米国では株主還元意識が強く、日本に比べて株式配当利回りが高い傾向にある。そのため配当を目的に米国株に投資する投資家も少なくない。ここでは米国株の高配当銘柄の配当支払回数や利回り、該当企業概要など紹介。今まで投資対象は日本株のみという人も、これを機に米国株投資を検討してみてほしい。

目次

  1. 1,世界的有名企業の配当利回りは?アップル、マイクロソフト、マクドナルドなど
  2. 2,米国株の配当の3つの特徴――配当回数、連続増配、配当利回りの高さ
  3. 3,米国株の高配当利回り銘柄ランキングTOP10!利回り7%以上も
  4. 4,米国株投資の有名な戦略「ダウの犬」とは?
  5. 5,米国株は長期保有でリターンに期待できる
  6. 6,米国株の配当についてのQ&A
  7. 実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

1,世界的有名企業の配当利回りは?アップル、マイクロソフト、マクドナルドなど

米国株(アメリカ株)の高配当利回りランキングTOP10
(画像=Boggy /stock.adobe.com)

米国企業の配当利回りがどれほどなのか確認してみよう。 サンプルは、米国を代表する有名企業である以下の5社だ。
  • アップル
  • マイクロソフト
  • マクドナルド
  • スリーエム(3M)
  • ジョンソン&ジョンソン

上記5社の2021年7月9日終値ベースの予想配当利回りと、2021年12月期の1株あたり年間配当金総額(予想)も併せて紹介する。

世界的有名企業の予想配当利回りなど(現地2021年7月9日終値基準)

会社名
<ティッカー>
予想配当利回り 2021年12月期の
予想1株あたり
配当金
株価
(1米ドル=110円換算)
アップル
<APPL>
0.6% 0.88米ドル 145.110米ドル
(1万5,962円)
マイクロソフト
<MSFT>
0.8% 2.24米ドル 277.940米ドル
(2万5,073円)
マクドナルド
<MCD>
2.2% 5.16米ドル 235.680米ドル
(2万5,924円)
スリーエム
<MMM>
3.0% 5.92米ドル 201.000米ドル
(2万2,110円)
ジョンソン&ジョンソン
<JNJ>
2.5% 4.24米ドル 169.750米ドル
(1万8,672円)
※マネックス証券の米国株銘柄スカウターで個別銘柄を検索し、対象データを引用した


上記で取り上げた5社は、米国で最先端のITサービスを提供するアップルとマイクロソフト、グローバル展開する老舗企業であるマクドナルド、スリーエム、ジョンソン&ジョンソンのように、2つに区分することができる。

近藤真理

各社の経営方針と株主還元の取り組み姿勢の違いは、配当利回りや配当性向の違いとしてはっきり表れています。

参考(現地2021年7月9日終値基準)

会社名 予想配当利回り 配当性向(予想)※
アップル 0.6% 19.75%
マイクロソフト 0.8% 30.48%
マクドナルド 2.2% 75.03%
スリーエム(3M) 3.0% 60.44%
ジョンソン&ジョンソン 2.5% 74.89%
※配当性向(%)=1株あたり配当÷1株あたり当期純利益×100
(1株あたり当期純利益はSBI証券の個別銘柄情報より引用)


近藤真理

新興企業や先端IT企業は、事業から得られる利益を、技術開発や自社成長のための先行投資に優先的に充当します。そのため、配当を低めに抑える、もしくは無配とする企業が大半です。アルファベット(グーグル)やアマゾン・ドット・コム、フェイスブックは現在も無配を継続しています。

それに対して、米国の成熟した優良企業は、株主第一主義を経営方針に掲げていることが多く、配当性向は新興企業や先端IT企業に比べて高く設定されており、配当利回りも高くなる傾向が見られます。

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2,米国株の配当の3つの特徴――配当回数、連続増配、配当利回りの高さ

米国株配当の3つの特徴
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国では「株式会社は株主のもの」という意識が強く、利益の株主還元策として配当を重視している企業が多く見られる。こうした米国株の特徴でも特に際立った3つの特徴を挙げていきたい。

特徴1,配当が年4回配の企業が多い

米国企業には日本企業のような株主優待制度はないものの、四半期配当、つまり配当金の支払いが年4回ある企業が圧倒的に多い。

例)世界的に有名な米国企業の配当
アップル ……例年2月、5月、8月、11月の年4回
マクドナルド … …3月、6月、9月、12月の年4回
ペプシコ ……1月、3月、6月、9月の年4回
日本では配当は年2回あるいは年1回の企業が大半です。

特徴2,日本ではあまりない長期連続増配銘柄が存在

米国は何十年も増配を継続している企業も多い。

例)米国の連続増配企業
プロクター・アンド・ギャンブル ……63年連続増配
スリーエム ……63年連続増配
コカ・コーラ ……57年連続増配
ジョンソン&ジョンソン ……57年連続増配
近藤真理

連続増配企業は、概して経営基盤が安定しており、成長性も期待できる優良企業であるため、配当を得るだけでなく投資対象としても魅力があります。

米国の取引所に上場している企業で流動性のある大型株から選ばれたS&P500の構成銘柄のうち、25年以上連続増配している銘柄で構成される株価指数は「S&P 500 Dividend Aristocrats Index」(S&P500配当貴族指数)と呼ばれる。その構成銘柄はインカムゲインを目的とした投資銘柄選定に大いに役立つ。

「S&P 500 Dividend Aristocrats Index」の構成銘柄の上位には、AT&Tやシスコ、プロクター・アンド・ギャンブルなどがあります。

特徴3,日経平均株価よりNYダウの配当利回りのほうが高め

個別銘柄の配当利回りだけでなく、日米の代表的な株価指数であるNYダウ工業平均株価と日経平均株価においても、NYダウの配当利回りのほうが高い。

例)2019年10月21日時点の指数ベースの配当利回り
NYダウ……2.39%(ブルームバーグ公表)
日経平均……1.96%(日経平均プロフィル公表)
相場によって多少の変動はあるものの、長期的に見ると、NYダウ配当利回りが日経平均配当利回りを上回る傾向が見られます。
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個人投資家・たぱぞう氏
個人投資家・たばぞう氏が考える米国株の魅力とは?

投資という観点では、投資する「国」、投資する「時期」、投資する「対象」が重要です。「国」では、日本より米国のほうが有利だと思います。理由は複数あって、まず日本が少子高齢化で人口が減り続けるのに対し、米国の人口はこれからも増え続けることが予測されています。

人口が増えれば労働人口を確保できますし、日本のように若い人たちが多くの高齢者を支える構図になりません。次に、経済成長。米国経済は、2008年のリーマンショックによって大きく落ち込みましたが、すぐに持ち直しました。

今回のコロナショックでも、やはり米国経済は急ピッチで回復しています。今後、新興国のような高成長はないにしても、高い水準で成長していく可能性が高いでしょう。

詳細はこちら:米国株投資を中心に金融資産4億円! 超人気ブロガーたぱぞうさんが米国株を勧める理由 (株式会社ZUU)よりMONEY TIMESが引用

個人投資家・たぱぞう氏
月間100万超のPVを誇る投資ブログ「たぱぞうの米国株投資」を運営。2000年に日本株投資を始めるも資産を大きく伸ばせずにいたが、2010年から米国株投資をスタートすると、その後は順調に資産を拡大。2016年~2017年にかけて資産は1億円を突破し、不動産や太陽光発電への投資を含めた現在の金融資産は4億円を超える。基本的な資産運用術をブログで公開するほか、投資顧問会社のアドバイザーや米国株セミナーなど多方面で活躍中。著書に「図解でよくわかる米国株投資」(きずな出版)ほか。
Twitter:@tapazou29
ブログ:たぱぞうの米国株投資

3,米国株の高配当利回り銘柄ランキングTOP10!利回り7%以上も

配当利回りの算出方法
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

米国株初心者が個別銘柄に投資する場合の、失敗の少ない代表的な投資方法は、配当収入を目的とする高配当利回り銘柄への投資です。

この投資方法では、長期間にわたって安定的な配当を期待できる銘柄を選別する必要がある。

配当利回りの高さだけで銘柄を選ぶと、業績が悪化した途端に、減配あるいは無配に転じるリスクがあるので十分に注意しましょう。

赤字決算で株価が暴落し、結果的に配当利回りが高くなっているのではないか、もしくは不人気銘柄で、意図的に配当利回りを高くしている可能性はないかなど、あらかじめリスク要因を排除しておきたい。

配当利回り以外の銘柄検索条件としては、黒字決算会社に限定する、連続増配企業を選ぶなど、さまざまな条件が考えられる。

今回は、仮に業績が悪化しても配当を維持できる財務体質の健全性に注目してみたい。この観点から、配当性向が非常に高く(配当性向が100%に近い、100%をはるかに超えるなど)、減配リスクがある、または倒産リスクがある会社をあらかじめ除外する。

【高配当銘柄の抽出方法と条件、およびランキング作成方法】
① 銘柄検索条件を以下のように設定する
・SBI証券の米国株スクリーナーを使用
・2021年7月9日終値基準
・米国全市場対象
・ダウ平均、ナスダック100、S&P500の構成銘柄
・中型株と大型株
・予想配当利回りと実績配当利回りが2.5%以上
・実績ROEと実績ROAが0%以上(直近事業年度が赤字決算の企業を除外するため)

② 上記の条件で抽出された銘柄について、予想配当利回りの高い順に並べ替える

③ SBI証券の個別銘柄情報から配当性向(1株あたり年間配当÷1株あたり当期純利益)を算出し、配当性向が50%~80%程度の銘柄を選択

④ 2021年7月現在で、10年以上の連続増配実績がある銘柄を残して、順位を付け直す
※出典:“The Dividend Investing Resource Center Letting Dividends Do Their Work”(2021年7月2日付)の“Dividend Champions”(25年以上連続増配している銘柄)と“Dividend Contenders”(10年~24年連続増配している銘柄)

なお、10年以上の連続増配実績がある企業であっても、今後も連続増配が継続される保証はないことをご了承願いたい。

米国株の優良高配当利回り銘柄ランキングTOP10

順位 会社名
(ティッカー)
市場 株価
(円換算※)
予想配当
利回り
配当性向
1 ベライゾン・
コミュニケーションズ<VZ>
NYSE 56.1米ドル
(6,171円)
4.52% 55.04%
2 コンソリデーテッド・
エジソン<ED>
NYSE 73.3米ドル
(8,063円)
4.26% 76.67%
3 リヨンデルベーセル・
インダストリーズ<LYB>
NYSE 102.7米ドル
(1万1,297円)
4.2% 64.21%
4 アメリカン・エレクトリック・
パワー<AEP>
NASDAQ 85.4米ドル
(9,394円)
3.5% 66.01%
5 パブリック・サービス・
エンタープライズ・グループ<PEG>
NYSE 60.5米ドル
(6,655円)
3.38% 49.13%
6 キンバリー・クラーク
<KMB>
NYSE 135米ドル
(1万4,850円)
3.34% 68.44%
7 センプラ・エナジー
<SRE>
NYSE 132.9米ドル
(1万4,619円)
3.32% 61.98%
8 WECエナジー・グループ
<WEC>
NYSE 91.8米ドル
(1万98円)
2.95% 68.17%
9 スリーエム
<MMM>
NYSE 201米ドル
(2万2,110円)
2.95% 60.44%
10 ペプシコ
<PEP>
NASDAQ 149.5米ドル
(1万6,445円)
2.85% 79.74%
※1米ドル=110円を想定


ランクインした10社の配当性向は50%~80%程度。この程度の配当性向を設定している会社であれば、株主還元に積極的ながら、20%程度の業績悪化に見舞われても、その後も増配または同額配当を維持できる余力があると考えられる。

とりわけ、ランクインした10社はいずれも、毎年業績が好調、もしくは一定の利益を出しており、連続増配を10年以上継続している優良企業ばかりです。

こうした財務の健全性を確認できる会社の場合、株価が暴落することも少ないため、9%、10%もの異常に高い配当利回りになることも考えにくい。そのため、ランキングTOP10銘柄のように、配当利回りも3%~5%に落ち着くことが多い。

近藤真理

減配リスクの少ない高配当利回り銘柄を選ぶ際には、配当利回りが3%~5%の銘柄を選ぶのが妥当でしょう。

第1位,ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>……無線通信では米国第1位のシェア

ベライゾン・コミュニケーション
米国第2位の事業規模を誇る総合通信サービス提供会社。中でも、米国一のシェアを占める無線通信サービスは営業利益の大半を占める主力サービスであり、「Verizon」ブランドによる無線通信サービスを米国全土で提供している。事業分野は、データや会議サービス、セキュリティ、マネージドネットワークサービスなど幅広い。

2020年12月期は、コロナ禍の影響は軽微にとどまり、当期純利益は前期より7.59%減で着地した。

2021年12月期第1四半期は主力事業の無線通信の契約者数が純減となったものの、全体としては市場予想を若干上回る増収増益となった。

近藤真理

ベライゾンと総合通信サービス第1位のAT&Tの戦略の違いは明白です。ベライゾンは5Gへの投資に重点を置いています。対するAT&Tでは、5Gだけでなく、コンテンツビジネスのシェア拡大も重要な経営課題になっています。

市場は、AT&Tより、ベライゾンの5Gへの集中投資と高配当利回りを好感し、株価は堅調に推移しています。2021年7月14日現在で56米ドル付近の株価は、60~70米ドル近くまで上昇の余地があると見られています。

投資参考情報

1株あたり年間配当 2.51米ドル
配当利回り 4.52%
配当性向 55.04%
連続増配年数 17年
※1,配当利回りの基準株価は現地時間2021年7月9日終値
※2,配当利回りと配当性向は、2021年12月期の1株あたり年間配当(予想)と1株あたり当期純利益(予想)で算出した2021年12月通期の予想値
※3,以降、ランキングTOP10銘柄すべてについて、同条件で投資参考情報を紹介する


第2位,コンソリデーテッド・エジソン<ED>……高配当利回りと連続増配47年で人気

コンソリデーテッド・エジソン
主に4つの事業会社(CECONY、O&R、Clean Energy Businesses、Con Edison Transmission)を通して、エネルギー関連サービスを提供するグループの持株会社。ニューヨーク市とウエストチェスター郡を拠点とするCECONYと、ニュージャージー州の一部地域を拠点とするO&Rは、電気や天然ガス、蒸気を対象地域のユーザーに供給しており、2社だけでグループの収益の9割を生み出している。残りの2社は、再生可能エネルギーインフラの開発や運営、送電設備またはガスパイプライン、貯蔵施設への投資を行っている。

2020年12月期決算は減収減益、通期決算は3年連続の減益となったものの、最終利益は黒字を確保した。

2021年第1四半期の業績も、売上高、営業利益、当期純利益はいずれも、前年同期から改善した。

近藤真理

ニューヨーク市を含む人口集積エリアへのエネルギー供給という公益事業に対する安心感、高配当利回り、加えて米国でもトップクラス、47年という連続増配年数のため、長期投資を志向する投資家から支持を集めている銘柄です。

公共事業セクターの銘柄としては平均的かつ持続的に、安定した出来高を出しています。

投資参考情報

1株あたり年間配当 3.10米ドル
配当利回り 76.67%
配当性向 76.67%
連続増配年数 47年

第3位,リヨンデルベーセル・インダストリーズ<LYB>……世界最大の石油化学製品メーカー

リヨンデルバセル・インダストリーズ
ポリプロピレン製造では世界最大手、ポリエチレン製造でも世界有数の独立系石油化学製品メーカー。米国と欧州で事業展開をしており、米国内および海外オレフィン・ポリオレフィン部門、石油化学中間製品・誘導品部門、高性能ポリマー・ソリューション部門、精製部門、テクノロジー部門の6つの事業部門からなる。

2020年12月期は、2020年上旬の新型コロナウイルスのパンデミックによる石油化学製品の需要減少や、4月の原油価格暴落に続く高騰などの悪材料が影響し、2020年第1四半期から3四半期は大幅な減収減益を余儀なくされた。その後の2020年第4四半期は業績が上向きに転じ、通期決算は前期比58%減ながら黒字で着地した。

2021年第1四半期は、直前の2020年第4四半期に引き続いて業績が順調に回復している。

近藤真理

2021年は、新型コロナウイルスワクチンが普及し経済活動が回復しつつあることや、原油の需給状態が安定し、原油相場も落ち着く見込みです。石油化学製品の世界的な需要も改善・増加することが予想されます。

こうした環境要因を背景に、2020年12月期第4四半期以降の業績回復の流れは今後も続く見込みです。そのため、2021年12月期の0.32米ドル増配は予定通り実施され、1株あたり年間4.52米ドルの配当になるでしょう。

投資参考情報

1株あたり年間配当 4.52米ドル
配当利回り 4.2%
配当性向 64.21%
連続増配年数 10年

第4位,アメリカン・エレクトリック・パワー<AEP>……米国中西部の公益電力会社

アメリカン・エレクトリック・パワー
公益電力会社の持株会社であり、グループで発電から送電、配電までを手掛ける。アーカンソー州、インディアナ州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシガン州、オハイオ州、オクラホマ州、テネシー州、テキサス州、バージニア州、ウェストバージニア州の米国11州のエンドユーザーに対して電力を供給している。電力容量のうち、もっとも多くの割合を占めるのが石炭(43%)、次が天然ガス(29%)、再生可能エネルギーと水力(18%)、原子力(8%)となっている。

2020年12月期は前期売上高の4.1%減ではあったが、当期純利益は14.5%増となった。2021年12月期第1四半期の業績も好調で、直前四半期決算より増収増益を記録した。

近藤真理

コロナショックによる株価下落から1年半、株価は保合い状態が続いていました。

今後は、2021年第1四半期の好調な業績や2021年通期決算の増収増益予想、2020年7月に発表された、アーカンソー、ルイジアナ、オクラホマの3州における大規模再生可能エネルギー発電施設の建設計画の進捗によって、株価上昇に期待がかかります。

投資参考情報

1株あたり年間配当 2.96米ドル
配当利回り 3.5%
配当性向 66.01%
連続増配年数 12年

第5位,パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ<PEG>……電力とガス供給が主力事業

パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ
傘下に公益会社であるPSE&GとPSEG Power、PSEG Enterpriseを抱える持株会社。PSE&Gは、主にニュージャージー州で配電・ガス供給サービスを提供している。PSEG Powerは、米国北東部やニューヨーク、中部大西洋沿岸地域にマーチャント発電所を保有・運営しており、PSEG Enterpriseは、ロングアイランドの送電・配電システムの運営と、世界のエネルギー関連資産への投資を行っている。

2020年12月期の業績は、売上高は前期比4.69%減であったが、当期純利益は前期比12.52%増であり、おおむね好調であった。

2021年12月期第1四半期も好調で、四半期決算としては、過去最高益に次ぐ高い当期純利益を記録した。

近藤真理

2020年12月末現在では、営業キャッシュフローは31億200万米ドル(約3,412億円)、財務キャッシュフローは-3,000万米ドル(約-33億円)、投資キャッシュフロー-26億7,600万米ドル(約-2,943億円)であり、財務状態は健全です。

業績は好調、配当金の支払能力にも問題はなく、投資対象として目立ったリスクはないといってよいでしょう。

投資参考情報

1株あたり年間配当 2.04米ドル
配当利回り 3.38%
配当性向 49.13%
連続増配年数 10年

第6位,キンバリー・クラーク<KMB>……クリネックスティッシュでおなじみの消費財メーカー

キンバリー・クラーク
売上高の約半分をパーソナル事業、約3分の1をコンシューマー・ティッシュ事業の売上げで占めている消費財メーカー。パーソナル事業では、Huggiesブランドの使い捨ておむつやおしりふき、Pull-Upsブランドのトイレトレーニングパンツ、Dependブランドの大人用紙おむつなどの衛生用品を生産・販売している。コンシューマー・ティッシュ事業では、KleenexブランドのティッシュペーパーやCottonelleブランドのトイレットペーパーが有名。主な市場は北米であり、売上高の半分以上を占めており、欧州市場は10%程度、残りが中南米とアジアからあがる利益である。

消費財は景気に左右されにくい。その上、新型コロナウイルス感染拡大によって、消費者による買いだめが進んだ。結果として、2020年12月期決算は、前期に対して増収増益、過去最高の売上高をたたき出した。

2021年12月期第1四半期に入ると、前年同期の買いだめの反動で販売が落ち込み、前年同期比減、直前の2020年12月期第4四半期より減収減益となった。

・投資のための判断材料

近藤真理

2021年3月下旬に、原材料費高騰による、6月下旬からの販売価格の引き上げが発表されました。これが、値動きや業績にどの程度影響を及ぼすかを注視する必要があります。

現在までのところ、業績に深刻な落ち込みは見られず、2020年12月末時点での財務キャッシュフローも-15億米ドル(-約1,650億円)以上あるため、2021年12月期配当が減額されることはないと予想されます。49年連続増配銘柄でもあります。

投資参考情報

1株あたり年間配当 4.56米ドル
配当利回り 3.34%
配当性向 68.44%
連続増配年数 49年

第7位,センプラ・エナジー<SRE>……北米の公益天然ガス事業会社

センプラ・エナジー
米国でトップクラスの顧客基盤を有する天然ガス事業グループの持株会社。天然ガス事業は子会社を通して展開されており、SoCalGasとSan Diego Gas & Electricは南カリフォルニア州で2,000万人を超える顧客に対して、天然ガス供給と配電サービスを提供している。テキサス州では、子会社「オンコー」が、1,000万人以上の顧客向けに送配電事業を展開している。それ以外にも、関連会社によって、北米では液化天然ガス施設の、メキシコではエネルギーインフラ施設の保有・管理も行っている。

2020年12月期決算は堅調で、当期純利益は39億3,300万円(約4,326億円)、前期比78.9%増で過去最高益を更新した。

2021年12月期第1四半期も引き続き好調で、売上高は四半期決算としては過去最高となった。

近藤真理

2020年2月、3月のコロナショック以来、株価は暴落前の水準に回復することなく、ゆるやかな右肩上がりで推移しています。2021年の業績が劇的に変化しない限りは、今後もこの流れは維持されるでしょう。

投資参考情報

1株あたり年間配当 4.40米ドル
配当利回り 61.98%
配当性向 61.98%
連続増配年数 17年

第8位,WECエナジー・グループ<WEC>……中西部、五大湖周辺が拠点の天然ガス・電気事業グループ

WECエナジー・グループ
イリノイ州、ミシガン州、ミネソタ州、ウィスコンシン州をサービス対象地域とする、天然ガスと電力供給サービスグループの持株会社。中でも、ウィスコンシン州における電気・天然ガス事業からの売上げは、売上高構成比率の75.6%(2020年12月期実績)を占めている。資産構成の約51%が発電・配電事業、天然ガス配送事業は34%、送電事業13%、再生可能エネルギー発電は2%である。

WECエナジー・グループの業績はおおむね順調に伸びており、2020年12月期の売上高は前期比3.74%減ながら、当期純利益は前期比5.80%増となった。

2021年12月第1四半期決算も堅調で、売上高と当期純利益はともに過去最高を更新した。

近藤真理

業績好調な公益企業、さらに連続増配企業であるため、長期投資を目的とする銘柄の条件を満たしています。

2021年12月期の1株あたり年間配当は、前期より0.18米ドル増配の2.71米ドルになる予定です。

投資参考情報

1株あたり年間配当 2.71米ドル
配当利回り 2.95%
配当性向 68.17%
連続増配年数 18年

第9位,スリーエム<MMM>……ポストイットを製造販売する消費財の世界的老舗メーカー

スリーエム
1902年創業の多国籍コングロマリット。セーフティ&インダストリアル、輸送&エレクトロニクス、ヘルスケア、コンシューマーの4部門で構成されている。正味売上高の大半が、研磨剤やクロージャー・マスキングシステム、工業用接着剤およびテープといった製品を扱うセーフティ&インダストリアル部門からの売上げが占めている。高い商品開発力や技術力に裏付けられた6万種類を超える製品を世界中で販売しており、全社的な売上高の半分以上が北米市場以外での売上げで構成されている。世界的に有名なポストイットは、コンシューマー部門で一般消費者向けに製造・販売されている商品の一つである。

2020年12月期上旬は、新型コロナウイルス感染拡大によって世界的に医療用マスクや人工呼吸器などが不足した。スリーエムは自社のエアフィルターや動力付き空気清浄マスクなどを使って、フォードと提携して、医療従事者向けの個人用防護具なども量産した。

景気に左右されない消費財も多数取り扱っていることもあり、2020年12月期の業績は増収増益となった。2021年12月期第1四半期決算も堅調で、当期純利益は前年同期比24.15%増で大幅に伸長した。

2021年第1四半期は産業用の需要が高かった。セーフティ&インダストリアル部門の売上高は前年同期比13.66%増、輸送&エレクトロニクス部門が前年同期比13.04%増であり、売上高成長率が6.84%増のヘルスケア部門と9.84%増のコンシューマー部門を上回っている。

近藤真理

老舗企業としての実績と名声、堅調な業績が魅力の企業です。さらに、財務基盤と経営基盤の安定性に裏付けられた、世界的にも突出した63年という連続増配年数も大きな特長であり、配当目的の長期投資家から人気の高い銘柄です。

2021年12月期1株あたり配当も、0.04米ドルながらも増配され、5.92米ドルになる予定です。

投資参考情報

1株あたり年間配当 5.92米ドル
配当利回り 2.95%
配当性向 60.44%
連続増配年数 63年

第10位,ペプシコ<PEP>……ペプシコーラが世界的に有名なグローバル飲料メーカー

ペプシコ
世界中で事業展開している世界最大級の食品・飲料品メーカーの一角である。マーケティングから、飲料品やスナック類の製造と販売まで幅広く手掛けている。ペプシコが取り扱う飲料品および食品ブランドは多く、Pepsi、Mountain Dew、Gatorade、Tropicana、Doritos、Lays、Ruffleなどが代表的。全社売上の5割以上は北米市場からあがっており、飲料品、スナック類、ブランド食品、穀物、米、パスタなど、幅広く販売している。南米や、欧州、南アフリカ、アジア、中東では、飲料品やスナック類、食品事業を展開している。

2020年12月期、その後の2021年12月期第1および第2四半期の業績は好調。

2020年12月期の売上高は過去最高を更新した。2021年12月期第1・第2四半期も、市場予想を上回る増収増益の好業績となっており、2021年12月通期の業績見通しも引き上げられた。

近藤真理

49年間継続されている連続増配や、健全な財務体質、持続的な成長、商品開発力の高さなど、ペプシコの信用力の高さは、市場からも高く評価されています。食品・飲料品メーカーとしては決して安くはない株価にも、投資家からの評価と期待の高さが表れているといえるでしょう。

投資参考情報

1株あたり年間配当 4.30米ドル
配当利回り 2.85%
配当性向 79.74%
連続増配年数 49年

4,米国株投資の有名な戦略「ダウの犬」とは?

ダウの犬投資法のやり方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

Q
A
米国株の特徴やランキングを見てきたが、どのようなポートフォリオを組めばよいのだろうか?
「Dogs of the Dow」(ダウの犬)と呼ばれる投資戦略を参考にしよう。

「Dogs of the Dow」(ダウの犬)どのような戦略か、簡単にそのフローを示そう。

  • NYダウ工業株30種平均株価を構成する30銘柄の中から、高配当利回り(※)の10銘柄に投資する
  • 購入した10銘柄を1年間保有する
  • 1年後にその時点で配当利回りが高い10銘柄と入れ替える

※ダウの犬投資法における配当利回りは実績配当利回りを指す
各銘柄の配当利回り(%)=その年の1株あたり年間配当実績÷その年の12月31日終値×100

ダウの犬を構成する銘柄はいずれも、世界でも指折りの優良な超大型株である上に、比較的株価が割安であることが多い。

最も注目すべきは、ダウの犬の平均配当利回りがNYダウの平均配当利回りを上回っていることです。

(例)「2021 Dogs of the Dow」公式サイトの発表による平均配当利回り(実績)

ダウの犬銘柄
平均配当利回り
NYダウ30種平均
全構成銘柄の平均配当利回り
ダウの犬基準日
2020年12月31日時点
4.11% 2.39%
直近日
2021年7月12日時点
3.77% 2.19%
近藤真理

ダウの犬基準日と直近日、どちらの日をベースにした平均配当利回りを見ても、ダウの犬銘柄のほうが、NYダウ30銘柄よりも高いことがわかります。ダウの犬銘柄への投資は、効率的にリターン(配当)を得る手段だと考えてよいでしょう。

「2021年ダウの犬」10銘柄の配当利回りランキング(2020年12月31日基準)

2021年ダウの犬
10銘柄
2020/12/31終値
(円換算※)
2020/12/31
配当利回り
2021/7/12終値
(円換算※)
2021/7/12
配当利回り
1 シェブロン
<CVX>
84.45米ドル
(9,289円)
6.11% 104.28米ドル
(1万1,470円)
5.14%
2 IBM
<IBM>
125.88米ドル
(1万3,846円)
5.18% 140.92米ドル
(1万5,501円)
4.66%
3 ダウ
<DOW>
55.5米ドル
(6,105円)
5.05% 63.22米ドル
(6,954円)
4.43%
4 ウォルグリーン・ブーツ・
アライアンス<WBA>
39.88米ドル
(4,386円)
4.69% 47.55米ドル
(5,230円)
3.93%
5 ベライゾン・
コミュニケーションズ<VZ>
58.75米ドル
(6,462円)
4.27% 56.15米ドル
(6,176円)
4.47%
6 スリーエム
<MMM>
174.79米ドル
(1万9,226円)
3.36% 199.98米ドル
(2万1,997円)
2.96%
7 シスコ・システムズ
<CSCO>
44.39米ドル
(4,882円)
3.24% 53.23米ドル
(5,855円)
2.78%
8 メルク
<MRK>
81.8米ドル
(8,998円)
3.18% 77.55米ドル
(8,530円)
3.35%
9 アムジェン
<AMGN>
229.92米ドル
(2万5,291円)
3.06% 244.37米ドル
(2万6,880円)
2.88%
10 コカ・コーラ
<KO>
54.84米ドル
(6,032円)
2.99% 54.48米ドル
(5,992円)
3.08%
※1米ドル=110円を想定


5,米国株は長期保有でリターンに期待できる

「株式会社は株主のもの」という意識が強い米国では、日本に比べて高配当利回り銘柄や連続増配銘柄が多く、年4回配当が主流だ。

経営基盤が安定し、安定的あるいは継続的な増配も見込める優良銘柄を、さまざまな基準で選りすぐって長期的に投資する。そうすることで、10年後、20年後には配当金暮らしが実現するかもしれない。

6,米国株の配当についてのQ&A

米国株の配当の特徴とは?
米国では株主還元意識が日本よりも強く、年4回配当銘柄の多さ、長期連続増配企業の多さ、日経平均と比べNYダウの利回りの方が高いといった特徴がある。
世界的有名企業の利回りは?
Googleやフェイスブック、アマゾンは配当なし。アップルやマイクロソフトは1%未満。一方で重厚長大企業のエクソン・モービルなどは株価によっては利回りが5%以上こともある。
米国株高配当利回りの目安は何%?
長期的・安定的な配当を前提とすると超高配当は7%〜8%、少なくとも5%以上の配当利回りであれば高配当といえるだろう。
米国株投資の有名な戦略「ダウの犬」とは?
ダウ平均30銘柄のうち、配当利回りが高い10銘柄を購入し、1年間保有。1年後にその時点で配当利回りが高い銘柄と入れ替えるという投資手法。安定的な配当を出しているのに配当利回りが高くなる=株価が下落しているということから、「ダウの負け犬」戦略とも言われる。
なぜ米国株がおすすめなのか?
回数、増額、利回りなど株主への配当が日本株よりも手厚いという点が一番のおすすめ理由。高配当銘柄が多いため、長期保有に適している。

実際に米国株(アメリカ株)投資を始めてみる

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近藤真理
執筆・近藤真理

証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

 

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