NISAで投資信託を買うメリットとデメリット 初心者が特に注意すべき点は?

2019.11.17
INVESTMENT
(写真=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)
(写真=SFIO CRACHO/Shutterstock.com)
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)に比べて商品数が多い。それだけに銘柄選びが重要である。現在、NISAで買い付け額が最も大きいのは投資信託だが、NISAで投資信託を選ぶことにデメリットはないのだろうか。

NISAで一番買われているのは投資信託

「老後2000万円報告書」の効果があってか、NISAの人気が堅調だ。2019年6月末時点のNISA総口座数は3月末に比べて2.1%増加している(金融庁の『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査』より)。NISAはもともと健全な資産形成を支援するために作られており、初心者がイチから投資を始めるよりもハードルが低く感じられる。NISAは最長5年間、運用益が非課税という特典も大きい。

NISAで取引できる商品は株式投資信託、国内・海外上場株式、国内・海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)と多岐にわたる。対象商品が148本のつみたてNISA、証券会社が扱える商品数の上限を35本としたiDeCoと比較するとケタ違いに豊富だ。NISAは選択肢が多いとも言えるが、銘柄選びは大変だとも言える。

NISAにおいて最も選ばれているのは投資信託だ。金融庁の調べによると、2014から2019 年6月末までの間にNISA口座で買い付けられた商品は、投資信託が9兆7,877億2,896万円と全体の57.4%を占める。次いで多いのが上場株式、ETFやREITはそれぞれ1%台にとどまる(金融庁の『NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査』より)。つみたてNISAやiDeCoは対象商品のほとんどが投資信託なのでこの結果は理解できるが、選択肢の広い一般NISAでも投資信託を選ぶ人が多いのはなぜだろうか。

NISAで投資信託を買う3つのメリット

NISAで投資信託を買うメリットを3つ挙げてみる。

NISAで投資信託を買うメリット1……非課税枠をムダなく使える

NISAで投資信託を買うメリットは、年間120万円の投資枠を限度いっぱいまで買うのに適している点だ。株式を購入する場合は売買単位があるため、「あと50万円分」のように細かく金額を設定することはできない。一方、投資信託は大きくても1万円単位で購入できるため、NISAの非課税枠をムダなく消化することができる。

NISAで投資信託を買うメリット2……少額で分散投資ができる

投資は地域や資産の種類など値動きの異なる複数の商品を保有することによってリスクを分散させるのが基本である。株式投資では1社の株式を購入するにはある程度まとまった資金が必要だ。

たとえば2019年11月10日時点のトヨタ自動車は、株価が約7,905円で売買単位は100株なので、約79万円が必要となる。NISAの年間投資枠は120万円しかなく、1社の株式だけで半分以上を使ってしまうことになる。これでは分散投資は難しい。投資信託なら最低購入金額が1万円以上のものが多く、ネット証券では100円以上、1円単位といった超少額投資が可能だ。

NISAで投資信託を買うメリット3……個人では投資しにくい地域やテーマに投資できる

たとえば世界のロボティクス関連全体に投資したいと考えた場合、国内外の該当企業を自分で探し出すのは至難の業である。投資信託はロボティクスやセキュリティ、環境関連やAIのような特定のテーマに特化した商品がいくつもある。成長が期待できる新興国を対象としたものも多く、幅広い投資が可能だ。

特殊なファンドは値動きや手数料に難がある場合もあるが、どうしても買いたいと考えている人に投資信託は便利な仕組みなのだ。

NISAで投資信託を買うデメリット3つのデメリット

NISAで投資信託を買うことはメリットが多いが、デメリットもある。

NISAで投資信託を買うデメリット1……コストがかかる

株取引では売買手数料が発生するが、投資信託は運用のプロに委託する形式となっているため、別途手数料が必要となる。投資信託にかかる費用は、購入時にかかる「販売買付手数料」、ファンドの管理費用である「信託報酬」、途中で換金する際に発生する「信託財産留保額」の3つである。

NISAの中には販売手数料4%超、信託報酬2%超のファンドも含まれており、これらを上回る運用益を得られない限り元本割れをしてしまう。

NISAで投資信託を買うデメリット2……ハイリスク商品がまぎれている

税優遇という公的な介入があることからNISAは安全だと考えられているが、一概にそうとは言えない。NISAの対象銘柄の中にはけっこうなハイリスク・ハイリターン商品が含まれている。それも当たり前のように前面に推してくるので、初心者はそれが標準的な商品だと勘違いしがちだ。

つみたてNISAやiDeCoは安全面・コスト面で厳しい基準が設けられているので極端な商品は見当たらない。一方、NISAはかなりリスクが高いものも含まれている点に注意が必要である。

NISAで投資信託を買うデメリット3……タイムリミットが5年しかない

投資信託の種類はさまざまで、長期投資に適したファンドから、株式よりも激しい値動きをするものまである。NISAではすべての範囲が対象だ。安定志向から長期投資に適したファンドを選んだとしても、NISAの非課税期間は5年と決められているため、それ以上だと運用益に課税されてしまう。せっかくのNISAの特典が台無しとなるのだ。

「ロールオーバー」をすることでNISAでの保有を継続できるが、その年の非課税枠を使ってしまうことになる。NISAでは5年以内に値上がりと売却ができそうな銘柄を選ぶことが勝負を左右するのだ。

NISAで投資信託をするならデメリットに注意

NISAで何を買ったらいいか迷った場合は、投資信託は非常に使い勝手の良い商品である。ただしNISAでは商品のラインアップが他の税優遇制度のように安全性の高いものばかりではないことに注意したい。非課税期間である5年のタイムリミットを迎えるまでに、出口戦略をあらかじめ考えておいたほうが良いだろう。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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