つみたてNISA(積立NISA)口座のおすすめランキングTOP10!人気商品や初心者向けポートフォリオも紹介

2020.9.10
投資

つみたてNISAは資産形成の王道と言われる長期・積立・分散投資を実践できる非課税投資制度だ。お得に積立投資ができるため、多忙なビジネスパーソンにも適した投資法である。これからつみたてNISAを始める人向けに、おすすめの証券会や選ぶときの比較ポイントなど、つみたてNISAの基本を解説しよう。


目次
1.つみたてNISA口座のおすすめランキング
2.口座を選ぶときの4つの比較ポイント
3.SBI証券と楽天証券のポイント付与を比較
4. SBI証券と楽天証券のどちらかが得か
5.つみたてNISA人気銘柄ランキングTOP10
6.おすすめ商品を選ぶ3つのポイント
7.初心者におすすめの投資信託10選
8.ポートフォリオを組むための5つのステップ
9.ポートフォリオをリスク許容度別に紹介
10.知っておきたいつみたてNISAの基礎知識
11.つみたてNISAでよくあるQ&A

1.つみたてNISA(積立NISA)の口座開設におすすめのネット証券ランキングTOP10

つみたてNISAは、通常なら売却益や分配金にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度であるため1人1口座しか開設できない。そのため、つみたてNISA口座を開設する証券会社は、商品ラインナップと利便性を比較して慎重に選びたい。

また、投資信託にはファンドに支払う「信託報酬」という手数料もあるため、なるべく信託報酬の小さいファンドの多い証券会社を選ぶのがお得だ。

まずはつみたてNISA口座を開設するのにおすすめのネット証券を紹介していこう。

つみたてNISA口座比較ランキング
(2020年9月時点)
ネット証券
会社名
銘柄数 おすすめポイント
1位
SBI証券
詳細はこちら
163 取扱銘柄数最多
全銘柄で買付手数料無料
積立金額や頻度の
設定が柔軟にできる
2位
楽天証券詳細はこちら
159 楽天カードでの積立の
ポイント還元が高い
3位
松井証券詳細はこちら
155 老舗のネット証券
サポートが手厚い
4位
マネックス証券詳細はこちら
151 独自の資産設計
ツールを使える
5位
auカブコム証券詳細はこちら
151 現物株の取引で
手数料が割引に

1位……SBI証券——投資初心者から経験者まで利用しやすい

SBI証券の特徴は、選択肢の豊富さとオンラインサポートが充実していることにある。

投資信託の取扱本数が業界最多であるだけでなく、積立頻度も「毎日・毎週・毎月」の中から選べる。細かい時間分散にこだわりのある経験者向けの設定だろう。

スマートフォンアプリの「かんたん積立アプリ」では、損益や残高状況が簡単に確認できるほか、自分に合ったポートフォリオや具体的な商品まで提案してくれる機能もある。投資初心者から経験者まで利用しやすい環境を整えているのがSBI証券と言えるだろう。

SBI証券では現在、新規証券口座開設と条件達成で最大20万7,500円をキャッシュバックするキャンペーンを開催している。

 
SBI証券のつみたてNISA
取扱商品数 163本
安定型 積極運用型
148本 15本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎週・毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
・住信SBIネット銀行から自動充当
ポイント還元 Tポイント
投資信託の月間平均保有残高に
応じて付与
<通常銘柄>
・0.1%

<指定銘柄>
・0.01%~0.05%
その他 「かんたん積立アプリ」で
ラクラク資産管理
SBI証券の詳細はこちら
(※SBI証券のホームページより筆者作成)

>>SBI証券の詳細はこちら (公式サイト)

2位……楽天証券——楽天グループでさまざまな特典がある

楽天証券もSBI証券と同じく投資信託の取扱本数が業界最多レベルである。最大の魅力は「楽天スーパーポイント」を貯められることだろう。

ポイント以外にも楽天グループのサービスを利用することでさまざまな特典を受けられる。例えば楽天銀行口座と証券口座を連携すれば、普通預金金利が通常の5倍である0.1%になる(2020年9月時点)。

ほかにも楽天証券口座を開設するだけで、日経新聞や日経MJなどの日経の各種記事が無料閲覧可能になるのも大きな特徴だ。楽天証券を利用するなら、グループ内のサービスも使ってさまざまな恩恵を受けたい。

楽天証券では現在、新規証券口座開設と条件達成で最大101,600円相当の楽天スーパーポイントと現金1,500円をプレゼントするキャンペーンを9月30日まで開催している。

 
楽天証券のつみたてNISA
取扱商品数 159本
安定型 積極運用型
112本 47本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
・楽天銀行から自動充当
・楽天カードクレジット決済
・楽天カード支払口座から自動引落
ポイント還元⑴ 楽天スーパーポイント
楽天銀行と連携(ハッピープログラム)
・投資信託残高10万円ごとに毎月4ポイント

楽天カード決済額に応じて付与
・決済額100円につき1ポイント
ポイント還元⑵ 資産形成ポイント
(ハッピープログラムとの重複不可)
投資信託の保有残高に応じて付与
・50~1,000ポイント
その他 ・楽天銀行口座と連携で普通預金金利が0.1%
・日経テレコンの無料利用可(日経新聞等の閲覧)
楽天証券の詳細はこちら
(※楽天証券のホームページより筆者作成)

3位……松井証券——サポート体制が第三者機関からも高評価

松井証券はサポート体制に力を入れている。つみたてNISA専用の電話サポートを用意しているだけでなく、チャットでも気軽に質問できる。忙しい人にとってはうれしいサービスだろう。

第三者機関が評価する証券会社の問合せ窓口の格付けでは、2019年度まで9年連続で三つ星を獲得するほど高い評価も得ている。しっかりとしたサポートを求める人に適したネット証券かもしれない。

松井証券では、新規口座開設をした方全員にAmazonギフト券などに交換できる「松井証券ポイント」を200ポイントプレゼントするキャンペーンを12月29日まで開催している。

 
松井証券のつみたてNISA
取扱商品数 155本
安定型 積極運用型
108本 47本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 松井証券ポイント
投資信託の月間平均保有残高に応じて、
以下の金額分を付与。
現金かポイントかを選べる。
(月間平均保有金額)×
{(販売会社が受け取る信託報酬率(税抜))
- 0.3%)}×1/12
その他 ・サポートサービスについて問合せ窓口
格付け9年連続三つ星獲得
・「投信アプリ」で投資提案から
メンテナンスまでサポート
松井証券の詳細はこちら
(松井証券のホームページより筆者作成)

>>松井証券の詳細はこちら (公式サイト) 

4位……マネックス証券——資産管理ツールが充実

マネックス証券は投資初心者から上級者までが利用できる多数の投資ツールを提供している。

中でも「MONEX VISION」は長期の資産運用をサポートしてくれるツールだ。ポートフォリオの提案だけでなく保有資産の細かい分析や診断を行ってくれ、目標に合わせたアドバイスも確認できる。言ってみれば、長期資産運用のための専属ホームドクターのようなものだ。

保有資産をまとめて管理・運用したい人は、マネックス証券を候補に入れてもいいだろう。

マネックス証券では、新規証券口座開設等で最大10,600円相当のamazonギフト券をプレゼントするキャンペーンを9月30日まで開催している。

マネックス証券のつみたてNISA
取扱商品数 150本
安定型 積極運用型
129本 21本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月(2020年秋からは「毎日つみたて」を開始予定)
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 マネックスポイント
投資信託の月末保有残高に応じて付与
・0.03%
・除外銘柄あり
その他 「MONEX VISION」で資産設計をサポート
マネックス証券の詳細はこちら
(マネックス証券のホームページより筆者作成)

>>マネックス証券の詳細はこちら (公式サイト)

5位……au カブコム証券——NISA割®️で株式売買手数料が安くなる

普段から株式投資をしている人はau カブコム証券を検討したい。つみたてNISA口座を開設すると現物株式の売買手数料が最大5%割引される「NISA割®️」を受けられるからだ。

au カブコム証券ではほかにもさまざまな割引制度を用意しており、NISA割®️と併用してさらに現物株式の取引手数料を下げられる。積立と合わせて株式投資もお得にしたいならau カブコム証券のつみたてNISAはチェックしておきたい。

 
au カブコム証券のつみたてNISA
取扱商品数 150本
安定型 積極運用型
137本 14本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 毎月ポイント
投資信託の月間平均保有残高に応じて付与
・100万円ごとに1ポイント
・100ポイントで1万円と交換
・除外銘柄あり
その他 「NISA割®️」で現物株式の取引手数料最大5%割引
au カブコム証券公式サイト
(au カブコム証券のホームページより筆者作成)

>>au カブコム証券の口座開設はこちら

6位……野村證券――専用投資信託と高品質のサポート体制が強み

野村證券のつみたてNISAの商品は7本に厳選されている。

その中でも「野村スリーゼロ先進国株式投信」は、購入手数料、信託報酬(運用管理費用)、信託財産留保額がすべて無料の投資信託だ。2031年からは信託報酬がかかるが、0.10%(税抜)と低水準であり、コストを抑えた投資ができる。この投資信託はつみたてNISA専用で野村證券のみしか取扱がないため、気になる場合は一度チェックしてみよう。

野村證券は商品だけでなく、サポート体制にも力を入れている。コールセンターは土日にも対応しており、つながりやすさとオペレーター全員が証券の専門資格を保有していることが強みだ。充実したサポート体制は第三者機関でも評価され、「問合わせ窓口(コールセンター)と「Webサポート」の2部門で五つ星認証を取得している。
 

野村證券のつみたてNISA
取扱商品数 7本
安定型 積極運用型
5本 2本
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 なし
その他 サポートサービスの格付けとして、
「問合わせ窓口(コールセンター)」と
「Webサポート」2部門で五つ星認証
野村證券の詳細はこちら
(野村證券のホームページより筆者作成)

>>野村證券の詳細はこちら

7位……SMBC日興証券――ネット証券に匹敵する商品数

SMBC日興証券のつみたてNISAは、取扱商品数が147本とネット証券にも匹敵するほどだ。ここまで商品数が豊富なのは対面証券では珍しく、安心できる大手証券会社で自由に商品を選びたい人に向いている。

つみたてNISAとは別だが、株式投資をする人なら手数料や取引金額などに応じて「dポイント」が付与される仕組みもある。若年層や初心者の投資を応援するサイト「日興フロッギー+docomo」も運営しているので、株式投資にも興味がある人は口座開設を検討してみよう。SMBC日興証券は三井住友銀行のグループであるため、定期預金を特別金利で預けられる優遇もある。

SMBC日興証券のつみたてNISA
取扱商品数 147本
安定型 積極運用型
133本 14本
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
ポイント還元 株式売買や投資記事閲覧でdポイント付与
・国内現物株式の委託手数料200円(税込)につき1ポイント
(ステージに応じ最大5ポイント)
・金額または株数指定取引(キンカブ)500円ごとに1ポイント
・「日興フロッギー+docomo」の対象記事閲覧ごとに3ポイント
その他 提携サービスにより三井住友銀行の定期預金金利を優遇
SMBC日興証券の詳細はこちら
(※SMBC日興証券のホームページより筆者作成)

8位……大和証券――他にはない積立頻度と積立投資の一元管理が可能

大和証券のつみたてNISAは、どんな人でも始めやすいように最低金額を100円からとし、積立頻度は隔月や3ヵ月ごとなど他の証券会社ではできない設定も可能だ。

また、つみたてNISAでETFを運用したい人は大和証券がいい。そもそもつみたてNISA対象のETFは7本しかないが、そのすべてを購入できるのは大和証券だけである(2020年6月時点)。

大和証券は、つみたてNISAに限らずさまざまな積立投資に力を入れている。積立投資の管理は「つみたてサービス」で一元的にできるようになっており、通常の投信積立や株式投資、ファンドラップの積立などもまとめて管理できる。つみたてNISA以外の積立投資にも関心があるなら、大和証券を検討してみよう。

 
大和証券のつみたてNISA
取扱商品数 20本
安定型 積極運用型
18本(ETF含む) 2本
最低積立金額 100円
積立頻度 毎日・毎週・毎月・隔月・3ヵ月毎・4ヵ月毎・6ヵ月毎
引落方法 ・証券口座に入金
・大和ネクスト銀行の積立資金専用口座から自動振替
ポイント還元 なし
その他 「つみたてサービス」でさまざまな積立投資を一元管理
(※大和証券のホームページより筆者作成)

9位……みずほ証券――厳選された3本の投資信託を提供

みずほ証券のつみたてNISAは、野村證券よりもさらに厳選し3本の投資信託を提供している。すべてインデックスファンドであり、日本株と先進国株の投資信託の他、日本・先進国・新興国を対象としたバランスファンドがある。商品は絞られているが、いずれも低コストで運用できる投資信託だ。

みずほ銀行の口座があれば、「みずほマイレージクラブ提携サービス」によって株式の売買手数料が割引になるサービスも受けられる。

 
みずほ証券のつみたてNISA
取扱商品数 3本
安定型 積極運用型
3本 0本
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月
引落方法 指定銀行自動引落
ポイント還元 なし
その他 「みずほマイレージクラブ提携サービス」の申込みで
株式委託手数料を対面手数料の3%分割引
(※みずほ証券のホームページより筆者作成)

10位……ライブスター証券――ひふみプラスに特化したつみたてNISAを用意

ライブスター証券のつみたてNISAで購入できる商品は、「ひふみプラス」に特化している。

「ひふみプラス」は、主に日本の成長企業を対象に長期的な目線で投資する投資信託だ。株式が投資対象だが、相場環境によっては現金比率を50%まで引き上げることもあり、守りながら増やす運用に挑戦する方針である。銘柄選定力や柔軟な運用姿勢が評価されている点であり、これ1本に投資する投資家もいるほどだ。

ライブスター証券ならではのつみたてNISAの特徴として、毎月の購入日を指定できる。年2回まで毎月の積立とは別に増額購入もできるが、その日付も別々に設定可能である。購入日を自由に設定できるため、自分の都合に合わせてつみたてNISAを続けられる証券会社だ。

 
ライブスター証券のつみたてNISA
取扱商品数 1本
安定型 積極運用型
0本 1本
最低積立金額 1万円
積立頻度 毎月
引落方法 ・証券口座に入金
・銀行引落不可
ポイント還元 なし
その他 毎月の購入日の指定が可能
ライブスター証券の詳細はこちら
(※ライブスター証券のホームページより筆者作成)

2.つみたてNISA(積立NISA)口座を選ぶときの4つの比較ポイント

つみたてNISA口座を開設するときに比較すべき項目を詳しく解説しよう。上述した通り、ポイントは商品ラインナップ、利便性、サービス、ポイント制度の4つだ。

 
4つのポイント別 つみたてNISA口座比較表
(2020年7月時点)
ネット証券
会社名
ポイント1
取扱商品数
ポイント2
引落方法
ポイント3
最低積立金額
ポイント4
ポイント還元
SBI証券 162本 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
・住信SBIネット銀行
から自動充当
100円 Tポイント
楽天証券 158本 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
・楽天銀行から自動充当
・楽天カードクレジット決済
・楽天カード支払口座
から自動引落
100円 ・楽天
スーパーポイント
・資産形成
ポイント
松井証券 152本 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
100円 松井証券
ポイント
マネックス
証券
150本 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
100円 マネックス
ポイント
au カブ
コム証券
150本 ・証券口座に入金
・指定銀行自動引落
100円 毎月ポイント

ポイント1……商品ラインナップは選択肢の多さがカギ

つみたてNISAで投資できる商品は以下にある一定の基準をクリアしなければならず、必然的に各社で違いは出にくくなる。対象商品には上場投資信託(ETF)も含まれるが、取り扱う金融機関は少ないため、通常の投資信託の基準を確認してみよう。

 
投資信託 インデックス アクティブ
投資対象 国内資産のみ 海外資産を含む 国内資産のみ 海外資産を含む
信託報酬(税抜) 0.5%以下 0.75%以下 1%以下 1.5%以下
共通要件 ノーロード(購入手数料なし)
信託期間が無期限または20年以上
毎月分配でないこと
デリバティブ取引による運用をしていないこと
その他 なし 純資産額50億円以上
運用期間5年以上経過
運用中3分の2以上の期間で資金流入超
※金融庁の平成29年6月『つみたてNISAについて』を基に筆者作成(2020年5月時点)
 

インデックスとアクティブというのは、投資信託の運用方法の違いを表している。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった特定の指標に連動させる運用方法をインデックス、特定の指数を上回ることを目指す運用方法をアクティブと呼ぶ。

インデックスのほうが信託報酬が低いのは、指数と連動させているので、積極的に運用する必要がないからだ。

どちらにしてもこれらの基準に当てはまる投資信託は長期投資に向いていると考えられ、長期の資産形成を後押ししたい金融庁の意図が反映されていると言える。なお、投資信託のほかに、ETF(上場投資信託)もつみたてNISAの対象商品であるが、扱っている金融機関が少ないため説明は割愛する。

つみたてNISAの取扱商品数は金融機関によって異なり、選びやすさを重視して数を絞る金融機関と、選択肢の多さを重視して豊富に取りそろえる金融機関に分かれる。前者は対面型金融機関に、後者はネット証券に多い。代表的なネット証券5社、対面型証券2社、メガバンク3行の取扱本数を比較してみよう(2020年5月時点)。

 
金融機関 投資信託本数
ネット証券 SBI証券 160本
楽天証券 158本
松井証券 152本
マネックス証券 150本
au カブコム証券 150本
対面型証券 野村證券 7本
大和証券 20本
みずほ証券 3本
メガバンク 三菱UFJ銀行 12本
みずほ銀行 3本
三井住友銀行 3本
(各金融機関ホームページより筆者作成)

取扱商品数に違いはあるものの、どの金融機関でも基準に合致した長期投資に向く商品を採用していることに変わりはない。ただし似た商品でも細かく比較したい部分はある。代表的なポイントは「信託報酬」だ。

信託報酬とは投資信託の運用手数料のことで、保有中の残高から差し引かれる。残高が少ないうちは大きな違いは生まれないが、将来的には数万円から数十万円の差になる可能性もあり無視できない手数料だ。

例えば、国内株の投資信託を比べると信託報酬に約3.6倍もの開きがある商品もある(※SBI証券の「投資信託パワーサーチ」より)。

選びやすさを重視すれば最初から商品を絞ってくれているほうがありがたいが、運用成果に影響する信託報酬なども比較するなら、選択肢の多いネット証券が有利だろう。

ポイント2……引落方法の豊富さは使いやすさに直結する

つみたてNISAはどこの金融機関で口座開設しても同じ制度内容だが、金融機関ごとに使いやすさは異なる。見落とされやすいのは引落方法だ。

対面型金融機関では、積み立てるお金をその金融機関の口座からしか引き落とせないところも多い。普段からお金がプールされている金融機関なら問題ないが、つみたてNISAのためだけに口座開設した場合はお金を移動させなければならず、不便に感じるかもしれない。その点、ネット証券は他の銀行から自動引落を設定できて利便性が高い。

ネット証券の自動引落は、商品買付に必要な資金を手数料無料で指定の銀行口座から毎月自動で引き落とすサービスだ。自分で証券口座に入金しなくてもいいため、給与口座は他の銀行という場合でも手間をかけずに積み立てられる。ただし、ネット証券でも引落可能な金融機関は差があるので、自分の利用する金融機関が対応しているかは事前に確認しよう。主な金融機関の引落方法は以下の通りだ。

 
金融機関 引落方法
  自社口座 他社銀行 その他の引落
ネット証券 SBI証券 280行以上 住信SBIネットから振替
楽天証券 200行以上 ・楽天銀行から振替
・楽天カード決済
・楽天カード支払口座で引落
松井証券 100行以上
マネックス証券 全国の銀行
au カブコム証券 7行
対面型証券 野村證券 全国の銀行
大和証券 大和ネクスト銀行から振替
みずほ証券 全国の銀行
メガバンク 三菱UFJ銀行
みずほ銀行
三井住友銀行
(各金融機関ホームページより筆者作成)

自動引落以外では特定のクレジットカードで積み立てられるネット証券もある。クレジットカード決済なら引落口座に関係なく積み立てられ、クレジットカード自体のポイントが付くメリットもある。使いやすさとお得さの両方を求めたい人は、クレジットカード決済のできるネット証券を検討してはいかがだろうか。

引落方法の豊富さは、金融機関の使いやすさにも直結するポイントだ。給与口座の変更などで日頃利用する銀行が変わっても、引落方法の種類が多いと対応できる。つみたてNISAは利用期間が長期に及ぶため、利便性にも目を向けて口座を選びたい。

ポイント3……柔軟な積立金額を設定できる

つみたてNISAで投資できる金額は年間40万円で、月々の上限は約3万3,000円となる。これを超えない範囲で毎月一定額を積み立てられるが、設定できる金額は金融機関によって異なる。積立金額の設定範囲が広いのはネット証券だ。

主要ネット証券では毎月最低100円から積み立てられ、幅広い世代が利用しやすい。積立金額があまり低いと資産形成にはならないが、設定範囲の広さは大きなポイントである。若いうちは3,000円程度の積立しかできなくても年齢を重ねるごとに1万円や2万円と増やしていくこともできるからだ。逆に積立が苦しくなったときには、金額を引き下げやすいというメリットもある。

最低1万円からという金融機関もある中、無理なく続けていくためには少ない積立金額でも柔軟に設定できる金融機関を選ぶのがいいだろう。

 
金融機関 最低投資金額
ネット証券 SBI証券 100円
楽天証券 100円
松井証券 100円
マネックス証券 100円
au カブコム証券 100円
対面型証券 野村證券 1,000円
大和証券 100円
みずほ証券 1,000円
メガバンク 三菱UFJ銀行 1,000円
みずほ銀行 1,000円
三井住友銀行 1万円
(各金融機関ホームページより筆者作成)

ポイント4……ポイント還元でお得に投資できる

ポイント還元があるかどうかも見逃せない。還元があると実質的には手数料の割引にもなるからだ。

ポイント還元に積極的なのはネット証券だが、還元方法や対象商品はさまざまである。投資信託の購入金額に対して還元されることもあれば、保有残高に対して還元されることもある。商品によっては対象外だったり還元率が異なったりすることもあり、実際に利用するときには何に対して還元されるのかの確認が必要だ。

つみたてNISAで重要なのはあくまで商品や手数料だが、お得に投資できる要素としてポイント還元にも注目しておこう。

3.SBI証券と楽天証券の「ポイント付与」を比較

ネット証券の中でよく比較されるのがSBI証券と楽天証券の2大ネット証券会社だ。この2社に共通したサービスのひとつに「ポイント付与」がある。

他の大手ネット証券でもポイント付与を行っているが、つみたてNISAの対象となるような手数料の低い投資信託は除外されているものも多い。ポイント付与も視野に入れるなら、大手ネット証券の中ではSBI証券と楽天証券が検討候補になるだろう(2020年5月時点)。

SBI証券は投資信託の保有残高に応じてTポイントが貯まる

SBI証券のポイントサービスは、投資信託残高に対してTポイントが貯まるシステムだ。楽天証券のようにカード決済による買付での還元がないのは、見劣りするところかもしれない。

以前はSBIポイントが付与され、現金・他社ポイント・商品のいずれかに交換できたが、現在は広く使われているTポイントが付与されるようになった。その分、日常での使い勝手は良くなったのではないだろうか。

ポイント還元率は投資信託の銘柄ごとに0.01~0.1%の幅があり分かりにくさは感じるかもしれないが、楽天証券よりも還元率が高く設定されている。

>>SBI証券の詳細はこちら

楽天証券は投資信託の買付と保有残高に対してポイント還元

楽天証券のポイントサービスは、投資信託の買付に対してと保有残高に対しての還元がある。

買付では、楽天クレジットカード決済で投資信託の積立をした場合、カード決済額の1%が楽天スーパーポイントで還元される。つみたてNISAも取引対象であり、楽天市場や楽天カードをよく利用する人ならぜひ活用したい。

注意したいのは、楽天カード決済ではなく楽天カードの支払口座から直接引き落としをする積立方法だとポイント還元されない点だ。勘違いしやすいため、十分に気をつけたい。その他にもカード決済だと毎月定額のみの買付になり、特定の月だけ増額して買う設定はできなくなる。ボーナス時期などにまとめて買う設定をしたい人は注意しよう。

投資信託の保有残高に対するポイントは2種類あり、楽天スーパーポイントか資産形成ポイントのどちらかを選べる。還元ポイント数はどちらも同程度であるため、迷ったら獲得ポイント数に上限のない楽天スーパーポイントを選ぶといいだろう。楽天スーパーポイントの還元率は10万円ごとに4ポイントと、割合にして0.004%であるため、おまけ程度に考えておきたい。

>>楽天証券の詳細はこちら

4.ポイント還元はSBI証券と楽天証券のどちらかが得だとは言い切れない

ポイント還元でSBI証券と楽天証券のどちらが有利なのだろうか。

楽天証券のカード決済による1%還元は魅力的だが、長期的に還元額が大きくなりやすいのはSBI証券だ。例えば毎月3万円投資すると、楽天証券のカード決済による還元額は月300円だ。一方、SBI証券で0.05%の還元だとすると保有残高が60万円になる20ヵ月後には同じ還元額になる。その後は、楽天証券の保有残高に対する還元を入れてもSBI証券との差が開いていくことになる。

最終的にポイント還元で有利なのはSBI証券だが、それだけで決めることはできない。無料で日経新聞を閲覧できたり楽天市場でポイントを利用できたりするなど楽天証券ならではの特徴もあり、どちらが本当に得なのかはっきりと判断することはできないからだ。自分にとっての使い勝手の良さも十分に検討すべきだろう。

5.つみたてNISA(積立NISA)人気銘柄ランキングTOP10

2大ネット証券であるSBI証券と楽天証券のつみたてNISAで、どんな銘柄が人気なのかも比較しておこう。

つみたてNISA(積立NISA)の月間積立件数ランキング(2020年8月1日~31日)

順位 SBI証券 楽天証券
1位 SBI・バンガード・S&P500
インデックス・ファンド
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
2位 eMAXIS Slim
全世界株式(オール・カントリー)
楽天・全米株式
インデックス・ファンド
3位 eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
eMAXIS Slim
全世界株式(オール・カントリー)
4位 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
eMAXIS Slim
先進国株式インデックス
5位 ひふみプラス 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
6位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス iFreeNEXT
NASDAQ100インデックス
7位 SBI・全世界株式インデックス・ファンド <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式インデックスファンド
8位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) ひふみプラス
9位 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス iFreeレバレッジ NASDAQ100
10位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
(※SBI証券と楽天証券のホームページより筆者作成)

SBI証券も楽天証券も前月に比べランキングに大きな変化はなく、米国を始めとする先進国株式や全世界株式の投資信託が引き続き人気だ。個別株には投資しにくい新興国の株式ファンドも一定の人気があり、SBI証券でも新しくランクインした。また、ナスダック総合指数に関連した投資信託も登場しているので、どのような商品なのか紹介しよう。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド……楽天証券では取り扱いのない人気銘柄

SBI証券……1位
楽天証券……取り扱いなし

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドは、2019年9月に設定された比較的新しい投資信託だ。設定当初の純資産総額は約16億円だったが、同タイプの投資信託より信託報酬が低いこともあって資金流入が続き、現在は約40倍の680億円に達している。新型コロナウイルスの影響で3月に大きく基準価額は下落したが、足元ではほとんど回復しており、長期的な成長が期待できるS&P500に連動している点も積立件数の多い理由だろう。信託報酬は0.0938%程度(税込)。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)……世界中の株式に分散投資できる

SBI証券……2位<br>
楽天証券……3位

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、これ1本で世界中の株式に投資できる投資信託だ。投資対象国の比率は市場規模の大きい米国が半分を占めるが、先進国や新興国を併せた49ヵ国・地域に幅広く分散投資できる。「投信ブロガーが選ぶ!FUND OF THE YEAR 2019」でも1位に選ばれるなど評価の高い銘柄だ。純資産総額も450億円を超えており、申し分ない運用規模である。信託報酬は0.1144%以内(税込)。

iFreeNEXT NASDAQ100インデックス……米国のハイテク企業やベンチャー企業が投資対象

SBI証券……ランク外 <br>
楽天証券……6位

iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、米国のナスダック総合指数の時価総額上位100社に投資できるインデックスファンドである。ナスダック総合指数はハイテク企業や成長著しいベンチャー企業で構成されているため、新型コロナウイルスによる下落もいち早く克服した。純資産総額は100億円に満たないが、トータルリターンは2018年8月の設定来で40%超となっている。最高値更新を続けるナスダック総合指数の注目度の高さからも資金流入は今後も続いていくだろう。信託報酬は0.495%(税込)。

iFreeレバレッジ NASDAQ100……ナスダック総合指数の上位100社にレバレッジ投資

SBI証券……ランク外 <br>
楽天証券……9位

iFreeレバレッジ NASDAQ100は、上記の投資信託と同じNASDAQ100指数を基準に変動するが、最大の特徴は値動きが通常の2倍程度になるレバレッジ投資をしていることだ。仮に100万円を投資し10%値上がりすれば、利益はその倍の20万円程度が見込める。その分、下落したときの損失幅も2倍になるが、積立投資はアップダウンのある商品のほうが適しており、長期的な成長期待からもランクインしたのだろう。信託報酬は0.99%(税込)。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス……手軽に世界中の新興国株式に投資可能

SBI証券……9位<br>
楽天証券……10位

eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは、26ヵ国・地域の新興国株式に低コストで投資可能な投資信託だ。一般的に新興国株式の投資信託はコストが相対的に高くなりやすいが、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは信託報酬0.2079%以内(税込)と低く抑えられている。新興国株式は成長期待が高いだけでなく値動きも大きいため、積立投資に向いている点も人気の理由ではないだろうか。手軽に新興国に投資するには最適な投資信託の1つだ。

6.つみたてNISA(積立NISA)のおすすめ商品を選ぶ3つのポイント

つみたてNISAの対象商品は、販売手数料や信託報酬などについて金融庁の要件をクリアしたものに厳選されており、初心者でも銘柄選びに大きく失敗することが少ない。

つみたてNISAの商品は株式へ投資する投資信託が主体である。債券のみに投資する投資信託は含まれておらず、債券を投資対象に組み込むにはバランスファンドを選択する必要がある。

つみたてNISAの商品を選ぶには、以下の3つのポイントをチェックしよう。

ポイント1……信託報酬が低い

信託報酬は投資信託を保有している間にかかり続けるコストであるため、低いほうが望ましい。特に長期投資では、信託報酬のわずかな違いが将来の資産の大きな違いになることがある。

例えば、毎月3万円を20年間積立投資した場合に、信託報酬が0.1%と1.0%の2つの投資信託に投資した場合を比較する。2つの投資信託の利回りを5%とすると、実質利回りは信託報酬を引いた4.9%と4.0%になる。20年後の資産額は次のようになる。

実質利回り4.9%の場合:積立投資の結果1,218.9万円
実質利回り4.0%の場合:積立投資の結果1,100.3万円

この例のように、信託報酬0.9%分の違いで100万円以上の差が出ることがわかる。

金融機関ごとに取り扱っている投資信託の銘柄は異なるので、つみたてNISA口座を開設するときは信託報酬の安い銘柄を扱っているかどうかをチェックすることが大事だ。

ポイント2……初心者はインデックスファンドが無難

つみたてNISAの投資信託は、大きく2種類に分かれる。1つはインデックスファンド、もう1つはアクティブファンドだ。インデックスファンドは日経平均株価や米国のS&P500といった特定の指数に連動した値動きをし、アクティブファンドはそのような特定の指数を上回る運用成績を目指す投資信託である。要するにインデックスは市場平均と同じ動きをし、アクティブは平均以上を狙う運用方針だ。

どちらを選ぶのが正解かは結果論になるためわからないが、アクティブファンドは良くも悪くもファンドマネージャー(運用責任者)の手腕に運用成績が左右される。それを初心者が細かく分析して投資するのは難しいため、選び方に自信のない場合はインデックスファンドを選ぶのが無難である。ちなみに、つみたてNISAの対象商品のほとんどはインデックスファンドが占めている。

ポイント3……純資産総額が30億円以上で増加傾向にある

純資産総額とは、投資家により投資された資金の合計であり、投資信託の規模を表す。投資信託を安定して運用するには、ある程度の規模が必要であるため、純資産総額が大きい投資信託を選びたい。純資産総額の最低限の目安は30億円以上だが、100億円程度ある投資信託なら安心できる。

また、純資産総額が減少傾向の投資信託には気をつけたい。10億円を下回って運用されている場合、運用中止となって繰り上げ償還が行われることがあるからだ。資金流出が多いとファンドの運営成績が悪くなる可能性もあるため、純資産総額が増加傾向であることも確認しておきたい。

7.つみたてNISA(積立NISA)で初心者におすすめの投資信託10選

つみたてNISAの対象商品は180本ほどある。その中から、上述の選び方のポイントを踏まえて投資初心者におすすめの投資信託(ファンド)を紹介する。

選定した投資信託はすべてインデックス型である。アクティブ型の選択には投資信託の設計やリスク、長期での運用成績を把握すべきであり、投資初心者はインデックス型から選択すべきとの考えからだ。インデックス型は連動する指数が同じ投資信託であれば過去のリターンを気にする必要がなく、単純にコストや純資産を比較して選べる点も初心者に向いている。

おすすめの投資信託はバランスファンド2つ、国内株式2つ、海外株式5つ(米国3、先進国1、新興国1)、全世界株式1つだ(※データは2020年9月4日時点)。

DCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)……安定資産でバランスを取りながら資産増加を狙える

分類:資産複合/インデックス型
資産クラス:国内株式40%、海外株式30%、国内債券15%、海外債券10%、短期金融資産5%
信託報酬:年0.154%(税込)
購入できる金融機関例:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

DCニッセイワールドセレクトファンドはバランス型ファンドとして信託報酬が最低レベルだ。資産配分の異なる4つの型があり、その中で最も株式比率が高いのがDCニッセイワールドセレクトファンド(株式重視型)である。

資産構成は70%が株式、30%が債券や現金等だ。安定資産でバランスを取りながらも積極的に資産増加を狙ったポートフォリオになっている。20代が持つには少し保守的だが、30~40代に向いている資産構成だろう。純資産総額も200億円近くあり、投資信託としての安定性にも問題なさそうだ。バランスファンドのため、リバランスの必要もない。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)……国内外の8資産にバランスよく分散投資

分類:資産複合/インデックス型
資産クラス:国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リート(各12.5%)
信託報酬:年0.154%(税込)以内
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、世界の株式、債券、リート(不動産投資信託)の8つの資産クラスに分散投資するファンドである。信託報酬はバランスファンドの中で最低レベルだ。

投資リスクは株式と債券の間になり、株式に比べ安定した運用を期待できる。同じ8つの資産クラスに分散投資し信託報酬も同じバランスファンドの「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」もあるが、純資産総額に約6倍の開きがあることからも当ファンドを選んだ。また、eMAXIS Slimシリーズは純資産の増加などで将来的な信託報酬の引き下げが期待できる点も理由に挙げたい。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)……最低水準のコストで米国S&P500企業に投資する巨大ファンド

分類:株式/インデックス型
資産クラス:海外株式(米国)
信託報酬:年0.0968%(税込)以内
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、米国の代表的な企業500社で構成されるS&P500指数に連動する運用成績を目指すファンドである。

ファンドの運用開始は2018年7月と比較的新しいが、純資産総額は1年で約5倍になった人気ファンドだ。人気の理由は、長期的な成長が期待できる米国株式市場に最低水準のコストで投資できるためである。100%株式で構成されており値動きは大きいが、米国の経済規模は2100年になっても世界1位を維持するといった研究結果もあり、長期の運用資金の受け皿になっている。S&P500指数が過去の景気後退を経験しても成長し続けていることも投資を後押ししている。

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド……S&P500に投資する低コストNo.1の投資信託

分類:株式/インデックス型
資産クラス:海外株式(米国)
信託報酬:年0.0938%(税込)程度
購入できる金融機関:SBI証券マネックス証券auカブコム証券 

SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)と同じく米国のS&P500指数と連動する運用成績を目指すファンドだ。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)よりも後に設定されたため、わずかではあるものの最も低い信託報酬を実現している。純資産総額では2倍以上の差を開けられているが、すでにおよそ700億円の資金を運用している。設定されたのが2019年9月であることを考えれば運用資産の膨らむスピードがかなり速く、それだけ人気銘柄であることがわかる。

しかし購入できる金融機関が少ないため、当ファンドの買付を希望してつみたてNISAを開設する場合は取り扱いの有無に注意しよう。

楽天・全米株式インデックス・ファンド……米国のほぼすべての上場企業が投資対象

分類:株式/インデックス型
資産クラス:海外株式(米国)
信託報酬:0.162%(税込)程度
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券

先ほど紹介した2つの投資信託も米国株式に投資するが、楽天・全米株式インデックス・ファンドとは投資範囲が異なる。先述の2つはS&P500指数の構成銘柄が投資対象なのに対し、当ファンドは米国株式市場のほぼ100%の銘柄をカバーする。大型株から小型株まで網羅するのが特徴で、米国株式市場に丸ごと投資できる。

楽天・全米株式インデックス・ファンドはS&P500指数のインデックスファンドよりも広範に投資できるため、さらに分散効果を効かせたい人向けだ。同じ米国株式のインデックスファンドといえども投資対象に違いがあるため、銘柄選びでは比較して検討したい。純資産総額はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に匹敵する規模であり、信託報酬も低く人気の投資信託である。

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド……日本の低コストファンドの牽引役

分類:株式/インデックス型
資産クラス:海外株式(先進国)
信託報酬:年0.1023%(税込)
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く主要先進国22ヵ国の株式に投資するファンドで、約1,300銘柄に分散投資している。

同じく先進国株式で運用する投資信託の中で信託報酬が最低水準なだけでなく、純資産総額も約2,000億円と圧倒的な規模がある。純資産総額の増加に伴って信託報酬を度々引き下げ、日本の低コストファンドを牽引してきた実績のある評価の高い投資信託だ。日本を除いた先進国に投資したい人には最適な商品である。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)……世界中の先進国株式と新興国株式に分散投資

分類:株式/インデックス型
資産クラス:国内株式、海外株式(先進国、新興国)
信託報酬:年0.1144%(税込)以内
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、日本を含む先進国と新興国49ヵ国・地域の株式に投資を行うファンドである。

全世界株式(オール・カントリー)という名称だが、先進国の株式比率が9割近くを占める。その内、市場規模の大きい米国株式は6割弱組み込まれており影響力が大きい。先進国株式に新興国株式が加わることで、先進国株式のみの投資信託よりもリスクが若干高めになる。しかしこのファンドのみで世界中の株式に投資できる手軽さがあり、長期の積立にも適した投資信託だ。純資産総額も400億円以上と順調に増加している。

iFree日経225インデックス……日本の主要225社に投資

分類:株式/インデックス型
資産クラス:国内株式
信託報酬:年0.154%(税込)
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

iFree日経225インデックスは、国内株式の日経平均株価(225銘柄)への連動を目指して運用されるファンドであり、国内株式へ投資するファンドとして信託報酬は最低レベルだ。

日経平均株価のインデックスファンドはいくつかあるが、その中でも運用コストが低く純資産総額も100億円ほどと十分な規模のある投資信託だ。日経平均株価はニュースや新聞などでも目にする機会が多く、最も身近なインデックスだろう。米国のS&P500のように上昇し続けているわけではないが、適度に上げ下げを繰り返しており積立投資に向いた指数である。

<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド……東証一部企業全体への投資

分類:株式/インデックス型
資産クラス:国内株式
信託報酬:年0.154%(税込)以内
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドは、国内株式のTOPIX(東証一部の全銘柄が対象)との連動を目指して運用されるファンドである。こちらの信託報酬も国内株式へ投資するファンドとしては最低レベルだ。

日経平均株価が日本を代表する企業225社で構成されるのに対し、TOPIXは東証一部の全銘柄で構成されているため、市場全体により広く分散投資したい場合に活用できる。日経平均株価と値動きが似るため、日本株のインデックスを組み入れるならどちらかで十分だろう。純資産総額は300億円ほどあり、運用資産としても安心できる規模だ。

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス……低コストで主要新興国株式に投資

分類:株式/インデックス型
資産クラス:海外株式(新興国)
信託報酬:年0.2079%(税込)以内
購入できる金融機関:SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券 

eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは、新興国26ヵ国・地域の株式に投資するファンドである。国別割合は市場規模の大きい中国の比率が40%と最も高く、さらに台湾、韓国、インド、ブラジル、南アフリカを加えた代表的な新興国のみでおよそ80%を占める。その他にはロシアや東南アジア諸国などにも投資されており、主要新興国を押さえられるようになっている。

新興国のインデックスファンドは他にもあるが、純資産総額がダントツで多く安心して投資しやすい。新興国の投資信託は運用コストが相対的に高いものが多いにもかかわらず、非常に低い信託報酬で運用されている点も評価できる。先進国株式よりも値動きが荒くなりやすく短期的な投資には向かないが、将来の成長を期待してつみたてNISAで活用したい。

8.つみたてNISA(積立NISA)でポートフォリオを組むための5つのステップ

つみたてNISAは投資初心者でも始めやすい制度だが、100本を超える金融商品からどれを選ぶべきか迷うかもしれない。長期投資では一般的に以下のようなステップで資産配分やポートフォリオを決めていく。

ステップ1……投資の目的を決める

投資の目的は、家のリフォーム費用や子供の教育資金、自分の老後資金などさまざまなはずだ。目的によってはリスクを抑えた投資を検討したほうがいいこともある。例として教育資金のような減らせない資金を運用する場合、安定資産の組入比率を増やすなどの調整も検討したい。

ステップ2……投資のゴールの時期と資産額を明確にする

目的が決まれば、目標額とゴール時期が明確になる。例えば、目的を20年後の老後資金として、つみたてNISAで1,000万円の上乗せ資金をつくることを目指す、というようなものでもいいだろう。基本的にゴール時期が先になればなるほどリスクは取りやすい。株式などのリスク資産は変動が大きくても長期の成長期待を持てる資産だからだ。

ただしゴール時期が先でも目標額が高ければ、それだけリスクを取って運用しなければ達成できなくなる。その場合は運用期間を延ばすなどの工夫が必要だ。

ステップ3……目標にする利回りを決める

目標にしたい資産額と時期から、達成するのに必要な利回りを決める。それに基づいて資産配分を考えるが、自分で利回りを求めるのが難しい場合は金融系のサイトなどを参考にしよう。例えばモーニングスターのサイトでは、目標金額を達成するための利回りを簡単にシミュレーションできる。こうしたツールを利用すれば誰でも目的に合わせた利回りを計算できるはずだ。

ステップ4……資産配分を決める

目標利回りが決まったら、次は資産配分を決めよう。先ほどのモーニングスターのサイトでは利回りを算出した際に、それを達成するための資産配分例も表示される。もちろん他の組み合わせでも問題ないが、自分で資産配分を考えるのが難しい場合は参考にしよう。リスク度合いは債券などの安定資産を増やせば下がり、株式などのリスク資産を増やせば上がる。もっと積極的に運用したいなど自分の考えに合わせて調整するのもいいだろう。

ステップ5……ポートフォリオを決める

資産配分が決まったら個別の投資信託を選び、ポートフォリオを組む。投資信託は1つの資産カテゴリで運用されるものを組み合わせていいし、決定した資産配分に近いバランスファンドを選んでもいい。選び方は先ほど解説したように運用コストや純資産、運用方法などを確認して選ぶようにしよう。

9.つみたてNISA(積立NISA)の資産配分をリスク許容度別に紹介

ここまでの手順を踏まえ、運用タイプ別の資産配分例を3つ紹介する。つみたてNISAは債券のみで運用する投資信託がないため、資産配分例によってはバランスファンドとの併用も必要になる点は留意しておこう。

積極運用タイプ……目標利回り5%以上

国内株式……10%
先進国株式……40%
新興国株式……20%
先進国債券……20%
新興国債券……10%

※筆者作成


リスクをとってリターンを狙いたいなら、目標利回り5%を目指し、株式の比率を70%と高めに設定して債券比率を30%にすると良いだろう。

スタンダードタイプ……目標利回り3%以上5%未満

国内株式……10%
先進国株式……30%
新興国株式……10%
先進国債券……30%
新興国債券……20%

※筆者作成


ある程度のリターンはほしいが高いリスクは取りたくないという人は、株式と債券を同じ比率にして運用してみよう。

安定運用タイプ……目標利回り3%未満

国内株式……5%
先進国株式……15%
新興国株式……10%
先進国債券……50%
新興国債券……20%

※筆者作成


なるべくリスクを取りたくないリスク許容度の低い人は、積極運用タイプの比率とは逆に、株式比率を30%にとどめ、債券比率を70%まであげるのが良いだろう。

つみたてNISAでは債券主体のポートフォリオは組みにくい

つみたてNISAの対象商品は株式主体の投資信託がほとんどだ。債券を組み込むバランスファンドでも、その比率が高い投資信託は非常に少ない。よってつみたてNISAでは、株式主体のポートフォリオは組みやすいが、債券主体のポートフォリオは組みにくい。

債券主体のポートフォリオを組むのであれば、iDeCo(個人型確定拠出年金)や課税口座(特定・一般口座)を併用し、これらで債券への投資を補うのが現実的だと言える。

10.初心者が知っておきたいつみたてNISA(積立NISA)の基礎知識

運用を始める際は、つみたてNISAの基本もしっかりおさえておきたい。

つみたてNISA(積立NISA)で投資できる商品は厳選された181本の投資信託

つみたてNISAで投資できる商品は、手数料が低水準など一定の基準をクリアした投資信託(ETFを含む)のみである。金融機関ごとに取扱商品は異なるが、制度全体としては181本 が対象だ(2020年5月時点)。日本には約6,000本の投資信託があることを踏まえると、つみたてNISAの対象商品はかなり厳選されていることがわかる。

つみたてNISA(積立NISA)の非課税投資期限は2042年までになる見通し

つみたてNISAでは毎年40万円まで非課税で投資できる。運用益が非課税になるのは投資を開始した年から20年間であり、現行の制度では、投資可能な最後の年は2037年だ。

なお令和2年度税制改正大綱において、2024年につみたてNISAの投資期限を5年延長し、2042年までとすることが盛り込まれている。これにより2023年までにつみたてNISAを始めれば最長の20年間積み立てられるようになる。

つみたてNISAの概要
利用できる人 20歳以上の人(一般NISAと併用不可)
対象商品 公募株式投資信託、上場投資信託(ETF)
非課税対象 対象商品から得られる分配金や売却益
口座開設可能数 1人1口座
非課税投資枠 毎年40万円
非課税期間 最長20年間
投資可能期間 2018年~2037年
(※金融庁の『NISA特設ウェブサイト』より筆者作成)

11.つみたてNISA(積立NISA)でよくあるQ&A

つみたてNISAでよくある質問とその回答をまとめた。

つみたてNISA(積立NISA)で購入できる商品は証券会社や銀行、郵便局などで違いがある?

購入できる商品は金融機関ごとに違いがある。株式投資信託はどこの金融機関でも購入できるが、ETFは取り扱いのある証券会社のみで購入できる。取扱商品数にも違いがあるため、確認はしておきたい。

証券会社でNISA口座を開設したい場合は総合口座の開設も必要?銀行の場合は?

証券会社でNISA口座を開設するには、まずは総合口座を開設する必要がある。銀行でNISA口座を開設したい場合は、普通預金口座が必要であったり、投資信託口座を開設する必要があったりするなど、銀行によって条件が異なる。

つみたてNISA(積立NISA)での投資が非課税枠である40万円を超えるとどうなる?

つみたてNISAの買付設定は、基本的に年間投資金額が40万円超になるようには設定できない。仮に超過すれば、金融機関によっては約定エラーになったり、超過分は非課税対象にならなかったりする。分配金の再投資などで40万円を超えた場合は、超過分を課税口座(特定口座や一般口座)で買い付ける。

つみたてNISA(積立NISA)で30万円しか買付しなかった場合、残りの10万円は翌年に繰り越しできる?

つみたてNISAの非課税枠は、その年に使い切れず余っても翌年に繰り越しはできない。

つみたてNISA(積立NISA)で投資信託を買い換える「スイッチング」はできる?

保有している商品を売却し、その資金でほかの商品を購入する「スイッチング」はできる。ただし非課税枠を消費するため、非課税枠を使い切っている場合は買付できない。

つみたてNISA(積立NISA)で購入した株式投資信託の分配金はすべて非課税になる?

分配金が収益から支払われる「普通分配金」の場合は、非課税になる。一方、投資元本からの払戻金である「特別分配金」に当たる場合は、元々課税対象ではないため非課税メリットも受けられない。

つみたてNISA(積立NISA)で商品を売却した場合、売却したお金でほかの商品を購入できる?

その年に買い付けた合計代金が非課税枠の40万円以内なら、売却資金で他の商品を購入可能である。例えば、10万円購入し20万円で売却した場合、残りの投資可能額は非課税枠40万円からすでに買い付けた10万円を差し引いた30万円が上限になる。

つみたてNISA(積立NISA)の金融機関の変更には手数料がかかる?

金融機関の変更に手数料はかからない。手続きは変更したい年の前年10月1日から変更年の9月30日までに、必要な書類を提出しなければならない。なお、変更する年の1月1日以降に買付をした場合は、変更できるのは翌年になる。

つみたてNISA(積立NISA)の金融機関を変更したら保有している資産はどうなる?

金融機関を変更した場合、変更前のつみたてNISA口座で保有する資産は変更後の金融機関には移せない。ただし、変更後であっても変更前の金融機関で保有する資産は最長20年間、非課税になる。

つみたてNISA(積立NISA)を運用している金融機関で一般NISAに切り替えると保有資産はどうなる?

つみたてNISAから一般NISAに切り替えた場合、つみたてNISAで新たな買付はできなくなるが、保有資産の非課税期間は最長20年間で変わらない。

つみたてNISA(積立NISA)の非課税期間が終了すると保有している資産はどうなる?

非課税期間終了後は、保有資産が課税口座(特定口座や一般口座)に時価で払い出され、その時点で値上がりしているか値上がりしているかで売却時の課税関係が変わる。値上がりの場合は、払い出し時点までの含み益には課税されない。値下がりの場合は、払い出し時点の時価が新たな取得価格となり、その後の上昇分は課税対象になる。

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國村功志
執筆・國村功志
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも開催。CFP®、証券外務員一種保有。
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも行っている。CFP®、証券外務員一種保有。
 
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