プロトレーダーが存在する「デイトレード」。詳細を知らないまま、敬遠してしまっているという初心者もいるだろう。信憑性の低い情報もある中、ここではデイトレードという投資手法やメリット・デメリット、銘柄の探し方など、現物取引に特化した基本的な情報をわかりやすく解説していこう。

目次

  1. 1,デイトレードとは?投資初心者にもおすすめ?
  2. 2,デイトレードのメリットとデメリット
  3. 3,デイトレードの銘柄選びの3つのポイント
  4. 4,デイトレードに必要なもの 複数のモニター、高性能取引ツール
  5. 5,デイトレードの始め方
  6. 6,デイトレードの証券会社を選ぶポイント「手数料」と「取引ツール」
  7. 7,デイトレードにおすすめのネット証券3選 SBI、楽天、松井の特徴を紹介
  8. 8,デイトレードを成功させる3つのポイント――銘柄選び、購入と売却のタイミング
  9. 9,デイトレードでの3つのNG行動──ロスカットできない、指値へこだわり、情報商材頼り
  10. 10,デイトレードについてのよくある質問
  11. 11,デイトレードは持続的な集中力のある人が有利
  12. 実際にデイトレードを始めてみる

1,デイトレードとは?投資初心者にもおすすめ?

(画像=One Dragon/stock.adobe.com)

「デイトレードはハードルが高い」というイメージを持っている人は多いかもしれない。

デイトレードは難しい経済知識や企業分析をあまり必要としない投資手法であり、投資初心者でも利益を上げることができる可能性を秘めています。

また、短期的な取引を多く行うため、株式投資の経験値を多く積めるメリットもある。

まずは、デイトレードの仕組みについて理解を深めよう。

デイトレードとは?

デイトレードとは?
デイトレードとは、ポジションを翌日に持ち越さず、その日のうちに完結させる投資手法のこと。1回あたりの利ざやは小さいが、1日に何度も取引を繰り返して利益を積み上げる、いわゆる薄利多売型の手法。

一般的な株式の長期投資とデイトレードは、銘柄の選び方や利益の出し方などがまったく違うので、デイトレード特有のスタイルを学ぶ必要があります。

デイトレードは1日という時間の中で利益を出すことを目的としている。銘柄選びにおいては企業の成長性や安定性を重視せず、その時点で値動きの大きな銘柄をあえて選びます。

その日のうちに売買を完結させるために、流動性のある銘柄を狙うこともデイトレードの特徴だ。

数日から数週間で売買を行うスイングトレードや一般の中長期投資と違って、デイトレードでは翌日にポジションを持ち越さない。

そのため、立会終了後の決算発表や海外の経済指標発表などが原因で、翌日の寄り付きで株価が暴落するといったリスクがデイトレードにはありません。

デイトレードで利益を得られる仕組み

デイトレードで利益を得る仕組みも通常の株式投資と同様、安く買って高く売るというシンプルなものです。

しかし、デイトレードではそれを1日の値動きの中で行わないといけないという特殊性が加わる。

株式の1日の値動きは特段の材料がない限りは数%である。

つまり、デイトレードは1回数%の利益を何度も積上げていく必要がある。

デイトレードでは取引を翌日に持ち越さないことが大原則なので、購入した株価よりも低くなってしまった場合であっても、その日のうちにロスカットを行う必要があります。

ロスカットとは?
損失が出ている保有銘柄を売却することで損失を確定させ、それ以上損失が増えるのを回避すること。損切りとも呼ばれる。デイトレードでは何%下がったらロスカットするといったロスカットルールを作り、徹底することが重要である。

取引を翌日まで持ち越すと別のリスクを負うこととなるが、デイトレードはそれらのリスクは負わないことを前提として成り立つ投資手法だ。

デイトレードではロスカットのルールを徹底し、多少の損失は許容することも重要です。

ロスカットルールを徹底して損失を小さく抑えながら、細かい利益を積み重ねる損益管理がデイトレードの肝である。

一般的な株式投資と言えば、購入した銘柄が大きく値上がりすることを待つイメージを持つ人が多いだろう。

通常の株式投資は、1つの取引で勝ちか負けかを判断することが多いですが、デイトレードは初めから10回中4回の負けは想定した上で、6回の勝ちを狙う投資と言えます。

2,デイトレードのメリットとデメリット

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

デイトレードのメリットやデメリットを、一般的な株式投資と比較して説明しよう。

デイトレードのメリット

デイトレードには、主に3つのメリットがある。

デイトレードの3つのメリット
  • 1,資金効率が良く、少額でも利益を積み上げることができる
  • 2,取引時間外のニュースで損失が増えることがない
  • 3,膠着状態の相場環境でも利益を上げることができる

・デイトレードのメリット1,資金効率が良く、少額でも利益を積み上げることができる

デイトレードのメリットの1つは資金効率の良さです。資金効率が良い投資とは投資資金を有効に活用できるという意味です。

デイトレードはその日のうちに決済を行うので、その投資資金はすぐに次の投資にあてることができる。

たとえば、30万円を元手に投資を行って1万の利益が出た場合、そこで得た利益を含めた31万円が次の投資資金になる。

一般的な株式投資であれば、値上がりを待つ銘柄を保有しながら別の銘柄へ投資をしたい場合、新しい資金を追加する必要がある。

つまり、一般的な株式投資では、投資銘柄を売却できる状況でなければ投資資金が回転しない。

デイトレードは資金の回転が非常に早いため、勝率さえ高ければ少額でも利益を積み上げていける、非常に効率のよい投資手法と言えます。

・デイトレードのメリット2,取引時間外のニュースで損失が増えることがない

デイトレードはポジションを翌日に持ち越すことがないので、取引時間終了後に悪材料が出た場合でも、その影響を受けずに済むというメリットがあります。

決算発表などを取引時間終了後に行う企業も多いが、その影響で翌日に大きく株価が変動するというケースも少なくない。

デイトレードはそういった取引時間外における不確実性のリスクを排除するというメリットを持つ。

逆に、取引時間外のニュースで株価が大きく上昇するという場合もありますが、デイトレードはその恩恵を受けることはできません。

・デイトレードのメリット3,こう着状態の相場環境でも利益を上げることができる

デイトレードはこう着状態で値動きの少ない相場環境でも、利益を上げることができるというメリットもあります。

デイトレードはこう着相場でも値動きのある銘柄を投資対象とし、1日の間の値動きを狙う投資手法であるため、全体の相場状況に係わらずに利益を狙うことも可能です。

デイトレードのデメリット

デイトレードならではのデメリットは、主に以下の3点だ。

デイトレードの3つのデメリット
  • 1,取引時間中は小まめに相場状況をチェックしなければならない
  • 2,売買手数料がかさむ
  • 3,利益を積み上げる投資手法なので地道な努力が必要

・デイトレードのデメリット1,取引時間中は小まめに相場状況を確認しなければならない

デイトレードは1日の中で売買を繰り返す取引手法なので、当然、取引時間中は小まめに相場状況をチェックしてタイミングを探らなければなりません。

仕事がある場合には、仕事の合間を縫って小まめに相場をチェックして、売買注文を入れるなどの工夫が必要となります。

・デイトレードのデメリット2,売買手数料がかさむ

デイトレードは何度も売買を繰り返すので、合計の取引額が大きくなり売買手数料も多く支払うことになります。
たとえば、売買手数料が0.1%の場合は10万円の取引で100円の手数料だが、1%の場合は1,000円となる。その差は1回900円であるが、10回、100回と売買を繰り返せばその分だけ差は大きくなっていく。

売買手数料の影響を小さくするために、投資家はコストの安い証券会社を選択する必要があります。

・デイトレードのデメリット3,利益を積み上げる投資手法なので地道な努力が必要

デイトレードはいわゆる薄利多売の投資手法なので、利益を積み上げるには売買を重ねる必要があります。

ほったらかし投資とも呼ばれる積立投資などとは異なり、自分で細かな売買を繰り返して地道に利益を積み上げないといけません。デイトレードで稼ぐには、多くの時間を費やして努力をする必要があります。

3,デイトレードの銘柄選びの3つのポイント

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

デイトレードで取引を行う銘柄を選ぶ際は、一般的な株式投資とは異なる視点で銘柄を選ばないといけない。

銘柄選びのポイントは次の3つを押さえておきたい。

銘柄選びのポイント
  • 値動きの大きな銘柄を選ぶ
  • 1日の売買高が大きい銘柄を選ぶ
  • 決算やニュースなどで話題の銘柄を選ぶ

デイトレの銘柄選びのポイント1……値動きの大きな銘柄を選ぶ

デイトレードは1日で売買を完結させる手法のため、値動きの少ない銘柄だと値幅を取ることができず、利益を生むことが難しい。

値動きの少ない安定的な銘柄ではなく、値動きの大きい銘柄を選ぶことがデイトレードの銘柄選びのポイントです。。

有名企業の銘柄だけでなく、値動きの軽さを重視して新興市場の銘柄も選択肢に含めていくのが望ましいでしょう。

デイトレの銘柄選びのポイント2……1日の売買高が大きい銘柄を選ぶ

デイトレードではポジションを翌日持ち越すことは厳禁のため、希望のタイミングと価格で売却できるように、なるべく売買高の大きな銘柄を選択することが重要です。

売買高の少ない銘柄とは、その銘柄の購入希望者が少ないことを意味する。

売買高の少ない銘柄を購入した場合、その銘柄の売却価格は少ない購入希望者の希望価格に合わせざるを得ない。

想定よりも低い価格で売却してしまう可能性もあるため、売買高はデイトレードの銘柄を選ぶ際には必ず確認しておくべきポイントです。

デイトレの銘柄選びのポイント3……決算やニュースなどで話題の銘柄を選ぶ

決算発表やニュースになった銘柄は、取引が活発になる傾向にあります。その結果、値動きや売買高が大きくなるため、話題の銘柄を積極的に取引しにいくことも重要です。

1日経てば、市場ではその材料を織り込んでしまうことも多いので、その日のうちに参入して売り抜けまでを行う必要があります。

企業の決算発表のスケジュールだけでなく、日々のニュースもチェックしながら話題の銘柄に乗り遅れないように注意を払いたい。

4,デイトレードに必要なもの 複数のモニター、高性能取引ツール

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

デイトレードを始めるにあたり、準備すべきものは次の通りだ。

デイトレードに必要なもの
  • モニター(2〜3つ)
  • 高機能取引ツール

デイトレードはその特殊性から、設備環境を整えて取引に臨む必要がある。

銘柄選びのための投資情報や投資判断を下すための板情報、株価チャート、各種指数情報などを短時間で分析しなければならないので、少なくとも2~3つ以上のモニターが必要である。

ネット証券の高機能取引ツールや分析ツールも、パソコンにインストールしておく必要がある。

ダウンロードタイプのツールは、リアルタイムで株価が更新されるので、デイトレードには欠かせません。

5,デイトレードの始め方

デイトレードを始める際の、実際の流れを3ステップに分けて解説する。

デイトレードの始め方
  • 証券会社に口座を開設する
  • 口座へ入金する
  • 取引ツールを使って売買をする

デイトレードの流れ1,証券会社に口座を開設する

デイトレードを行うためには、当然ながら証券会社に口座を持っている必要がある。

証券会社に口座を保有していない場合は、デイトレードを行う証券会社を選んで口座開設手続きをする必要がある。

証券会社によって手続きは異なりますが、基本的に口座開設はインターネット上で完結します。本人確認書類や自身のマイナンバー確認書類などを準備して手続きを行いましょう。

デイトレードの流れ2,口座へ入金する

証券会社に口座を開設したら、デイトレードの元手となる資金を証券口座へ入金しよう。

入金の方法は銀行振込やATMを利用する方法がある。

証券口座への反映にはタイムラグがあるので、入金は余裕をもって行うようにしましょう。

証券会社によっては、提携金融機関から即時入金できる方法を用意している場合もある。

元手はなるべく多めに入金しておくのが望ましいでしょう。元手が少ないと購入できる銘柄の選択肢が少なくなるだけでなく、同じ日に同じ銘柄を2回以上売買する場合には差金決済の禁止というルールが当てはまるためです。

同じ日に同じ銘柄を2回売買する場合、1回目の売却代金を買付にあてることができず、新たな資金が必要となる。

デイトレードの流れ3,取引ツールを使って売買をする

資金の準備もできたら、後は取引ツールを使用して売買を行うだけである。

取引ツールとは、株価チャートや板情報などの情報を提供してくれる証券会社のサービスである。

デイトレードは取引ツールから売買注文を行えます。操作方法を事前に理解して取引にのぞみましょう。

6,デイトレードの証券会社を選ぶポイント「手数料」と「取引ツール」

(画像=BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

デイトレードで利益を上げるためには、証券会社選びも非常に重要だ。

ポイントは「手数料」と「取引ツール」の2つである。

デイトレードにかかる「手数料」とは?

デイトレードでは、株式の売買にあたって売買手数料が発生する。

何度も売買を繰り返すので、合計の取引額が大きくなり売買手数料も多く支払うことになる。

デイトレードでは売買手数料の安い証券会社を選択し、手数料額を低く抑えることが利益を上げるうえで重要です。

現物株式の売買手数料は証券会社ごとに定められており、その手数料率も異なる。

手数料体系は主に以下の2つである。

  • 1注文あたりの約定代金に対して手数料を計算する「従量制」
  • 1日の約定代金の合計額に対して手数料を判断する「定額制」

証券会社によっては、手数料体系を選択できる場合もあります。一日の約定代金が大きくなるデイトレードでは、定額制がおすすめです。

デイトレード用「取引ツール」選びのポイントとは?

デイトレードは銘柄の情報収集や売買のタイミングを逃さないために、証券会社が提供する取引ツールを利用して取引を行う。

取引ツール選びのポイントは次の3点だ。

  • 注文方法の豊富さ
  • 注文発注時の操作性
  • 情報の見やすさ

注文方法の豊富さは、「逆指値注文」や「OCO注文」などの特殊な注文に対応しているかという点である。

逆指値注文とは?
指値注文の逆であり、「ある銘柄の株価が〇円以上になったら買い」もしくは「〇円以下になったら売り」という条件で注文を出す方法。特に、売り注文の場合にはロスカットラインを設定することができるので重要だ。
OCO注文とは?
異なる2つの注文を同時に発注し、片方の注文が約定したら、もう一方の注文が自動でキャンセルされる注文方法。「One Cancels Others」の略。相場に対して2つのパターンを想定している場合などに用いられる。

また、注文発注時の操作性や情報の見やすさという点は、取引スピードが求められるデイトレードでは非常に重要な要素である。

証券会社の取引ツールが自身に合っているかという主観性も重要となるため、できれば複数の証券会社に口座開設し、操作性を自分で比べてみるのが望ましいでしょう。

取引ツールを無料で提供している証券会社と有料の証券会社があります。有料の場合でも、取引高などの条件を満たせば無料になる証券会社もあるため、比較検討してみましょう。

7,デイトレードにおすすめのネット証券3選 SBI、楽天、松井の特徴を紹介

(画像=cassis/stock.adobe.com)

デイトレードに適したネット証券とは、以下の3点を満たした会社である。

  • 手数料が安い
  • 銘柄選びがしやすい
  • チャート分析など投資情報が多い

デイトレードにおすすめのネット証券を3社取り上げ、定額制プランにおける手数料と特徴を紹介する。

<SBI証券、楽天証券、松井証券の手数料>

1日の手数料(定額制 税込)
〜50万円 〜100万円 〜200万円 ~300万円 300万円超
SBI証券 無料 1,238円 1,691円 約定代金100万円
増加ごとに295円
楽天証券 無料 2,200円 3,300円 約定代金100万円
増加ごとに1,100円
松井証券 無料 1,100円 2,200円 3,300円 約定代金100万円
増加ごとに1,100円
(上限11万円)
SBI証券楽天証券松井証券のホームページをもとに筆者作成


<SBI証券、楽天証券、松井証券のツールと特徴>

取引ツール アプリ 備考
SBI証券 HYPER SBI(有料) SBI証券 株 アプリ(無料) ・1日の約定代金の計算は
現物取引と信用取引で
個別に算定
楽天証券 Market Speed(無料)
Market Speed Ⅱ(無料)
Market Speed forMac(無料)
iSPEED(無料)
iSPEED for iPad(無料)
・デイトレード割引として同一銘柄を
1日で売買する場合、
約定代金は片道分で計算

・楽天ポイントを購入代金に
充てることが可能
松井証券 ネットストック・ハイスピード(無料)
ネットストックトレーダー(有料)
株価ボード(無料)
フル板情報(無料)
Quick情報(無料) など
松井証券 株アプリ(無料)
株touch(無料)
・25歳以下なら売買手数料は
約定代金に係わらず無料
SBI証券楽天証券松井証券のホームページをもとに筆者作成


おすすめネット証券1,SBI証券……手数料の安さに加え、取引ツールも魅力

(※画像はSBI証券のホームページより引用)

SBI証券は、デイトレードをする上で選択肢に含めるべき証券会社の一つだ。

取引手数料は約定代金100万円までは無料であり、それ以降の手数料の上昇幅も非常に小さいです。コストが重要なデイトレードにおいては、このメリットは非常に大きいでしょう。
HYPER SBI

マウスを動かすだけで発注が可能な取り引きツール。スピードが重視されるデイトレードにおいての利便性を高める工夫もなされている。

HYPER SBIは有料となるが、使用料が無料となる条件も豊富に設定されている。

国内株式の売買を行った場合には翌営業日から36日間、利用料は無料となります。また、信用取引口座を開設すれば、HYPER SBIの利用料は無期限で無料となるため、信用取引の予定が無い場合でも口座の開設はしておくことがおすすめです。

出典:SBI証券『HYPER SBI』

手数料定額制のプランでは、約定代金の計算を現物取引と信用取引で個別に算定するため、信用取引を併用するような上級ユーザーにとっては非常にありがたい。

SBI証券は、デイトレードを行う上で欠点がほとんど無い非常に優秀な証券会社です。デイトレードを行う場合は、SBI証券での口座開設を積極的に検討しましょう。

おすすめネット証券2,楽天証券……デイトレード割引と取引ツールに強み

(※画像は楽天証券のホームページより引用)
楽天証券の特徴は、デイトレード割引と機能性の高い取引ツールです。
デイトレード割引

同一銘柄を1日で売買する場合、約定代金の計算は片道分で計算されるというもの。手数料定額制のため、約定代金100万円までの取引手数料は無料であるが、デイトレードを行う場合、実質約定代金200万円までの取引手数料が掛からないこととなる。

出典:楽天証券『デイトレード割引(日計り取引片道手数料無料)』

デイトレードを行ううえで非常に有利な手数料体系であり、楽天証券の強みである。

Market Speed Ⅱ

アルゴ注文と呼ばれる特殊発注に対応している取引ツール。アルゴ注文は、事前に条件を登録しておけば条件に合致した場合に注文が執行される仕組み。指定する条件も様々な注文方法に対応しているため、忙しくて相場を見ている時間が無い場合などには重宝する機能だ。

出典:楽天証券『Market Speed Ⅱ』

Market Speed Ⅱは、情報の一覧性にも優れており、デイトレードの強い味方となる取引ツールです。楽天証券に総合口座を開設すれば、無料で利用できる点もありがたい点です。


おすすめネット証券3,松井証券……25歳以下なら売買手数料完全無料

(※画像は松井証券のホームページより引用)
松井証券の特徴は、25歳以下であれば株式の売買手数料が完全無料となる点です。

25歳以下の人であれば、松井証券を選ばない理由はないといっても過言では無いでしょう。26歳以上の人でも、1日あたり50万円までの売買であれば手数料は無料です。

ネットストック・ハイスピード

デイトレード銘柄選びで重宝する「デイトレ適性ランキング」を利用できる取引ツール。デイトレードに適した値動きの大きな銘柄を抽出したランキングなので、自分で色々な銘柄を調べなくても投資対象を見つけやすい。

出典:松井証券『ネットストック・ハイスピード』


8,デイトレードを成功させる3つのポイント――銘柄選び、購入と売却のタイミング

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

次に、デイトレード成功のカギを握る銘柄選びや、売買のタイミングについて説明しよう。

ポイントは次の3つだ。

デイトレード成功のための3つのポイント
  • 値動き・取引量の多い銘柄を選ぶ
  • 値上がり予想株を寄り付きで成行購入
  • 売却時は成行注文

ポイント1,銘柄の選び方――値動き・取引量の多い銘柄を選ぶ

短時間でも利益が出る値動きの大きな銘柄や、活発な取引が行われている銘柄を探すには、ネット証券のメインサイトや取引ツール、あるいはYahoo!ファイナンスのランキングが便利です。

以下のような、値動きの大きさや取引量がわかるランキングが役に立つ。

・値上がり率ランキング
・値上がり幅ランキング
・出来高ランキング
・売買代金急増ランキング

いくつかのランキングで横断的に上位にランキングされている銘柄群を「今日の監視銘柄」として、寄り付きまでにリストアップしておこう。

当日の立会時間中は、この「今日の監視銘柄」を常時チェックしながら待機することになる。

ランキングを確認するときは、新興市場にも注目しましょう。値動きの大きな銘柄は、一般的には東証一部上場の大型株より、東証マザーズあるいはJASDAQ上場の中・小型株である場合が多いです。

ポイント2,購入タイミング=入口の見極め――値上がり銘柄は寄り付きで購入する

デイトレードの立会時間中は、「板情報」と「歩み値」で値動きをチェックする。

売買のタイミングを計るのも、この2つが基本だ。

チャートは株価に遅れて反応するので、取引の振り返りや戦略立案のために使ってほしい。

初心者が現物でデイトレードをするなら、当日の値上がりが予想される銘柄を寄り付きで購入し、値上がりを確認して売却するのが理想的です。

チャート分析で値上がりが予想されるような銘柄には、寄り付き前に多くの買い注文が入ります。寄り付きで株を購入するには「成行で買付注文」を出すといいでしょう。

大口の買い注文などが入った場合は、予想より高い約定価格になる可能性はある。

それでも、その後弾みがついて値上がりすることも多いので、それなりの利益を期待できる。

指値で注文する場合も板情報を見て、買える可能性の高い価格を指定する。

ギリギリの価格で指値を入れるのは、購入できない可能性があることを考えると、デイトレードの戦略としては正しくありません。

ポイント3,売却タイミング=出口の見極め――板の厚さが反転する頃に売る

株価が予想通り上昇すると、ある時点から売却される株が増え始めて、売り板が厚く(売りの指値注文が多く)、買い板が薄く(買いの指値注文が少なく)なってくる。

天井を判断するのは難しいので、この状況が見られたら売り時と考えて、素早く「成行の売付注文」を出すといいでしょう。

指値で売付注文を出すときは約定することを優先して、上値と見られる価格の少し下の価格を指定する。

一気に売りが進んで、指定した価格で売れなくなるリスクもあるので、板の変化には注意したい。

ネット証券の高機能取引ツールで見ることができる「歩み値」も、買い時や売り時を判断する材料になります。

【A社歩み値】

「歩み値」には、実際に約定した取引が時系列で表示される。

上の画像では赤字は買い、青字は売りを示している。

歩み値を見る限りでは、この後株価が下がることが予想されるので、寄り付きで購入した株をここで売却するのが適当と判断できます。

【A社株価チャート】

歩み値では、リアルタイムで取引ごとの出来高やスピード感を確認できるため、その後の値動きの予想を立てやすい。

9,デイトレードでの3つのNG行動──ロスカットできない、指値へこだわり、情報商材頼り

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

デイトレードをいざ始める際、やってはいけないことがいくつかある。

ここからは、3つのNG行動を紹介していこう。

デイトレードにおける3つのNG行動
  • ロスカットしない
  • ギリギリ指値で注文
  • 科学的分析をしない

NG行動1,ロスカットできない──ルールの徹底、少なくとも指成を

1日に5回行った取引のうちの4回で、ロスカットにより1万円ずつ、合計4万円の損失が出たとしても、残りの1回で6万円の利益が出れば、1日で2万円の勝ちになる。

デイトレーダーは、ロスカットはあって当たり前と考えて、ロスカットルールの徹底を心がけましょう。

常時モニターの前で値動きを監視していても、株価の急騰や暴落を想定して、新規注文時の逆指値注文や条件付注文は必須と考えましょう。

その場を離れなければならない場合、またはできる限り指値での注文を継続したければ、少なくとも、指成注文(指値注文が約定しなければ、自動的に大引けで成行注文に変わる注文方法)を入れておくべきだ。

NG行動2,ギリギリ指値で注文──成行主体で考える

デイトレードは1分1秒の差が結果を左右するだけでなく、その日のうちに決済を完結しなければならないという特殊性もある。

指値価格にこだわりすぎて、取引が成立しない、あるいは損失が拡大する事態は避けましょう。よって、ギリギリの指値で注文を入れるのはNGです。

初心者は「大局的に見て利益が出ればOK」と考えて、成行を軸に注文を出すほうがいいでしょう。

NG行動3,科学的分析をしない──情報商材に頼らない分析を

「デイトレードで○億稼いだ」「この方法なら絶対勝てる」などといった売り文句の情報商材は、あくまで他人の勝ちパターンです。参考にしても、鵜呑みにしないこと。

デイトレードは綿密なチャート分析、板と歩み値の分析、結果検証、そして実践というPDCAサイクルの上に「勝ち」がある投資手法です。さまざまな情報を取り入れながら、自分に合った方法を見つけるべきです。


10,デイトレードについてのよくある質問

(画像=Nishihama/stock.adobe.com)
Q
A
デイトレードは同じ短期トレードのスキャルピングやスイングトレードと何が違うのか?
スキャルピングは、時間軸が最も短く、数秒から数分間で売買を行い、購入価格からわずかでも利益が出ればすぐに売却する。相場の僅かな変化を常に観察する必要があるだけでなく、秒単位での売買判断が要求される上級者向けの手法だ。

スイングトレードは、デイトレードよりも長い時間軸(数日から数週間)を持ち、ポジションを持ち越すリスクを取ることで1回のトレードで大きな利益を狙いに行く。1日中相場を監視しておく必要も無いので、忙しい人にも挑戦しやすい手法だ。

デイトレードは、スキャルピングとスイングトレードの中間の性質を持ち、時間軸は1日未満である。基本的に相場を常に監視しておく必要があるが、スキャルピングほどのスピードは要求されないため、投資初心者でも始めることのできる手法である。

<短期投資手法3種の比較>

手法 取引サイクル 特徴 対象者
デイトレード ・数分~数時間に1回
・長くてもその日
のうちに手仕舞い
・1日に数回~数十回
・ポジションを翌日
に持ち越さない
・利益幅は中程度
・投資判断は主に
板情報、歩み値、
(チャート)
初心者、
もしくは
中上級者~
スキャルピング ・数秒~数分に1回
・何度も取引を
繰り返す
1円の値動きでも
利確して、それを繰り返す
ことで利益を積み重ねる
・利益幅は小さい
・テクニカル分析
・強い精神力が必要
上級者、プロ
スイングトレード ・数日~数週間、
長くても3ヵ月
程度に1回
・ポジションを保有
したまま、翌日以降
に持ち越す
・利益幅は大きい
・投資判断は主に
チャート分析
初心者~

11,デイトレードは持続的な集中力のある人が有利

(画像=taa22/stock.adobe.com)

時間の確保と自分なりの勝ちパターンを見つけられれば、デイトレードは初心者の投資手法としても十分成り立つ。

「稼げるデイトレーダー」となると、持続的な集中力と迅速な判断力、広範なデータの分析力を持ち、日々の振り返りを実践できることが条件になります。これらに自信のある人であれば、一度挑戦してみるのもいいかもしれません。

実際にデイトレードを始めてみる

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執筆・近藤真理
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者

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