ネット銀行とは基本的に店舗を持たず、インターネット上の取引を中心として営業する銀行だ。ネット銀行は大幅に口座数を伸ばしており、ネット銀行大手の楽天銀行では、口座数が約8カ月で100万口座増加し、2020年6月に900万口座を突破した。なぜ今、ネット銀行が人気を集めているのだろう。ネット銀行が人気の理由や注意点をみていこう。

目次
1.ネット銀行が人気を集める理由
2.ネット銀行を利用する場合の注意点
3.ネット銀行11社の金利と手数料を比較
4.自分にあったネット銀行を選ぼう

1.ネット銀行が人気を集める5つの理由

ネット銀行が人気を集める理由は何か。ネット銀行の5つのメリットをみてみよう。

ネット銀行が人気の理由1……普通預金が高金利

メガバンクの普通預金の金利は年0.001%だ(2020年6月時点)それに対し、ネット銀行の金利はメガバンクの100倍(年0.10%)や200倍(年0.20%)のところがある。ただし、すべてのネット銀行が高金利というわけではなく、高金利が適用される条件のある銀行が多い、ということに注意しよう。

【普通預金の金利が年0.1%以上のネット銀行の例(2020年6月時点)】

  • あおぞら銀行BANK……年0.20%
  • SBJ銀行……年0.20%(年金受取口座)
  • GMOあおぞらネット銀行……年0.11%(GMOクリック証券との口座連動サービス利用時)
  • 楽天銀行……年0.10%(楽天証券との口座連動サービス利用時)
  • auじぶん銀行……年0.10%(auカブコム証券との口座連動サービス利用時)

ネット銀行が人気の理由2……手数料が割安

ネット銀行では一定回数までATM利用手数料や振込手数料を無料としている場合が多い。手数料がかかっても、一般的にネット銀行はメガバンクなどに比べ割安だ。1回あたり100円~数百円の差が積み重なれば大きな差になる。どの銀行を利用しても構わないのであれば、手数料は安いに越したことはないだろう。

ネット銀行が人気の理由3……利便性が高い

ネット銀行は対面式の店舗を持たず、手続きは基本的にインターネットで行い、現金の入出金は提携するコンビニATMなどを利用する。すでにネット銀行以外の銀行でも一般的になってはいるが、ネットバンキングならネット環境さえあれば、いつでもどこでも手続きができて便利だ。

ネット銀行が人気の理由4……通帳や印鑑などが不要

ネット銀行ではキャッシュカードのみが発行され、通帳は発行されない。「銀行印」の届け出も原則不要あるいは任意だ。そのため通帳や銀行印が盗難にあう心配がない。銀行の届け出印がどれかわからなくなることもない。

口座振替依頼書など印鑑が必要な書類も、そもそも届け出印がなければ空欄のままにしておくか、任意の印鑑やサインなどで問題なく手続きできる。

ネット銀行が人気の理由5……系列のネット証券とのスムーズな連携や特典がある

ネット銀行には系列のグループ内にネット証券を持つ銀行も多い。たとえば以下だ。

  • 住信SBIネット銀行/SBI証券(SBIハイブリッド預金)
  • 楽天銀行/楽天証券(マネーブリッジ)
  • auじぶん銀行/auカブコム証券(auマネーコネクト)
  • GMOあおぞらネット銀行/GMOクリック証券(証券コネクト口座)
  • 大和ネクスト銀行/大和証券(ダイワのツインアカウント)

ネット銀行の口座と証券口座とを連携することにより、資金をスムーズに移動できたり、手数料の割引や金利の優遇を受けられたりする。

2.ネット銀行を利用する場合の3つの注意点

ネット銀行なら時間や場所にとらわれることなく、インターネットを介して主体的に手続きができ、金銭的なメリットもある。一方でネット銀行を利用するときの注意点もみてみよう。

ネット銀行の注意点1……引き落とし口座に指定できない場合がある

ネット銀行の口座は公共料金や税金の引き落とし口座や、奨学金の返還口座などに指定できない場合がある。口座振替しか選択できない場合、ネット銀行以外の銀行で口座を開設しなければならない。

たとえば日本学生支援機構の奨学金の返還は、1998年3月卒業者から全員口座振替で行わなければならない。ただし店舗を持たない主要なネット銀行は対応していないほか、イオン銀行や新生銀行、セブン銀行なども指定できない。

ネット銀行の注意点2……ログインできないと利用できない

ネット銀行は通帳や印鑑の代わりにIDやパスワードによってセキュリティを強化している。もしIDやパスワードを忘れてしまうと、本人であっても取引ができない。パスワードを思い出せなければ再発行が必要になり、取引が再開できるまで時間がかかる。

ネット銀行ではシステムメンテナンスによりログインできなくなることもある。定期的なシステムメンテナンスであれば事前に告知されるので、あらかじめ確認しておき、急ぎの取引などがあれば早めに済ましておこう。

ネット銀行の注意点3……通帳がないため記帳ができない

ネット銀行では通帳がないため記帳はできない。取引履歴などはマイページの入出金明細で確認できる。ただし一定期間または一定件数以上前の履歴は確認できなくなるので注意が必要だ。

万が一、画面上で確認できなくなったら、銀行に問い合わせよう。通常、銀行には10年間は取引履歴が保管されている。ただし銀行によっては手数料がかかる場合もあるので、履歴を残しておきたいならその都度、明細を保存するか印刷するかしておくとよい。

3.ネット銀行11社の金利と手数料を比較 それぞれの強みも解説

ネット銀行同士の競争は激しく、差別化のため好条件の商品や独自のサービスなどを提供していることが多い。ここでは主要ネット銀行11社の特徴を確認していこう。

ネット銀行11社の普通預金の金利・手数料を比較

ネット銀行11社の普通預金の金利と手数料は次の通りだ。ネット銀行間でも金利や手数料には差がある。同じネット銀行でも、利用状況によって金利や手数料の優遇内容が変わる場合もあるので、自身の条件を基準に比較することが大切だ。

銀行名 円普通預金金利
(年率・税引前)
コンビニATM
出金手数料(税込)
(※1)
他行あて振込
手数料
(税込)
(※1 ※2)
楽天銀行 0.02~0.10% 220円/275円
(月0~7回)
3万円以上:262円
3万円未満:168円
(月0~3回)
イオン銀行 0.001~0.10% 時間帯等により
0円~220円
(月1~5回)
220円
(月0~5回)
ジャパンネット銀行 0.001% 3万円以上:0円
3万円未満:165円
(月1回~無制限)
3万円以上:275円
3万円未満:176円
(月0~5回)
auじぶん銀行 0.001~0.10% 110円
(月0~11回)
3万円以上:283円
3万円未満:178円
(月0~15回)
住信SBIネット銀行 0.001~0.01% 110円
(月2~15回)
157円
(月1~15回)
セブン銀行 0.001% セブン銀行ATM
時間帯等により
0円~110円
220円
ソニー銀行 0.001% 110円
(月4回~無制限)
220円
(月1~11回)
大和ネクスト銀行 0.005% 時間帯により
0~110円
220円
(月3回)
SBJ銀行 0.02~0.20% 110円
(月10回~無制限)
220円
(月7回~無制限※3)
GMO
あおぞらネット銀行
0.001~0.110% 110円
(月2~15回)
157円
(月1~15回)
あおぞら銀行
(BANK)
0.20% 時間帯等により
0~220円
157円
(月0~3回)

※各行のホームページから筆者作成(2020年7月時点)
※1個人口座、ネットバンキング利用時。カッコ内は手数料無料回数(諸条件あり)
※2系列銀行あて、本人名義口座あてを除く
※3ジャパンネット銀行・楽天銀行あての振込は3回まで

楽天銀行……楽天経済圏との連携でお得

楽天銀行は、楽天グループの一角を担うネット銀行だ。楽天証券や楽天カードなど、楽天グループ各社のサービスと組み合わせて利用することで、金利や手数料の優遇や楽天ポイントが貯まるなどのメリットが得られる。

楽天証券との連携口座「マネーブリッジ」を開設すれば、スムーズに資金の移動ができるほか、普通預金の金利が通常の10倍の年0.10%にアップする。投資の有無や金額などは問われないため積極的に活用したい。

イオン銀行……ネット銀行と店舗型銀行のよさを兼ね備えた銀行

イオン銀行は、スーパーやショッピングモールなどを運営するイオングループの銀行だ。商品・サービスの利用状況に応じて決まる「イオン銀行Myステージ」に応じて、普通預金金利が最大年0.1%、他行ATM入出金手数料と他行あて振込手数料は、それぞれ最大月5回まで無料になる。

全国のイオンやミニストップなど、イオングループ各店舗などに設置されたイオン銀行ATMは、各店舗の営業時間内であれば365日24時間手数料無料で利用できる。

全国のイオンモールなどに店舗を構え、年中無休で夜9時まで営業しており、住宅ローンや資産運用の対面相談に対応している。ネット銀行並みの金利や手数料水準と、店舗型銀行の対面サービスを兼ね備えた銀行だ。

ジャパンネット銀行……変動金利型住宅ローンに強み

ジャパンネット銀行は、Zホールディングス(旧ヤフー)と三井住友銀行が共同出資するネット銀行だ。ジャパンネット銀行の強みは住宅ローンだ。特に変動金利型住宅ローンの金利は年0.380%(2020年6月時点)と業界最低水準である。住宅ローンの低金利に加え保証料や一般団信の保険料が無料など充実しており、住宅ローンを借りるなら検討したいネット銀行だと言える。

auじぶん銀行……auユーザーが得にお得

auじぶん銀行はKDDIと三菱UFJ銀行が共同出資するネット銀行だ。系列のauカブコム証券と口座を連携し、auじぶん銀行自動引落(※リアル版)を設定すると、普通預金金利が年0.10%にアップする。auユーザーであれば、カードローンや住宅ローン金利の優遇、利用状況に応じてPontaポイントが貯まりやすくなるなどのメリットがある。

ステージに応じてATM利用手数料が最大月11回、振込手数料が最大月15回まで無料になる。ちなみに三菱UFJ銀行への振込手数料であれば何回でも無料だ。

住信SBIネット銀行……総合力の高さが魅力

住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資するネット銀行。預金総残高5兆円を突破し、ネット銀行ではNo.1の規模を誇る(2019年4月時点)。

住信SBIネット銀行ではSBI証券との連携口座「SBIハイブリッド預金」を利用すれば、普通預金の金利が年0.01%にアップする。利用状況に応じて、ATM利用手数料や振込手数料が最大月15回まで無料になるのも魅力だ。同一名義の口座内に最大5口座まで開設できるのも特徴である。目的ごとに口座を分けて管理したい人などにおすすめのサービスだ。

また為替手数料も割安で、日本円と米ドルを交換する際のレートは1米ドルあたり片道4銭と業界最低水準を誇る。住信SBIネット銀行は変動金利型やフラット35などの住宅ローンにも強みがあり、総合力の高さが人気のネット銀行といえる。

セブン銀行……全国に2万5,000台以上のATM

セブン銀行は、コンビニ最大手セブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスが運営する銀行だ。セブンイレブン各店舗のほか、駅や商業施設など全国に2万5,000台以上のATMがあり、原則24時間、日中(7~19時)は土日祝日も手数料無料で入出金ができる。

セブン銀行のキャッシュカードには、国内外のJCB加盟店で利用できるデビットカード機能やポイントカードnanacoを付帯できる。買い物代金を口座残高から直接引き落とすことができ、利用金額に応じてnanacoポイントが貯まる。またスマートフォンアプリ「Myセブン銀行」を使えば、キャッシュカードがなくてもセブン銀行ATMでの入出金やローンサービスの借入れ・返済ができる。スマホだけで現金を引き出せるのは魅力だ。

運転免許証があればスマホアプリから最短10分で口座を開設でき、口座開設後はキャッシュカード到着前からセブン銀行ATMでの取引が可能になる。

ソニー銀行……外貨に強み

ソニー銀行は、ソニーグループの金融部門の一角を担うネット銀行だ。Visaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」を使えば、海外ATMで外貨口座から現地通貨を直接引き出したり、デビットカードとして代金を直接引き落としたりできる。海外で買い物するときの手数料を抑えられるのが魅力だ。

国内の買い物でもステータスに応じて最大2%のキャッシュバックが受けられる。ネット銀行ならではのATM利用手数料や振込手数料の優遇も手厚い。

大和ネクスト銀行……本人名義の証券口座と銀行口座間の資金移動がスムーズ

大和ネクスト銀行は、大和証券グループのネット銀行だ。大和証券口座のほか、他の金融機関の本人名義口座あて振込手数料が何回でも無料だ(一部制限あり)。証券口座と銀行口座の資金移動が手数料無料でスムーズに行えるのは大きい。 

SBJ銀行……年金受取で普通預金金利年0.2%・手数料等の優遇サービスが充実

SBJ銀行は、韓国の大手銀行・新韓銀行の日本法人。通常時でも普通預金の金利は年0.02%とメガバンクに比べ高めだが、年金受取普通預金口座は年0.20%と高い金利が適用される。そのほか月内の最低預金残高に対して、年0.10%の金利が適用される「特別金利付与型普通預金」など金利の高さが魅力といえる。

ATM利用手数料は最大月10回、振込手数料は最大月7回まで「無条件で」無料だ。これだけでも他行に比べ十分に優位性があるが、一定の要件を満たせば手数料は何度でも無料になる。ATMの利用や振込回数の多い人にはおすすめだ。ただし公共料金や税金などの振替口座として指定できないため、生活用口座としては使いにくい部分もある。

GMOあおぞらネット銀行……GMOクリック証券との連携で普通預金金利年0.110%

GMOあおぞらネット銀行は、あおぞら銀行グループとGMOインターネットグループが共同出資する銀行。GMOクリック証券との連携口座「証券コネクト口座」を開設すれば、年0.110%の金利が適用される。

そのほか利用状況に応じて、ATM利用手数料や振込手数料が最大月15回まで無料、Visaデビットのキャッシュバック率が最大1.5%までアップする優遇サービスもある。同一名義の口座内であれば最大10口座まで「つかいわけ口座」を開設できる。目的ごとに細かく口座を分けて管理したい人などにおすすめだ。

あおぞら銀行BANK……普通預金の金利が0.2%と業界最大水準

あおぞら銀行BANKは、あおぞら銀行のインターネット専用支店。Visaデビット機能付きキャッシュカードは、利用代金の最大1%がキャッシュバックされるほか、利用額の一部を自動的に貯蓄できる「BANK™ The Savings」というユニークなサービスも利用できる。

「無条件」で年0.20%という業界最大水準の普通預金の金利も魅力だ。コンビニATMは時間帯によって利用手数料はかかる場合もあるが、ゆうちょATMであれば手数料は無料だ。振込手数料も条件を満たせば最大月3回まで無料になる。

自分にあったネット銀行を選ぼう

ネット銀行には共通した特徴のほか、銀行ごとの違いも多い。また、その人の状況次第で条件のよい銀行は変わる。ほかに利用している銀行や証券会社との兼ね合いや、ATMや振込の利用頻度、優遇条件の満たしやすさなどを比較して、自分にあったネット銀行を選ぼう。

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執筆・竹国弘城(ファイナンシャルプランナー)

証券会社、保険代理店での勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。より多くの方がお金について自ら考え行動できるよう、お金に関するコンサルティング業務や執筆業務などを行う。RAPPORT Consulting Office 代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP® HP : https://www.rapportco.com  

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