つみたて(積立)NISAの商品の選び方と失敗しない変更方法

2020.2.17
INVESTMENT
(写真=simon jhuan/Shutterstock.com)
(写真=simon jhuan/Shutterstock.com)
つみたてNISAの対象商品はすべて投資信託で構成される。投資信託は慣れていなければ特徴をつかむのは難しいが、つみたてNISAは数が絞られているので比較的選びやすい。注意点は商品を変更する時に通常の投資と異なる点だ。

つみたて(積立)NISAは投資初心者にやさしい商品が揃う

つみたてNISAで販売できる商品は、金融庁の提示した要件を満たす商品のみになっている。投資信託協会の公表によると、投資信託の総数は6,034本にのぼる(2020年1月17日時点)。そのうちつみたてNISAで買えるのは173本だ。つみたてNISAの基準は一般のNISAよりもはるかに厳しい。つまり173本は厳選された商品だといえる。

つみたてNISAの基準を一部例示する。
  • 手数料(信託報酬)が一定以下、販売手数料無料
  • 信託契約期間が長い(長期投資向き)
  • 純資産高が一定以上(安全性が高い)
  • 信託設定以降5年以上経過(信頼性が高い)
つみたてNISAは安全性が高く長期投資に適した条件がそろっている。そのため極端に手数料が高いものや極端にハイリスクハイリターンな商品に手を出してしまうことがない。毎月分配型のように、複利の効果が得られず長期の資産形成に向かない商品も除外されている。つみたてNISAは初心者には非常にありがたい商品だといえるだろう。

つみたて(積立)NISAの対象商品ラインアップは大きく分けて3つ

つみたてNISAは173本もあるのだからどれでも良いというわけではない。商品選びをするときには、つみたてNISAの投資信託にはどんな種類があるのかをおさえておくと良い。大きくは次の3つに分けられる。

つみたて(積立)NISAの商品1……指定インデックス投資信託(148本)

指定インデックス投資信託とは日経225など、ベンチマークとするインデックス(指標)と同じ動きをするよう組まれた投資信託のことだ。インデックスはマーケット全体の動きに連動する主要なものが指定されている。たとえば日本で言うとTOPIX、日経225、JPX日経400、MSCI Japan Indexなどだ。

全世界に投資するインデックスとしてはMSCI ACWI IndexやFTSE Global All Cap Indexが有名だ。先進国を対象としたFTSE Developed Index、FTSE Developed All Cap Index、S&P 500、新興国ではMSCI Emerging Markets Index、FTSE Emerging Indexが採用されている。

インデックス投資信託には「バランス型」と呼ばれる資産複合タイプの投資信託も含まれる。株式だけでなく債券やリートにも投資するものだ。バランス型は地域も国内外に分散されていることが多い。100%株式型よりもリスクが少なく安定運用にも期待できる。

つみたて(積立)NISAの商品2……アクティブ運用投資信託など(18本)

公式には「指定インデックス投資信託以外の投資信託」と記載してあるが、要はアクティブ型の投資信託のことである。アクティブ型とは、インデックス運用よりも高い成績を狙うもので、市場の動きよりも高いリターンが期待できる。しかしインデックス運用よりも手間とスキルを要するため手数料が高めで、値下がりのリスクが付きまとう。

つみたてNISAではそのコストとリスクが高くなりすぎないよう配慮されている。インデックス運用よりも高いものの信託報酬は一定以下、販売手数料は無料となっている。アクティブ型には極端な値動きがあるものが存在するが、純資産額を50億円以上、信託開始から5年以上経過、資金流入超回数が2/3以上のように条件を付けることで安全性を確保している。

つみたて(積立)NISAの商品3……ETF(上場投資信託)(7本)

ETFは手数料が安くリアルタイムな取引も可能なためファンも多いようだが、残念ながらつみたてNISAでは2020年2月現在7本の取り扱いしかない。これでも2019年9月末までのダイワ上場投信の3本のみより増えている。

つみたてNISAはもともと対象商品が手数料の安いものに限られ、ETFの長所が目立たない。また長期積立運用では複利の効果が大きなメリットだが、決算時に分配金を支払うETFは複利の効果が期待できない。特別な思い入れがあるなら別だが、そうでないならあえて選ぶ商品ではないのかもしれない。

つみたて(積立)NISAで初心者が選ぶべき商品は全世界に投資できるインデックス型

つみたてNISAで初心者が商品を選ぶとしたら、おすすめは「1本で世界全体にバランスよく投資できる商品」だ。

指定インデックスが日経平均の投資信託だと、日本にしか投資できない。全世界に投資できるインデックスはMSCI ACWI IndexやFTSE Global All Cap Indexだ。

どの銘柄がどの指定インデックスに連動しているかは、金融庁のホームページの「つみたてNISA対象商品届出一覧(対象資産別)」で確認できる。

つみたて(積立)NISAでバランス型を選ぶデメリット

広い地域にバランスよく投資するならば、資産もバランスよく投資したほうが良いと思う人も多いだろう。バランス型と呼ばれる資産複合型投資信託も安全性の高さから初心者向きと言われるが、つみたてNISAにおいてはおすすめとは言い切れない。なぜなら、せっかくの非課税効果が薄れるからだ。

つみたてNISAのメリットは何と言っても運用益の節税効果である。積立投資を長期間続けると利益が出る可能性が高まるが、債権を多く含む投資信託の場合、多くのリターンは望めない。運用益が望めないと、非課税効果も薄れてしまう。

つみたて(積立)NISAの商品を変更したくなってもスイッチングはできない

対象商品の新規追加や信託報酬の引き下げなどで、それまでよりも魅力的な投資信託が出てくることがある。最初に購入したつみたてNISAを別の商品に乗り換えたくなった場合、積み立て先の商品の変更は可能である。変更の手間も大してかからない。

たとえば、現在Aファンドに毎月3万円投資しているが、全額をBファンドに変更したい場合、Aファンドの積み立てを停止し、Bファンドを3万円に設定すればよい。Aファンドへの追加投資はストップするが保有は続けられる。新規投資はBファンドに切り替えられる。これがつみたてNISAの商品変更だ。

つみたてNISAでは、いわゆる「スイッチング」ができない。スイッチングとは、投資信託の入れ替えのことだ。iDeCo(個人型確定拠出年金)では、50万円分のAファンドを50万円分のBファンドに置き換えることで、非課税のまま利用できる。しかしつみたてNISAでは今後積み立てる商品の変更はできるが、すでに積み立てた商品を置き換えることはできない。使い勝手が悪いと不評だが、無駄な回転売買を防ぐ目的もあるという。

つみたて(積立)NISAの設定から外した商品は売却せず保有したままが良い?

商品変更というと変更前のファンドは売却するイメージがあるが、つみたてNISAに関しては売却せず、そのまま保有を続けるほうが税制上有利という説もある。なぜなら、売却した途端、その金額分の非課税枠は消滅してしまうからだ。

(1)今持っているファンドを売却せず、別のファンドに積み立て先を変更
 ファンドA → 積み立ての設定を止める(保有は継続)
 ファンドB → 新規追加

こうすることでファンドAが持つ非課税効果は最大20年維持することができ、さらには追加の資金投資がなくても今ある資産を複利効果で増やすこともできる。非課税効果を最大化するには保有を続けたほうがいいとされているが、一概に保有がいいとは言い切れない。それは次のような理由からだ。

(2) 今持っているファンドを売却し、別のファンドを購入
 ファンドA → 売却(売却益非課税)
 ファンドB → 新規追加

資金が十分にない場合は、中途半端な金額が残っているファンドAを売却して、ファンドBに集約したいケースもあるだろう。売却益に対する譲渡益税が非課税になるのもつみたてNISAの大きなメリットの一つなので、これを使わない手はない。配当金非課税と複利の効果は失われるが、投資資金が不足している、または値上がりによる含み益を利益確定したい場合は、売却して新規追加という選択肢もありだろう。

つみたて(積立)NISAの商品の配分を変更して両方保有するという方法もある

インデックス型の投資信託で積立投資をしていると、好成績のアクティブ投信に目が行ってしまうことがよくある。しかしアクティブ型に完全に乗り換えるには勇気がいるものだ。そんな時は、配分を変えて両方に投資するという手がある。

たとえば、インデックス型に毎月3万円積み立てていたとしたら、今後はインデックス型で2万円、アクティブ型で1万円を積み立てるのだ。配分は毎月の上限額3万3,333円の中で自由に決めて構わない。

商品を変更することは問題ないが、つみたてNISAは長期投資を目的とした制度なので、あまり頻繁に変更することは推奨できない。また、投資可能額が年間40万円に限られるので、分散しすぎると個々の投資額が小さくなるうえに、管理に手間がかかるので注意したい。

つみたて(積立)NISAの商品の信託報酬差が0.3%以上あれば変更を検討

同じような運用成績なら信託報酬の安い投資信託を選ぶべきだが、わずか0.01%の違いでも銘柄変更をすべきだろうか。利回りが同じという前提で、乗り換えの目安になる信託報酬の差について考えてみよう。

つみたてNISAにおける信託報酬の上限は、国内資産を対象とするものは0.5%以下、海外資産を対象とするものは0.75%以下と決められている。信託報酬が2%以上のものが含まれる一般のNISAに比べるとコスト差は小さいが、長期になる分、最終的な影響は少なくない。

期待収益率が年間1%で、信託報酬の差が0.3%あるケースと0.1%のケースで、毎月3万円を20年間運用したと想定して費用総額を比較してみよう。

ファンドA(信託報酬0.1%/年)20年で55万93円の利益
ファンドB(信託報酬0.2%/年)20年で47万9,540円の利益 ←Aより 7万553円低い
ファンドC(信託報酬0.4%/年)20年で34万1,489円の利益 ←Aより20万8,604円低い

信託報酬差が0.1%しかないケースだと、20年間で7万円、年間3,000円強の違いでしかない。信託財産留保額(解約手数料)が一般的に評価額100万円に対し3,000円程度発生することを考えると、わざわざ手間をかけて商品変更をする必要はないかもしれない。しかし信託報酬差が0.3%以上あれば、乗り換えを検討してもいいだろう。

積立(つみたて)NISAの商品変更は可能だが最小限に

つみたてNISAは長期投資を目的とした非課税制度だが、必要に応じて銘柄を変更することができる。ただし一度使った非課税枠は売却しても元には戻らないので、度重なる変更は避けたほうが賢明だ。やはり、つみたてNISAを始める段階で慎重に商品選びをすることが大切である。

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文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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