SBI証券と楽天証券は、ネット証券の2強と言っていい存在だろう。米国株取引においても両社の存在感は大きく、SBI証券、楽天証券のうちどちらに米国株の取引口座を持つか迷う投資家も少なくない。SBI証券と楽天証券の米国株取引を比較し、どちらを米国株投資の「パートナー」とするべきか考えてみたい。

目次

  1. 1,SBI証券と楽天証券の米国株投資をポイントごとに徹底比較
  2. 2,SBI証券と楽天証券の米国株投資のメリット・デメリットは?どんな人におすすめ?
  3. 3,米国株(アメリカ株)のメリットは?米国株投資をおすすめする理由
  4. 4,米国株(アメリカ株)に投資する方法
  5. 5,米国株(アメリカ株)の2つの取引方法
  6. 6,米国株(アメリカ株)の3つのデメリット
  7. 7,SBI、楽天以外で米国株取引ができる証券会社3選
  8. 8,SBI証券のメリット
  9. 9,楽天証券のメリット
  10. 10,SBI証券と楽天証券を比較
  11. 11,証券口座を複数開設するメリット
  12. SBI証券と楽天証券についてよくあるQ&A

1,SBI証券と楽天証券の米国株投資をポイントごとに徹底比較

1.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較

米国株取引において取引証券会社を選ぶ際にチェックするポイントは、日本株など国内商品を取引する証券会社選びの場合とやや異なる。

馴染みのある日本株を取引するのと違い、米国株取引は注意しなければならないことが多いので、しっかりサポートしてくれる証券会社を選ぶことが重要だ。

SBIと楽天の米国株取引の比較表
SBI証券 楽天証券
米国個別株銘柄数 4,364銘柄 3,827銘柄
米国ETF銘柄数 327銘柄 356銘柄
米国ADR銘柄数 166銘柄 314銘柄
米国株売買手数料 約定代金×0.495%(税込)
最低:0米ドル 上限:22米ドル
約定代金×0.495%(税込)
最低:0米ドル 上限:22米ドル
為替手数料 適用為替レート±0.25円 適用為替レート±0.25円
米国株取引時間 標準時間 23:30~翌6:00
夏時間22:30~翌5:00
標準時間 23:30~翌6:00
夏時間 22:30~翌5:00
注文受付時間 米国営業日の以下を除く時間帯
・日本時間19:00~19:30
・日本時間での
取引終了後から9:00頃まで
【月~金】8:00~翌6:00
(8:00~翌5:00)
【土】8:00~翌2:30、
3:30~5:00、
5:15~6:00
(8:00~翌2:30、
3:30~5:00)
【日】6:00~翌2:30、
3:30~5:00、
5:15~6:00
(5:15~翌2:30、
3:30~5:00)
※カッコ内はサマータイム
時間外取引 不可 不可
注文方法 指値/成行/逆指値 指値/成行/逆指値
米国株を取引
できるツール
外貨建商品取引サイト
米国株アプリ
Webサイト
マーケットスピード
iSPEEDアプリ
おすすめポイント 幅広く銘柄をカバー、
スマートフォンアプリを
導入しさらにパワーアップ
高機能PCツールと
使い勝手のいい
スマホアプリを揃え、
初心者からプロまで
幅広くサポート
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在
※取引時間、注文受付時間は日本時間で表示

SBI証券と楽天証券の米国株投資を取扱銘柄数で比較

SBI証券の個別銘柄取扱数は4,364銘柄であり、楽天証券の3,876銘柄を1割以上上回る(2021年12月10日現在)。

楽天証券の個別銘柄取扱数も業界内でトップクラスであり、一般的な投資家が日常的に売買する銘柄は取り扱っています。ただし、できる限り多くの商品群の中から潜在力のある銘柄を探したい投資家には、SBI証券に米国株取引口座を持つことをおすすめします。
長谷川保

SBI証券、楽天証券ともに、取扱銘柄を増やす試みを続けています。

SBI証券は新規取扱銘柄の要望を行う「リクエストフォーム」を用意、楽天証券も「外国株式 取扱追加リクエストフォーム」を用意し、投資家の取扱銘柄追加の要望に応えているので、今後も取扱銘柄は継続的に増えていくであろう。
出典:SBI証券『~米国、中国、その他国の銘柄をリクエスト~「外国株式リクエストフォーム」を新設!』楽天証券『外国株式 取扱追加リクエストフォーム』

SBI証券と楽天証券の米国株投資を手数料で比較

SBI証券、楽天証券ともに取引手数料は約定代金に対して0.495%(税込)で同水準だ。

為替手数料についても、両社とも適用為替レート±25銭と横並びだ。

米国株取引における手数料に関しては、SBI証券、楽天証券に優劣の差はありません。両社とも買付手数料が無料のETFなど、投資家が取引コストを抑えることができる追加のサービスを提供しています。

SBI証券と楽天証券の米国株投資を取引時間で比較

SBI証券、楽天証券ともに顧客からの注文を米国市場に取り次いで約定させるので、米国市場の取引時間である日本時間23:30~翌6:00(標準時間)、22:30~翌5:00(夏時間)が米国株の取引時間です。

米国株市場には、通常の立会時間以外に「プレマーケット」「アフターマーケット」という制度があるが、SBI証券、楽天証券ともにこれらの時間外取引には対応していない。

通常の立会時間前に1時間半取引ができる「プレマーケット」では、アジアや欧州市場で株価材料が出た場合などに取引ができ利便性が高い。

米国企業の決算は通常の取引時間後に発表されるケースがあり、銘柄によっては大きく変動する。

このような時でも「アフターマーケット」で売買できれば重要な取引機会を逃すことがない。

長谷川保

SBI証券、楽天証券においても、通常の米国株取引時間以外で取引ができるようになれば、投資家からの両社に対する支持の声がさらに高まるでしょう。

SBI証券と楽天証券の米国株投資を取引ツールで比較

SBI証券は、2021年4月に待望のスマートフォンアプリ「SBI証券 米国株アプリ」をリリースした。
出典:SBI証券『SBI証券米国株アプリ』

SBI証券での米国株取引ではこれまで、決して使い勝手がいいとは言えないWebサイトでの取引を余儀なくされていた。

長谷川保

「SBI証券 米国株アプリ」の登場で、投資家は瞬時に取引体制をとることができるようになり、利便性はかなり高まったのではないでしょうか。

楽天証券はすでに米国株式が取引できるスマホアプリ「iSPEED」を提供しており、加えて多機能な取引ツールであるPCダウンロード型の取引ツール「マーケットスピード」も用意している。
出典:楽天証券『取引ツール』

取引ツールの比較では、PCダウンロード型の取引ツールを提供している楽天証券に優位性があるでしょう。特に米国株をアクティブに取引する投資家にとって、注文機能、チャート分析、ニュースなど、スマホツールより豊富な機能を搭載し、一目で取引に関する情報を把握できる「マーケットスピード」は魅力的です。

2,SBI証券と楽天証券の米国株投資のメリット・デメリットは?どんな人におすすめ?

SBI証券と楽天証券は、米国株取引において多くの点で優れている。

しかしこの2強といえども、すべてにおいて完璧というわけではない。

限られた経営資源を強化する分野に重点的に投入すれば、顧客の要望に応えられないこともある。

2社の米国株投資におけるメリット、デメリットを考察してみよう。

SBI証券の米国株投資のメリット・デメリットは?どんな人がおすすめ?

SBI証券の米国株投資のスペック表
米国個別株銘柄数 4,364銘柄
米国ETF銘柄数 327銘柄
米国ADR銘柄数 166銘柄
米国株売買手数料 約定代金×0.495%(税込)
最低:0米ドル 上限:22米ドル
為替手数料 適用為替レート±0.25円
米国株取引時間 標準時間 23:30~翌6:00
夏時間22:30~翌5:00
注文受付時間 米国営業日の以下を除く時間帯
・日本時間19:00~19:30
・日本時間での取引終了後から9:00頃まで
時間外取引 不可
注文方法 指値/成行/逆指値
米国株を取引
できるツール
外貨建商品取引サイト
米国株アプリ
おすすめポイント 幅広く銘柄をカバー、
スマートフォンアプリを
導入しさらにパワーアップ
SBI証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在
※取引時間、注文受付時間は日本時間で表示

・SBI証券の米国株投資のメリット

  • メリット1, 取扱銘柄数が多い
  • メリット2, 米国株の投資コストを引下げるサービスの提供
  • メリット3,「米国株アプリ」の導入

メリット1, 取扱銘柄数が多い

米国株に投資する最初の段階では、アップル、アマゾン、マイクロソフトといった多くの証券会社で取扱っている銘柄を中心に投資することが多いので、取扱銘柄数はそれほど気にならないかもしれない。

米国株投資の経験を積むにしたがい、メディア等で常に報道される有名な銘柄だけではなく、市場が気付いてない潜在力があるにもかかわらずまだ埋もれたままの銘柄を探し投資したくなるものだ。

長谷川保

そのような時に備えて、多くの取扱銘柄を揃える証券会社に取引口座を持つことをおすすめします。

長期的に腰を据えて米国株投資を続けるつもりなら、4,000銘柄以上の個別銘柄を取扱い、さらに取扱銘柄数を増やす努力を怠らないSBI証券は、米国株投資の強い味方になるはずです。

メリット2, 米国株の投資コストを引下げるサービスの提供

SBI証券では、下記のように投資コストを引下げる様々な機会を投資家に提供している。

SBI証券によるコスト低減サービス
  • ①海外ETFの買付手数料無料化(NISA口座)
  • ②指定する米国ETFの買付手数料無料化
  • ③米国貸株サービス「カストック」
  • ④銀行提携サービスによる為替手数料優遇

それぞれのサービスにおけるコスト低減効果は大きくないかもしれないが、これらの機会を長期的に享受すればパフォーマンス向上にもたらす影響は大きい。

①NISA口座における海外ETFの買付手数料が無料

SBI証券では、NISA口座での海外ETF(米国、中国、韓国)の買付手数料を無料としている。
出典:SBI証券『NISA』

②SBI証券が指定する米国ETFの買付手数料が無料

SBI証券では、以下9銘柄の米国ETFの買付手数料を無料としている。

長谷川保

バンガードやブラックロック(iシェアーズ)などのETFを利用して米国株に投資する投資家にとって、コスト削減効果は大きいでしょう。

・バンガード トータル ワールド ストックETF (VT)
・バンガード S&P 500 ETF (VOO)
・バンガード トータルストックマーケットETF (VTI)
・iシェアーズ S&P 500 ETF (IVV)
・SPDR S&P 500 ETF トラスト (SPY)
・ウィズダムツリー インド株収益ファンド (EPI)
・ウィズダムツリー米国株高配当ファンド (DHS)
・ウィズダムツリー米国大型株配当ファンド (DLN)
・ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成 (DGRW)

出典:SBI証券『SBI証券、米国ETF(9銘柄)の買付手数料無料の対象銘柄』

③米国貸株サービス「カストック(Kastock)」による貸株金利の受取り

米国貸株サービス
米国貸株サービスは、投資家が保有している米国株式や米国ETFをSBI証券に貸し出すことで、貸し出した株式やETFに応じた貸株金利を受取ることができるサービスだ。貸株サービスで得た金利収入を取引手数料などに充当できる。

SBI証券では、「カストック(Kastock)」というサービスを提供しており、米国株の対象銘柄は2,000以上に及ぶ。

3.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=SBI証券のホームページより引用)

④住信SBIネット銀行との外貨入出金サービスによる為替手数料の節約

SBI証券で米国株式を売買する時、為替手数料の適用為替レートは±25銭だ。

住信SBIネット銀行で外貨を売買する時の為替手数料は±4銭と格安です。住信SBIネット銀行で為替の売買をしてSBI証券に送金すれば、SBI証券で外貨を購入する際の手数料25銭に対して4銭のコストで済みます。入出金手数料は無料です。

出典:住信SBIネット銀行『外貨普通預金』

メリット3,「米国株アプリ」の導入

「米国株アプリ」には、注文、チャート、ニュース、銘柄登録などの基本的な機能はすべて盛り込まれている。

口座管理機能では、入金額、出金額、買付余力などの情報が4日先まで一覧できる。

長谷川保

米国株を取引する時、先の入出金スケジュールを見ながら、十分なドル資金が口座にあるかを手元で確認できるのはとても便利です。

検索機能もテーマやキーワードによる検索に加え、「スクリーナー」でPERや配当利回りなどの財務情報やテクニカル指標を選んで検索も可能で、4,000以上ある取扱銘柄から購入対象銘柄を探すのに強い味方です。

「米国株アプリ」では、決算発表後30分以内に日本語で決算速報を配信している。

米国株に投資する際、日本の投資家にとって決算情報などはどうしても不足気味だが、「30分以内に日本語で」提供してくれるのはとてもありがたい。

・SBI証券の米国株投資のデメリット

  • デメリット1,PCダウンロードツールがない
  • デメリット2,時間外取引ができない
  • デメリット3,米国株式の株価配信が15分遅れ

デメリット1,PCダウンロードツールがない

「SBI証券 米国株アプリ」を導入して投資家の評価を高めたSBI証券ですが、米国株取引ができるPCダウンロード型取引ツールの導入はまだ行われていません。

スイングトレードや長期投資を運用スタイルとする投資家は、Webサイトやスマホアプリによる取引で問題ないだろう。

しかし米国株をよりアクティブに取引する投資家にとって、注文機能、チャート分析、ニュースなどの情報を一目で把握できるPCダウンロード型の取引ツールは必須だ。

長谷川保

国内株式や先物・オプション取引で評判の高い「HYPER SBI」に米国株式取引機能を追加するなど、SBI証券の今後の対応が期待されます。

デメリット2,時間外取引ができない

米国株市場には、通常の立会時間以外に「プレマーケット」「アフターマーケット」という取引制度があり、投資家の利便性が高い。

しかし、SBI証券は「プレマーケット」「アフターマーケット」の取引に対応していない。

現代の金融・資本市場はグローバルに連動しているので、米国の立会時間外にリリースされたニュースや株価材料に対応するのに、株式取引所における通常の立会時間だけでは難しいのではないか。

長谷川保

今後は、投資家の満足度を高めるために時間外取引への対応が望まれます。

デメリット3,米国株式の株価配信が15分遅れ

SBI証券では、米国株式の株価配信が15分遅れになります。「米国株アプリ」を投入し投資家の利便性を高めたが、配信される株価がリアルタイムではないのは残念です。

月額330円(税込)の追加料金を支払えばリアルタイムの株価を取得することはできるが、ネット証券業界トップに位置するSBI証券には、リアルタイム株価の標準装備を求める投資家は多いのではないか。
出典:SBI証券『米国株の株価がリアルで分かる!「NYSE/NYSE Arca/NASDAQリアルタイム株価・チャート」』

・SBI証券の米国株投資がおすすめな人

SBI証券は米国株に興味を持つ幅広い投資家層におすすめだが、その中でも米国株投資の初心者で今後じっくりと長期的なスタンスで米国株投資を計画している投資家に適している。

長谷川保

SBI証券は個別銘柄のみならず、ETF、ADRも幅広くカバーし、取引手数料やその他の取引コスト削減をもたらすサービスも提供しています。米国市場に簡単にアクセス可能なスマホアプリが投入されたことも心強いポイントです。

楽天証券の米国株投資のメリット・デメリットは?どんな人がおすすめ?

楽天証券の米国株投資のスペック表
米国個別株銘柄数 3,827銘柄
米国ETF銘柄数 356銘柄
米国ADR銘柄数 314銘柄
米国株売買手数料 約定代金×0.495%(税込)
最低:0米ドル 上限:22米ドル
為替手数料 適用為替レート±0.25円
米国株取引時間 標準時間:23:30~翌6:00
サマータイム:22:30~翌5:00
注文受付時間 【月~金】8:00~翌6:00
(8:00~翌5:00)
【土】8:00~翌2:30、3:30~5:00、5:15~6:00
(8:00~翌2:30、3:30~5:00)
【日】6:00~翌2:30、3:30~5:00、5:15~6:00
(5:15~翌2:30、3:30~5:00)
※カッコ内はサマータイム
時間外取引 不可
注文方法 指値/成行/逆指値
米国株を取引
できるツール
Webサイト
マーケットスピード
iSPEEDアプリ
おすすめポイント 高機能PCツールと使い勝手のいい
スマホアプリを揃え、
初心者からプロまで幅広くサポート
楽天証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在
※取引時間、注文受付時間は日本時間で表示

・楽天証券の米国株投資のメリット

  • メリット1,取引ツールが優れている
  • メリット2,米国株の投資コストを引下げるサービスの提供
  • メリット3,楽天銀行から自動入金が可能

メリット1, 取引ツールが優れている

楽天証券では、Webサイトでの取引に加えPCダウンロード版「マーケットスピード」と スマホアプリ 「iSPEED」を米国株取引に利用できる。

PCダウンロード型の取引ツールである「マーケットスピード」は、日本株や先物、オプション取引でも実績のある取引ツールだ。

米国株をアクティブに取引する投資家にとって、一つの画面に注文機能からチャート分析など必要な機能や情報を配置できる「マーケットスピード」は、一目で取引に関する情報を把握できるので魅力的です。

スマホアプリ「iSPEED」は、日本株と米国株を同じアプリで取引できる優れた取引ツールだ。

長谷川保

ポートフォリオの多くを米国株が占めている投資家にとって、日本株と米国株を一緒に管理できるツールは、複数のアプリを行き来する必要がなく使い勝手がよくて便利です。

iSPEEDの特徴
・「資産・照会ページ」……日本株、米国株の評価額を並べて閲覧可能。保有銘柄や実現損益などの情報もワンタップで素早く切り替え可能。
・「お気に入りページ」…日本株、米国株を並べて配置できるので、ポートフォリオの管理に便利。

メリット2,米国株の投資コストを引下げるサービスの提供

楽天証券でも、投資コストを引き下げる様々な機会を投資家に提供している。

それぞれのサービスを利用すればトータルで投資コストの低減が可能なので、コスト控除後のパフォーマンスを向上させる効果がある。

楽天証券によるコスト低減サービス
  • ①海外ETFの買付手数料無料化
  • ②充実したポイントプログラム

①海外ETF(9銘柄)の買付手数料が無料

楽天証券では、以下の9銘柄を対象にETFの買付手数料が無料だ。

・バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
・バンガード・S&P 500 ETF(VOO)
・バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
・SPDR S&P 500 ETF(SPY)
・SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF(RWR)
・SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
・グローバルX AIビッグデータ ETF(AIQ)
・グローバルX フィンテックETF(FINX)
・グローバルX ゲノム&バイオテクノロジーETF(GNOM)

出典:楽天銀行『買付手数料無料 海外ETF』

②ポイントプログラム(超割コース)

楽天証券で国内株式の手数料コースを「超割コース」にすると、米国株を取引した場合でも、取引手数料の1%がポイントバックされる。

長谷川保

獲得したポイントは「楽天ポイント」として使ったり、国内株式の購入資金として利用したりできます。

4.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像= 楽天証券のホームページより引用)

メリット3,楽天銀行からの自動入出金(スイープ)が可能

楽天証券と楽天銀行の資金移動サービスである自動入出金(スイープ)を利用できる。

このサービスは、一般的な入出金のプロセスに比べて手続きが少なく利便性の高いサービスだ。

米国株を購入する時の入金プロセスも簡便です。投資家は、事前に資金を証券口座に入金する必要がありません。注文時に自動的に楽天銀行にある口座の資金を買付代金に充当できるので、取引口座に資金を振り替える必要がなく手間が省けます。
5.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像= 楽天証券のホームページより引用)

・楽天証券の米国株投資のデメリット

  • デメリット1,時間外取引ができない
  • デメリット2,米国株式の株価配信が15分遅れ

デメリット1,時間外取引ができない

楽天証券もSBI証券と同様に、通常の立会時間外に行われる「プレマーケット」「アフターマーケット」での取引ができません。

米国市場の通常立会時間は、ほぼ日本時間の深夜にあたる。

長谷川保

「プレマーケット」で就寝前に気になった銘柄をトレードしたり、「アフターマーケット」で就業前に米国の日中に動いた銘柄を取引したりできれば、日本の投資家にとって貴重な取引機会になるのではないでしょうか。

デメリット2,米国株式の株価配信が15分遅れ

楽天証券でもSBI証券同様、米国株式の株価配信が15分遅れになるので、リアルタイムで株価を確認することができません。

SBI証券同様に、月額330円(税込)を支払えばリアルタイムの株価を見ることが可能だ。
出典:楽天証券『米国株式の株価をリアルタイムで見ることはできますか?』

長谷川保

楽天証券で米国株式、米国ETFを過去1ヶ月の間に1回以上約定すれば無料でリアルタイムの株価が配信されますが、長期投資家などは取引をしない月もあるので、やはり無料提供が望まれるのではないでしょうか。

・楽天証券の米国株投資がおすすめな人

楽天証券は、「マーケットスピード」や「iSPEED」など優れた取引ツールを提供しているので、初心者から経験豊富な投資家まで幅広い投資家層に推薦できるネット証券だ。

特にスイングトレードなどアクティブに売買したい投資家は、これらのツールを使いこなせばストレスなく米国株をトレードできるはずだ。

3,米国株(アメリカ株)のメリットは?米国株投資をおすすめする理由

6.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国株への投資は、世界経済に資金を投じることに他ならない。

世界経済をリードしているのは米国であり、多くのイノベーションが米国から始まり、世界各地へと分散、浸透していく。

世界規模で事業を展開する企業を継続的に生み出している米国に投資するメリットは次の3点だ。

米国株のメリット
  • 長期上昇トレンドが継続中
  • グローバルに活動するハイテク大企業への投資が可能
  • 高配当銘柄への投資

米国株(アメリカ株)のメリット1,長期上昇トレンドが継続中

イノベーションを背景とした高い事業収益力を武器に、ハイテク株を中心に米国株は過去30年間上昇トレンドにあります。

リーマンショックや欧州債務危機、コロナショックなど、世界経済を大きく動揺させるイベントで一時的な調整局面はあったが、その都度復活し現在も世界中から投資資金が流入している。

長谷川保

日本株は1990年代のバブル経済崩壊を経て、2010年代には「アベノミクス」を背景とした日本経済の復活にともない上昇局面に入りました。しかし米国株は、日本株以上のパフォーマンスで推移しており、日米両国株価の格差は埋まらず、むしろ拡大しています。

日本の投資家にとって、自国株式のみではなく、米国株への投資が資金を成長させるために必要不可欠な存在であることは明白だ。

7.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
※1992年1月を起点としてダウ平均株価(赤線)と日経平均株価(青線)を表示、12月10日時点
※TradingViewのホームページより引用

米国株(アメリカ株)のメリット2,グローバルに活動するハイテク大企業への投資が可能

2021年2月8日付の日本経済新聞の報道では、時価総額が10兆円を上回る企業数は米国で96社に上るという。

日本企業で時価総額が10兆円を越える企業は5社のみで、前年から増えていない。

経済発展が著しい中国も前年比で時価総額10兆円企業の数は減っており、米国企業の躍進ぶりが際立っている。

下表に日米株式市場の時価総額上位10社を示した。

米国株/日本株 時価総額上位10社
米国株 時価総額(円) 日本株 時価総額(円)
1 アップル 333兆8,052億 トヨタ 33兆4,783憶
2 マイクロソフト 291兆5,888億 キーエンス 17兆6,009憶
3 アルファベット 208兆748億 ソニー・グループ 17兆4,912憶
4 アマゾン・ドット・コム 198兆451億 リクルート 11兆7,207憶
5 テスラ 115兆8,026億 NTT 11兆1,775憶
6 メタ・プラットフォームズ 88兆4,681億 東京エレクトロン 9兆7,219憶
7 エヌビディア 85兆5,962憶 ソフトバンク・グループ 9兆5,072憶
8 台湾セミコンダクター 70兆481億 三菱UFJフィナンシャル 8兆3,278憶
9 JPモルガン・チェース 53兆5,505億 信越化学工業 8兆1,124憶
10 ユナイテッドヘルス 51兆687億 日本電産 8兆0,081憶
Yahoo!ファイナンス日本経済新聞社のホームページよりデータを抜粋し筆者作成
※2021年12月10日時点の株価で算出
※1ドル=113.38円で日本円に換算し表示

米国株では、アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾンなどのハイテク分野の大企業が並ぶ。

加えて電気自動車のテスラや半導体のエヌビディアなどこの10年で急速に成長したイノベーション企業が名を連ねる。

日本における代表的な優良企業であるトヨタの時価総額は約33兆円です。米国の時価総額トップ企業はアップルで、その時価総額はトヨタの約10倍で約330兆円です。
長谷川保

これほど時価総額に差が生まれるのは、イノベーション、市場支配力、事業のキャッシュ創出力、グローバルな事業展開などあらゆる面で優れ、巨大になった米国のトップ企業に世界の投資家から資金が流入し続けているからです。

米国株(アメリカ株)のメリット3,高配当銘柄への投資

アメリカでは、株主還元策として配当を重視する企業が多いことから、高い配当を狙って中長期的に株式を保有する投資家が多い。

「S&P高配当貴族指数」のように、連続して毎年増配している優良株で構成する株価指数もあります。

このような高配当指数に連動して動く投資信託やETFに定期的に資金を振り向ける投資家が存在する。

配当を重視した投資家が、現物株のみならず高配当銘柄に連動する投資信託やETFを通して継続的に株式市場に投資している。

4,米国株(アメリカ株)に投資する方法

9.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国株市場では、個別株以外にも米国株にアクセスする手段を投資家に提供している。

それぞれの投資方法の特徴を理解し、自身の投資スタイルに合わせて、様々な局面でもっとも適した投資方法を選択することが重要だ。

米国株(アメリカ株)に投資する方法は4種類

米国株へ投資する方法は、大きく分けて次の4つである。

  • 個別株
  • ETF
  • 投資信託
  • ADR

それぞれメリットとデメリットがあるので、自身の投資スタイルの適した方法を選ぶべきだ。

米国個別株のメリット・デメリット

・米国個別株のメリット

個別株投資のメリットは、企業調査を徹底的に行い、まだ市場が消化していない独自の材料を発見することにより大きなリターンを狙えることです。
長谷川保

一般的に、まだ市場に織り込まれていない情報を探り当てて株式を取得すれば、その情報が市場で評価されるにつれて株価は上昇します。

・米国個別株のデメリット

個別株投資のデメリットは、やはりリスクが高いことだろう。

個別企業の事業や財務を的確に把握するのはむずかしい。財務や事業環境の急激な悪化などで株価が急落することがあり、企業の破綻リスクなどに注意が必要です。

米国株は新陳代謝が激しい市場なので、新しいビジネスアイデアで大きく成長する企業が頻繁に出現する一方で、消え去る企業も多い。

また個人投資家は資金量の制約から十分な分散を図れないので、少数の株式しか保有できない場合は注意が必要だ。

・米国個別株が向いている人

長谷川保

個別銘柄を調査・分析し、まだ明らかになっていない企業の成長力を見出し、市場が評価するまで忍耐強く株式を保有できる人に個別銘柄への投資をおすすめします。

米国ETFのメリット・デメリット

・米国ETFのメリット

米国ETFのメリットは①リスク分散、②安い運用コスト、③リアルタイムで売買可能の3点です。

①リスク分散

多くのETFは、S&P500やNasdaq100のような株価指数に連動するように設計されており、ETFを購入することにより自動的に分散されたポートフォリオを持つことになる。

長谷川保

ETFは指数に採用されている銘柄をすべて買うので、1つの銘柄が大きく下落しても他の銘柄が補ってくれるのでリスクが分散されます。

②安い運用コスト

運用コストが安いこともETFの魅力だ。

多くのETFは指数に連動するように運用されるので、個別の企業を調査する必要はなく、高報酬のアナリストやファンドマネージャーを雇う必要もない。

したがって運用コストをかなり抑えることができる。

③リアルタイムで売買可能

3つ目のメリットは、リアルタイムで売買ができることだ。

ETFは証券取引所に上場されているので、上場株式と同じように取引所が開いている間は価格が常に提示されており、投資家は個別株式と同じように売買が可能だ。

・米国ETFのデメリット

ETFのデメリットは、業績の悪い企業の株式や割高の銘柄を買わざるを得ないことです。ETFは指数に連動する運用なので、指数に採用されている銘柄を自動的にすべて買わなければなりません。

・米国ETFに向いている人

長谷川保

ETFは長期投資向きの商品です。特に米国株市場は、いくつかの急落局面を経ながらも長期上昇相場が続いており、購入タイミングを分散して低コストのETFを長期的に保有する戦略が機能します。

米国投資信託のメリット・デメリット

投資信託は大きく分けて、パッシブファンドとアクティブファンドの2種類に分類される。

パッシブファンド

パッシブファンドは、S&P500やNasdaq100のような株価指数に連動するように運用されるファンドなので、指数に採用されている銘柄を機械的に購入する。

アクティブファンド

アクティブファンドは、ファンドマネージャーやアナリストが業種や個別企業を分析して投資する銘柄を決め、株価指数を上回るリターンを目指す。

・米国投資信託のメリット

投資信託を購入するメリットは、自動的に分散されたポートフォリオを持てることです。

パッシブファンドは、指数に採用された銘柄をすべて購入する。

アクティブファンドは、プロのファンドマネージャーがリスクを抑えるために十分に銘柄を分散して投資をする。

・米国投資信託のデメリット

投資信託のデメリットは、リアルタイムで売買できないことだ。

投資信託はETFと違って取引所に上場していないため、常に価格が提示されているわけではない。

投資家は、証券取引所がクローズした後に各銘柄の終値を用いて算出されたファンドの基準価額で投資信託を購入する。

投資家は日中に投資信託の購入・売却を決めても、取引所で取引が終わり投資信託の基準価額が決まるまで、どの水準で投資信託を購入・売却したか知ることができません。

・米国投資信託に向いている人

長谷川保

株価指数と同程度のリターンを狙う安定志向の投資家にはパッシブファンドが適した商品です。アクティブファンドについては、プロの運用者に銘柄選定を任せて米国企業の高い成長力を享受したい投資家向きと言えるでしょう。

米国ADRのメリット・デメリット

ADR
ADR(American Depositary Receipt/米国預託証書)は、米国以外の外国企業や政府、米国企業の在外子会社が発行する有価証券の所有権を示す証書のことだ。ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場されており、株式と同じように売買が可能な金融商品である。

・米国ADRのメリット

米国ADR投資のメリットは、外国人が直接株式に投資するのが難しい国に投資できることです。インドや中国本土株のように、外国人の株式取得に制限を設けている国の株式を、米国市場で自由に売買できるメリットは大きいでしょう。

もうひとつADR投資のメリットを挙げるとすれば、安心感ではないだろうか。

ADRは米国で上場される金融商品なので、審査基準が厳しいと言われるSEC(米国証券取引委員会)に承認される必要がある。

財務面で優れている企業が審査を通過し、投資家保護の観点から情報公開なども厳しくチェックされるので株主の権利なども守られており、投資家にとっては安心感を持って投資することができる。

長谷川保

特に新興国の企業に投資する場合は、ADRを活用することによって一定の安心感を得られるでしょう。

・米国ADRのデメリット

デメリットとしては、ADRが上場廃止になる可能性があることが挙げられます。過去にも米国上場の必要性が低下したことなどを理由に上場廃止となったADRが散見されましたが、直近では、中国企業のADR上場廃止リスクが高まっています。
2021年12月には、中国の配車アプリ最大手の滴適出行(ディデイ)が上場廃止を決定した。

・米国ADRに向いている人

長谷川保

ADRを利用することにより、米国の株式市場を通して様々な国に投資が可能になるので、米国株だけではなく、その他の外国株にも投資をしてグローバルに分散されたポートフォリオを持ちたい人におすすめです。

5,米国株(アメリカ株)の2つの取引方法

10.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国株の取引方法は次の2つだ。

  • 現物取引
  • CFD取引

主流は現物取引だが、リターンの最大化やリスクヘッジの観点から近年CFD取引の利用も増えている。

投資家は自身の運用スタイルに適したほうを選ぶか、あるいは2つの取引手法を併用してリスクをコントロールしながら、より高いリターンを狙うこともできる。

現物取引

現物取引
現物取引とは、株式を市場価格で売買し、その都度売買代金を受け渡す取引のことだ。
たとえば、銘柄Aを100株、1,000円の株価で購入したとする。購入代金は10万円(=100株×1,000円)になり、現物取引ではこの10万円を購入代金として支払う。その後購入したA株を1,100円で売却したとすると、売却代金は11万円(=100株×1,100円)になり、この11万円を売却代金として受け取る。この一連の取引で得た収益は1万円になる。

・現物取引のメリット

現物取引のメリットとして挙げられるのは、投資金額以上に損失を被ることはないということです。
長谷川保

たとえば10万円投資した場合、それ以上の損失を被ることはないので損失リスクがはっきりしています。

他に保有コストがかからないこともメリットだ。

投資信託やETFであれば、保有している間は信託報酬料を支払う必要があるが現物株にはこのようなコストがない。

・現物取引のデメリット

現物取引のデメリットは、「買い」からしか株式投資に参入することができないことです。持っていない株式を売ることはできないので、現物株取引では「売り」から入ることができません。

保有していない株を「この株は下がるのではないか」と考えても売ることはできないし、買い持ちしている株をヘッジするために、同業種内の別の銘柄を売るような投資行動もできないのである。

・現物取引はこんな人におすすめ

長谷川保

個別企業の調査・分析をしっかり行い、長期的に値上がりが見込める銘柄をじっくり保有する投資家は、現物取引を中心に取引すべきでしょう。

CFD取引

CFD
CFD(Contract for Difference)は、売買の差額のみ受け渡す取引のことで、日本語では「差金決済」と呼ばれるものだ。現物の受け渡しを行わず、買いの代金と売りの代金の差額を受け渡す取引なので、将来の損失に備えて「証拠金」を差し入れる必要がある。

前述の現物取引の説明では、銘柄Aを100株、1,000円の株価で購入した場合、購入代金の10万円(=100株×1,000円)を支払い、このA株を1,100円で売却した場合は、売却代金の11万円(=100株×1,100円)を受取り、差額の1万円が利益となった。

差金決済の場合は、購入代金の支払い、売却代金の受取りというプロセスがなく、差額の1万円のみが証拠金に追加され、反対に損失が出れば、証拠金から差し引かれる仕組みです。

・CFD取引のメリット

CFD取引のメリットは、少ない資金で大きな取引ができるレバレッジにあります。現物取引では約定代金をそのまま用意しなければなりませんが、CFD取引では約定代金よりかなり少ない証拠金を差し入れることで同様の取引ができます。

また、売りからマーケットに参加できることもCFD取引の魅力だ。

CFDは差金決済なので、売りから入った後で買い戻して差額のみをやり取りすればいい。

ヘッジ取引としても活用できる。

・CFD取引のデメリット

レバレッジを利用して大きなポジションを持てるので、思惑どおりにマーケットが動けは大きな利益を得られるが、思惑とは逆の方向に動いてしまえば、損失も大きくなってしまう。

CFD取引ではリスク管理の重要度がより高くなる。

・CFD取引はこんな人におすすめ

長谷川保

CFDは、デイトレードやスイングトレードなど、長期投資に比べてより短いスパンでの取引に向いている商品です。CFD取引は、少ない資金で取引ができるレバレッジを使い、高いリターンを狙う投資家に利用価値があります。

6,米国株(アメリカ株)の3つのデメリット

11.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国株投資はいいことばかりではなく、いくつか注意しなければならないことがある。

外国証券に投資する際に常に発生する為替リスクと税金処理の問題だ。

売買手数料の格差も含めて、頭に入れておいた方がいいだろう。

米国株のデメリット
  • 為替リスクがある
  • 税金の処理が違う
  • 日本株より売買手数料が高め

米国株(アメリカ株)のデメリット1,為替リスクがある

米国株に投資すると、株価の変動リスクに加えて為替変動リスクも管理しなければなりません。米国株の購入代金を円から米ドルに変換した後、ドル安/円高になれば為替差損が発生します。

株価の上昇で利益を得ても、為替差損でリターンが悪化してしまうこともある。

場合によっては株価下落、ドル安/円高で為替差損が出て、ダブルパンチで損失を招くこともある。

長谷川保

米国株投資においては、為替変動を考慮にいれたリスク管理が必要です。

米国株(アメリカ株)のデメリット2,税金の処理が違う

米国株の税金については、日本株の税金といくつか違う点があるので理解しておくことが必要だ。

米国株式を購入した後、株価の値上がりにより利益が出た場合の譲渡所得に関しては、米国では課税されず国内の課税(税率:20.315%)になる。

この時に為替差損益が出た場合は、譲渡損益に含めて計算する。

注意しなければならないのは、配当に関する税金の処理だ。

配当に関しては米国でも課税されてしまいます。具体的には、支払われた配当に対してまず米国で10%の税金が差し引かれ、残りの90%部分に対して日本で20.315%課税されます。
たとえば米国株の配当を100とすると、アメリカで10%課税されて残りは90になる。この90に対して日本で20.315%課税されると手元に残るのは71.7(=90×79.685%)となり、合計で28.3%(=100-71.7)の税金を支払うことになってしまう。
長谷川保

米国で支払った配当に関する税金に関しては、外国税額控除の制度を使い取り戻すことができます。

出典:国税庁『No.1240 居住者に係る外国税額控除』

米国株のデメリット3,日本株より売買手数料が高め

ネット証券各社は、米国株の売買手数料をかなり安く設定しているが、それでも日本株の売買手数料と比較すると割高感は否めない。

たとえばSBI証券の「スタンダードプラン」、楽天証券の「超割コース」における、100万円以下の日本株売買手数料は535円(税込)だ。両社の米国株売買手数料率は、約定代金に対して0.495%(税込)、上限が22ドル(税込)なので、比較すると米国株式の売買手数は割高と言わざるを得ない。

7,SBI、楽天以外で米国株取引ができる証券会社3選

12.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

日本の投資家の米国株投資熱が高まるにつれ、あらためて米国株取引にエネルギーを注ぐネット証券が増えている。

取引手数料、約定方法、取引時間などで独自色を示す3社の米国株式取引の概要をチェックしてみよう。

マネックス証券、DMM株、PayPay証券の米国株取引の比較表
マネックス証券 DMM株 PayPay証券
米国個別株銘柄数 3,965銘柄 1,265銘柄 147銘柄
米国ETF銘柄数 345銘柄 113銘柄 25銘柄
米国ADR銘柄数 256銘柄 118銘柄 -
米国株売買手数料 約定代金×0.495%
(最低0米ドル、
上限22米ドル)
0円 標準時間 23:30~翌6:30
夏時間 23:30~翌5:30
→基準価格×0.5%

上記以外の時間帯
→基準価格×0.7%
為替手数料 買付時:無料
売却時:
適用為替レート-25銭
適用為替レート±25銭 適用為替レート±35銭
米国株取引時間 【プレマーケット】
標準時間 22:00~23:30
夏時間 21:00~22:30

【立会時間】
標準時間 23:30~翌6:00
夏時間 22:30~翌5:00

【アフターマーケット】
標準時間 6:00~10:00
夏時間 翌5:00~9:00
標準時間 23:30~翌6:00
夏時間 22:30~翌5:00
24時間
注文受付時間 24時間 【日~金】
標準時間16:00~翌6:00
夏時間 16:00~翌5:00

【土】
標準時間 16:00~翌3:00
夏時間 16:00~翌3:00
24時間
時間外取引 可能 不可 可能
注文方法 成行/指値/逆指値/
トレールストップ(値幅)/
トレールストップ(%)/
連続/OCO(OCOs)/
OCO(ツイン指値)
成行/指値/IFDONE 提示価格による
相対取引のみ
米国株を取引
できるツール
マネックス証券アプリ
トレードステーション
米国株スマートフォン
DMM株 PRO+
DMM株 STANDARD
DMM株 ノーマルモード/
かんたんモード
PayPay証券アプリ
おすすめポイント 「プレマーケット」
「アフターマーケット」の
時間外取引に対応
米国株売買手数料無料 相対取引で365日、
24時間取引が可能
マネックス証券DDM株PayPay証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在
※取引時間、注文受付時間は日本時間で表示

マネックス証券…米国に子会社を持つ米国株取引のパイオニア

マネックス証券は、米国にネット証券子会社の米トレードステーショングループ(2022年上半期にニューヨーク証券取引所に上場予定)を有しており、米国株取引を強化中だ。

長谷川保

マネックス証券は、トレードステーショングループを米国株サービスの軸足にして、日本での取扱銘柄数を継続的に増やしたり、使い勝手の良いスマホアプリを提供したり、日本の投資家にとって米国株投資をサポートする存在です。

・マネックス証券で米国株取引をするメリット

マネックス証券は、米国株専用のスマートフォンアプリ「トレードステーション米国株スマートフォン」を投資家に提供している。

米TradeStation社の開発した米国株取引専用のスマートフォンアプリで、リアルタイムの株価情報や現地のニュースが利用可能だ。
出典:マネックス証券『トレードステーション米国株 スマートフォン』

マネックス証券で米国株取引をするメリットとして、投資家にとって利便性が高い「プレマーケット」「アフターマーケット」という時間外取引に対応していることが挙げられます。

出典:マネックス証券『米国株の取引時間と注文可能時間』

長谷川保

マネックス証券に取引口座があれば、投資家は通常の立会時間外で不測の事態が起こった時、時間外取引を利用して持ち高を変更するなど臨機応変に対応できます。

・マネックス証券で米国株取引をするデメリット

マネックス証券には、米国株をトレードできるダウンロード型のPCツールがありません。

利便性が高いスマホアプリが十分に米国株取引をサポートしているが、高度な取引を米国株取引にも用いる投資家にとって、チャート分析、ニュース、注文機能などが一目で確認でき、素早くは発注できるダウンロード型の取引ツールの導入が期待される。

・マネックス証券で米国株取引をするのにおすすめな人

長谷川保

マネックス証券は、個別株だけでなくETFやADRも含めて幅広く投資対象とし、使い勝手のいいスマホアプリで臨機応変に売買したい投資家におすすめです。

マネックス証券は質の高い金融サービスを幅広く提供する、ネット証券業界でトップグループに位置する証券会社のひとつだ。

米国株に関しても、取扱銘柄数は業界最多水準であり、ETFやADRの取扱銘柄も多く、日本の投資家に米国の成長性のある企業を発掘する新たな機会を提供している。

また米子会社トレードステーショングループを米国株取引の基点としており、日本の投資家に取引約定から決済までスムースなサービスを提供している。

DMM株…米国株取引手数料が無料

14.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=DMM株 公式サイトより)

DMM株は米国株式取引においては新規参入組であるが、最大の特徴である「手数料無料」を武器に、米国株式取引おいて投資家に大きなインパクトを与えている。

長谷川保

DMM株は、保有米国株を米国株のみならず、国内株式やFXにおいても信用取引の担保として活用できるなど独自のサービス展開しており、ネット証券界における注目の存在です。

出典:DMM株『米国株式を信用取引の担保に取引可能』

・DMM株で米国株取引をするメリット

DMM株は、米国株の約定手数料が約定代金にかかわらず無料です。これは投資家にとってインパクトが大きく、DMM株で米国株を取引する最大のメリットです。
長谷川保

約定手数料は提供されるサービスとの見合いで考えるべきで、安ければいいというものではありません。ただし、そういった側面を加味してもなお、手数料無料は魅力的にうつります。

・DMM株で米国株取引をするデメリット

DMM株は、米国株の売買に円貨決済しか利用できません。米国株を売却した時や配当を受け取った後は、自動的に米ドルから円に両替されてしまいます。米ドルのまま口座に残し、次回の米国株投資に使うことはできません。

出典:DMM株『米国株式を取引する際の決済方法は、円貨と外貨どちらで行いますか?』

DMM株では、米ドルで受け取った配当は配当支払いの都度、円貨で口座へ入金される。

この時に米ドルで支払われる配当金を円に交換するが、DMM株では適用為替レート1円のスプレッドを課しており、他のネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券は25銭)に比べ割高だ。
出典:DMM株『商品概要・取引ルール』

長谷川保

投資家は配当が支払われるたびに1円の手数料を支払わなければならないので、配当重視で米国株へ投資する投資家は注意が必要です。

・DMM株で米国株取引をするのにおすすめな人

長谷川保

DMM株は手数料の安さを重視する投資家にとって「ファーストチョイス」の証券会社です。

DMM株の米国株取引は、取引手数料と為替手数料の合計でネット証券界最安水準なので、コストを抑えて米国株を取引したい投資家には絶対的におすすめのネット証券だ。

配当金を円に両替する時のコストを考えると、DMM株は高配当株を中心に運用する投資家よりも、値上がり益を期待してグロース株を中心に保有する投資家に向いているのではないか。

PayPay証券…米国株投資を操作が簡単なスマホアプリで1,000円から始める

スマホ専用証券会社であるPayPay証券は、スマホひとつで取引が完結する利便性を売りにしているだけあり、アプリでの操作がシンプルで簡単だ。

アプリの機能も厳選されており、銘柄を選んで購入するまで複雑な操作は不要だ。

長谷川保

PayPay証券は取引所で取引するのではなく相対取引なので、米国株式を24時間いつでも取引可能で、1,000円という少額から始められます。

・PayPay証券で米国株取引をするメリット

PayPay証券は相対取引なので、米国株を1,000円から取引可能です。
たとえば、通常の取引所取引でアマゾンの株式を購入すると、2021年12月10日終値でのアマゾンの株価は3,444.24ドルなので1株買うのに円貨で39万507円必要だ(1ドル=113.38円で計算)。PayPay証券ではこの金額以下で取引が可能だ。

相対取引のメリットとしてもう一つ挙げられるのは、取引所が開いていなくても米国時間まで待つことなく24時間いつでも米国株取引が可能なことだ。

・PayPay証券で米国株取引をするデメリット

PayPay証券で取引するデメリットは、取扱銘柄が少ないことです(2021年12月10日時点で147銘柄)。投資初心者は銘柄選択で迷わなくていいかもしれないが、経験を積むにつれて物足りなくなるでしょう。調査研究によって発掘した銘柄があっても取り扱っていなければ購入することはできません。

取引コストも割高だ。

PayPay証券は相対取引なので売買手数料はないが、基準価格に上乗せされる0.5%~0.7%のスプレッドが取引手数料に相当する。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券の米国株取引手数料は0.495%なので比較すると割高感が残る。

・PayPay証券で米国株取引をするのにおすすめな人

長谷川保

PayPay証券は投資初心者で小さい金額から米国株取引をはじめ、取引所取引の時間帯に縛られず、自由に24時間取引をしたい投資家におすすめです。

8,SBI証券のメリット

16.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
SBI証券は口座開設数がネット証券業界トップクラスで、国内株式個人売買代金シェアで首位でもあります。

(出典=手数料|SBI証券

また国内株式や投資信託だけではなく、債券、外国株式、ETF、FXなど幅広く金融商品を提供している。

SBI証券のメリットは次のとおりである。

SBI証券のメリット
  • 業界屈指の格安な手数料
  • 米国株の取扱い銘柄が多い
  • IPO銘柄の取扱数が多い

SBI証券のメリット1, 業界屈指の格安な手数料

SBI証券の約定手数料は業界最安値水準です。

・1回の取引金額に応じて手数料が決まるプラン(現物取引)
1注文の金額 SBI証券 楽天証券 マネックス証券
スタンダードプラン 超割コース 取引毎手数料コース
~5万円 55円 55円 110円
~10万円 99円 99円
~20万円 115円 115円 198円
~30万円 275円 275円 275円
~40万円 385円
~50万円 495円
~100万円 535円 535円 1,100円(成行)
1,650円(指値)
~150万円 640円 640円 約定金額の0.11%(成行)
約定金額の0.165%(指値)
~3,000万円 1,013円 1,013円
3,000万円~ 1,070円 1,070円
※税込みの手数料を表示
※SBI証券、楽天証券、マネックス証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在

・1日あたりの約定代金に応じて手数料が決まるプラン(現物取引)
1日の約定金額(合計) SBI証券 楽天証券 マネックス証券
アクティブプラン いちにち定額コース 一日定額手数料コース
~50万円 0円 0円 550円
~100万円
~200万円 1,238円 2,200円 100万円超、
300万円ごとに2,750円
~300万円 1,691円 3,300円
以降100万円増加ごとに 295円追加 1,100円追加
※税込みの手数料を表示
SBI証券楽天証券マネックス証券のホームページより筆者作成、2021年12月10日現在

国内株の取引手数料(現物取引)について、1回の取引金額に応じて手数料が決まるプランでは、SBI証券は楽天証券と横並びの水準、マネックス証券と比べると大幅に下回る手数料率を設定している。

1日あたりの約定代金に応じて手数料が決まるプランでは、1日の約定代金の合計が100万円以内なら約定手数料が不要だ(アクティブプランの場合)。
(出典=SBI証券

100万円を越える約定金額の手数料率を楽天証券、マネックス証券と比較してみると、SBI証券は2社よりも低く抑えている。

またSBI証券は若年層の資産形成をサポートするため、年齢が25歳以下なら国内株式現物手数料が実質無料になる。
(出典=25歳以下現物手数料実質0円プログラム

個々のトレードにおいて、売買手数料はさほど気にならないかもしれないが、長期的に考えるとパフォーマンスに与える影響は大きい。

長谷川保

コストを考慮したリターンを考える場合、低い売買手数料は大きな魅力です。

SBI証券のメリット2, 米国株の取扱い銘柄が多い

SBI証券は、米国株の取扱い数が多いことも魅力のひとつです。

証券会社名 取扱銘柄数
個別 ETF ADR
SBI証券 4,364銘柄 327銘柄 166銘柄
楽天証券 3,827銘柄 356銘柄 314銘柄
マネックス証券 3,965銘柄 345銘柄 256銘柄
PayPay証券 147銘柄 25銘柄
野村證券 696銘柄 155銘柄 77銘柄
※各社(SBI証券楽天証券マネックス証券PayPay証券野村證券)のホームページを元に筆者作成
※2021年12月10日時点

日本の投資家の外国株に対する投資意欲はますます旺盛で、その中心になるのが米国株だ。

アメリカは世界最大の経済大国であり、ITセクターを中心に数々のイノベーションを起こし、米国株は2000年代後半からの上昇相場が続いている。

長谷川保

SBI証券は、米国株を4,000銘柄以上網羅しており、大型株はもちろんのこと、中小型の銘柄やIPO銘柄も幅広く取扱うことで、投資家にできる限り多くの選択肢を提供しています。ETFの取扱銘柄数も楽天証券やマネックス証券など他のネット証券大手と比べて遜色のない水準を維持しています。

(出典=外国株式・海外ETF|SBI証券

SBI証券のメリット3, IPO銘柄の取扱数が多い

IPO株は、売出価格(公募価格)より高い初値がつくことが多く、投資家にとって魅力的な投資対象である。

SBI証券はIPOの取扱銘柄もトップクラスです。

投資家はIPO銘柄を購入するには幹事会社に証券口座を持つ必要がある。

2021年のIPO実績
SBI証券 みずほ証券 SMBC日興証券 楽天証券 野村証券
取扱数 93 61 61 60 52
主幹事数 14 25 18 0 22
SBI証券みずほ証券SMBC日興証券楽天証券野村証券のホームページより筆者作成
※2021年12月10時点

長谷川保

SBI証券は2021年、IPO銘柄を93社取り扱いトップを維持しています。また主幹事数も野村証券、みずほ証券など大手総合証券には及ばないものの14社と健闘しており、SBI証券でIPOに申し込めば当選のチャンスが増えます(いずれも12月までの実績)。

またSBI証券は、「IPOチャレンジポイント」というIPO投資のための独自のポイント制度を採用している。

IPOチャレンジポイントとは?

IPOチャレンジポイントは、IPO銘柄の抽選に外れた回数に応じて加算されるポイントだ。次回以降のIPO申し込み時にIPOチャレンジポイントを使用すると、IPOに当選しやすくなる。

(出典=IPOチャレンジポイントとはなんですか? : SBI証券

9,楽天証券のメリット

17.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
楽天証券と言えば、投資においても楽天ポイントが貯まる、使えるなどの独自性が特徴として挙げられますが、手数料の安さや幅広い商品ラインアップなどでも他のネット証券各社に引けを取らない人気証券会社の一つです。

楽天グループが提供する様々なサービスを利用した時に得られる「楽天ポイント」を、楽天証券で国内株式(現物)や投資信託を購入する際に使用できるメリットは大きい。

楽天証券のメリット
  • 楽天ポイントをフルに活用できる
  • 日本株と米国株を同一のアプリで取引できる
  • 高水準のトレーディングツール「マーケットスピードⅡ」を無料で利用できる

楽天証券のメリット1,楽天ポイントをフルに活用できる

楽天証券の親会社である楽天グループは、インターネット関連サービスを基盤として、ショッピングサイトに加え、通信、金融、不動産など幅広く事業を行っています。

(出典=楽天グループ株式会社コーポレートサイト

楽天グループが提供する様々なサービスから得られる楽天ポイントを、投資で貯めることができ、投資に使うこともできるのが、楽天証券のメリットのひとつだ。

ポイントの貯め方の例
たとえば国内株式手数料で「超割コース」を選択すると、取引手数料の1%が付与される。また取引基準に応じて「大口優遇」と判定されると、付与されるポイントが2%にアップする。

ポイント付与の対象とされる商品は以下の通りである。

ポイント付与の対象となる取引
  • 国内株式取引(現物・信用)
  • 外国株式取引(米国株式、中国株式、アセアン株式)
  • 先物オプション取引(株価指数先物・オプション、商品先物)
  • 海外先物
  • 金・プラチナ取引

出典:楽天証券『超割でためる』

その他、投資信託の保有残高(10万円以上)に応じてポイントが付与される。

さらに楽天銀行との口座連携サービスや、家族や友達を紹介した時、楽天カードで投信積立を行う時、また期間限定のキャンペーンなどでもポイントが付与される。

楽天ポイントを投資に使う場合は、3つの方法がある。

楽天証券におけるポイントの使い道
  • 1, 国内株式(現物)を買う
  • 2, 投資信託を買う・積立する
  • 3, バイナリーオプションを買う

・1, 国内株式(現物)を買う

楽天証券では、「楽天ポイント」を使って国内株式の投資ができます。

国内株式(現物取引)に投資する際に、購入代金や手数料にポイントを利用できる。

また楽天ポイントを使って、NISA口座での取引やPTS夜間取引も行える。
(出典=楽天証券

長谷川保

投資資金を増やしたい人や、手数料の支払いにポイントを使って投資コストを抑えたい人に便利なサービスです。

・2, 投資信託を買う・積立する

「楽天ポイント」は、投資信託の買付代金の一部、またはすべてに利用することができます。

また投資信託の積立でもポイントを利用できる。

長谷川保

株式購入でのポイント利用同様、投資コストを抑えたい人には重要なサービスです。

・3, バイナリーオプションを買う

楽天証券では、バイナリーオプションの購入にもポイントを利用することができます。
楽天証券のバイナリーオプションでは、FX取引において、ある通貨ペアの一定時間後のレートが指定したレートを上回るか、下回るかを予想する。このバイナリーオプションの購入代金にポイントを利用できる。

(出典=楽天証券

長谷川保

バイナリーオプションは1,000円未満から購入できるので、気軽にポイント利用ができるでしょう。

バイナリーオプションとは?
バイナリーオプションとは通貨や株式の価格があらかじめ決められた判定時刻において、上がるか、下がるかを予想する取引。予想通りの結果になれば利益を得るが、予想通りの結果にならなければ購入時に支払った資金をすべて失う。

楽天証券のメリット2,日本株と米国株を同一のアプリで取引できる

無料で利用できる楽天証券の株式取引アプリ「iSPEED」は、日本株式と同様に米国株式の取引をすることができます。

(出典=iSPEED for iPhone/Android

長谷川保

1つのアプリで、株式投資の2大投資先である日本株と米国株の両方を管理できるのは、複数のアプリを行ったり来たりしながら情報確認や取引をする必要がないので、想像以上に便利です。

たとえば、資産・照会ページでは、日本株、米国株の評価額を並べて見ることができ、保有銘柄や実現損益などの情報もワンタップで素早く切り替えられる。

すでに米国株がポートフォリオに欠かせないものとなっている投資家にとって、「日本株」「米国株」を分けて管理するのではなく、「グローバル株」として管理できるツールはとても重要だ。

楽天証券のメリット3,高水準のトレーディングツール「マーケットスピードⅡ」を無料で利用できる

マーケットスピードⅡ
マーケットスピードⅡは、初心者、トレーダー、長期投資家など、多くの投資家に最強のオンライン・トレーディングツールと評判の高かった「マーケットスピード」の後継にあたる。

(出典=マーケットスピード II | 楽天証券のトレーディングツール

マーケットスピードで評判の高かった以下の機能がパワーアップした。

・オーダー発注ツールである「武蔵」…逆指値注文対応や株数の変更方法を拡充することで、よりスピーディーにトレードが可能
・直感的に操作が可能な「チャート」…チャート上に注文中の指値や取得単価など多様な情報を表示
・登録をしておくことで銘柄を様々な形式で見ることができる「ザラバ情報」…マルチチャート機能で登録した銘柄のチャートを一望

しかしもっとも注目すべき点は、「アルゴ注文」が導入されたことだろう。

アルゴ注文
アルゴ注文とは、事前に登録した条件に合致すると自動で注文が発注される機能のことだ。登録した条件を楽天証券のサーバーで管理するので、「マーケットスピードⅡ」にログインしていなくても注文は有効だ。

マーケットスピードⅡのアルゴ注文に相当する自動売買システムはSBI証券やauカブコム証券などでも導入されているが、各社それぞれ独自色がある。

マーケットスピードⅡのアルゴ注文では、いくつか特色のある注文方法が導入されている。代表的な機能は下記2点だ。

アイスバーグ注文

アイスバーグ注文は、1つの注文を少しずつ小分けして発注できる機能で、流動性の低い銘柄にまとまった注文を出すときに有効だ。板の薄い銘柄で大きな注文を出すと、他の投資家に先回りされることがあるので、目立たないように少しずつ注文を出す。

出典:楽天証券『アイスバーグ注文』

スナイパー注文

スナイパー注文は希望する価格に気配が表示されていない時、指定した価格の気配が表示されるまでは発注せず、表示された時にすばやく発注する機能だ。流動性の薄い銘柄で自分の手口を他の投資家に悟られないために有効だ。

出典:楽天証券『スナイパー注文』

このように複雑な発注方法でも、マーケットスピードⅡのアルゴ注文を利用すればモニターに噛り付いている必要ななく、マーケットにアクセスできない場合などにも便利な機能です。

10,SBI証券と楽天証券を比較

18.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

ここではSBI証券と楽天証券の特徴やサービスなどを徹底比較することで、どちらの証券会社を選択すべきかのヒントを提供する。

また、どのようなポイントに注目して口座を開設する証券会社を選ぶべきかについても示したい。

国内株の約定手数料でSBI証券と楽天証券を比較

19.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

国内投資家にとって、もっとも利用することが多いサービスが国内株式の取引だろう。

国内株式の約定手数料は、どの証券会社に口座を開設するかを決める際に重要な比較項目です。

特に取引頻度の高い運用スタイルの投資家には、優先度の高い項目ではないだろうか。

SBI証券と楽天証券における、約定ごとに手数料が決まるプランと、1日あたりの約定代金に応じて手数料が決まるプランについて比較してみよう。

・1回の取引金額に応じて手数料が決まるプラン(現物取引)
1注文の金額 SBI証券 楽天証券
スタンダードプラン 超割コース
~5万円 55円 55円
~10万円 99円 99円
~20万円 115円 115円
~50万円 275円 275円
~100万円 535円 535円
~150万円 640円 640円
~3,000万円 1,013円 1,013円
3,000万円~ 1,070円 1,070円
※税込みの手数料を表示
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

・1日あたりの約定代金に応じて手数料が決まるプラン(現物取引)
1日の約定金額(合計) SBI証券 楽天証券
スタンダードプラン いちにち定額コース
~50万円 0円 0円
~100万円
~200万円 1,238円 1,238円
~300万円 1,691円 3,300円
以降100万円増加ごとに 295円追加 1,100円追加
※税込みの手数料を表示
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

SBI証券、楽天証券ともに業界最低水準の約定手数料を設定しています。

SBI証券と楽天証券を比較すると、1回の取引金額に応じて手数料が決まるプランでは、両社とも同水準の約定手数料を設定している。

しかし、1日あたりの約定代金に応じて手数料が決まるプランでは、200万円を越えるとSBI証券の方が低い手数料となっている。

長谷川保

約定手数料については、SBI証券に優位性があると言えるでしょう。

米国株、その他外国株でSBI証券と楽天証券を比較

20.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

日本の個人投資家にとって米国株への投資は、ポートフォリオ構築においてもはや欠かすことはできないパーツだ。

長谷川保

世界をリードする経済力と次々とイノベーションを生み出す革新性を備えた市場は、米国株以外に見当たりません。米国株は、日本株では投資できないIT分野への投資を補完するためにもっとも適した市場ではないでしょうか。

米国株を低い手数料率で、より多くの取扱銘柄を提供できる証券会社が、投資家に選好されることは明らかだ。

SBI証券 楽天証券
米国株取扱銘柄数 4,364銘柄 3,827銘柄
米国株取引手数料 約定代金の0.495%(税込)
上限22米ドル(税込)
約定代金の0.495%(税込)
上限22米ドル(税込)
米国為替手数料 適用為替レート±0.25円 適用為替レート±0.25円
米国ETF取扱銘柄数 327銘柄 356銘柄
米国以外の取引可能国数 8ヵ国 5ヵ国
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

長谷川保

取引コストである手数料や為替手数料は同水準ですが、米国株の取扱銘柄数や取引可能な国数を考慮すると、米国株およびその他外国株を取引するのに、SBI証券は外せない存在といえるでしょう。

アプリでSBI証券と楽天証券を比較

21.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

投資家はスマートフォンで簡単に株式取引ができるようになった。

長谷川保

多くのニュースや株式情報にアクセスでき、ストレスなく株取引ができるアプリを使えれば、投資にプラスの効果をもたらすでしょう。

ネット証券各社は、それぞれ特色のあるスマホアプリを開発しているが、自分の投資スタイルにあったアプリを提供する証券会社に取引口座を持ちたいものだ。

SBI証券と楽天証券のアプリを比較してみよう。

SBI証券 楽天証券
アプリ名称 SBI証券
株アプリ
iSPEED
AppStoreの評価 2.4 4.4
ニュース・投資情報 「分析の匠」 決算速報、
決算カレンダー 財務分析、
アナリスト予想 適時情報開示
銘柄サマリー、市況情報、
銘柄関連ニュース、
チャート、板情報、四季報、
株主優待情報、ロイター、フィスコ、
株式新聞、日経テレコン、
楽天トウシル、会社四季報
登録銘柄リスト 登録銘柄リストを200作成可能。
各リストに50銘柄登録が可能なので、
合計1,000銘柄
1ページに国内株式100銘柄、
米国株式100銘柄の合計200銘柄できる。
10ページで最大2,000銘柄
米国株式の可否 米国株式は別アプリで取引 米国株式も取引可能
表示できるランキング 値上がり率/値下がり率
値上がり幅/値下がり幅
出来高上位 出来高急増
売買代金上位 売買代金急増
株価往復数 ティック回数
株価急騰率/急落率
寄前気配上昇率/下落率
ギャップアップ/ダウン率
ストップ高/ストップ安
年初来高値/安値
特別買気配/売気配
日本株式値上がり率/値下がり率
値上がり幅/値下がり幅
前場寄前値上昇率/下落率
後場寄前値上昇率/下落率
出来高 売買代金
売買代金急増 高PER/低PER
高PBR/低PBR 配当利回り
信用高倍率/低倍率 信用買残増/減
信用売残増/減 出来高乖離率
ティック数米国株式値上がり率/値下がり率
出来高 売買代金
通知設定できる項目 約定通知
企業情報通知
約定アラート
株アラート ニュースアラート
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

トレーディングツールとしてのスマホアプリの評価は難しい。

使い勝手の良さなどはとても大事だが、極めて主観的になるからだ。

大半のスマートフォンアプリは、証券口座を開設する前でも一部機能を除いて使えるため、いくつかのアプリを試してみて、フィーリングが合うものを選ぶのがいいでしょう。
長谷川保

どのような情報が必要なのか、自分の投資スタイルに合っているのか、情報画面から取引画面に速やかに移動ができ、ストレスなくトレードができるかなどを、口座開設前に確認しておきましょう。

つみたてNISA(積立NISA)、iDeCoでSBI証券と楽天証券を比較

22.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

SBI証券や楽天証券では、つみたてNISAやiDeCoといった長期積立投資を行うことができる。

また長期投資をする場合、最終的なリターンに大きな影響を及ぼすのが手数料などのコストだ。

SBI証券や楽天証券といったネット証券は、低コストで投資家にこれらのサービスを提供している。

SBI証券や楽天証券でNISAやiDeCoを利用すれば、「少しずつ、長期的に」かつ「低コスト」で行う資産運用の基本を実践することができます。
つみたてNISAとは?

つみたてNISAとは積み立て型の少額投資非課税制度のこと。毎年40万円を上限に積み立て投資ができ、20年間で最大800万円の非課税投資枠を利用できる。

出典:金融庁『つみたてNISAの概要』

iDeCoとは?

iDeCoとは加入者が自分で毎月一定額の資金を出して、積み立てた資金を自己の裁量で運用する年金制度。「個人型確定拠出年金」ともいう。60歳から年金または一時金として受け取ることができる。

出典:iDeCo公式サイト

つみたてNISA SBI証券 楽天証券
投資対象商品数 176本 179本
最小積立金額 100円 100円
積立頻度 毎日、毎週、毎月 毎日、毎月

iDeCo SBI証券
(セレクトプラン)
楽天証券
投資対象商品数 36本 32本
※いずれもSBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

SBI証券と楽天証券における、つみたてNISA、iDeCoの概要を見てみると、大きな違いは見当たりません。

SBI証券、楽天証券ともに十分な投資対象商品数があり、商品ラインアップも、株、債券に加えて金やリートなども用意し分散投資に必要な投資商品を網羅している。

長谷川保

長期的にどの程度のリターンを狙い、それに伴うリスクをどの程度負うかをまず考え、そのために必要な投資商品を揃えている証券会社を選択するのが良いでしょう。

IPO抽選でSBI証券と楽天証券を比較

23.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
IPOとは?
IPOとはInitial Public Offeringの略で、日本語で「新規上場」のこと。まだ株式を証券取引所に上場していない会社が、自社の株式を新たに証券取引所に上場させることをいう。
IPO株は売出価格より高い初値になることも多く、投資家にとって魅力的な投資機会です。

SBI証券と楽天証券は、ネット証券の中でも優れたIPOの実績を誇っている。

両社のIPO実績を比較してみよう。

SBI証券 楽天証券
IPO実績/主幹事実績(銘柄数) 2021 93/14 60/0
2020 85/15 38/0
2019 84/7 26/0
配分方法 60% 平等抽選 30% IPOチャレンジポイント
10% 独自に配分
100% 平等抽選
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成
※2021年は12月までの実績

SBI証券のIPO実績は楽天証券を上回っています。

投資家はSBI証券に口座を持つことで、より多くのIPOに申し込みができるでしょう。

またSBI証券は積極的に主幹事の役割を担っている。

IPOでは主幹事に配分される株数が多いので、主幹事実績の豊富な証券会社に口座を持つことは重要だ。

IPO主幹事とは?
IPO主幹事は、株式の新規公開時に引受・販売に加え、各種事務手続きや審査、売出株価の設定などを会社に助言する役割を担う。株式の引受数量が多く、売出しに際し中心的な役割を果たす。

配分方法について、SBI証券と楽天証券では対応が分かれている。

楽天証券は100%平等に抽選で配分が決まりますが、SBI証券は、「IPOチャレンジポイント」というIPO投資のための独自のポイント制度を採用しています。
IPOチャレンジポイント
IPOチャレンジポイントは、IPO銘柄の抽選に外れた回数に応じてポイントが加算され、次回以降のIPO申し込み時にポイントを使用するとIPOに当選しやすくなる制度だ。

出典:SBI証券『IPOチャレンジポイント』

長谷川保

IPOは人気があるので、抽選で当たる確率は高くありません。「IPOチャレンジポイント」は抽選で外れた投資家に配慮した制度で、好感を持つ方は多いのではないでしょうか。

夜間取引でSBI証券と楽天証券を比較

24.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

SBI証券と楽天証券は、PTS取引に顧客からの注文をつなぐことにより、証券取引所がクローズした後でも投資家に取引機会を提供している。

PTS取引とは?
PTSとは、Proprietary Trading Systemの略称。証券取引所を通さずに株式などを売買できる電子取引システムのことであり、私設取引システムとも呼ばれる。

日本が夜間でも海外で取引が行われている場合、予想外のイベントで日本株が影響を受けることがある。

PTS取引はこのような場合に、投資家に取引機会を与えるので、投資家は不測の事態に対応することができる。

SBI証券と楽天証券は、PTS取引を利用して夜間も投資家に取引会を提供している。

取引時間と手数料を比較してみよう。

SBI証券 楽天証券
取引時間 ナイトタイム 16:30~23:59 17:00~23:59
手数料 ~5万円 0円 55円
~10万円 99円
~20万円 115円
~50万円 275円
~100万円 535円
~150万円 640円
~200万円 1013円
~3,000万円
3,000万円超 1070円
1億円超
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。
※1約定ごとの手数料、手数料は税込み表示

SBI証券のほうが楽天証券より30分早く取引が始まるので、必要であれば早めに欧州時間での対応が可能です。

また手数料に関しても、SBI証券の夜間取引は無料なので、SBI証券に優位性があると言えるだろう。

ポイントサービスでSBI証券と楽天証券を比較

25.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
SBI証券と楽天証券には、株式の売買や投資信託を保有することでポイントが貯まるサービスがあります。

貯まったポイントは、投資に使えるだけではなく、指定の飲食店で使ったり、マイレージサービスに移換したり、さまざまなモノやサービスに交換できる。

SBI証券と楽天証券はいずれもポイントサービスに力を入れているので、両社ポイントサービスを比較してみよう。

・付与されるポイントの比較
対象取引 SBI証券 楽天証券
SBI証券ポイントサービス
(Tポイント、Pontaポイント)
楽天証券ポイントコース
国内株式現物取引 手数料の1.1% 手数料の1.0%
国内株式信用取引 - 手数料の1.0%
投資信託購入 クレカ積立で最大2.0%
(Vポイント)
クレカ積立で1.0%
投資信託保有 月間平均保有額 1,000万円未満:
0.1% 1,000万円以上:0.2%
10万円以上の投資信託保有
残高に応じて3〜10ポイントを付与
金・銀・プラチナ取引 スポット取引手数料、
積立買付手数料の
月間合計手数料の1.0%
手数料の1.0%
(除く銀取引)
新規口座開設 一律100ポイント -
国内株式移換入庫 1回の移換入庫につき
100ポイント
-
株価指数先物・
オプション
- 手数料の1.0%
商品先物 - 手数料の1.0%
海外先物 - 手数料の1.0%
SBI証券楽天証券のホームページより筆者作成。2021年12月10日現在。

SBI証券、楽天証券ともに多くの証券取引でポイントが貯まる。

長谷川保

もっとも取引をする金融商品がポイントの対象になるか確認して、有利な会社に口座を開くといいでしょう。TポイントやPontaポイントをよく使う人はSBI証券、楽天経済圏の人は楽天証券がおすすめです。

ポイント投資については、SBI証券は投資信託の購入に使え、楽天証券は投資信託の購入・積立、現物株の購入、バイナリーオプションの購入に使うことができる。

11,証券口座を複数開設するメリット

26.SBI証券と楽天証券の米国株取引を徹底比較
(画像=MONEY TIMES編集部制作)
すべての面で満足度が高いネット証券はありません。SBI証券と楽天証券の双方がメリット、デメリットを併せ持っています。
一方のデメリットを補うために、他の証券会社に証券口座を持つ必要があります。また複数口座を持つことで、メリットがより強化されることもあります。
たとえばIPOの申し込みは複数の証券会社から可能なので、複数の証券会社に口座を開設してIPOを申し込むと当選確率が上がる。IPOの面ではSBI証券が優位だと書いたが、加えて楽天証券に口座を持てば、IPOに投資する際にさらに有利になることは明らかだ。

また不測の事態に備えるという意味でも、複数口座の開設は重要だ。

1つの証券口座だけでは、その会社のシステムがダウンしてしまえばトレードを行う術がなくなる。複数口座を持つことでこのようなリスクは回避できる。
長谷川保

すでに、多くの投資家が複数の証券口座を開設しているでしょう。まだひとつしか証券口座を開設していない投資家には、複数の証券口座開設を強くおすすめします。

SBI証券と楽天証券についてよくあるQ&A

米国株取引におすすめなのはSBIと楽天どっち?
米国株取引におすすめなのはSBI証券だ。取引コストである手数料や為替手数料は両社とも同水準だが、米国株の取扱銘柄数は、SBI証券が楽天証券を上回る。
米国株の手数料が安いのはSBIと楽天どっち?
米国株の手数料は、SBI証券、楽天証券ともに約定代金に対して0.495%(税込)で横並びだ。両社とも買付手数料が無料のETFなど、投資家が取引コストを抑えることができる追加のサービスも提供している。取引手数料に関しては、両社に優劣の差はない。
IPO投資に適しているのはどちらか?
SBI証券のIPO実績は楽天証券を上回っている。投資家はSBI証券に口座を持つことで、より多くのIPOに申し込みができる。
つみたてNISAやiDeCoの口座開設に適しているのはどちらか?
SBI証券、楽天証券ともに分散投資に必要な投資対象商品数を揃えている。長期的にどの程度のリターンを狙い、それに伴うリスクをどの程度負うかを考え、そのために必要な投資商品を揃えている証券会社を選択するのが良いだろう。
初心者が最初に開設すべきなのはどちらか?
SBI証券に最初に口座を開設すべきだ。SBI証券は、幅広い商品ラインアップを持ち、多くのサービスで低コストを実現している。ただし、複数口座を開設すればさらに投資環境を強化できるので、楽天証券にも口座を開設することをすすめる。

長谷川保
執筆・長谷川保
中央大学卒業後、英国を本拠とするバークレイズの投資銀行部門に入社しロンドンにて勤務。債券や先物・オプションなどのデリバティブを担当。帰国後、外資系資産運用会社に転じ、ブラックロック・ジャパンなどでファンドマネージャーやプロダクトマネージャーとして様々な金融商品に携わる。現在はライターとして資産運用を中心に執筆。自己資金トレーダーとしても活動中。
中央大学卒業後、英国を本拠とするバークレイズの投資銀行部門に入社しロンドンにて勤務。債券や先物・オプションなどのデリバティブを担当。帰国後、外資系資産運用会社に転じ、ブラックロック・ジャパンなどでファンドマネージャーやプロダクトマネージャーとして様々な金融商品に携わる。現在はライターとして資産運用を中心に執筆。自己資金トレーダーとしても活動中。

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