ソニー銀行はオリコンの顧客満足度調査で上位を獲得するなど、注目されているネット銀行のひとつだ。これからネット銀行の口座開設を検討している人に、ソニー銀行の金利、手数料などお得なサービスを中心に解説する。自分のライフスタイルに合うか判断してみてほしい。

目次
1.ソニー銀行の特徴
2.ソニー銀行を利用する7つのメリット
3.ソニー銀行のデメリットや注意点
4.ソニー銀行の利用がおすすめの人
5.ソニー銀行をスマートに活用しよう

1.ソニー銀行の特徴

ソニーといえば家電やオーディオのイメージを持つ人もいると思うが、金融分野にも進出している。ソニー銀行はソニーフィナンシャルホールディングスの子会社で、2001年から営業を開始しているネット銀行だ。ソニーの金融分野ではほかに、ソニー損保、ソニー生命なども展開している。

ソニー銀行は外貨建て金融商品に力を入れている

ソニー銀行には預金やローンなどさまざまな金融商品があるが、特に外貨建て商品のラインアップが多い。外貨普通預金・定期預金では12種類の通貨から選ぶことができ、500円から積み立てられる貯金もある。

貯めた外貨をそのまま使えるのも特徴で、Sony Bank WALLETカードを使えば海外でのショッピング、ATMでの現地通貨の調達もできる。ソニー銀行は海外旅行や出張でも役に立つネット銀行といえる。

ソニー銀行では「Club S」という優遇プログラムを採用している。ランクアップ条件には外貨預金も含まれていて、ソニー銀行で外貨預金を利用するほど有利になる。ソニー銀行は外貨預金をこれから始めてみたい人にもおすすめだ。

ソニー銀行は各種調査で高い顧客満足度評価を獲得

ソニー銀行は満足度調査などで高い評価を得ていて、2020年のオリコン顧客満足度調査の外貨預金部門で総合1位を獲得した。

具体的に評価された項目は、取引のしやすさ、取引手数料、利便性などで、20項目中14項目でトップを獲得している。外貨部門において、ソニー銀行が特に高く評価されているのが分かる結果だ。

ほかにもソニー銀行はオリコン満足度調査の住宅ローン部門で、2011年~2019年の9年連続でNo.1を獲得している。

2.ソニー銀行を利用する7つのメリット

ソニー銀行を利用することには、以下7つのメリットがある。自分にとって大きなメリットはどれか、判断してみてほしい。

ソニー銀行のメリット1……信用格付け機関による格付けが高い

格付けが高いほど経営面で安定しており、金融機関としての信頼度も高いと評価される。

日本格付け研究所によると、ソニー銀行の格付けはAA-になっており、AAである三菱UFJ銀行やみずほ銀行に次ぐ高さだ。AA-には他にりそな銀行や三井住友信託銀行などがあり、ソニー銀行の格付けも比較的高いことが分かる。

世界的な信用格付け機関であるS&Pにおいて、ソニー銀行はAに該当。三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクと同クラスである。(いずれも2020年10月現在)

ソニー銀行のメリット2……ATMでの出金手数料が月4回まで0円

ソニー銀行のATM手数料は入金や残高照会は回数無制限で無料、出金は月4回まで無料である。ほかのネット銀行では、入金も無料回数にカウントされてしまうケースがあるが、それと比べるとお得だ。

Club Sのプラチナランクに該当する人であれば、出金も回数無制限で無料になる。適用されるためのハードルは高いが、クリアすればソニー銀行の利用がさらにお得で便利になる。

ソニー銀行のメリット3……メガバンクのATMも利用可能

ソニー銀行は利用できる提携ATMの種類が充実している。利用できる提携ATMは以下のとおりだ。

  • セブン銀行
  • イオン銀行
  • イーネットATM(ファミリーマートなど)
  • ローソン銀行
  • ゆうちょ銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • 三井住友銀行

コンビニに関してはセブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなど、大手のATMを利用できるため、多くの人にとって利用しやすい。

それに加え、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といったメガバンクのATMも利用できる。これらの銀行にメイン口座を保有する人にとっても便利だ。

ソニー銀行のメリット4……他行宛の振り込み手数料が月1~11回まで無料

ソニー銀行では会員ランクの基準をクリアするごとに、以下のように他行宛ての振り込み手数料の無料回数が増える。

  • ソニー銀行に口座を保有:月1回まで無料
  • Sony Bank WALLETを保有:月2回まで無料
  • Club Sでシルバーランク:月4回まで無料(※)
  • Club Sでゴールドランク:月6回まで無料(※)
  • Club Sでプラチナランク:月11回まで無料(※)

    (※) Sony Bank WALLETを保有していないと1回分減る

Sony Bank WALLETとは、デビット機能つきキャッシュカードだ。発行費や年会費などはかからず、持っていないよりお得になるので、ソニー銀行に口座を開設するなら発行しておこう。

ソニー銀行のメリット5……手数料無料のおまかせ入金サービスが便利

おまかせ入金サービスとは、ほかの金融機関の口座からソニー銀行の円普通預金の口座へ毎月指定した金額を自動的に入金してくれるサービスだ。このサービスを活用すると、ソニー銀行での定期積立、毎月の引き落とし、ローンの返済などに役立つ。

ソニー銀行のおまかせ入金サービスの金額は1万円以上1,000円単位で設定できる。手数料がかからないので、ほかにメインバンクがある人ならぜひ積極的に活用したい。

ソニー銀行のメリット6……Sony Bank WALLETでキャッシュバックサービスがある

Sony Bank WALLETは手数料無料の回数が増える以外にもメリットがある。国内での買い物に関して、最大2%のキャッシュバックを受け取れるのだ。

Club Sのステージなしでは0.5%だが、シルバーで1.0%、ゴールドで1.5%、プラチナで2.0%がキャッシュバックされる。なお、PlayStation™Network / PlayStation™Storeでの利用であれば、ステージに関係なく2.0%がキャッシュバックされる。

キャッシュバックは毎月1日~末日までの利用分について、翌月末に円普通預金口座に入金される仕組み。毎月のキャッシュバック上限額は20万円である。公共料金や税金などの支払いはキャッシュバック合計額が1ヵ月最大1万円までとされている。

ソニー銀行のメリット7……全12種類の通貨が選べる外貨預金

ソニー銀行では外貨建ての商品に力を入れているが、そのひとつが外貨預金だ。ソニー銀行で購入できる外貨は次のとおりだ。

  • 米ドル
  • ユーロ
  • 英ポンド
  • 豪ドル
  • NZドル
  • カナダドル
  • スイスフラン
  • 香港ドル
  • ブラジルレアル
  • 中国人民元
  • 南アフリカランド
  • スウェーデンクローナ

12種類の通貨から選んで分散投資をすることで、リスクの軽減にもつながる。外貨預金にも普通預金と定期預金があるが、定期預金のほうが高金利だ。ソニー銀行の外貨定期預金の預け入れ金額は10万円からである。

ソニー銀行には「円からはじめる限定金利」という金利の特典もある。円普通預金から直接外貨定期預金を申し込んだときに、金利を上乗せしてもらえるサービスだ。

3.ソニー銀行を利用するデメリットや注意点

ソニー銀行を利用するときのデメリットも説明する。特に次の点については注意しておきたい。

ソニー銀行のデメリット1……円普通預金の金利は高くない

ソニー銀行の外貨預金の金利は高いが、円普通預金の金利は高いとはいえない。ソニー銀行の円普通預金の金利は0.001%だが、あおぞら銀行BANKは0.20%、東京スター銀行(給与受取口座の場合)は0.10%だ。

金利面でいうと、ほかのネット銀行のほうが高い金利を提示している。ただし円定期預金については、6ヵ月または1年で0.15%と高めの水準だ。日本円で預けるなら、円定期預金を選ぼう。

ソニー銀行のデメリット2……公共料金や税金の口座自動振替サービスに対応していない

ソニー銀行の円普通預金口座は、公共料金や税金の口座自動振替サービスに対応していない。別の口座を利用するか、クレジットカード払いにしてソニー銀行の口座をクレジットの引き落としに指定することがおすすめだ。

ソニー銀行のデメリット3……Club Sでのゴールド・プラチナ達成のハードルが高い

Club Sには3ランクあるが、上位のゴールドやプラチナランクを達成すればATM利用の無料回数などで有利になる。しかし達成するには、以下の条件をクリアしなければならない。

  • ゴールド:月末の外貨預金・投資信託などの残高が合計500万円以上1,000万円未満
  • プラチナ:月末の外貨預金・投資信託などの残高が合計1,000万円以上

ゴールド・プラチナの判定条件となる残高に、普通預金や定期預金は含まれない。外貨預金や投資信託などを利用しないと達成できないので、条件としてはハードルが高いといえる。

4.ソニー銀行の利用がおすすめの人

ここまで解説してきたソニー銀行の特徴から、ソニー銀行の利用がおすすめなのは次の3つに該当する人だろう。

(1)金融機関としての安定性を重視する人

ソニー銀行はS&Pや日本格付け研究所の格付けにおいて、メガバンクのひとつ下、もしくはほぼ同等と評価されている。一般的に格付けが高いほど銀行の経営が安定していると評価されることから、ソニー銀行の信頼性も高いと考えられる。

国内のほかのネット銀行もその多くは預金保険制度(ペイオフ)の対象だ。万が一倒産になっても、1金融機関・1人あたり1,000万円までの元本と破綻日までの利息は補償される。

しかし1,000万円以上預けるのなら、もちろん倒産しないに越したことはない。ネット銀行のなかでも金融機関としての安定性を重視する人におすすめだ。

(2)まとまった金額を預金に回せる人

ソニー銀行は円定期預金の6ヵ月・1年の金利が0.15%と高い。まとまった資金を預け入れればお得になる。ある程度の資金があり、まとめて預金をしたい人にはおすすめだ。

(3)外貨預金など外貨サービスを利用したい人

ソニー銀行は外貨預金で選べる通貨の種類の多さや金利の高さなど、外貨サービスが充実している。Club Sでのランクアップの条件に外貨建て商品の利用が含まれることも見逃せない。

ソニー銀行は外貨サービスを利用するほどお得になるネット銀行なので、外貨預金などを利用する人に向いているといえるだろう。

(4)海外に出かける機会が多い人

Sony Bank WALLETがあれば、預けた外貨をそのまま海外でのショッピングに利用できる。旅行や出張など海外に行くことの多い人なら、現地通貨の調達で便利に活用できるだろう。

5.ソニー銀行の特徴を踏まえてスマートに活用しよう

ソニー銀行は外貨サービスが充実していて、かつSony Bank Walletの利用がお得といった特徴が見られる。これらの特徴に合う人はソニー銀行の利用をおすすめする。ネット銀行の口座開設を検討しているのなら、自分に合う銀行かを判断してみよう。

 

執筆・安藤真一郎
主に金融系ライターとして活動し、2019年に2級FP技能士資格を取得。マネージャンルで役立つ情報を、初心者にも分かりやすく解説したコンテンツ制作を心掛ける。関心分野は、キャッシュレス決済、積立投資、ポイ活、節約術など。
主に金融系ライターとして活動し、2019年に2級FP技能士資格を取得。マネージャンルで役立つ情報を、初心者にも分かりやすく解説したコンテンツ制作を心掛ける。関心分野は、キャッシュレス決済、積立投資、ポイ活、節約術など。


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