NISAの口座を変更する場合の注意点とは 金融機関の変更、NISAの種類の変更などパターン別に解説

2020.3.4
INVESTMENT
(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)
(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)
NISAを始めたものの買いたい金融商品の取り扱いがなく、他の金融機関の取扱商品やツールに魅力を感じるなら金融機関の変更を考えてもいい。NISA口座の金融機関変更の手続きで気を付けるべきポイントやNISAの種類変更について知っておきたい。
 

一般NISA口座の金融機関の変更を検討すべき3つのポイント

NISA口座の金融機関は年単位での変更が可能だ。対象商品が多い一般NISA(通常のNISA)の金融機関の変更を検討する場合のポイントは3つある。

ポイント1……取扱商品が充実しているか

一般NISAで取引できる金融商品は利用する金融機関で異なる。銀行の一般NISA口座では株式を取引できない。銀行は投資信託の取扱本数が少ないこともある。証券会社は、投資信託の取扱本数や海外株式・ETFの対象国や取扱数に大きな差があるのだ。

NISA口座を利用している金融機関で取扱商品が不足している場合は、NISA口座を別の金融機関へ変更することが解決策になるだろう。

ポイント2……取引手数料が割安か

一般NISAの金融商品の取引手数料も金融機関ごとに異なる。近年は取引手数料無料化の流れにより、割安な手数料を打ち出すネット証券が増えている。同じ商品を取引するなら手数料が安い金融機関を利用するほうがいいだろう。

ポイント3……ツールの使いやすさ

WEBサイトやアプリなどのツールの使いやすさも大切だ。管理画面が見にくいことや取引操作しにくいと感じるなら別の金融機関へ変更することで不満を解消できる可能性がある。

スマホアプリへの対応も金融機関により差がある。NISAをスマホアプリで管理したいなら各社のアプリを比較して自分が望むものを探したい。

一般NISA口座の金融機関変更のポイントをネット証券5社で比較

上述した3つのポイント「取扱商品」「取引手数料」「ツール」をネット証券5社「SBIネット証券」「楽天証券」「マネックス証券」「松井証券」「岡三オンライン証券」で比較してみよう。

【ネット証券5社比較】

ネット証券 一般NISA取扱商品 一般NISA
取引手数料
国内株式
一般NISA
ツール
スマホアプリ
投資信託
本数
海外株式
対象国数
SBI証券 約2,500本 9ヵ国 無料 SBI証券 株アプリ
楽天証券 約2,600本 6ヵ国 無料 iSPEED
gifbanner?sid=3104830&pid=883552902マネックス証券 約1,000本 2ヵ国 無料 なし
松井証券 約1200本 なし 無料 株touch
岡三オンライン証券 約500本 なし 1日の約定代金
合計50万円まで無料
岡三ネット
トレーダースマホ
※各社サイトより筆者作成

取扱商品で特に差があるのは投資信託の本数と海外株式の対象国数だ。取引したい海外株式があれば、その国への対応とその銘柄の取引が可能か確認したい。

取引手数料は、ネット証券が一般NISAの金融機関としては最安レベルだ。ネット証券5社の投資信託の購入時手数料は無料である。国内株式の取引手数料もほぼ無料だ。

ネット証券各社はパソコンでの一般NISA取引に対応している。スマホアプリへの対応は金融機関によりまちまちだ。

つみたてNISA口座の金融機関の変更を検討すべきポイントは1つ

つみたてNISA口座の金融機関について変更を検討すべきポイントは1つ、取扱商品のラインアップだ。

取扱商品数は多ければよいわけではない。インデックスファンドならば資産クラス(国内株式、海外株式、バランス)ごとに信託報酬が低い商品がラインアップされていることが重要だ。アクティブファンドを投資対象に加えるなら、過去の長期での運用成績が良い商品がラインナップに含まれているかを確認したい。

ネット証券5社のつみたてNISAの取扱商品数を以下の表にまとめた。

【ネット証券5社のつみたてNISA取扱商品数比較】
ネット証券 つみたてNISA取扱商品数
SBI証券 153(2019年11月19日時点)
楽天証券 152(2020年2月21日時点)
gifbanner?sid=3104830&pid=883552902マネックス証券 149(2019年7月31日時点)
松井証券 152(2020年2月17日時点)
岡三オンライン証券 7(2020年2月17日時点)
※各社サイトより筆者作成

つみたてNISAの購入時手数料を考慮する必要はない。つみたてNISAの投資信託(ETFを除く)がノーロード(購入時手数料が無料)のためだ。

つみたてNISAのツールについてはあまり気にする必要はないだろう。つみたてNISAが長期積立投資であり、頻繁な設定変更や短期的な値動きを気にすることはないからだ。

NISA口座の金融機関を変更する4つのステップ

NISA口座は一人一口座と決まっているが年単位で金融機関を変更できる。NISA口座の金融機関を変更するおおまかな流れは以下だ。

⑴変更前の金融機関へ「金融商品取引業者変更届出書」を提出する
⑵変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」が届く
⑶変更後の金融機関へ「勘定廃止通知書」と「非課税口座開設届出書」を提出する
⑷変更後の金融機関が税務署へ申請し承認後にNISA口座が開設される

提出する書類の名称や請求方法は金融機関によって異なることがある。変更前と変更後両方の金融機関にてNISA口座の金融機関の変更手順を確認してほしい。

なお、2019年から開始されたNISA口座簡易開設(「非課税口座簡易開設届出書」を利用)は金融機関の変更では利用できない。

金融機関は変えずにNISA口座の種類のみを変更するケースや手続き

NISA口座には「一般NISA」と積立投資用の「つみたてNISA」未成年者用の「ジュニアNISA」の3種類がある。ジュニアNISAは金融機関の変更はできない。

金融機関は変更せずにNISAの種類を変更(一般NISAからつみたてNISA、つみたてNISAから一般にNISA)するケースを考えてみたい。

<一般NISAからつみたてNISAへ変更するケース>
  • 長期投資へ切り替えるために非課税期間5年間の一般NISAから20年間のつみたてNISAへ変更する
<つみたてNISAから一般NISAへ変更するケース>
  • 株式や投資信託などが安くなったタイミングで集中的に投資したい
  • つみたてNISAでは株式を買えないために一般NISAへ変更する
NISAの種類のみを変更する際の手続きは金融機関の変更に比べると簡単だ。NISAの種類変更の手続きは、金融機関のホームページなどで確認してみよう。

NISA口座の金融機関とNISA種類の両方を変更する場合の手続き

NISA口座の金融機関の変更にあわせてNISAの種類も変更可能だ。金融機関によってNISAの種類の選択方法が以下のように違うことがある。
  • 金融機関の変更手続きにおいて、変更後の金融機関への申請で一般NISAとつみたてNISAのどちらを利用するかを選択
  • 申請書を取り寄せる際に一般NISAとつみたてNISAを選択
変更後の金融機関のNISA変更手続きを確認し適切に申請したい。

NISA口座の金融機関や種類を変更するときの4つの注意点

NISA口座の金融機関や種類を変更する際に注意すべき点が4つある。変更時や変更後に困らないために注意点を把握しておきたい。

NISA口座変更の注意点1……NISA口座の金融機関や種類を変更できる期間には決まりがある

NISAの金融機関や種類(一般NISA、つみたてNISA)を変更できる期間は決まっている。
年内に変更したい場合は申請を受けた金融機関が9月30日までに手続きを完了する必要がある。年内の変更を希望するなら、9月30日より前に余裕をもって申請したほうがいいだろう。10月から12月の期間に申請した場合は、申請の翌年からの変更になる。

NISA口座変更の注意点2……その年にNISAで買付している場合には年内に口座変更できない

すでにNISAで買付をした年には年内に金融機関やNISA種類の変更はできない。その場合は翌年以降の変更になり、前述のように10月から12月の期間に申請することになる。

つみたてNISAは自動で買付が継続される。NISAの変更を考えていても年が変わって、買付が行われていれば変更を翌年以降に延期することになる。つみたてNISAの買付を設定している場合は、金融機関やNISA種類の変更手続きの前に買付設定を見直しておきたい。

NISA口座変更の注意点3……金融機関の変更前に買い付けた商品は変更後のNISA口座へ移管できない

変更前の金融機関のNISA口座で買付した株式や投資信託などの金融商品は、非課税期間内はそのまま保有できる。

それらの金融商品は金融機関変更後のNISA口座へは移管できない。最初に買い付けた金融機関のNISA口座で保有し続けるか、売却するか、課税口座へ移管することになる。

長期投資の予定で買い付けた商品であれば、通常は買い付けた金融機関のNISA口座で保有し続ける。保有し続ければ、非課税期間内は非課税メリットを継続できるからだ。

例えば、一般NISAで2018年に買い付けた金融商品は最長2022年12月末(5年の非課税期間)まで非課税で保有できる。つみたてNISAなら最長2037年12月末(20年の非課税期間)までだ。

NISA口座変更の注意点4……一般NISは同一の金融機関でなければロールオーバーできない

一般NISAでは、5年の非課税期間が満了した株式や投資信託などは課税口座(特定口座や一般口座)へ移管するか、翌年のNISA非課税投資枠へ移管するか選べる。

翌年のNISA非課税投資枠へ移すことを「ロールオーバー」と呼ぶ。ロールオーバーすることでさらに5年間非課税で商品を保有できる。

例えば、一般NISAで2018年に買い付けた金融商品は2022年12月末で非課税期間が満了する。これをロールオーバーすれば、2027年12月末まで非課税で保有できる。

気を付けたいのが2024年からのNISA制度改正だ。NISA制度改正前は、一般NISAの投資可能期間は2023年までと決まっていた。

一般NISAで2019年に買い付けた金融商品は2023年12月末で非課税期間が満了になる。2024年の非課税投資枠へのロールオーバーは新制度に従うことになるだろう。

金融機関を変更している場合には、2018年以前に買い付けた金融商品であってもロールオーバーできない。ロールオーバーが可能なのは同一の金融機関に限られる。

つみたてNISAは非課税期間が20年と長期のためか、元々ロールオーバーできない制度である。

NISA口座の変更先の証券会社では証券口座の開設も忘れずに

NISAを利用する証券会社では証券口座、銀行では投資信託口座が必要だ。

NISA口座の金融機関を変更する場合は、「NISA口座変更の注意点」で紹介したように申請期間に制限がある。変更先の金融機関の証券口座や投資信託口座を予め開設しておけば、NISA口座の変更申請が簡単になるはずだ。

NISA口座の金融機関やNISA種類が自分に適しているか確認したい

投資するにあたり自分にとってベストな金融機関や商品を選ぶことは大切だ。より適した金融機関やNISAの種類への変更はベストな選択へ近づくことになる。

現在利用しているNISAの金融機関やNISAの種類が自分に適しているかどうかを、少なくとも年に一度はチェックするといいだろう。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)

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