株の儲け方は、「割安株投資」「成長株投資」「IPO」「配当金」「株主優待」の5つの方法が代表的だ。銘柄を絞り込むには主要ネット証券で提供しているスクリーニングツールが便利だ。
2023年1月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | |||||
国内現物株式 取引手数料 <1約定ごと プラン> |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
※1日定額 コースのみ |
IPO実績 (2021年) |
122社 | 74社 | 65社 | 42社 | 56社 |
単元未満 株取引 |
◎ S株 |
× 買取請求のみ |
◎ ワン株 |
◎ プチ株 |
× 売却のみ |
投資信託 取扱本数 |
2662本 | 2662本 | 1278本 | 1604本 | 1632本 |
外国株式 取扱国数 |
9カ国 ※1 |
6カ国 ※2 |
2カ国 ※3 |
米国のみ | 米国のみ |
つみたてNISA (取扱銘柄数) |
◎ 184本 |
◎ 182本 |
◯ 156本 |
◎ 177本 |
◎ 177本 |
口座開設数 | 833万口座 | 805万口座超 | 217万口座 | 147万口座 | 141万口座 |
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株の儲け方5選!どのくらい儲かるか過去の実績でシミュレーション
一般的に値上がり益は株式投資における最大の魅力とされ、儲けるという意味では最もイメージに近いだろう。ただし、どんな銘柄にどれくらいの期間で投資するのかなど、方法は多岐にわたる。
配当金は値上がり益ほど大きくは儲からないが、保有しているだけで定期的にお金が入ってくるため、配当狙いの投資家も多い。
株主優待を受け取ることで、間接的にも稼げる。実施していない企業もあるが、消費者向けに事業をする企業の多くは実施している傾向だ。一般的に保有数が多いほど優待の内容が豪華になり、数年など長く保有する株主には上乗せする企業もある。
株で儲ける3つの方法について、さらに詳しく見ていこう。
値上がり益を狙う
株を安く買って高く売れば値上がり益を得られるが、上場株にはさまざまな種類があり、特徴や選び方などが異なる。ここでは、割安株、成長株、IPO銘柄の3種類について紹介する。
割安株に投資する
メリット | ・配当や株主優待狙いでも投資しやすい ・値動きが比較的緩やか |
---|---|
デメリット | ・バリュートラップにハマる可能性がある ・本当に割安かどうかの判断が必要 |
おすすめな人 | ・じっくり長期投資したい人 ・投資初心者 |
割安株とは企業の利益や資産に対する評価が価格に反映されておらず、株価が低い状態の株式のことでバリュー株とも呼ばれる。
割安株は単純に株価が低い銘柄を意味するのではなく、特定の指標などを市場平均や同業他社と比較し、相対的に割安と判断される銘柄を指す。一般的にはPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標が使われる。
1株あたりの利益が150円で株価が3,000円の場合、PERは20倍になる。PERが低いほど企業が生み出す利益に対して割安といえ、一般的に15倍以下が割安の目安だ。
1株あたり純資産が1,000円で株価が3,000円の場合、PBRは3倍だ。PBRが低いほど企業の純資産に対して割安といえ、一般的に1倍以下が割安の目安である。
割安株の候補を見つけたら、その理由を探ってみよう。例えば、一時的に利益が落ち込んでいたり、知名度が低かったりして投資家に注目されていない、などが考えられる。
しかし、割安の原因が解消し、投資家たちが企業価値を正しく評価するようになれば、価格の上昇を見込める。割安株はそうした企業を見つけ先回りして購入しておくことで、将来の値上がり益を期待できる。
配当や株主優待のある銘柄を選んでおけば、長期でも保有しやすいだろう。割安株は大型株にも多いので、安定した配当や優待にも比較的期待できる。
割安株は成長株と比べて値動きが緩やかな傾向もあり、価格にあまり一喜一憂せず投資しやすいことも特徴です。割安と判断する力は必要だが、値上がりをじっくり待ち投資できるので、初心者にも向いているでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
では、割安株に投資した場合、どれくらい儲かるのだろうか。ここでは、「万年割安株」ともいわれた五大商社(伊藤忠商事<8001>、丸紅<8002>、三井物産<8031>、住友商事<8053>、三菱商事<8058>)の株価推移を見てみよう。
五大商社は資源関連の事業が多く、業績が資源価格の変動に左右されやすい面がある。為替リスクも大きく、事業が多岐にわたるためわかりにくさもあり、割安に放置されがちだった。
しかし2020年8月、「投資の神様」ことウォーレン・バフェット氏が五大商社株を購入したことを発表し、一躍注目銘柄となった(出典:時事通信社)。配当利回りの高さや資源価格の上昇なども背景に価値が見直され、株価は上昇に転じている。2018年5月を起点にすれば、およそ5年間で2倍以上になった銘柄もある。
割安株がいつ評価し直されるのか判断は難しいですが、値動きは比較的ゆったりしている傾向があるため、初心者でも始めやすいでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
成長株に投資する
メリット | ・割安株より大きな利益を期待できる ・長期でも短期でも値上がり益を狙える |
---|---|
デメリット | ・配当や優待には期待しづらい ・短期間で急落することがある |
おすすめな人 | ・値動きの大きさを許容できる人 ・大きな値上がり益を狙いたい人 |
成長株とはたとえ価格が割高でも、今後さらに業績の成長が見込める銘柄のことで、グロース株とも呼ばれる。
成長の程度は企業によるが、一般的に売上高や経常利益などが毎年大きく増加し、伸び率が2ケタを達成する企業もある。そのような企業はPERなどの指標面が割高でも、業績を背景とした投資家の期待感から大きく買い上げられるため、大幅な値上がり益も狙える。
成長株は配当金や優待がない企業が多い。これは成長スピードが早いため、利益を配当や優待に回すより、事業に再投資する企業が多いからだ。その結果、事業が成長すれば価格がさらに上昇する要因になるため、配当金や優待がないことは株主にとってデメリットばかりではない。
成長株は期待感で買われており、もともと割高であるため、株価が下落するときのリスクは割安株よりも高いことは知っておこう。
成長株はリスクの大きさを許容できる人に向いています。保有中に大幅な下落に見舞われても、短期的な値動きはあまり気にせず、中長期的な企業の成長性を見極めることが大切です。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
もちろん、値動きの大きさを利用して短期的にもトレードしやすい。その場合は、チャートのパターンなどから値動きを予測して売買するテクニカル分析も重要になる。
では、成長株に投資した場合、どのくらい儲かるのか一例を紹介しよう。以下のチャートは、企業にクラウドで経費精算システムなどを提供しているラクス<3923>の価格推移である。
成長株は急落に注意する必要がありますが、割安株より大きな値上がり益を期待できることが魅力です。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
IPO銘柄に投資する
メリット | ・初心者でも儲けやすい ・短期で利益を狙える |
---|---|
デメリット | ・当選確率が低い ・大きな金額を投資しづらい |
おすすめな人 | ・短期間で利益を出したい人 ・投資初心者 |
IPOとは未上場企業が自社の株を投資家に売り出し、証券取引所に上場することだ。「Initial Public Offering」の略で、「新規公開株」や「新規上場株」ともいわれる。
新規上場すれば誰でも売買できるようになるが、これから上場する株を証券会社に申し込んで上場前に購入することをIPO投資という。
IPO投資で儲けるには、上場後に売却して利益を得る方法が一般的だ。
多くの場合、新規上場する企業はベンチャー企業であるため、配当や株主優待があるケースは少なく、利益を出すには売却が必要である。上場日以降ならいつでも売却できるが、IPO銘柄は購入時の公募価格より上場時の初値が上回ることも多く、初日に売却する人も多い。
例えば、2022年のIPO実績は以下のとおりである。
・初値が公募価格を上回ったのは73社(約80%)
出典:デロイトトーマツ「2022年IPO市場の動向」
上記の実績を見ても、IPO銘柄は初心者でも短期間に値上がり益を狙いやすいことがわかる。
当選するためには複数の証券会社に申し込むなど、根気強く応募する必要がある。
公募価格は数百円~5,000円未満がほとんどのため、大きな金額を投資することは難しく、結果的に利益額としては小さくなりやすいでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
では、IPO投資でどれくらい儲かるのか、市場別に初値の平均騰落率を見てみよう。
市場区分 | 上場数 | 平均騰落率 |
---|---|---|
東証プライム | 3 | 8.7% |
東証スタンダード | 14 | 9.5% |
東証グロース | 70 | 58.5% |
名証メイン | 1 | -6.3% |
名証ネクスト | 2 | -15.0% |
札証アンビシャス | 1 | 18.2% |
総計 | 91 | 45.0% |
全体の平均騰落率は45.0%のため、短期でそれなりに儲けが出ているように見える。しかし、市場によってバラツキがあり、グロース市場の56.5%のみが突出している。ほかの市場はそれほど高い利益は出ておらず、初値が公募価格を割っているところもあった。
上の表はあくまで2022年の実績だが、上場する市場も考慮してIPO投資をしてみよう。
配当金を狙う
メリット | ・定期的に配当金を受け取れる ・銀行預金より高い利回りを期待できる |
---|---|
デメリット | ・無配当や減配になることがある ・1回ごとの配当金は少ない |
おすすめな人 | ・高利回りのものでお金を運用したい人 ・定期的な収入がほしい人 |
配当金は株を保有しているだけで定期的に得られる利益のため、いわゆる「不労所得」ともいえる。企業の業績によっては無配当や減配になることもあるが、大企業や利益が安定している企業は、比較的配当を継続するところが多い。
配当利回りは一般的に1~3%程度で、一般的な普通預金金利0.001%の1,000倍以上ある(2023年5月11日現在)。値動きもあるため単純比較はできないが、高利回りのもので運用したい人は検討してみよう。
日経平均採用銘柄 | プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 |
---|---|---|---|
2.13% | 2.31% | 2.20% | 0.38% |
配当利回りは、成長株の多いグロース市場よりも、ある程度業界内で地位を確立し成熟した企業が多いプライム市場やスタンダード市場のほうが高い傾向にある。そのため、対象銘柄もおのずと割安株が中心になる可能性が高い。安定的に配当を受け取るためにも割安株を狙うほうがいいだろう。
保有数が少ないと受け取れる金額も少ないため、儲けるには安定した配当を期待できる銘柄を買い増していく必要があります。そのためにも、ある程度成熟した銘柄を購入するのが王道といえるでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
年間にどれくらいの配当金を受け取れるのか、実際の銘柄で確認してみよう。
銘柄 | 株価 | 購入株数 | 購入金額 | 配当金/ 配当利回り |
年間配当金 |
---|---|---|---|---|---|
日本たばこ産業 <2914> |
2,964円 | 100株 | 29万6,400円 | 1株あたり188円 約6.34% |
1万8,800円 |
500株 | 148万2,000円 | 9万4,000円 | |||
1,000株 | 296万4,000円 | 18万8,000円 | |||
INPEX <1605> |
1,476円 | 100株 | 14万7,600円 | 1株あたり64円 約4.34% |
6,400円 |
500株 | 73万8,000円 | 3万2,000円 | |||
1,000株 | 147万6,000円 | 6万4,000円 | |||
クラレ <3405> |
1,239円 | 100株 | 12万3,900円 | 1株あたり48円 約3.87% |
4,800円 |
500株 | 61万9,500円 | 2万4,000円 | |||
1,000株 | 123万9,000円 | 4万8,000円 |
例えば日本たばこ産業の株を1,000株購入した場合、購入金額296万4,000円に対し、年間の配当金は18万8,000円になる。配当金は増配や減配があるため一定ではないが、高配当株を買い増していけば年間に数十万円を受け取れる。値上がり益よりも定期的な収入がほしい人にはおすすめだ。
株主優待を狙う
メリット | ・実質的に高利回りで運用できる銘柄もある ・家計の節約になる |
---|---|
デメリット | ・優待の廃止や改悪の可能性がある ・優待ほしさに冷静な判断が難しくなることがある |
おすすめな人 | ・お得に投資したい人 ・楽しみながら投資したい人 |
株主優待は配当金と同じく優待を定期的に受け取れる。配当利回りが2~3%程度だとしても、優待を金銭換算した実質利回りが5%を超えるものもある。
銘柄 | 株主優待 | 株主優待+ 配当利回り |
権利確定月 |
---|---|---|---|
高千穂交易 <2676> |
全国共通お米ギフト券 | 5.25% | 3月 |
エディオン <2730> |
ギフトカード | 5.46% | 3月 |
ワイズテーブル コーポレーション <2798> |
レストラン優待券 | 5.03% | 2月、8月 |
優待を受け取るためには月末の権利確定日に株を保有していることが必要だ。月末が休日の場合、その前営業日の平日が権利確定日となる。国内株の場合、権利を取得するには、権利確定日を含む3営業日前までに銘柄を購入(約定)しなければならない。
3月29日(水) | 3月30日(木) | 3月31日(金) |
---|---|---|
権利付最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 |
株の約定 | 株の受渡日 |
株主優待のみがほしい場合、権利付最終日に購入しさえすれば、翌営業日以降に売却しても優待を受け取れる。その場合、値下がりで損をする可能性はあるが、「クロス取引」を利用すれば、価格変動リスクを回避して優待のみを手に入れることも可能だ。
信用取引とは証券会社から資金や株式を借りて行う取引のことで、買いの場合は資金を借りて購入し、売却して資金を返済することを指す。売りの場合は株式を借りて売却し、それを買い戻して返済する。信用取引をするには預り金や保有株式を担保にすることが必要だ。
権利落ち日以降に現物株と信用取引を決済することで、ほとんどの購入代金が戻り株主優待も手に入る。
株主優待があれば投資の楽しみも増えますが、業績が悪くなっても優待ほしさに損切りできないなど、冷静な判断が難しくなることもあるため、総合的に考えて投資しましょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
儲かる株を選ぶにはどうしたらいい?
実際に儲かる銘柄を選ぶときはスクリーニングツールを使うと簡単に絞り込みできる。
スクリーニングツールは、無料と有料のものがある。
会社四季報や日本経済新聞社などのオンラインツールは、一部を無料で使えるが、詳しい検索をするには契約が必要だ。
一方、ネット証券のツールは、口座開設さえしていれば基本的には無料で利用できる。設定できる条件も充実しているため、まずはネット証券のものを利用し、必要に応じて有料のツールも検討しよう。
主要ネット証券のスクリーニングツール
ネット証券のスクリーニングツールは各社で検索できる条件や使いやすさが異なるため、いくつか口座開設し、検索したい内容にあわせて使い分けをするのがおすすめだ。
おすすめ検索 | 6種類 ・高配当銘柄(主力銘柄) ・財務健全・割安銘柄 (主力銘柄) ・高成長銘柄 ・20万円以下で 買える大型銘柄 ・大型優良銘柄 ・高ベータ銘柄 |
5種類 ・割安銘柄 ・成長企業 ・財務健全 低PBR ・高配当銘柄 ・成長・有望株 (ファンダメンタル) |
5種類 ・高成長で値ごろな銘柄 ・アナリスト評価が高い銘柄 ・高配当で好財務の銘柄 ・好業績だが売が強い銘柄 ・IFISスコアが高い銘柄 |
「いま注目の スクリーニング」 から適宜検索 |
6種類 ・20万円以下で 買える大型 優良銘柄 ・安定好配当な銘柄 ・財務良好な 割安銘柄 ・成長が期待できる 有望銘柄 ・売上・利益の 伸びが高い銘柄 ・ゴールデンクロス 達成銘柄 |
---|---|---|---|---|---|
テーマ検索 | ○ (テーマキラー!) |
○ (マーケット スピードⅡ) |
○ (旬なテーマから探す・ AI銘柄ナビ) |
○ (テーマから探す) |
○ (マーケットラボ) |
チャート 形状検索 |
○ (チャート形状 銘柄検索) |
○ (マーケット スピードⅡ) |
○ (チャート フォリオ) |
× | ○ (チャート フォリオ) |
テクニカル シグナル |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
スコア検索 | リフィニティブ社 企業スコア |
コンセンサス レーティング |
独自スコア アナリスト評価 |
コンセンサス | アナリスト予想 |
条件保存 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
株主優待 検索 |
○ (株主優待検索) |
○ (株主優待検索) |
○ (株主優待検索) |
○ (株主優待一覧) |
○ (マーケットラボ) |
公式サイト | |||||
詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
各社のスクリーニングの特徴について見てみよう。
SBI証券…企業スコアを設定したスクリーニングも可能
通常の検索に加え、リフィニティブ社の企業スコアを設定した絞り込みもできる。
企業スコアは株価や財務などの定量分析から算出され、10を最高とした10段階評価である。定量的な情報を加えることで、客観性の高い絞り込みの役に立つ。
スクリーニングの設定条件に迷う場合は、6種類のおすすめ検索も活用してみよう。
・財務健全・割安銘柄(主力銘柄)
・高成長銘柄
・20万円以下で買える大型銘柄
・大型優良銘柄
・高ベータ銘柄
銘柄スクリーニングとは別のページになるが、「テーマキラー!」「チャート形状銘柄検索」「株主優待検索」を使い、テーマやチャートの形、詳しい優待情報からの絞り込みにも対応している(※スマホは「SBI証券 株アプリ」から利用)。
楽天証券…アナリスト評価の平均スコアを取り入れたスクリーニングが可能
楽天証券のスクリーニングツールも検索機能のバランスが良い。
検索結果の見やすさも好評で、スクリーニング結果から「詳細分析」をクリックすると、株価、業績・予想、企業動向がビジュアルでわかりやすく表示される。投資候補銘柄を比較するときに活用しよう。
おすすめ検索は5種類が用意されており、初心者はここから絞り込むと簡単だ。
・成長企業
・財務健全 低PBR
・高配当銘柄
・成長・有望株(ファンダメンタル)
テーマ検索やチャート形状検索をしたい場合は、トレーディング用PCアプリ「マーケットスピードⅡ」(※スマホは「iSPEED」)をダウンロードしよう。
マーケットスピードⅡは無料で利用できるが、今のところWindowsのみ対応している。
マネックス証券…スコアやアナリスト評価の項目が充実したスクリーニングツール
スコアは7種類、アナリスト評価は4種類の項目があり、定量的な情報や市場評価を使った客観性の高いスクリーニングができる。
「AI銘柄ナビ」も特徴的だ。AI銘柄ナビは、投資テーマごとに選ばれた各銘柄について、AIが株価上昇・下落トレンドを予測する機能である。気になる銘柄をポートフォリオに登録しておけば、トレンド予測が変わった際にメールでお知らせしてくれる。投資判断の参考になる機能なので活用してみよう。
スクリーニングツールのおすすめ検索は5種類あり、値ごろな銘柄や強く売られている銘柄など買い場の可能性がある銘柄を抽出できる。
・アナリスト評価が高い銘柄
・高配当で好財務の銘柄
・好業績だが売が強い銘柄
・IFISスコアが高い銘柄
auカブコム証券…200を超える豊富な検索条件があるスクリーニングツール
最長で過去5年前までのデータ検索ができる独自性もあり、「株価」「財務」「コンセンサス」について指定の範囲や期間で検索できるのも特徴だ。
パソコン上の投資情報ツールであるkabuステーション(FinTechプラン)では、Tick回数ランキングや信用低倍率ランキングなど玄人向けの機能も充実しており、非常に情報量が多い。kabuステーション(FinTechプラン)は有料(税込990円/月)だが、条件を満たせば無料で利用できる。
・前月に全取引を対象にした何らかの約定を1回以上する
kabuステーション(FinTechプラン)が無料になるには、両方の条件を満たす必要はあるものの、それほどハードルは高くない。
auカブコム証券は多数のスクリーニング機能があるので、何から検索していいかわからない人は、自社アナリストのおすすめ検索を使ってみよう。「いま注目のスクリーニング」から自社アナリストが設定した条件で抽出したあと、投資金額や市場、業種などで簡単に絞り込める。
松井証券…業績や株価分析もできる強力な機能を備えたスクリーニングツール
・安定好配当な銘柄
・財務良好な割安銘柄
・成長が期待できる有望銘柄
・売上・利益の伸びが高い銘柄
・ゴールデンクロス達成銘柄
テーマから選びたい場合は、「テーマ検索」を使ってみよう。アクセス数の多さがわかる「アクセスランキング」や、アクセス数の増加がわかる「急上昇テーマランキング」では、話題のテーマをひと目で確認できる。
また、松井証券のスクリーニングツールは業績や株価分析もできる強力な機能を備えている。
業績では過去20年の決算データを閲覧可能で、過去6年分まではグラフ表示がされている。それ以前の業績もデータをもとにエクセルなどを使って自分でグラフ化も可能だ。視覚的にわかりやすくなれば分析もしやすいため、投資銘柄を決める際にぜひ参考にしたい。
「ヒストリカルPER」という過去のPERの推移データも入手できるため、投資タイミングの参考になるだろう。
アナリストレポートから算出する「アナリスト予想」、収益性や財務健全性などから算出する「銘柄スコア」、TOPIX比の収益率を予想する「AIスコア」などもあるため、多面的な情報を売買判断に役立てられる。
FISCO(フィスコ)
・過去10期の業績からスクリーニングしたい人
フィスコのスクリーニングツールが特徴的なのは、アナリストや個人投資家が指定した抽出条件を多数選べることだ。ウォーレン・バフェット氏やピーター・リンチ氏など、世界の偉人たちの考えをもとにした条件もある。
・中長期的に成長期待大きい半導体関連株を割安に仕込むためのスクリーニング(個人投資家イーグルさん)
・優れた会社を、会社の本質的な価値より安く買う(ウォーレン・バフェット)
業績は過去10期分をスクリーニング条件に使用でき、有用性が高いツールだ。
みんかぶ(みんなの株式)
・手軽にスクリーニングしたい人
みんかぶのスクリーニングツールは、投資目的やテーマから簡単に検索できるようになっている。「おすすめの銘柄から探す」「人気テーマから探す」「今月のおすすめ優待」など豊富なカテゴリがある。
例えば「人気テーマから探す」場合、以下の条件例がある。
・ディフェンシブ
・インバウンド
・外食
・化粧品
選択可能な条件はかなり多いので、自分で設定せず簡単にスクリーニングできるのが特徴だ。
株探
・テクニカル分析で銘柄を絞り込みたい人
株探のスクリーニングツールは、「ファンダメンタルズ」と「テクニカル分析」に強みがあり、「銘柄探検」ページの各項目からワンクリックでリスト表示ができる。
・最高益を見込む【増益率】ベスト100
・【経営効率化が続く】銘柄リスト
儲かる銘柄を見つける場合、業績は重要な要素になるため、活用したいツールだが、プレミアム会員にならないと公表されていない部分もある。
儲かる株の選び方!スクリーニングツールをどう使う?
実際にツールを使って、投資候補になる銘柄を絞り込んでみよう。
今回はSBI証券のスクリーニングツールを使用しますが、自分が使いやすいものなら、ほかのツールでも問題ありません。なお、スクリーニング条件に正解はないので、あくまで一例として参考にしてください。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
割安株の選び方
割安株のスクリーニング条件は以下のとおりとする。
・PBR:1~5倍
・ROE:10%以上
・売上高営業利益率:10%以上
・自己資本比率:50%以上
今回は予想PERを15倍以下、PBRを1~5倍以下に設定する。
株価は将来を見通して動くものなので、PERは利益予想をもとにした数値を使用しています。実際には業種によって平均PERは異なるので、20倍を超えていても割安なことはあります。このあたりは購入したい株の業種も考えて調整すると、お目当ての銘柄にたどり着きやすくなるでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
PBRは一般的に1倍以下が割安といわれるが、本来は企業価値が純資産を下回っている状態はあまりよくない。PBR1倍以下は、企業が解散した際に株主に分配される金額より安い値段で取引がなされており、会社を清算した場合、株主に純資産を還元すれば株価以上の対価が得られるため、事業の継続より解散のほうがましだと市場から評価されていることを意味するからだ。
日本株は恒常的にPBR1倍割れの企業も多く、東証も問題視している(※時事通信社『PBR1倍割れ、何が問題?低い資本効率、東証が改善要請―ニュースQ&A』より)。今後改善する企業もあるだろうが、1つずつ確かめるのは大変なため、1倍以下は対象から除いている。
以上の条件でスクリーニングし、予想PERが低い順に5銘柄を並べると以下のようになる。
銘柄 | 株価 | 予想PER | PBR | ROE | 売上高 営業利益率 |
自己資本 比率 |
---|---|---|---|---|---|---|
SANKYO <6417> |
5,850円 | 8.32倍 | 1.09倍 | 16.30% | 37.21% | 84.28% |
SUMCO <3436> |
1,850円 | 8.88倍 | 1.21倍 | 13.90% | 24.87% | 59.78% |
小野薬品工業 <4528> |
2,574円 | 9.18倍 | 1.69倍 | 16.10% | 31.75% | 84.07% |
小松製作所 <6301> |
3,300円 | 10.19倍 | 1.23倍 | 13.70% | 13.85% | 52.09% |
ガンホー・オンライン <3765> |
2,824円 | 10.30倍 | 1.48倍 | 16.90% | 26.21% | 77.03% |
成長株の選び方
成長株は以下の条件でスクリーニングする。
・売上高営業利益率:10%以上
・過去5年平均営業利益成長率:10%以上
・ROE:10%以上
成長株は将来の業績伸長と競争力が重要になる。そのため、利益の源泉となる売上高の成長率が最低でも10%以上を見込める銘柄を選びたい。
今後も高い成長を維持できるかは企業次第だが、これまで高成長を続けてきた企業は将来の成長も期待できるため、過去5年の平均営業利益成長率も10%以上としている。
営業利益は本業の儲けのことで、売上高に対する営業利益の割合を営業利益率という。主たる事業の稼ぐ力を表し、数値が高いほど本業の収益性が高く競争力があると判断される。
ただし、営業利益率は業種によるところもあり、製造業は10%以上、コストがあまりかからないソフトウェアは20%以上あるほうが望ましいでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
ROE(自己資本利益率)も収益性を表す指標だが、こちらは株主のものである自己資本に対してどれだけ利益をあげられたかを示している。「会社は株主のもの」という考えが一般的な株式市場では、重要な指標だ。2019年時点の加重平均値は米国が17.9%なのに対し、日本は6.3%と低い水準であり、少なくとも10%はほしいところである(出典:経済産業省「サステナブルな企業価値創造のための長期経営・長期投資に資する対話研究会(SX研究会)」)。
この条件でスクリーニングした5銘柄を営業利益率の高い順に並べてみた。
銘柄 | 株価 | 売上高 営業利益率 |
予想売上 高成長率 |
過去5年平均 営業利益成長率 |
ROE |
---|---|---|---|---|---|
オービック <4684> |
22,570円 | 62.39% | 10.46% | 13.11% | 16.10% |
コーエーテクモ ホールディング <3635> |
2,475円 | 49.90% | 18.78% | 28.12% | 22.10% |
カプコン <9697> |
5,230円 | 40.35% | 11.89% | 25.69% | 23.90% |
ベイカレント・ コンサルティング <6532> |
5,330円 | 39.32% | 27.62% | 52.79% | 44.20% |
レーザーテック <6920> |
18,340円 | 35.95% | 57.43% | 51.03% | 38.39% |
今回は大型株と中型株のみから抽出したが、成長株で大きな利益を狙うなら小型株を含めてもいいだろう。ただし、その分リスクも高くなる点には注意したい。
IPO銘柄の選び方
IPO銘柄は上場前に購入申し込みをするため、スクリーニングツールは使用できない。情報を得るためには、事業内容や財務に関する事項を記した目論見書にしっかりと目を通そう。目論見書は、その上場株を取り扱う証券会社の公式サイトなどで確認できる。
最低限確かめたいのは、以下の6つである。
1.上場する市場
過去の実績からは、グロース市場に上場する銘柄が初値で儲かる可能性が最も高い。
市場区分 | 上場数 | 平均騰落率 |
---|---|---|
東証プライム | 3 | 8.7% |
東証スタンダード | 14 | 9.5% |
東証グロース | 70 | 56.5% |
名証メイン | 1 | -6.3% |
名証ネクスト | 2 | -15.0% |
札証アンビシャス | 1 | 18.2% |
総計 | 91 | 45.0% |
プライムやスタンダードに上場する会社は、すでにある程度成長して将来の期待値は低くなりがちなため、基本はグロース市場に上場する銘柄を狙うとよいでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
2.業種
上場する企業が人気業種の場合、初値も公募価格を上回りやすくなる。人気が出やすいのは「情報・通信業」で、「サービス業」「小売業」「医薬品」「その他製品」も比較的人気だ。2022年のIPO実績でも、これらの業種は平均初値騰落率が高い。
業種 | 上場社数 | 平均初値騰落率 |
---|---|---|
情報・通信業 | 32 | 72% |
サービス業 | 30 | 42% |
不動産業 | 5 | 23% |
小売業 | 4 | 48% |
医薬品 | 3 | 37% |
卸売業 | 3 | -2% |
建設業 | 3 | -13% |
食料品 | 2 | 6% |
保険業 | 2 | 0% |
その他製品 | 2 | 62% |
電気機器 | 1 | 5% |
機械 | 1 | 1% |
空運業 | 1 | 9% |
証券・商品先物業 | 1 | 11% |
その他金融業 | 1 | -10% |
3.公募株>売出株になっているか
公募株とは上場する会社が事業規模拡大などの資金調達のために新たに発行する株のことだ。売出株とは既存の株主が利益獲得のために市場に放出する株のことをいう。
市場では将来の会社の業績につながる公募株のほうが評価は高い。そのため、公募株が売出株より多いと初値にも期待できる。
4.吸収金額
吸収金額とは新規上場によって企業が株式市場から調達する資金総額のことだ。「公開株数×公開価格」で計算できる。
反対に、吸収金額が大きいIPOは公募割れする可能性があるので注意しよう。
吸収金額が10億円未満は、小型案件として注目されやすい。
5.再上場銘柄でないか
IPO銘柄のなかには、過去に上場廃止になったものの再上場する銘柄もある。その場合、通常の新規上場よりも投資家からの評価が厳しくなることがあり警戒が必要だ。過去に再上場した銘柄を確認してみても、初値は冴えない結果になっていることがある。
上場日 | 銘柄 | 上場時の市場 | 公募価格 | 初値 | 初値騰落率 |
---|---|---|---|---|---|
2022年 12月14日 |
スカイマーク <9204> |
東証グロース | 1,170円 | 1,272円 | +8.71% |
2021年 9月22日 |
シンプレクス・ ホールディングス <4373> |
東証1部 | 1,620円 | 1,660円 | +2.46% |
2021年 3月16日 |
ウイングアーク1st <4432> |
東証1部 | 1,590円 | 2,000円 | +25.78% |
2020年 12月16日 |
ローランド <7944> |
東証1部 | 3,100円 | 2,954円 | -4.70% |
2020年 9月17日 |
雪国まいたけ <1375> |
東証1部 | 2,200円 | 2,100円 | -4.54% |
6.増収増益の銘柄か
儲かる銘柄の基本は業績が伸びていることなので、増収増益が続いているか確認しよう。
配当株の選び方
配当株は以下の条件でスクリーニングする。
・時価総額:5,000億円以上
・自己資本比率:40%以上
・過去5年平均営業利益成長率:5%以上
高配当株を狙うなら、配当利回り4%以上が望ましい。予想配当利回りが高いということは、価格が割安である可能性もある。
高配当なだけでなく、減配リスクが低そうな銘柄を選ぶのもポイントだ。今回は時価総額が5,000億円以上、かつ自己資本比率40%以上で絞り込んでいる。
時価総額が大きい銘柄は財務基盤が安定している可能性が高く、自己資本比率が高ければ借金が少ないことを意味するためだ。これらは安定した配当のためにも重要な要素である。
過去5年の平均営業利益成長率を5%以上としているのは、増配を期待できる銘柄を選ぶためだ。増配には原資が必要なので、利益成長も不可欠である。
この条件でスクリーニングし、予想配当利回りが高い順に5銘柄を並べてみよう。
銘柄 | 株価 | 予想配当 利回り |
時価総額 | 自己資本 比率 |
過去5年平均営業 利益成長率 |
---|---|---|---|---|---|
日本特殊陶業 <5334> |
2,560円 | 5.54% | 約5,227億円 | 62.42% | 11.91% |
日本製鉄 <5401> |
2,870円 | 5.24% | 約2兆7,274億円 | 43.70% | 19.03% |
いすゞ自動車 <7202> |
1,650円 | 5.19% | 約1兆2,828億円 | 42.95% | 8.78% |
商船三井 <9104> |
3,130円 | 4.80% | 約1兆1,331億円 | 54.02% | 23.45% |
日本郵船 <9101> |
3,069円 | 4.62% | 約1兆5,657億円 | 54.02% | 81.02% |
株主優待銘柄の選び方
株主優待銘柄は、専用のスクリーニング機能を使って探してみよう。SBI証券の場合、以下の手順で検索できる。
1.株主優待ページに進む
SBI証券の公式サイトにログインし、国内株式>株主優待へ進もう。そして「株主優待検索はこちら」をクリックする。
2.優待を絞り込む
条件を指定して優待を絞り込めるため、設定してみよう。今回は以下の条件を設定する。
・優待獲得に必要な金額:50万円以下
・こだわり条件:自己資本比率50%以上、PER平均以下
3.必要に応じて並び替える
結果は必要に応じて並び替えるとわかりやすい。ここでは閲覧回数順に並び替え、上位3銘柄は以下の企業だった。
銘柄 | 最低投資金額 | 株主優待 | 権利確定月 |
---|---|---|---|
江崎グリコ <2206> |
37万1,000円 | 自社グループ商品 | 6月 |
クラレ <3405> |
12万8,300円 | カタログギフト等 | 6月、12月 |
B-R サーティワン アイスクリーム <2268> |
41万1,500円 | 自社製品引換券 | 6月、12月 |
条件設定では優待のカテゴリ指定や、クロス取引用に信用取引の売りができる銘柄の絞り込みもできるため、自分の好みに合わせて設定してみよう。
株式投資で活用したいおすすめの制度4選!裏ワザも紹介
株式投資で儲けるために、NISAやIPO、単元未満株を活用して投資しよう。特にNISAは非課税で投資できる制度のため、ぜひ活用したい。優待目的の人は、クロス取引という裏ワザを使えば、価格変動リスクを避けて取引できる。
NISA…投資で出た利益に税金がかからない制度
通常、投資をして出た利益(売却益・配当益)に対して20.315%の税金がかかる。利益が100万円の場合、20万3,150円が税金だ。しかし一般NISAを使って投資をすれば、利益が出ても税金が発生しない。先ほどの例でいえば、100万円をまるまる受け取れるのだ。
つみたてNISAという制度もあるが、投資信託の積立専用の非課税制度である。株を購入するためには、一般NISA口座を開設する必要がある。
ただし、2024年からは新NISAが始まり、どちらも併用できるようになる。現行の一般NISAとつみたてNISAで口座開設や買付ができるのは2023年末までだ。
新旧のNISAがどのように違うのか、一覧表で確認してみよう。
一般NISA | つみたてNISA | 新NISA | ||
---|---|---|---|---|
時期 | 2023年まで | 2024年から | ||
対象者 | 日本在住の18歳以上の人 | 日本在住の18歳以上の人 | ||
口座開設 期間 |
2023年12月末まで | 無期限 | ||
非課税 保有期間 |
5年間 (最長2027年まで) |
20年間 (最長2042年まで) |
無期限 | |
制度の併用 | 不可(1年ごとに切り替え可能) | 新NISA内の2つの枠を併用可能 | ||
成長投資枠 | つみたて投資枠 | |||
対象商品 | 株式、投資信託、 ETF、リートなど |
基準を満たした 一定の投資信託 |
株式、投資信託、 ETF、リートなど(1) |
つみたてNISAと同様 |
買付方法 | 通常買付、積立投資 | 積立投資のみ | 通常買付、積立投資 | 積立投資のみ |
年間投資枠 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
非課税保有 限度額(総枠) |
600万円 | 800万円 | 1,800万円(2) (内、成長投資枠は1,200万円まで) |
新NISAでは、一般NISAが成長投資枠、つみたてNISAがつみたて投資枠にあたる。
ただし、生涯のうちに成長投資枠で投資できるのは1,200万円が上限だ。つみたて投資枠と合わせれば1,800万円が上限になる。
投資枠は新旧NISAで別々のため、2023年中に一般NISAを始めれば、120万円多く投資枠を確保できる。
IPO…「初値売り」で利益が期待できる
株式投資をするならIPOにも申し込んでみよう。IPOは上場初日の初値で売却するだけでも利益が期待でき、初心者にもおすすめだ。特にグロース市場に上場する株は、ほかの市場に比べて儲かりやすい傾向がある。
IPO銘柄の購入には手順があるため、申し込みの流れを確認しよう。
1.IPO銘柄を確認する
どんなIPO銘柄が上場予定なのか、証券会社の公式サイトで確認してみよう。SBI証券の場合、国内株式>IPO・POに進めば確認できる。
各証券会社サイトで表示されるIPO銘柄は、取り扱いのあるものだけだ。ほかの銘柄もまとめて確認したい場合は、証券取引所の上場会社一覧ページや投資情報サイトを参考にしよう。
2.購入したいIPO銘柄の目論見書を確認する
IPO銘柄に申し込むためには必ず目論見書の確認が必要だ。儲かる銘柄を見極めるためにも目を通しておきたい。
最低限確認したいのは、以下の6つだ。
2.業種
3.公募株>売出株になっているか
4.吸収金額
5.再上場銘柄でないか
6.増収増益の銘柄か
目論見書は、証券会社サイトの新規上場株式リストから閲覧できる。
目論見書に加え、新規上場企業のホームページにも目を通すと事業内容などの理解が深まりおすすめだ。
3.ブックビルディングに申し込む
IPO銘柄は、申し込みが開始される前に株価の仮条件が決定される。その仮条件をもとに個人投資家に「いくらで何株購入したいか」について需要を確認し、公募価格を決定するという流れがある。この需要確認のことをブックビルディングという。
仮条件の決定後、ブックビルディングに参加しないと抽選対象とはならない。証券会社によってはブックビルディング時点で購入金額以上の預り金が必要なところもある。SBI証券と松井証券は、ブックビルディング申し込み時点での入金は不要である。
ブックビルディングでは、希望する価格を入力する。このとき希望価格が決定した公募価格を下回った場合、抽選には参加できないため、基本的には「成行」を選択しよう。ー
SBI証券では「ストライクプライス」が成行に相当する。
4.公募価格(発行価格)が決定し抽選に進む
ブックビルディング期間が終わると、特に手続きすることなく予定日に公募価格が決定し、抽選が行われる。
SBI証券の場合、このときに買付余力以上の預り金がないと抽選対象外になるため、あらかじめ入金しておこう。主要ネット証券では、松井証券のみ抽選時点でも口座残高は必要なく、当選後に入金する。
公募価格が決定したら、「公募価格=仮条件の上限価格」になっているか確認しよう。仮条件の上限を下回っていた場合、需要が少なかったと考えられ、初値が公募価格割れしてしまう可能性がある。
5.抽選の結果を確認する
予定日時に抽選が終わったら、結果を確認しよう。SBI証券では、取引>IPO・POから抽選結果を確認できる。
SBI証券は「当選」「補欠当選」「落選」のいずれかが表示される。「当選」「補欠当選」の場合、「当選株購入」か「辞退」を選択できる。
6.当選したら購入申し込みをする
IPOに当選したら、購入申し込みをしよう。補欠当選でも申し込みをしておけば、ほかの人が辞退した場合に繰上抽選が行われ、購入できる可能性がある。
7.初値で売却する
当選した株を初値で売却するには、上場までに売却注文をする必要がある。注文受付タイミングは証券会社によって異なり、ネット証券は以下の時間から受け付けている。
ネット証券 | 初値売りの注文受付(原則) |
---|---|
上場日前営業日の翌日4:00ごろから | |
上場前営業日の17:15ごろから | |
上場前営業日の17:00ごろから | |
上場日前営業日の18:00以降 | |
上場前営業日の17:00以降(スマホアプリは18:00以降) |
単元未満株…株価の高い銘柄を少額で購入できる
単元未満株とは株取引の1単元である100株に満たない株のことだ。
株の通常の注文は100株単位で行う。株価が3,000円なら、最低購入金額は「3,000円×100株=30万円」になる。
なかには1株あたりの株価が数万円の銘柄もあるので、その場合は最小単位でも数百万円が必要になり、購入したい銘柄をあきらめなければいけないケースもある。
しかし単元未満株で購入できる証券会社なら、株価が高い銘柄でも買いやすくなる。
例えば価格の高い銘柄を1株購入した場合、いくらで買えるのか見てみよう。
銘柄 | 株価 | 100株の購入金額 | 1株の購入金額 |
---|---|---|---|
キーエンス <6861> |
6万7,230円 | 672万3,000円 | 6万7,230円 |
ファーストリテイリング <9983> |
3万2,270円 | 322万7,000円 | 3万2,270円 |
ダイキン工業 <6367> |
2万6,255円 | 262万5,500円 | 2万6,255円 |
ただし、単元未満株にはデメリットもある。
1つ目は、リアルタイムで取引できないことだ。単元未満株の取引タイミングは証券会社ごとに決まっており、自分の狙った価格で取引するのは難しい。唯一、主要ネット証券のなかでは楽天証券がリアルタイムで取引できる。
成行注文しか出せないこともデメリットだ。成行は価格を指定しないで出す注文のため、単元未満株のように発注タイミングをコントロールできない場合、思わぬ価格で売買が成立する可能性がある。その点、楽天証券はリアルタイム取引ができるため、他社より安心して売買しやすい。
単元未満株は通常の取引より売買手数料が割高になりやすいことにも注意が必要だ。
以下の表は、主要ネット証券における単元未満株の取引手数料である。
手数料 | 買付:無料 | 買付:無料 | 買付:無料 | 買付:0.55% |
---|---|---|---|---|
売却:0.55% | 売却:11円/回 | 売却:0.55% | 売却:0.55% | |
スプレッド | なし | 0.22% | なし | なし |
最低手数料 | 55円 | なし | 52円 | 52円 |
主な対象銘柄 | 東証上場銘柄 | リアルタイム銘柄:492 寄付銘柄:1602 |
東証上場銘柄 | 東証上場銘柄 |
対象銘柄は少ないものの、このなかでは楽天証券が最も安い。松井証券は売却のみ受け付けているため、表からは除外している。
株主優待クロス取引
自社商品や割引券、旅行券、クオカードなど、株主優待は投資家にとってお得な特典である。
株主優待を受け取るためには、権利付最終日に対象の銘柄を保有していればいい。そのため、優待狙いで株を買った翌営業日に売却しても問題ない。しかし権利落ち日を過ぎると売る人も増えるため、優待価値以上に損をする可能性がある。
そこで「クロス取引」というテクニックを検討してみよう。
クロス取引は取引手数料がかかるが、価格変動による損は回避できる。取引の手順は以下のとおりである。
1.信用取引口座を開設する
クロス取引をするためには、信用取引口座を開設しなければならない。信用取引口座の開設に手数料はかからないので、証券会社で口座開設するときに一緒に申し込もう。通常口座のみ開設した人は、あとからでも信用取引口座を開設できる。
信用取引口座の開設にあたっては審査が行われ、審査基準は証券会社ごとに異なる。
たとえば松井証券の場合、18歳未満や、23歳未満の学生、無職、パート・アルバイトの場合は開設できない。
・18歳未満の場合、信用取引口座の開設はできません。
・23歳未満かつ職業が学生、無職、パート・アルバイトの場合は開設できません。
・オンライン申込で証券口座を開設された場合、電話連絡による本人確認を行う場合があります。
・口座開設申込時に満80歳を超える場合、電話連絡による本人確認を行います。連絡が取れない場合、および本人確認ができない場合は開設できません。
出典:松井証券
SMBC日興証券の信用取引口座開設のための条件は、20歳以上80歳未満という年齢条件のほか、他社を含めた300万円以上の金融資産の保有や、信用取引や現物取引で1年以上の投資経験などがある。
日興イージートレード信用取引の口座開設条件の概要は、以下の通りです。
・当社にEメールアドレスの登録がある。
・当社・他社を含めた金融資産の総額が300万円以上ある。
・信用取引の経験、もしくは1年以上の現物株式の取引経験がある。
出典:SMBC日興証券
2.寄り付き前に現物買いと信用売りの成行注文を出す
信用取引口座を用意できたら、権利付最終日までに同じ株数で現物買いと信用売りの成行注文を出そう。
信用取引には「制度信用」と「一般信用」があり、クロス取引の場合は「一般信用」で行うのがおすすめである。
制度信用 | 一般信用 | |
---|---|---|
返済期限 | 6ヵ月以内 | 証券会社により異なる |
対象銘柄 | 証券取引所指定銘柄 | 証券会社により異なる |
逆日歩(空売りコスト) | 発生する可能性あり | なし |
在庫制限 | なし(※) | あり |
優待目的のクロス取引では、逆日歩という空売りコストがかからない一般信用で行うのが基本だ。
証券会社が保有する株には限りがあり、在庫がなくなれば一般信用の売りができなくなることもあります。ただし、ほかの証券会社では在庫が残っている可能性があるため、口座を複数持っておくと安心です。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
3.権利落ち日以降に信用取引を現渡しで決済する
権利落ち日以降は、信用取引を「現渡し」で決済して取引を終了する。
あとは株主優待が届くのを待つだけだ。通常は2~3ヵ月後に優待品が届く。
株の初心者が注意すべき4つのポイント
初心者が注意すべきポイントは以下の4つだ。
余剰資金で投資する
投資の基本として、余剰資金で投資することを心がけよう。できれば10年以上は使わないであろうお金を投資に回すと安心だ。
余剰資金であれば、仮に値下がりしても回復を待つ戦略が取れる。
百貨店株はコロナ禍の業績悪化もあり下落したが、外国人観光客や消費の回復によって再び上昇に転じている(2023年5月17日時点)。
これらの株に、もし利用予定のあるお金を投じて含み損があった場合、いずれ回復すると考えていても損のまま売却を迫られたかもしれない。しかし、余剰資金であれば回復を待つ戦略に切り替えられるため、余裕を持って市場と向き合える。
分散投資を心がける
株式投資でも分散投資をすることでリスクを抑えられる。
株式投資における分散投資には、一般的に以下の方法がある。
・購入タイミングを分散する
・長期投資をする
・業種や株の種類を分散する
・外国株も買う
金銭的に分散が難しければ、単元未満株で投資することも検討しよう。
購入タイミングの分散は、複数回に分けて買う方法だ。安く買って高く売れば利益になるが、購入時点が高値だったということもあり得る。まとめて高値で買うと利益を上げるまでに時間がかかる可能性があるため、複数回に分けて高値づかみのリスクを抑えるのもよい。
長期投資も分散投資の一つだ。価格の振れ幅は大きな年もあれば小さな年もあるが、長期保有することによって、1年あたりの振れ幅は平均化されるため、リターンを安定させる効果がある。実際の日本株でも、長期投資するほど収益が安定することが示されている。
業種や種類も分散しよう。株は銘柄ごとに値動きの特性が異なる。景気に左右されやすい銘柄、インフレに強い銘柄などさまざまだ。割安株と成長株でも値動きが異なり、その時々の環境でどちらが優位か入れ替わってきた。
このような入れ替わりを予測して投資するのは難しく、どちらかに偏っていればリターンも不安定になりやすい。それを避けるために業種や種類を分散することも考えて投資しよう。
日本株だけではなく、外国株に投資することでも分散効果を得られる。
このように日本株と外国株では違う動きをすることも多々あるため、外国株にも投資すれば異なる動きでお互いをカバーしてリスク軽減になる場面もあるだろう。
外国株への投資を検討する場合、正解の国はありませんが、日本で情報を得やすく投資環境も整っている米国株が良いでしょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
手数料を低く抑える
投資において手数料は重要なポイントである。手数料が高いほど利益も押し下げられるため、なるべく低いほうが望ましい。
その意味でもネット証券は手数料が安く、最小限のコストで取引できる。業界最大手の野村證券とSBI証券を比べ、手数料にどれくらい違いがあるのか見てみよう。
売買金額 | 野村證券 | SBI証券 | 差額 |
---|---|---|---|
約定ごとの手数料 | |||
10万円 | 152円 | 99円 | 53円 |
50万円 | 524円 | 275円 | 249円 |
100万円 | 1,048円 | 535円 | 513円 |
500万円 | 5,238円 | 1.013円 | 4,225円 |
1,000万円 | 1万476円 | 1.013円 | 9,463円 |
1回だけならまだしも売買を繰り返していけば、この差額が積み重なって最終的な手取りに大きな違いが生まれることになる。手数料によって利益が減ってしまうのはもったいないことなので、ネット証券を上手に活用していこう。
税金について理解する
手数料と同じく、税金も利益を圧迫する要素である。税金を抑えて投資できれば、手元により多くの利益を残せる。税金を抑えるには、一般NISAを使おう。
一般NISAで投資した場合、本来は利益にかかる20.315%の税金が非課税になる。通常は100万円の利益なら20万3,150円が税金として徴収されるため、非課税投資ができることは大きなメリットである。
出典:国税庁
損益通算をしても利益より損失のほうが大きく引き切れないこともある。その場合は損失を繰越控除できる。
出典:国税庁
NISAは利益に対する税金がない代わりに損失もないものとされます。そのため損益通算も繰越控除もできないので、損を覚悟で売却するときは慎重に検討しましょう。
國村功志(ファイナンシャル・プランナー)
よくあるQ&A
値上がり益を狙う場合、割安株、成長株、IPO銘柄に投資する方法が一般的だ。割安株はPBRなどの投資指標から割安と判断される銘柄、成長株は業績伸長が著しく期待感で買われている銘柄、IPO銘柄は新規上場する銘柄である。配当金や株主優待のある銘柄は、ある程度成熟した割安株であることが多い。
一方、数年から10年以上保有する長期投資の場合なら、売却せず持ち続けるという選択肢もある。頻繁に売買するよりも、保有し続けるほうが利益を伸ばせることもあるため、自身の投資スタイルに合わせて考えてみよう。
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