NISAを始めたものの買いたい金融商品の取り扱いがなく、他の金融機関の取扱商品やツールに魅力を感じるなら金融機関の変更を考えてもいい。NISA口座の金融機関変更の手続きで気を付けるべきポイントやNISAの種類変更について知っておきたい。
2022年4月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | |||||
取扱銘柄数 | 181本 | 179本 | 173本 | 152本 | 164本 |
売買手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
最低投資金額 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 | 100円 |
ポイント還元 | 楽天ポイント | Tポイント Pontaポイント Vポイント dポイント |
松井証券ポイント | マネックスポイント | Pontaポイント |
クレジット カード積立 ポイント還元率 |
楽天カード 1%(※1) |
三井住友カード 0.5%(※2) |
非対応 | マネックスカード 1.1% |
1%(※3) |
積立コース | 毎月 毎日 |
毎月 毎週 毎日 |
毎月 | 毎月 毎日 |
毎月 |
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目次
NISA口座の金融機関変更を検討すべき3つのポイント
NISA口座は1人1口座しか開設できないが、金融機関の変更は1年単位でできる。
対象商品が多い一般NISA(通常のNISA)の金融機関の変更を検討する際のポイントは3つある。
- 取扱商品が充実しているか
- 取引手数料が割安か
- ツールの使いやすさ
ポイント1……取扱商品が充実しているか
一般NISAで取引できる金融商品は、利用する金融機関で異なる。
NISA口座を利用している金融機関の取扱商品が少ない場合は、NISA口座を別の金融機関へ変更することで解決できます。
ポイント2……取引手数料が割安か
一般NISAの金融商品の取引手数料も金融機関によって変わる。
近年は取引手数料無料化の流れがあり、割安な手数料を打ち出すネット証券が増えています。
同じ商品を取引するなら、手数料が安い金融機関を利用するほうがよいだろう。
ポイント3……ツールの使いやすさ
WEBサイトやアプリなどのツールの使いやすさも大切だ。
管理画面が見にくかったり取引操作しにくいと感じるなら、別の金融機関へ変更することで不満を解消できる可能性があります。
スマホアプリへの対応も金融機関により差がある。
NISAをスマホアプリで管理したいなら、各社のアプリを比較して自分が望むものを探したい。
NISA口座変更の3つのポイントをネット証券5社で比較
NISA口座を変更する際に注目したいポイントを紹介したところで、ここからはネット証券5社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・岡三オンライン証券)の取扱商品・取引手数料・ツールを比較してみよう。
NISA(一般NISA)口座の取扱商品と取引手数料比較
ネット証券 | 一般NISA取扱商品 | NISA 国内株式 手数料 |
|
---|---|---|---|
投資信託 本数 |
海外株式 対象国数 |
||
SBI証券 | 2,600本弱 | 9ヵ国 | 無料 |
楽天証券 | 約2,600本 | 6ヵ国 | 無料 |
マネックス 証券 |
約1,100本 | 2ヵ国 | 無料 |
松井証券 | 約1,200本 | なし | 無料 |
岡三 オンライン 証券 |
約500本 | なし | 無料 (※) |
取扱商品で特に差が大きいのは、投資信託の本数と海外株式の対象国数だ。
取引したい海外株式があれば、その国への対応とその銘柄の取引が可能かどうかを確認したい。
一般NISAでは、ネット証券の取引手数料は最安レベルです。上記のネット証券5社の投資信託の購入時手数料は無料で、国内株式の取引手数料もほぼ無料です。
NISA(一般NISA)口座対応のアプリと特徴を比較
ネット証券各社は、パソコンでの一般NISA取引に対応している。
今回紹介したネット証券5社は、スマホアプリでも一般NISAの取引ができる。
参考までに、5社のツール名とその特徴を紹介しよう。
ネット証券 | NISA対応 スマホアプリ |
特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | SBI証券 株アプリ |
情報収集から 注文まで アプリで完結 |
楽天証券 | iSPEED | AppleWatch でも使える |
マネックス証券 | マネックス 証券アプリ |
見やすい 画面デザイン |
松井証券 | 株touch | 自動更新の 株価ボード |
投信アプリ | 「NISA優先」での 取引可能 |
|
岡三 オンライン 証券 |
岡三ネット トレーダー スマホ |
シンプルな 操作画面 |
積立NISA口座の金融機関変更を検討すべきポイントは1つ
取扱商品は、インデックスファンドならば資産クラス(国内株式、海外株式、バランス)ごとに信託報酬が低い商品がラインアップされていることが重要だ。
アクティブファンドを投資対象に加えるなら、過去の長期での運用成績が良い商品がラインアップに含まれているかを確認したい。
ネット証券5社のつみたてNISAの取扱商品数を以下の表にまとめた。
ネット証券5社のつみたてNISA取扱商品数比較
ネット証券 | つみたてNISA取扱商品数 |
---|---|
1位 楽天証券 | 178本(国内金融機関で最多水準) |
2位 SBI証券 | 175本(国内金融機関で最多水準) |
3位 松井証券 | 170本 |
4位 au カブコム証券 | 157本 |
5位 マネックス証券 | 151本 |
つみたてNISAでは、購入時手数料を考慮する必要はない。
つみたてNISAの投資信託(ETFを除く)はノーロード(購入時手数料が無料)だからだ。
つみたてNISAのツールについては、あまり気にする必要はないでしょう。つみたてNISAは長期積立投資であり、頻繁に設定を変更したり短期的な値動きを追ったりすることはないからです。
NISA口座の金融機関を変更する4つのステップ
NISA口座の金融機関を変更する場合は最短でも2~3週間程度かかるため、余裕をもって申し込みたい。
NISA口座の金融機関を変更する際のおおまかな流れは、以下のとおりだ。
-
変更前の金融機関に「金融商品取引業者変更届出書」を提出する
-
変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」が届く
-
変更後の金融機関に「勘定廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を提出する
-
変更後の金融機関が税務署へ申請し、承認後にNISA口座が開設される
提出する書類の名称や請求方法は、金融機関によって異なる場合がある。
変更前と変更後の金融機関で、NISA口座の金融機関を変更する手順を確認してほしい。
金融機関は変えずにNISA口座の種類を変更するケースや手続き
NISA口座には「一般NISA」と積立投資用の「つみたてNISA」、未成年者用の「ジュニアNISA」がある。
ジュニアNISAは金融機関の変更ができない。
出典:金融庁『ジュニアNISAの基礎知識』
金融機関を変更せず、NISAの種類を変更(一般NISAからつみたてNISA、つみたてNISAから一般にNISA)するケースを考えてみよう。
・つみたてNISAでは株式を買えないために一般NISAへ変更する
同一金融機関内でのNISA口座変更の手続き
NISAの種類のみを変更する際の手続きは、NISA口座の金融機関の変更に比べると簡単だ。
たとえば、SBI証券でNISAの種類変更を申し込む場合は、SBI証券のサイトにログインして以下のボタンを押すことで、書類を取り寄せるためのページに移動できる。
NISAの種類変更に要する期間は、金融機関により異なる。
SBI証券の場合は、書類が到着してから1~2営業日程度で変更される。
NISAの種類を変更すると保有していた資産はどうなるのか
NISAの種類変更後の資産の選択肢は、以下のどれかだ。
・売却する
・非課税期間終了時に課税口座(特定口座や一般口座)に移管する
NISAの種類を変更すると投資可能期間はどうなるのか
変更前の2020年に一般NISAで買い付けた資産の非課税期間は5年間であり、2024年までは一般NISAの口座で非課税で保有できる。
変更後の2021年につみたてNISAで買い付けた資産の非課税期間は、つみたてNISAの非課税期間が20年であるため、2040年まで非課税で保有できる。 NISAの種類を変更しても、非課税で投資できる期間には影響しないということです。
NISA口座の金融機関と種類の両方を変更する手続き
NISA口座の金融機関の変更にあわせて、NISAの種類も変更可能だ。
金融機関によって、NISAの種類の選択方法が以下のように違うことがある。
• 申請書を取り寄せる際に一般NISAとつみたてNISAを選択
変更後の金融機関のNISA変更手続きを確認して、適切に申請したい。
NISA口座の金融機関や種類を変更する際のデメリットや注意点
NISA口座の金融機関や種類を変更する際、注意すべきことが4つある。
- NISA口座の金融機関や種類を変更できる期間には決まりがある
- その年にNISAで買付をしている場合は年内の口座変更はできない
- 金融機関の変更前に買い付けた商品は変更後のNISA口座へ移管できない
- 一般NISAは同一の金融機関でなければロールオーバーできない
変更時や変更後に困らないように、注意点を把握しておこう。
注意点1,NISA口座の変更可能期間は決まっている
NISAの金融機関やNISAの種類(一般NISA、つみたてNISA)を変更できる期間は決まっている。
年内の変更を希望するなら、余裕をもって申請したほうがいいでしょう。10月から12月までに申請した場合は、申請の翌年からの変更になります。
注意点2,NISAで買付をしている年は口座変更できない
つみたてNISAは自動で買付が継続される。
NISAの変更を考えていても年が変わって、買付が行われていれば変更を翌年以降に延期することになる。
つみたてNISAの買付を設定している場合は、金融機関やNISA種類の変更手続きの前に買付設定を見直しておきましょう。
注意点3,金融機関変更前に買い付けた商品は移管できない
変更前の金融機関のNISA口座で買付した株式や投資信託などの金融商品は、非課税期間内はそのまま保有できる。
長期投資の予定で買い付けた商品であれば、通常は買い付けた金融機関のNISA口座で保有し続ける。
保有し続ければ、非課税期間内は非課税メリットを継続できるからだ。
注意点4,一般NISAは同じ金融機関にしかロールオーバー不可
一般NISAでは、5年の非課税期間が満了した株式や投資信託などは課税口座(特定口座や一般口座)へ移管するか、翌年のNISA非課税投資枠へ移管することになる。
翌年のNISA非課税投資枠へ移すことを「ロールオーバー」と呼ぶ。
ロールオーバーすることで、さらに5年間非課税で商品を保有できるのだ。
2024年からは制度改正によって新NISAが始まるが、現行の一般NISAから新NISAへのロールオーバーは可能だ。
出典:金融庁『新しいNISA制度の概要と改正の狙い』
なお、つみたてNISAは非課税期間が20年と長期であるためか、もともとロールオーバーはできない。
出典:金融庁『NISAの概要』
2024年に新NISAが始まると口座変更はどうなる
2024年に始まる、新NISAでの口座変更はどうなるのだろうか。
新NISAとは?制度延長と一般NISAの2階建て化など
新NISAは、令和2年度税制改正により見直されたNISA制度だ。
主な改正ポイントは、以下の3点である。
- NISAの5年延長
- 一般NISAの投資枠の2階建て化
- 一般NISAの一部をつみたてNISAに移行できる
NISAの5年延長では、一般NISAは2023年から2028年に、つみたてNISAは2037年から2042年に延長される。
一般NISAの5年間の投資期間終了後は、1階部分のみをつみたてNISAに移行できる。
一般NISAの投資枠の2階建て化には、1階部分でつみたてNISAと同様に長期・分散・積立投資を促進したいという思惑があると考えられます。
一般NISAを運用し同一機関の新NISAへ移行するパターン
一般NISAの利用者が金融機関を変更することなく、そのまま2024年以降の新NISAを利用する場合の手続きは不要と予想される。
2021年10月時点では新NISAへの移行に関する公式発表はないため、情報を待ちたい。
一般NISAで積立投資をしている人は、2階建て化による積立設定の変更が必要になるかもしれない。
積立NISAを同一機関でそのまま運用するパターン
つみたてNISAの利用者が金融機関を変更することなく、そのまま2024年以降の新NISAを利用する場合も手続きは不要と予想される。
新NISAでのつみたてNISAの変更点は、買付可能期間が5年延長(「2037年まで」から「2042年まで」)されることだけだ。
つみたてNISAの利用者は、買付可能期間の延長以外は新NISAを意識する必要はないでしょう。
NISA口座の変更先の証券会社では証券口座の開設も忘れずに
NISAを利用する証券会社では証券口座、銀行では投資信託口座が必要だ。
NISA口座の金融機関を変更する場合は、「NISA口座変更の注意点」で紹介したように申請期間に制限がある。
変更先の金融機関の証券口座や投資信託口座をあらかじめ開設しておけば、NISA口座の変更申請が簡単になるはずだ。
NISA口座の金融機関や種類が自分に適しているか確認しよう
投資するにあたり、自分にとってベストな金融機関や商品を選ぶことは大切だ。
より適した金融機関やNISAの種類への変更は、ベストな選択へ近づくことになる。
現在利用しているNISAの金融機関やNISAの種類が自分に適しているかどうかを、少なくとも年に一度はチェックするといいでしょう。
よくある5つのQ&A
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