キャッシュ バック) 【売却時】 約定代金の 0.495% (*2) |
取り扱いなし | |
一般NISA対応 スマホアプリ・ サイト名 |
・スマートフォンサイト | ・iSPEED | ・株アプリ ・投信アプリ など |
・マネックス トレーダー株式 スマートフォン |
・アプリ「kabu.com」 ・スマートフォンサイト |
|
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
ポイント制度 | Tポイント | ・楽天ポイント ・楽天証券ポイント |
松井証券 ポイント |
マネックス ポイント |
Ponta ポイント |
SBI証券……充実の商品ラインアップと低い手数料
SBI証券は、国内証券トップレベルの商品ラインアップと低コストの手数料を実現している人気のネット証券だ。
SBI証券のNISA情報 | ||
---|---|---|
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 毎週 毎日 |
投信本数 | 175本 | |
一般NISA | 投信本数 | 2,589本 |
ノーロード 投信本数 |
2,589本 | |
国内株式・ETF 取引手数料 |
0円 | |
取り扱い外国株数 (ETF、ADRを含む) |
6,000銘柄超 (米国、中国など計9ヵ国の株) |
|
外国株式取引手数料 (米国の場合) (税込) |
約定代金の0.495% (*2) |
|
海外ETF取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 0円 【売却時】 約定代金の0.495% (*2) |
|
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・スマートフォンサイト | |
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
ポイント制度 | Tポイント |
・SBI証券のNISAのメリット
SBI証券のつみたてNISAのメリットは、「毎月」「毎週」「毎日」と積立頻度の選択肢が多いことだ。
一般NISAでは、9ヵ国の外国株式に対応し、6,000銘柄を超えるラインアップを用意している。
・SBI証券のNISAのデメリット
SBI証券のデメリットは、一般NISAで外国株投資をする際に、マネックス証券よりも米国株・中国株買付時の手数料が割高になることだ。
マネックス証券なら、米国株・中国株買付時の取引手数料が全額キャッシュバックされ実質0円になる。
出典:マネックス証券『外国株(米国株・中国株)』
・SBI証券のNISAがおすすめの人
楽天証券……NISAでも楽天ポイントが貯まり口座開設数はトップレベル
楽天証券は、充実の商品ラインアップと低コストの手数料を実現し、楽天ポイントが貯まって使える。ー
国内証券として口座開設数トップレベルの人気ネット証券だ。
楽天証券のNISA情報 | ||
---|---|---|
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 毎日 |
投信本数 | 177本 | |
一般NISA | 投信本数 | 2,604本 |
ノーロード 投信本数 |
2,604本 | |
国内株式・ETF 取引手数料 |
0円 | |
取り扱い外国株数 (ETF、ADRを含む) |
5,000銘柄超 (米国、中国など計6ヵ国の株) |
|
外国株式取引手数料 (米国の場合) (税込) |
約定代金の0.495% (*2) |
|
海外ETF取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 実質0円(全額キャッシュバック) 【売却時】 約定代金の0.495% (*2) |
|
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・iSPEED | |
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
ポイント制度 | ・楽天ポイント ・楽天証券ポイント |
・楽天証券のNISAのメリット
楽天証券のつみたてNISAのメリットは、積立頻度が「毎月」に加えて「毎日」の選択もできることだ。
一般NISAでは、6ヵ国の外国株式に対応し、5,000を超える銘柄が取引可能だ。
つみたてNISA・一般NISA共通のメリットとして、楽天ポイントが貯まって使えることも挙げられます出典:楽天証券『ポイント投資(投資信託)』、楽天証券『楽天カードクレジット決済』。
・楽天証券のNISAのデメリット
楽天証券の一般NISAのデメリットは、SBI証券同様、外国株投資をする場合、マネックス証券に比べると、米国株・中国株買付時の取引手数料が割高になることだ。
・楽天証券のNISAがおすすめの人
特に、楽天グループのサービスなどをよく利用する人にとっては、ポイントを得て使えるメリットが大きいでしょう。
松井証券……NISAで利用しやすいスマホアプリと100年の歴史がある証券会社
松井証券は、ネット証券としては100年もの会社の歴史があり、NISAでの株や投資信託を取引しやすいスマホアプリなどが特徴の証券会社だ。
松井証券のNISA情報 | ||
---|---|---|
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 |
投信本数 | 170本 | |
一般NISA | 投信本数 | 1,540本以下 (*1) |
ノーロード 投信本数 |
1,540本以下 (*1) |
|
国内株式・ETF 取引手数料 |
0円 | |
取り扱い外国株数 (ETF、ADRを含む) |
取り扱いなし | |
外国株式取引手数料 (米国の場合) (税込) |
取り扱いなし | |
海外ETF取引手数料 (米国の場合) (税込) |
取り扱いなし | |
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・株アプリ ・投信アプリ など |
|
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
ポイント制度 | 松井証券ポイント |
・松井証券のNISAのメリット
松井証券は、NISAで使いやすいスマホアプリがあることがメリットだ。
スマホアプリ「株touch」は一般NISAに対応し、NISA口座投資可能枠を表示し、一般NISAでの買い付けを便利に行える。出典:松井証券『株touch』
スマホアプリ「投信アプリ」は、つみたてNISAと一般NISAに対応し、NISA口座での投資信託の積み立てや買い付けをしやすいツールである。出典:松井証券『投信アプリ』
・松井証券のNISAのデメリット
松井証券の一般NISAのデメリットは、外国株式の取り扱いがないことだ。
一般NISAで外国株式に投資するなら、松井証券以外を選ぶことになります。
・松井証券のNISAがおすすめの人
松井証券のNISAがおすすめの人は、証券会社の歴史や実績を重視する人や取引ツールとして使いやすいスマホアプリを希望する人です。
マネックス証券……米国株と中国株に強く買付時取引手数料は実質0円
マネックス証券は、米国株と中国株に強みをもつネット証券だ。
マネックス証券のNISA情報 | ||
---|---|---|
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 毎日 |
投信本数 | 151本 | |
一般NISA | 投信本数 | 1,200本 |
ノーロード 投信本数 |
1,200本 | |
国内株式・ETF 取引手数料 |
0円 | |
取り扱い外国株数 (ETF、ADRを含む) |
6,000銘柄超 (米国株、中国株) |
|
外国株式取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 実質0円(全額キャッシュバック) 【売却時】 約定代金の0.495% (*2) |
|
海外ETF取引手数料 (米国の場合) (税込) |
【買付時】 実質0円(全額キャッシュバック) 【売却時】 約定代金の0.495% (*2) |
|
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・マネックストレーダー株式 スマートフォン |
|
つみたてNISA ・一般NISA共通 |
ポイント制度 | マネックスポイント |
・マネックス証券のNISAのメリット
マネックス証券のつみたてNISAでは、積立頻度が「毎月」以外に「毎日」も選べる。
一般NISAのメリットは、米国と中国の2ヵ国だけで6,000を超える銘柄が取引可能なことだ。
マネックス証券での米国株と中国株の買付時の取引手数料は、全額キャッシュバックにより実質0円になります。
・マネックス証券のNISAのデメリット
マネックス証券の一般NISAは、米国と中国以外の外国株式に対応していない。
一般NISAでASEANなどの国の株式を取引するなら、SBI証券や楽天証券を選ぶことになります。
・マネックス証券のNISAがおすすめの人
auカブコム証券……充実のスマホツールとPontaポイントがたまってつかえる
auカブコム証券は、スマホアプリとスマホサイトのどちらでも、NISA口座における株などの取引が可能だ。
出典:auカブコム証券『NISA口座の取引ができるチャネルは何ですか。』
また、投資信託の保有額に応じてPontaポイントがたまり、たまったPontaポイントは一般NISAの投資信託の購入につかえる。
出典:auカブコム証券『ポイント投資とは』
auカブコム証券のNISA情報 | ||
---|---|---|
つみたて NISA |
積立頻度 | 毎月 |
投信本数 | 15本 | |
一般NISA | 投信本数 | 1,450本以下 (*1) |
ノーロード 投信本数 |
1,450本以下 (*1) |
|
国内株式・ETF 取引手数料 |
0円 | |
取り扱い外国株数 (ETF、ADRを含む) |
取り扱いなし | |
外国株式取引手数料 (米国の場合) (税込) |
取り扱いなし | |
海外ETF取引手数料 (米国の場合) (税込) |
取り扱いなし | |
一般NISA対応 スマホアプリ・サイト名 |
・アプリ「kabu.com」 ・スマートフォンサイト |
|
つみたてNISA・ 一般NISA共通 |
ポイント制度 | Pontaポイント |
・auカブコム証券のNISAのメリット
auカブコム証券の一般NISAのメリットは、スマホでの取引がアプリとサイトどちらでも可能なことだ。
スマホアプリ「kabu.com」は、株と投資信託に対応しており、一つのアプリだけで株と投資信託の取引が可能である。出典:auカブコム証券『kabu.com』
ポイント制度はPontaポイントに対応しており、投資信託の月間平均保有額に応じてPontaポイントがたまります。たまったポイントは、100円以上1円単位で投資信託の買付に利用できます(一般NISAには対応していますが、つみたてNISAではポイント利用不可)。出典:auカブコム証券『auカブコム証券の資産形成プログラム』
・auカブコム証券のNISAのデメリット
auカブコム証券の一般NISAは、松井証券と同様に外国株式の取り扱いがない。
・auカブコム証券のNISAがおすすめの人
auカブコム証券のNISAがおすすめの人は、スマホでの取引を重視し、スマホアプリかスマホサイトを選んで利用したい人です。また、Pontaポイントをよく利用する人にもおすすめです。
4,NISA口座を変更するときの3つの注意点
NISA口座の変更は、利用状況や時期によってはすぐに手続きできない可能性がある。 現在、自分の使っているNISA口座は変更が可能なのか確認するとともに、変更する際の注意点も事前に理解しておくことが重要だ。
- 変更できるのは1年に1回
- 変更受付期間は指定されている
- 商品は変更後の口座に移管できない
注意点1,1年間のうち1度でもNISA口座を使用した場合、次の年まで証券会社や銀行の変更はできない
本年にNISA口座で株式や投資信託を購入してしまった人は、翌年にならないと金融機関の変更はできない(変更の手続き自体は可能)。 出典:金融庁『NISAの概要』
投資信託の自動積立や分配金再投資コースを選択している人は特に注意が必要だ。商品を購入したつもりはなくても、NISA口座で自動積立の設定や分配金の支払いがあるとNISA口座で買付けが行われてしまう。
金融機関の変更を予定している場合には、自動積立や分配金再投資の設定がされていないかあらかじめ確認しておきましょう。もし設定があれば年内、なるべく11月中には解除しておくようにしましょう。
注意点2,NISA口座の変更受付期間が決まっている
9月30日までは翌年の変更受付はできない。10月1日から12月末までの間に変更の手続きが完了しても、金融機関が変更になるのは本年ではなく翌年からになるという点には注意したい。
その年の間に金融機関を変更し、新しい金融機関でNISA口座を使いたい場合は、9月30日までに手続きを完了させる必要があるので早めの手続きが必要になります。
注意点3,NISA口座変更前の証券会社や銀行で買い付けた商品は、変更後の金融機関に移管できない
変更前の金融機関のNISA口座で保有していた株式や投資信託については、変更前の金融機関でそのまま運用をすることになる。
配当金や売却益については、変更前の金融機関で購入した年の1月1日から最長で5年間、非課税の適用は受けることができる。 たとえば2019年に購入した場合、最長で2023年12月31日までは非課税が適用される。
NISA口座の証券会社や銀行を変更するデメリット,NISA(一般NISA)のロールオーバーができなくなる
一方、同じ例で、2017年にNISA口座の金融機関をA証券からB証券に変更した場合には、2018年まで非課税の恩恵は受けられるものの、ロールオーバーは選択できない。つまりその商品は課税口座へ移管するか売却するしかなくなる。
5年以内に売却する予定であれば金融機関の変更は問題ない。しかし5年後の非課税期間終了時点で商品が値下がりして含み損の状態にある場合、ロールオーバーできないことは大きなデメリットになる。NISA口座では利益だけでなく損失もなかったことになるからだ。
NISA口座内の含み損のある商品を売却する場合には、その損失はなかったものとして他の商品の利益と相殺(損益通算)できない。
また、課税口座に移管する場合には、非課税期間終了時点の価格に取得価格が変更される。
5,NISA口座をほかの証券会社に変更する3つのステップ
NISA口座をほかの金融機関に変更するのはそれほど難しくない。以下の3つのステップを踏んで変更手続きを進めれば数週間から1ヶ月程度で変更が可能だ。
-
現在の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書(非課税口座廃止届出書)」を提出する現在、NISA口座を開いている金融機関に電話やインターネット経由でNISA口座をほかの金融機関に変更したい旨を伝えると、「金融商品取引業者等変更届出書(非課税口座廃止届出書)」が送られてくる。
この書類に必要事項を記入し、現在NISA口座を開いている金融機関宛に返送する。 -
現在の金融機関に「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」を発行してもらうステップ1の種類を提出してしばらくすると、金融機関から「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」という書類が送られてくる。
送られてきた書類は新しくNISA口座を開設する金融機関に提出する書類になるので、送付するまでは大事に保管しておく。 -
新しくNISA口座を開く金融機関に「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」と「開設書類」を提出する新しくNISA口座を開設する金融機関に、ステップ2で送られてきた「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」と「開設に必要な書類(非課税口座開設届出書・本人確認書類・マイナンバー確認書類など)」を提出する。
「開設に必要な書類」はステップ1、2の前や同時期にあらかじめ変更する金融機関に依頼しておくと時間短縮になる。
6,NISA口座の利用は年間で計画を立て変更時は余裕をもって申請する
NISA口座の変更手続きはそれほど手間がかからないが、制度上の注意点があるので利用する際は念頭に置いておく必要がある
NISA口座の非課税投資枠や非課税機関などは年単位で区切られている。金融機関の変更についても同様に年単位で考え、あらかじめ計画を立てておくことが重要といえる。
7.NISA口座の金融機関の変更ついてよくある5つのQ&A
・現在の証券会社や銀行で購入したい商品を取り扱っていない場合
・現在の証券会社や銀行の取引手数料が高い場合
・購入時に手数料のかからないノーロード投資信託の取り扱いが少ない場合
・取引しにくい、情報がわかりにくいなど、現在のNISA口座の使い勝手が悪い場合
1.現在の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書(非課税口座廃止届出書)」を提出する
2.現在の金融機関に「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」を発行してもらう
3.新しくNISA口座を開く金融機関に「非課税管理勘定廃止通知書(非課税口座廃止通知書)」と「開設書類」を提出する
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2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
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