ネット銀行には店舗がない。現金を入金するにはコンビニなどの提携ATMを利用する。しかしATMでは小銭(硬貨)の入金に対応していないことが多い。ネット銀行の口座に小銭を入金するのだろうか。その方法を確認して無駄足を踏んでしまわないようにしよう。

目次
1.コンビニATMでは小銭の入金はできない
2.主なネット銀行9社のATMの小銭(硬貨)の取り扱い状況
3.小銭(硬貨)をネット銀行に入金する方法
4.利用しているネット銀行の小銭を入金する方法を知っておこう

1.ネット銀行が提携しているコンビニATMでは小銭(硬貨)の入金はできない

コンビニATMはオフィスの近くにあることも多くて便利だろう。しかし大手コンビニチェーンに設置されたATMでは小銭(硬貨)を取り扱っていない。そのためコンビニでは小銭を入金できない。参考に、大手コンビニのATMの取り扱い状況は以下だ。

  • セブン・イレブン(セブン銀行ATM)……紙幣のみ取り扱い
  • ローソン(ローソン銀ATM)……紙幣のみ取り扱い
  • ファミリーマート(イーネット・ゆうちょATM)……紙幣のみ取り扱い
※筆者撮影

上の画像は実際のセブン・イレブン(セブン銀行)のATMである。「硬貨は使えません」の表示があり、投入口がふさがれている。

2.主なネット銀行9社のATMの小銭(硬貨)の取り扱い状況

ネット銀行が提携しているATMはネット銀行によって異なる。コンビニATM以外の提携ATMを利用すれば小銭を入金できる場合もある。主なネット銀行の提携ATMでの小銭(硬貨)の入金の可否と方法を紹介しよう(2020年11月現在)。

楽天銀行……小銭入金は一部可能

楽天銀行では、提携する「みずほ銀行ATM」を利用すれば小銭(硬貨)を入金できる。ただし入金は1,000円単位であり、1,000円未満は入金できない。また無人店舗や街中のATMコーナーに設置されたATMでは原則として小銭を入金できない。営業時間内にみずほ銀行の店舗に設置されたATMを利用しよう。

ゆうちょ銀行に口座を持っているなら、一旦ゆうちょ銀行口座に小銭(硬貨)を入金し、ゆうちょ銀行の口座から楽天銀行の口座に入金する方法もある。ゆうちょ銀行の店舗や郵便局に設置されているATMなら、1円単位で小銭(硬貨)を入金できる。ただし駅やショッピングセンター、ファミリーマートなどに設置されているゆうちょ銀行ATMでは小銭の入金に対応していないので要注意だ。

楽天銀行には「ゆうちょ銀行本人名義口座からの入金サービス」がある。事前に登録をしておけば、ゆうちょ銀行の本人名義口座からの入金に手数料がかからない。サービスの利用には郵送での手続きが必要であり、登録までに数週間必要だ。無料で利用できるサービスなので、今後も楽天銀行で小銭(硬貨)を入金する予定があるなら登録しておいたほうが便利だ。

イオン銀行……小銭入金は不可

イオン銀行では、原則としてイオン銀行ATM、提携ATMのすべてで小銭(硬貨)を入金できない。イオン銀行はイオンモールなどに実店舗もあるが、窓口でそもそも現金による入金に対応していない。当然、小銭(硬貨)を持っていっても入金できないのである。なお、イオン銀行店舗設置の一部ATMでは硬貨の「出金」はできる。

ジャパンネット銀行……小銭入金は一部可能

ジャパンネット銀行では、提携する「三井住友銀行ATM」のうち、三井住友銀行の有人店舗内に設置された硬貨対応ATMを利用すれば小銭(硬貨)を入金できる。入金可能な時間帯は平日の8時45分~18時までだ。

auじぶん銀行……小銭入金は一部可能

auじぶん銀行では、提携する「三菱UFJ銀行ATM」のうち、三菱UFJ銀行の有人店舗内に設置された硬貨対応ATMを利用すれば小銭(硬貨)を入金できる。入金可能な時間帯は、平日の8時45分~18時までだ。 

住信SBIネット銀行……小銭入金は不可

住信SBIネット銀行では、ATMで小銭(硬貨)を入金できない。ゆうちょ銀行ATMなど、ATM自体は小銭(硬貨)に対応している提携ATMもあるが、紙幣での入金しか受け付けていない。

※筆者撮影

上の画像はゆうちょ銀行ATMで住信SBIネット銀行の口座へ入金したときのATMの様子だ。紙幣のみで小銭(硬貨)投入口は稼働しない。

セブン銀行……小銭入金は不可

セブン銀行では、ATMで小銭(硬貨)の入金は取り扱っていない。

ソニー銀行……小銭入金は一部可能

ソニー銀行の場合、提携する「三井住友銀行ATM」「三菱UFJ銀行ATM」のうち、有人店舗内に設置された硬貨対応ATMを利用すれば小銭(硬貨)を入金できる。

大和ネクスト銀行……小銭入金は不可

大和ネクスト銀行では、ATMで小銭(硬貨)の入金を受け付けていない。

GMOあおぞらネット銀行……小銭入金は不可

GMOあおぞらネット銀行では、ATMで小銭(硬貨)を入金できない。

3.ネット銀行に小銭(硬貨)を入金する方法 

ネット銀行によってATMに小銭(硬貨)を入金できる場合と、完全に不可の場合とさまざまだ。一番確実なのは、小銭が入金できる自分名義の他行口座に一旦入金し、ネット銀行の口座あてに振り込んで入金する方法である。

利用しているネット銀行の提携ATMが小銭(硬貨)を入金できない場合や、近くに小銭(硬貨)入金対応のATMがない場合などには有効な方法になるだろう。

まずは金融機関の窓口や店舗内にあるATMで小銭(硬貨)を入金

店舗のある銀行の窓口や店舗内に設置されたATMであれば、一般的に小銭(硬貨)の入金に対応している。ATMで小銭(硬貨)を入金できる時間帯は平日の日中などに限られていることが多く、紙幣の入出金のみ対応で、小銭(硬貨)の入金できない時間帯もある。

また金融機関によっては、窓口で大量の小銭(硬貨)を入金する際に手数料がかかることもある。三菱UFJ銀行の場合は100枚までは無料だが、100枚以上は500枚ごとに550円の手数料がかかる。

ゆうちょ銀行の場合は店舗や郵便局に設置されているATMは、小銭(硬貨)を入金できる時間が比較的長い。平日は7時~21時まで、土・日・休日は9時~17時まで利用可能だ。ゆうちょ銀行は、土・日・休日、夜間まで入金手数料が無料なのもうれしい。窓口で入金しても、枚数関係なく手数料は無料だ。

※郵便局内のゆうちょ銀行ATM、筆者作成

⑴連携している銀行からなるべく手数料をかけずにネット銀行に振り込む

小銭を入金した銀行からネット銀行の口座に振り込むにあたって気になるのが振込手数料である。利用する金融機関や、振込経路(窓口・ATM・ネットバンキングなど)によって差がある。

たとえば三菱UFJ銀行で他行あてに3万円未満の振り込みを行う場合、窓口では660円、ATMでは275円、ネットバンキングは220円だ。同じ銀行なのに振込経路によって手数料は3倍も差がでる。

振込手数料の優遇がある銀行や本人名義口座間の振込手数料が無料の銀行を利用すれば手数料をかけずにすむ。

本人名義口座間の他行あて振込手数料が無料になるケースをいくつか紹介しよう。

  • 【ゆうちょ銀行】から【楽天銀行】への振込(事前登録が必要)
  • 【三井住友銀行】から【ジャパンネット銀行】への振込
  • 【三井住友信託銀行】から【住信SBIネット銀行】への振込
  • 【三菱UFJ銀行】から【auじぶん銀行】への振込

この機会に、利用する金融機関を見直してみるのもよいだろう。

⑵1,000円単位で出金してネット銀行口座へ入金する

入金した小銭(硬貨)を1,000円単位で出金して紙幣に変え、ネット銀行の口座に入金する方法もある。1,000円未満の端数は入金できないが、通常は振込手数料よりも入出金手数料(ATM利用手数料)のほうが安い。手数料を抑えたい場合には有効な方法だろう。

⑶小銭を入金した口座からPayPayにチャージしてネット銀行口座へ出金する

小銭を入金した口座から電子マネー「PayPay」にチャージし、「PayPay」からネット銀行の口座へ出金する方法もある。この方法では出金時に100円の手数料がかかるが、ジャパンネット銀行への出金であれば無料だ。出金せず電子マネーとして利用することも可能なので、電子マネーをよく使うという人にはおすすめだ。

4.利用しているネット銀行の小銭を入金する方法を知っておこう

ネット銀行の口座へ小銭を入金するには、別の口座を介すなど手間や手数料がかかるケースが多い。いざ小銭を入金しようと思ったとき、手数料をかけずにスムーズに入金できるのはどの方法なのか。自身が利用しているネット銀行については確認しておくとよいだろう。

 

竹国弘城
竹国弘城
証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務や執筆業務などを行う。RAPPORT Consulting Office 代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®︎
HP : https://www.rapportco.com
証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務や執筆業務などを行う。RAPPORT Consulting Office 代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®︎
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