NISA(ニーサ)は資産形成に役立つ少額投資非課税制度だ。NISAでの金融機関や金融商品の選び方、おすすめの金融機関や商品、注意点など、NISAを始めるなら知っておきたい基礎知識を解説しよう。

目次

  1. 1.NISAは最長5年、年間120万円まで非課税で投資ができる制度
  2. 2. NISAを始めるのにおすすめのネット証券6選
  3. 3.NISA口座を開設する金融機関を選ぶポイントは「取扱商品」と「取引手数料」
  4. 4.NISAでの投資信託の選び方——資産配分を考え、それに適合する商品を選ぶ
  5. 5.NISAで買えるおすすめの投資信託5選
  6. 6.NISAでの株式の選び方——値上がり益、配当、株主優待を狙う
  7. 7.NISAで50万円以下で買えるおすすめの国内株式5選
  8. 8.NISAの3つのメリット
  9. 9.一般NISAの3つのデメリット
  10. 10.一般NISAの非課税期間(5年間)終了時に取るべき方法
  11. 11.NISAはiDeCo(イデコ)や課税口座と組み合わせるなどして資産形成に役立てたい

1.NISAは最長5年、年間120万円まで非課税で投資ができる制度

NISAは2014年にスタートした。後発のジュニアNISAやつみたてNISAと区別するために一般NISAとも呼ばれる。資産形成をサポートする制度であるNISAでは、2023年まで投資にかかる税金が免除される。NISAの年間の投資枠は120万円、非課税期間は最長5年、非課税投資の総額は最大600万円になる。

一般NISAの対象者は20歳以上の日本在住者で、利用するには金融機関にNISA口座の開設が必要だ。

一般NISAで対象となる金融商品は以下だ。多くの金融商品が対象になることが分かるだろう。

  • 国内・海外株式
  • 投資信託
  • 国内・海外ETF(上場投資信託)
  • ETN(上場投資証券)
  • 国内・海外REIT(リート、不動産投資信託)
  • 新株予約権付社債(ワラント債)

2. NISAを始めるのにおすすめのネット証券6選

NISA口座は1人1口座しか開設できないので、「取扱商品」が多く、「取引手数料」の安いネット証券で開設するのがおすすめだ。

なお、一般NISAでの「投資信託」と「海外株式」の取扱数はネット証券により大きく異なるため、【取扱商品数】としてその2つをピックアップして紹介している。海外株式は米国株の銘柄数を主に紹介する。ネット証券6社の投資信託の購入手数料は全て無料だ。(※データは2020年6月23日時点)

SBI証券のNISA口座……口座開設数ネット証券No.1で取扱商品も豊富

【取扱商品数】
・投資信託……2649本
・海外株式(国別)……米国 3592銘柄、中国、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア

SBI証券は口座開設数ネット証券No.1のネット証券最大手であり、取扱商品も豊富だ。

NISAでの取扱商品は、国内・海外株式、国内・海外ETF、国内REIT、投資信託などだ。投資信託の取扱数は2649本と証券会社の中でもトップクラスの取扱数だ。海外株式も9カ国の取り扱いがあり、中でも米国株は約3000銘柄超と充実している。

SBI証券のNISA口座は、国内株式の売買手数料が無料だ。また、海外ETF(米国・中国・韓国)も買付手数料が無料なので、幅広い商品に手数料無料で投資できるのがSBI証券のNISA口座の強みだ。

さらに、投資信託を様々な条件で絞り込みできる「投資信託 パワーサーチ」など、便利なツールが揃う点も魅力だ。

楽天証券のNISA口座……ポイントプログラムが特徴で取扱商品も豊富

【取扱商品数】
・投資信託……2635本
・海外株式(国別)……米国 2936銘柄、中国 929銘柄、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア

楽天証券は近年急速に口座開設数を伸ばしている、SBI証券と並んで人気なネット証券だ。積極的な手数料の引き下げを行なっており、取扱商品も豊富である。特徴のひとつがポイントプログラムだ。口座開設や各種取引で楽天ポイントが貯まるほか、投資信託を保有しているだけでも毎月ポイントが貯まる。特に楽天会員にはメリットの多い証券会社だ。

NISAでの取扱商品は、国内・海外株式、国内・海外ETF、国内REIT、投資信託などだ。投資信託の取扱数は2635本とSBI証券に並ぶ多さだ。海外株式は米国や中国など6カ国の取り扱いがあり、中でも米国ETFは国内トップクラスの取扱数である310本だ。

楽天証券のNISA口座では国内株式の売買手数料が無料である。また、海外ETF(米国ETF・中国ETF・シンガポールETF)の買付手数料全額キャッシュバックを行っているので、海外ETFにも実質手数料無料で投資できる。

楽天証券ではツールが充実しているのも特徴だ。スマートフォンやタブレットなどのデバイスに合わせて、「iSPEED」や「マーケットスピードⅡ」といったトレーディングツールを提供しており、その中には使い慣れたMicrosoft Excelに指数や情報を取り込める「RSS(リアルタイム・スプレッドシート)」といった機能もある。

マネックス証券のNISA口座……米国株と中国株の取り扱いが豊富で買付手数料キャッシュバックあり

【取扱商品数】
・投資信託……1145本
・海外株式(国別)……米国 3600銘柄以上、中国 2000銘柄以上

マネックス証券は、特に米国株と中国株への投資で注目したいネット証券である。

NISAでの取扱商品は、国内・海外株式、国内・海外ETF、国内REIT、投資信託などだ。NISA海外株式は、米国株は3000銘柄以上、中国株は香港市場に上場するほぼ全銘柄と、ネット証券としては圧倒的な取扱数である。

マネックス証券においても、NISA口座では国内株式(単元未満株は除く)の売買手数料が無料である。さらに、米国株と中国株の買付時の国内取引手数料は全額キャッシュバックされる。

大人気の銘柄分析ツール「銘柄スカウター」や米国株投資に特化したスマートフォン用アプリ「トレードステーション米国株スマートフォン」などを利用できるのも魅力だ。

松井証券のNISA口座……安心のサポート体制で24時間受付の問い合わせも可能

【取扱商品数】
・投資信託……1257本
・海外株式(国別)……なし

松井証券の特徴は安心のサポート体制だ。平日日中のフリーダイヤルでの電話サポートや、24時間受付の会員画面からの問い合わせ機能などを提供している。

取扱商品は、国内株式、国内ETF、国内REIT、投資信託などであり、海外株式や海外ETFには非対応だ。NISA口座の売買手数料は、インターネット経由の場合に株式売買手数料が無料になる。

ツールとしては、銘柄スクリーニング可能で様々な情報を提供する「QUICK情報」やロボアドバイザーが資産運用をトータルサポートする「投信工房」などを利用できる。

auカブコム証券のNISA口座……NISA口座開設で通常の現物株式取引もお得になる

【取扱商品数】
・投資信託……1198本
・海外株式(国別)……なし

auカブコム証券の特徴は、NISA口座開設により通常の口座(特定・一般口座)での現物株式の取引手数料が最大5%割引になることだ。これは他の割引と併用可能で、お得に取引できる。

NISAでの取扱商品は、国内株式、国内ETF、国内REIT、投資信託などであり、海外株式や海外ETFには非対応である。

NISA口座の売買手数料は、国内株式(現物株式、ETF・ETN・REITなどが対象、プチ株(単元未満株)は除く)がインターネット注文でも電話注文でも無料になる。

ツールは、高機能スクリーニングにより銘柄探しを簡単にできる「カブナビ®︎」や高機能チャートツール「ウルトラチャート」など充実している。

岡三オンライン証券のNISA口座……ネット証券ランキング取引ツール1位に選ばれた充実のツール

【取扱商品数】
・投資信託……541本
・海外株式(国別)……なし

岡三オンライン証券の特徴は、オリジナル情報に加えて岡三証券のリサーチ部門の情報も無料で入手できることだ。

NISAでの取扱商品は、国内株式、国内ETF、国内REIT、投資信託などで、一般口座での海外株式は現在中国株の売却のみに対応しているため、NISAでの海外株式売買には非対応だ。

国内株式の売買手数料は、NISA口座に限らず、定額プランで1日の約定代金の合計が50万円までは無料になる。

ツールは2019年「みんなの株式」ネット証券ランキング取引ツール1位に選ばれた。顧客満足度85.3%を誇るPCツール「岡三ネットトレーダーシリーズ」やMicrosoft Excel上で利用できるアドオンツール「岡三RSS」などを提供している。

3.NISA口座を開設する金融機関を選ぶポイントは「取扱商品」と「取引手数料」

NISA口座を選ぶポイント
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISAを利用するにはNISA口座が必要になり、金融機関に口座開設を申し込む。NISA口座は1人1口座のため、どの金融機関を利用するか検討してから申し込みたい。

NISAでの取扱商品が豊富な金融機関であれば商品選択の自由度が高い

NISAは対象商品の種類が多い。取扱商品は金融機関により違いがあり、証券会社では株式やETF、REIT、投資信託などを取引でき、銀行では投資信託などを取引できる。

その中でも、投資信託の取扱銘柄や海外株式の取り扱いの有無は金融機関によって異なる。海外株式や投資信託などへの投資を予定しているならば、それらの取り扱いが豊富な金融機関を選んでNISA口座を開設したい。

NISA口座の取引手数料が低ければ資金の減少を抑えられる

NISAの取引手数料が低ければ、手数料による資金の減少を抑えられる。よって、NISAでは取引手数料が低い金融機関を選ぶのがよいだろう。

ネット証券ではNISA口座での国内株式の売買手数料が無料のところがある。また、国内株式以外の商品の取引手数料も金融機関により異なる。一般NISAで投資する予定の商品(国内株式、海外株式、投資信託など)が決まっていれば、その商品の売買手数料を比較しておこう。

4.NISAでの投資信託の選び方——資産配分を考え、それに適合する商品を選ぶ

NISAでの投資信託の選び方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

投資信託は、投資家から集めた資金をまとめ、専門家であるファンドマネージャーが投資・運用する金融商品である。投資信託の投資先はリスクが高い資産から低い資産まで様々であり、銘柄により異なる。

NISAでの資産配分の考え方

銘柄を選ぶ前におおまかで構わないので資産配分を考え、その資産配分に適合する銘柄を選ぶのがポイントだ。資産配分により投資リスクが変わるからだ。

例えば、リスクが低い債券は50%、リスクが高い株式は50%と決め、債券へ投資する銘柄と株式へ投資する銘柄を半々で購入すれば、投資リスクは債券と株式の間になる。

安定運用を望むならリスクが低い債券を主体に資産配分すると良い。例えば、債券70%:株式30%としてもいいだろう。

逆に安定より利益を望むならリスクが高い株式を主体に資産配分する。資産配分を債券30%:株式70%としたり、リスクをとるならば株式100%にしたりもできる。

また、投資する地域は分散したほうが地域リスクの分散になる。例えば、地域比率を先進国70%:新興国30%とすると、債券50%:株式50%の場合の全体の資産配分は、先進国債券35%:新興国債券15%:先進国株式35%:新興国株式15%となる。

NISAで運用する投資信託は無分配のほうが投資効率がいい

投資信託には分配金が出るものがあるが、一般NISAで投資効率を重視するなら無分配(分配金ゼロ)の投資信託を選ぶほうが良いという考え方がある。

分配金を再投資すると複利効果により利益が大きくなる可能性があるが、NISAの場合、その再投資分のNISAの投資枠を使ってしまう。無分配の投資信託であれば、分配金として払われなかった資金が投資信託内部で活用されることで、投資枠を新たに使うことなく、再投資のような効果を期待できるからだ。

分配金を得ることを重視するか、無分配で投資効率を重視するかは自分の投資スタイルで選択したい。

NISAで投資信託を比較する場合は、手数料や純資産総額、運用実績を確認

投資信託の手数料には、購入時手数料と解約時の信託財産留保額、保有している間にかかる信託報酬がある。特に信託報酬は投資信託を保有している間かかり続けるため、なるべく低い銘柄を選びたい。

投資信託の規模を表す純資産総額は、安定した運用のためにはある程度の規模(30億円など)が望ましく、増加傾向であると良い。

運用実績は投資信託の月次レポートなどで確認できる。その投資信託が指標とするインデックス(日経平均株価やダウ平均株価など)と比べた成績を確認しよう。アクティブ型でも、インデックスとの比較を月次レポートに掲載する投資信託もある。

運用実績の参考としてリターンが高い投資信託をみてみよう。例として2020年5月31日時点で3年間のリターンが高い投資信託のTOP10ランキングは以下だ。

順位 投資信託 会社 カテゴリー 3年間
リターン
(年率)
1 企業価値成長小型株ファンド
『愛称:眼力』
アセマネOne 国内小型
グロース
23.62%
2 東京海上・ジャパン・オーナーズ
株式オープン
東京海上 国内小型
グロース
21.97%
3 グローバル・フィンテック
株式ファンド
日興 国際株式・
グローバル・
含む日本
20.31%
4 netWIN GSテクノロジー
株式ファンド B(H無)
ゴールドマン 国際株式・北米 17.95%
5 UBS米国成長株式リスク・
コントロールF
UBS 安定成長 17.66%
6 米国NASDAQ
オープンBコース
野村 国際株式・北米 16.98%
7 (NEXT FUNDS)NASDAQ-100(R)
連動型上場投信
『愛称:NASDAQ-100ETF』
野村 国際株式・北米 16.85%
8 DIAM 新興市場日本株ファンド アセマネOne 国内小型グロース 16.70%
9 netWIN GSテクノロジー
株式ファンド A(H有)
ゴールドマン 国際株式・北米 16.59%
10 AB・米国成長株投信Bコース(H無) アライアンス 国際株式・北米 16.35%
※MORNINGSTAR社のデータより筆者作成

1位~3位までは全てアクティブファンドだ。

1位の企業価値成長小型株ファンド(愛称:眼力)は国内小型グロース株へ投資し、2位の東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープンは、国内の大型から小型までのオーナー企業が主な投資対象だ。3位のグローバル・フィンテック株式ファンドは、テーマ型全世界株式のアクティブファンドであり、主に米国のフィンテック企業を投資対象にしている。

運用実績を確認する際には、過去1年間や5年間、10年間のリターンでの比較や、特定のカテゴリー(国内小型株や北米株など)に絞り込んで比較してもいい。ただし過去のリターンが良いからといって将来のリターンも良いとは限らない。加えて、リターンが高いほどリスクが高くなる傾向になることには注意したい。

5.NISAで買えるおすすめの投資信託5選

NISAで買えるおすすめの投資信託(ファンド)を5つ紹介しよう。条件として、ノーロード(購入手数料無料)で換金時の手数料(信託財産留保額)が無料、信託報酬が低いファンドの中から選んでいる。

今回紹介するファンドは初心者でも利用しやすいインデックス型だ。紹介の中の「資産クラス」とは、そのファンドの投資先を意味する。投資リスクが低いファンドから紹介しよう。(※データは2020年7月3日時点)

eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

資産クラス……海外債券(先進国)
信託報酬……年0.154%(税込)以内

eMAXIS Slim 先進国債券インデックスは、日本を除く先進国の債券に投資するファンドである。株式よりもリスクが低い金融商品である債券を資産配分に含めるなら検討したい銘柄だ。国内債券のファンドと組み合わせるとリスク分散になる。

通貨別の資産組入れ比率では米ドルが半数近く、ユーロも約4割を占める。純資産総額は114.9億円で増加が続く。

投資リスクは国内債券より高く、海外株式よりは低い。海外債券に投資するファンドとしては最低レベルの信託報酬を実現している。分配金は運用開始から3期連続で0円が続く。

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

資産クラス……国内株式、海外株式(先進国・新興国)、国内債券、海外債券(先進国・新興国)、国内REIT、海外REIT(先進国)(各12.5%)
信託報酬……年0.154%(税込)以内

eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、世界の株式、債券、REITの8つの資産クラスへ均等に分散投資する。簡単に分散投資したい人や分散する銘柄を追加したい人におすすめできるファンドだ。

投資リスクは先進国債券と同レベルである。複数の資産クラスに分散投資するバランスファンドの中では信託報酬が最低レベルである点もポイントだ。このファンドも運用開始から3期連続で分配金0円である。

純資産総額は550億円を超えて右肩上がりだ。資産にREITを組み込むためコロナショック後の基準価額の戻りが弱い。これからのREITに期待できると考える人は購入を検討したい。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

資産クラス……海外株式(米国)
信託報酬……年0.0968%(税込)以内

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の株式指数であるS&P500と連動する投資成果を目指すファンドである。S&P500はニューヨーク証券取引所に上場する500銘柄から構成される。

上位の組入れ銘柄はマイクロソフト、アップル、フェイスブックなどテクノロジー企業の比率が高い。純資産総額は1年前から約5倍と急増して1,000億円を超えた。

米国株式(S&P500)は海外先進国株式より若干リスクが低い傾向だ。信託報酬は米国株式へ投資するファンドとして最低レベルである。運用開始から2期連続で分配金0円である。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

資産クラス……海外株式(先進国)
信託報酬……年0.1023%(税込)以内

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く主要先進国の株式に投資するファンドだ。先進国株式を資産に組み込むなら検討したい。

先進国株式への投資リスクは米国(S&P500)と日経平均の中間程度だ。信託報酬も米国株式(S&P500)のファンドと同レベルを実現。国別組入れ比率は米国が7割強を占める。

運用開始から7期目に入る実績のあるファンドである。純資産総額は1700億円を超えて増加傾向だ。分配金は6期連続で0円である。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド

資産クラス……国内株式
信託報酬……年0.154%(税込)以内

<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドは、日本を代表する225の銘柄に投資し、日経平均株価への連動を目指すファンドだ。日本株を資産配分に含めるなら検討したい。

純資産総額は1年前から約2倍になり100億円を超えた。投資リスクは先進国株式より高い。信託報酬は国内株式へ投資するファンドでは最低レベルである。

運用開始から4期連続で分配金0円だ。分配金0円のため基準価額の上昇幅は日経平均株価より高い。3年間の騰落率は日経平均株価の11.3%に対して、このファンドは17.9%である。

6.NISAでの株式の選び方——値上がり益、配当、株主優待を狙う

NISAの株式の選び方
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISAで株式(ETFやREITなどを除く)を選ぶなら個々の企業へ直接投資することになる。複数の資産へ分散投資する投資信託よりも投資リスクが高い傾向になることをまずは理解しておこう。

NISAで株式投資をする場合は投資企業の業績や将来性を必ず確認

株式で得られる利益としては、値上がり益、配当、株主優待がある。このうちの2つ、もしくは欲張って3つ全てを狙っても構わない。

・NISAで買える国内株式の値上がり銘柄ランキングTOP10【5月】

値上がり益とは、購入後の株価上昇による売却益である。値上がり益を狙うには、企業の業績や将来性などから現在の株価が割安かを判断し、銘柄を選別することが一般に行われる。

ただし、どれだけ業績や将来性が優れている銘柄でも株価が下落するときはある。売買の際には相場環境や株価チャートなどを確認して売買タイミングを検討してほしい。

参考に、東証一部の5月値上がり銘柄を表にまとめた。東証一部に絞ったのは新興株などよりも投資リスク低減を期待できるためだ。

順位 コード 名称 5月末終値 値幅(2020年5月)
1 7187 ジェイリース 409 +83.41% +186
2 3788 GMOクラウド 5,570 +75.71% +2,400
3 2372 アイロムグループ 2,288 +70.49% +946
4 6533 Orchestra Holdings 1,288 +56.69% +466
5 3667 enish 610 +55.22% +217
6 3696 セレス 1,247 +50.06% +416
7 9792 ニチイ学館 1,635 +49.73% +543
8 4396 システムサポート 1,970 +48.18% +640.5
9 3928 マイネット 1,214 +46.27% +384
10 6569 日総工産 705 +45.96% +222
※筆者作成

1位のジェイリースは不動産賃貸に関連する各種支援サービス事業を行う。5月下旬に発表した中国決済サービス大手との業務提携を材料に急騰した。

2位のGMOクラウドはクラウド・ホスティング事業、セキュリティ事業、ソリューション事業を行う。オンライン関連銘柄として継続的に買われているようだ。

・一般NISAで買える国内株式の高配当銘柄10選【8月】

株式投資で配当を狙うなら、まず高配当銘柄を選別する必要があるが、実際に投資する際には、その中から企業の業績や将来性などをさらに考慮して選ぶ必要がある。業績が低迷していたり将来性が見込めなかったりする企業では、株価下落や減配(配当の減少)に繋がることがあり、配当で得る利益よりも大きな損失を出すことがあるためだ。

参考として、8月配当権利確定月の東証一部高配当銘柄10選を以下の表にまとめた。この10選は業績や将来性を考慮していないため、実際に投資する場合にはそれらを必ず確認してほしい。(※データは2020年5月末時点)

コード 名称 年間配当利回り
(予想)
配当権利確定月
8904 AVANTIA 4.8% 2月、8月
2687 シー・ヴイ・エス・ベイエリア 4.0% 2月、8月
3228 三栄建築設計 4.0% 2月、8月
7607 進和 3.9% 2月、8月
5018 MORESCO 3.8% 2月、8月
7427 エコートレーディング 3.8% 2月、8月
7811 中本パックス 3.5% 2月、8月
4668 明光ネットワークジャパン 3.5% 2月、8月
8184 島忠 3.4% 2月、8月
6555 MS&Consulting 2.9% 2月、8月
※筆者作成

AVANTIA<8904>は東海圏が地盤の戸建て注文住宅事業を主とする企業だ。以前からの配当を数年維持しており、コロナショックの影響で株価が下がったことにより、さらに高配当利回りになった。

シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>は千葉や東京を地盤に、ホテル、マンション管理事業などを行う。この企業もコロナショックの影響により配当利回りが上昇した。

・一般NISAで買えるおすすめの株主優待銘柄10選【8月】

株主優待を目的として一般NISAで株を保有してもいいだろう。その場合、好みの株主優待を出している企業の中から銘柄を選ぶことになる。株主優待狙いであっても、株価が大きく下落した場合には、得た優待よりも損失が大きくなることがあるため、企業の業績や将来性は確認しておきたい。

8月優待権利確定月の東証一部銘柄10選は以下だ。この10選は業績や将来性を考慮していないため、投資する場合にはそれらを確認してほしい。(※データは2020年5月末時点)

コード 名称 優待内容 最低投資金額
(概算)
年間優待
利回り
優待
権利確定月
8267 イオン 株主優待カード 24万円 --- 2月、8月
8233 高島屋 株主優待カード 10.5万円 --- 2月、8月
3048 ビックカメラ 買物優待券 11.5万円 2.6% 2月、8月
7445 ライトオン 買物優待券 5.5万円 5.4% 8月
7545 西松屋チェーン プリペイドカード 9.5万円 2.2% 2月、8月
3543 コメダ
ホールディングス
電子マネー 19万円 1.1% 2月、8月
9861 吉野家
ホールディングス
食事券 25万円 2.4% 2月、8月
3387 クリエイト・
レストランツ・
ホールディングス
食事券 8.5万円 4.8% 2月、8月
3198 SFPホールディングス 食事券 17万円 5.0% 2月、8月
2157 コシダカ
ホールディングス
自社グループ
優待券
5.5万円 3.7% 8月
※筆者作成

ビックカメラ<3048>は年2回、所有株式数や保有期間に応じて買物優待券がもらえる。8月の権利確定日に100株を1年未満所有で1,000円分、2月の権利確定日には2,000円分が贈呈される。

吉野家ホールディングス<9861>は、所有株式数に応じて食事の支払いに利用できるサービス券をもらえる。100株では8月末分と2月末分として半期ごとに10枚の300円サービス券が進呈される。

株式でも分散投資をするなら株式の取り扱いが豊富な証券会社のNISA口座を

分散投資は株式への投資においても有効であり、リスクの軽減を期待できる。株式においては、業種、地域(国)、購入時期を分けて購入することがリスク分散になる。複数の国の株式を購入するなら、海外株式の取り扱いが豊富な証券会社にNISA口座を開設したい。

7.NISAで50万円以下で買えるおすすめの国内株式5選

比較的値動きが安定している東証一部の株式から、NISAで買える配当や株主優待が魅力的な株式を紹介しよう。

今回紹介する5つの銘柄はあくまで一例だ。株式は投資信託に比べてリスクが高い上に、値上がり益を狙うには相場環境や売買タイミングが大きく影響する。購入の際は値動きや企業の業績、将来性などを総合的に判断し、自身で納得するものをセレクトしてほしい。

NISAの年間投資枠120万円の範囲で買いやすい株価を考え、2020年5月29日の終値で購入価格が50万円以下の銘柄を条件にした。年間配当利回りは2020年5月29日終値にて計算した概算である。

KDDI<9433>……安定した業績とテレワーク関連銘柄としても注目

年間配当利回り……3.8%(予想)
株主優待……権利確定月3月

KDDI<9433>グループはモバイル通信サービス以外に、ケーブルテレビ、エネルギー、金融、決済サービスなどの多様な事業を展開し、テレワーク導入のソリューションも提供している。

業績は安定しており、近年は売上高5兆円、営業利益1兆円を超える実績を継続する。

株主優待は100株を5年未満保有で3,000円相当の、1,000株以上保有で5,000円相当の「au PAYマーケット」商品カタログギフトがもらえる。

伊藤忠商事<8001>……大手総合商社の中では好調な業績を継続

年間配当利回り……3.8%(予想)
株主優待……なし

伊藤忠商事<8001>は、機械、金属、繊維、食料などに強みをもつ総合商社大手だ。傘下にはファミリーマートやヤナセなどの企業がある。

2019年度のセグメント別の業績では、鉄鉱石価格の上昇などによる金属セグメントやヤナセの採算改善などによる機械セグメントが好調であった。

配当は連続増配を継続し、2019年度の1株当たり85円から2020年度は88円へ増額予定だ。

積水ハウス<1928>……住宅メーカー首位で米国での事業が順調

年間配当利回り……4.1%(予想)
株主優待……権利確定月1月

積水ハウス<1928>はESG経営のリーディングカンパニーを目指す住宅メーカー首位の企業だ。再生可能エネルギー利用拡大を目標にし、積水ハウスのオーナーから太陽光発電の余剰電力の買い取りなどを進めている。

2020年度に入って戸建て住宅事業の売上が下がったものの、建築・土木事業と都市再開発事業が大きく伸びた。

株主優待は1000株以上保有の株主を対象に5kgの「魚沼産コシヒカリ」が送られる。

イオン<8267>……イオングループ利用者に人気の株主優待に加えて配当もあり

年間配当利回り……1.5%(予想)
株主優待……権利確定月 2月、8月

イオン<8267>は、総合スーパーを中心とした国内流通トップクラスの企業で、上場子会社には金融や不動産もある。イオングループ利用者に人気の株主優待がある。

業績は2015年2月期から2020年2月期まで営業収益と営業利益ともに順調である。セグメント別では、ヘルス&ウェルネス事業や総合金融事業、ディベロッパー事業が好調だ。

株主優待は持ち株数に応じてキャッシュバックなどの恩恵が受けられる優待カードで、イオンやマックスバリュなどの利用者に人気だ。

オリックス<8591>……高配当に加えて株主カードなど人気の株主優待

年間配当利回り……5.3%(予想)
株主優待……権利確定月3月、9月

オリックス<8591>は、リースを始めとして、生保や不動産など多角化した事業を展開し、エネルギーや空港運営などの事業投資も行っている。

新型コロナウイルスの影響のため2020年3月期の当期純利益は 3,027億円、前期比マイナス6.5%になったが、2020年の配当は2019年と同額の76円を維持する予想だ。

高い配当利回りに加えて、株主優待も人気だ。株主優待は、半期ごとに送られる株主カードにより、オリックスグループ各種サービスの割引を受けることができる。権利確定月3月のみ「ふるさと優待」としてカタログギフトが届けられる。

8.NISAの3つのメリット

NISAのメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

NISAを始めるなら知っておきたいNISAの基本をおさらいしておこう。NISAのメリットは「非課税」、「対象商品が豊富」、「始めやすさ」の3つだ。

メリット1,運用益が非課税になる

通常、運用益の税率は20.315%だが、NISAではこれが非課税になる。NISAで非課税になる運用益には、金融商品の値上がりによる譲渡益や株式の配当、投資信託の分配金が含まれる。

メリット2,対象商品が多く投資の自由度が高い

2018年に開始されたつみたてNISAの対象商品は投資信託のみだが、一般NISAを選べば国内株式や海外株式などの個別株も買える。個別株への投資はリスクが高いがリターンも高くなり、短期での大きな値上がり益を狙うことも可能だ。

メリット3,少額からスタートでき、いつでも換金できる

投資信託であれば、ネット証券の多くは100円から購入することができ、誰でも気軽にスタートできる。換金(売却)の申込もいつでもできるため、急な出費にも対応できる。なお、金融商品の多くは換金申しみしてから出金できるまで数日を要することは知っておきたい。

9.一般NISAの3つのデメリット

NISAのデメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

一般NISAのデメリットは以下の3つだ。

デメリット1,元本割れの可能性がある

NIASは預貯金と違い投資であるため、投資額よりも評価額が減るという元本割れの可能性がある。投資はリスクを許容してリターン(利益)を狙うものであるという大前提を頭に入れ、リスクを理解した上で行いたい。

デメリット2,一般NISAの損失を損益通算(他の利益との相殺)できない

通常の証券口座(特定・一般口座)で損失が出た場合には、他の証券口座の利益と損益通算できる。しかし、一般NISAでは他の証券口座との損益通算はできない。

デメリット3,繰越控除できない

通常の証券口座で損失が出たら、繰越控除により3年間損失を繰り越すことができ、翌年以降の利益と相殺できる。しかし、一般NISAでは繰越控除はできない。

10.一般NISAの非課税期間(5年間)終了時に取るべき方法

一般NISAの非課税期間は最大5年間であるが、非課税期間が満了する際に保有している投資信託や株式等はどうすれば良いのだろうか。

一般NISAの非課税期間終了時の選択肢は3つある

一般NISAの非課税期間満了時には、一般NISAで投資した金融商品に対して次の3つの方法を選ぶことができる。

(1) 非課税期間が満了するタイミングかその前に換金(売却)
(2) 非課税期間満了の翌年のNISA非課税枠に移管(ロールオーバー)
(3) 非課税期間満了後に課税口座へ移管

この中で特に対応を考えたいのが(2)だ。これを「ロールオーバー」と呼び、NISAの非課税期間が5年間延長され、計10年間になる。

一般NISAのロールオーバーには手続きが必要で2018年までの購入分が対象

一般NISAの非課税期間が満了すると、通常は課税口座(特定・一般口座)へ移管される。ロールオーバーするにはNISA口座がある金融機関で手続きが必要になるが、一般NISAの購入時と同じ金融機関にNISA口座があるなどの条件があるため気をつけたい。

ところで一般NISAの投資可能期間は2014年~2023年である。2019年に一般NISAで投資した金融商品の非課税期間は5年後の2023年までになり、一般NISAの投資可能期間が終了する2024年にはロールオーバーできない。つまり、ロールオーバーが可能なのは2018年までに一般NISAで購入した金融商品になる。

NISA口座から課税口座へ移管された場合には損をしているのに課税されることがある

一般NISAの非課税期間満了後に金融商品が課税口座へ移管された場合には、損失が出ているのに課税されることがある。NISA口座で評価額が下落し、課税口座移管後に評価額が上昇した場合だ。

例えば、一般NISAで2015年に100万円分の株式を購入したが、非課税期間満了となる2019年末時点での価値が50万円になっていたとする。これを課税口座へ移管した後、80万円まで値上がりして売却した場合、値上がりした30万円が課税対象となってしまう。一般NISAでは元々100万円で購入したため、実際は20万円の損をしているのだが、移管時の50万円という価格が基準になってしまうためだ。

このケースで、ロールオーバーであれば一般NISAの非課税期間が継続し、ロールオーバー後に値上がりした30万円に対しては非課税になる。

一般NISAで購入した金融商品の価値が下落して非課税期間が満了する場合には、将来の価値が上昇する見込みに応じて、ロールオーバーするか、課税口座へ移管するか、換金するかを考えたい。

11.NISAはiDeCo(イデコ)や課税口座と組み合わせるなどして資産形成に役立てたい

NISAは投資による利益が非課税になり、資産形成に役立つ。

NISA以外にも利益が非課税になる制度としてiDeCo(個人型確定拠出年金)がある。また、損益通算が可能な課税口座も活用すれば、より大きな資金形成も可能だ。

NISA、iDeCo、課税口座のそれぞれのメリットとデメリットを把握し、自分に合った資産形成に役立てたい。

松本雄一
執筆・松本雄一
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
外資系コンピューター会社にてカスタマーサポート・開発・セキュリティ対策などを経験後に独立。自らの投資経験をもとに株式や投資信託などの投資情報を発信している。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。


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