株式投資「デイトレード」の始め方 銘柄の選び方、NG行動、おすすめネット証券などを紹介

2020.5.17
INVESTMENT
(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
プロトレーダーが存在する「デイトレード」。詳細を知らないまま、敬遠してしまっているという初心者もいるだろう。信憑性の低い情報もある中、ここではデイトレードという投資手法やメリット・デメリット、銘柄の探し方など、現物取引に特化した基本的な情報をわかりやすく解説していこう。

目次
1,デイトレードとは?――1日で完結する短期投資手法
2,デイトレードを成功させるポイント
3,デイトレードにおすすめのネット証券3選
4,デイトレードでの3つのNG行動
5,同じ短期トレードのスキャルピングやスイングトレードと何が違うのか?
6,デイトレードは持続的な集中力のある人が有利

1,デイトレードとは?――1日で完結する短期投資手法

デイトレードとは、ポジションを翌日に持ち越さず、その日のうちに完結させる投資手法のことだ。1回あたりの利ざやは小さいが、1日に何度も取引を繰り返して利益を積み上げる、いわゆる薄利多売型の手法である。一般的な株式の長期投資とデイトレードは、銘柄の選び方や利益の出し方などがまったく違うので、デイトレード特有のスタイルを学ぶ必要がある。

デイトレードでターゲットとする投資対象 値動きの大きな銘柄に注目

デイトレードは1日という時間の中で利益を出すことを目的としているため、銘柄選びにおいては企業の成長性や安定性を重視せず、その時点で値動きの大きな銘柄をあえて選ぶ。その日のうちに売買を完結させるために、いつでも売買できるだけの流動性のある銘柄を狙うこともデイトレードの特徴だ。

スイングトレードや一般の中長期投資と違って、デイトレードでは翌日にポジションを持ち越さない。そのため、立会終了後の決算発表や海外の経済指標発表などが原因で、翌日の寄り付きで株価が暴落するといったリスクはない。

デイトレードに必要なもの 投資情報収集のための環境

デイトレードはその特殊性から、設備環境を整えて取引に臨む必要がある。銘柄選びのための投資情報や投資判断を下すための板情報、株価チャート、各種指数情報などを短時間で一気に分析しなければならないので、パソコンには少なくとも、2~3つ以上のモニターを実装する必要がある。

ネット証券の高機能取引ツールや分析ツールも、パソコンにインストールしておく必要がある。ダウンロードタイプのツールは、リアルタイムで株価が更新されるので、デイトレードには欠かせない。

2,デイトレードを成功させる3つのポイント――銘柄選び、購入と売却のタイミング

デイトレードでは、企業の業績や財務分析ではなく、チャート分析によって過去の値動きから将来の値動きを予測する。そのため、予測と結果を科学的に検証し、次の取引に向けた戦略を立てて、実践することが求められる。このサイクルを淡々と回すことが、デイトレードを成功させるための第一の秘訣だ。

立会時間中は、あらかじめ選定した銘柄の動向をモニターで監視しながら、銘柄に関連する好材料のニュース発表がないかチェックする。このように、株価が動いたときに瞬時に反応できる体制を整えておくことも、デイトレードでは重要だ。

次に、デイトレード成功のカギを握る銘柄選びや、売買のタイミングについて説明しよう。

ポイント1、銘柄の選び方――どのように値動き・取引量の多い銘柄を選ぶか

短時間でも利益が出る値動きの大きな銘柄や、活発な取引が行われている銘柄を探すには、ネット証券のメインサイトや取引ツール、あるいはYahoo!ファイナンスのランキングが便利だ。値上がり率ランキング、値上がり幅ランキング、出来高ランキング、売買代金急増ランキングなど、値動きの大きさや取引量がわかるランキングが役に立つ。

いくつかのランキングで横断的に上位にランキングされている銘柄群を「今日の監視銘柄」として、寄り付きまでにリストアップしておこう。当日の立会時間中は、この「今日の監視銘柄」を常時チェックしながら待機することになる。

ランキングを確認するときは、新興市場にも注目してほしい。値動きの大きな銘柄は、一般的には東証一部上場の大型株より、東証マザーズあるいはJASDAQ上場の中・小型株である場合が多い。

ポイント1、購入タイミング=入口の見極め――値上がり銘柄は寄り付きでの購入を目指す

デイトレードの立会時間中は、「板情報」と「歩み値」で値動きをチェックする。売買のタイミングを計るのも、この2つが基本だ。チャートは株価に遅れて反応するので、取引の振り返りや戦略立案のために使ってほしい。

初心者が現物でデイトレードをするなら、当日の値上がりが予想される銘柄を寄り付きで購入し、値上がりを確認して売却するのが理想的だ。チャート分析で値上がりが予想されるような銘柄には、寄り付き前に多くの買い注文が入る。この時に重要なのは、寄り付きで株を購入すること。それ実現するには「成行で買付注文」を出すといいだろう。

大口の買い注文などが入った場合は、予想より高い約定価格になる可能性はある。それでも、その後弾みがついて値上がりすることも多いので、それなりの利益を期待できる。

指値で注文する場合も板情報を見て、買える可能性の高い価格を指定する。ギリギリの価格で指値を入れるのは、購入できない可能性があることを考えると、デイトレードの戦略としては正しくない。

ポイント2、売却タイミング=出口の見極め――板の厚さが反転する頃

株価が予想通り上昇すると、ある時点から売却される株が増え始めて、売り板が厚く(売りの指値注文が少なく)、買い板が薄く(買いの指値注文が少なく)なってくる。天井を判断するのは難しいので、この状況が見られたら売り時と考えて、素早く「成行の売付注文」を出すといいだろう。

指値で売付注文を出すときは約定することを優先して、上値と見られる価格の少し下の価格を指定する。一気に売りが進んで、指定した価格で売れなくなるリスクもあるので、板の変化には注意したい。

ネット証券の高機能取引ツールで見ることができる「歩み値」も、買い時や売り時を判断する材料になる。

【A社歩み値】

「歩み値」には、実際に約定した取引が時系列で表示される。上の画像では赤字は買い、青字は売りを示している。

この銘柄は、画像にある11時19分時点で大量の売り注文が約定している。中には、出来高5万500株、投資総額7,373万円の大口の売り注文もある。歩み値を見る限りでは、この後株価が下がることが予想されるので、寄り付きで購入した株をここで売却するのが適当と判断できる。

同日のチャートで確認すると、〇で囲まれた11時19分を境に株価が下がっていることがわかる。

【A社株価チャート】

歩み値では、リアルタイムで取引ごとの出来高やスピード感を確認できるため、その後の値動きの予想を立てやすい。

3,デイトレードにおすすめのネット証券3選 楽天、松井、auカブコムの特徴を紹介

デイトレードに適したネット証券とは、銘柄選びのしやすさ、チャート分析など投資情報の多さ、そして手数料の安さを備えた証券会社のことだ。そんな、デイトレードにおすすめのネット証券と特長を紹介する。

おすすめネット証券1、楽天証券 膨大な情報量の「マーケットスピード」を使える

楽天証券の「マーケットスピード」は、株式市況や経済関連ニュースの量が圧倒的に多い。デイトレード対象銘柄の株価は、会社発表や経済ニュースに敏感に反応する。マーケットスピードの多彩な情報を活かして、迅速に対応できるので便利だ。

テクニカルチャートや注文状況など、発注に関連するあらゆる情報を取り込む「武蔵」は、1画面ですべての作業ができるので重宝する。

おすすめネット証券2、松井証券――「デイトレ適性ランキング」が役に立つ

松井証券は、デイトレーダーのサポートに力を入れているのが特徴だ。

松井証券のPC向けトレーディングツール「ネットストック・ハイスピード」では、デイトレード銘柄選びで重宝する「デイトレ適性ランキング」を利用できる。流動性の高い銘柄の中から、値動きの大きな銘柄を抽出したランキングなので、多くの情報をチェックする手間を省ける。

また、ネットストック・ハイスピードの分析機能「株式マーケットウォッチャー」や、デイトレード専用の「一日信用取引」、1日合計50万円の約定代金まで無料の「ボックスレート(1日定額手数料)」なども用意されている。デイトレーダーにとって、利用価値の高いネット証券と言えるだろう。

おすすめネット証券3、auカブコム証券――「カブボードフラッシュ」が使いやすい

「カブボードフラッシュ」はブラウザ版ながら、登録銘柄の現値や板、チャートなどを項目別に1画面に30件まで表示できる。見やすいので、立会時間中のデイトレード監視銘柄のチェックに役立つ。

同じくブラウザ版の「投資分析ツール」には、ウルトラチャート、kabuスコープ、kabuカルテなど、あらゆる投資情報を簡単に取得できる。使える投資情報が多彩で、使い勝手が良い。

4,デイトレードでの3つのNG行動 ロスカットできない、指値へこだわり、情報商材頼りなど

ここまで、デイトレードの銘柄やおすすめネット証券会社を紹介してきた。デイトレードをいざ始める際、やってはいけないことがいくつかある。ここからは、3つのNG行動を紹介していこう。

NG行動1,ロスカットできない→ロスカットルールの徹底、少なくとも指成を

1日に5回行った取引のうちの4回で、ロスカットにより1万円ずつ、合計4万円の損失が出たとしても、残りの1回で6万円の利益が出れば、1日で2万円の勝ちになる。デイトレーダーは、ロスカットはあって当たり前と考えて、ロスカットルールの徹底を心がけよう。

常時モニターの前で値動きを監視していても、株価の急騰や暴落を想定して、新規注文時の逆指値注文や条件付注文は必須と考えよう。

その場を離れなければならない場合、またはできる限り指値での注文を継続したければ、少なくとも、指成注文(指値注文が約定しなければ、自動的に大引けで成行注文に変わる注文方法)を入れておくべきだ。

NG行動2,指値にこだわりすぎる→成行主体で考える

デイトレードは1分1秒の差が結果を左右するだけでなく、その日のうちに決済を完結しなければならないという特殊性もある。指値価格にこだわりすぎて、取引が成立しない、あるいは損失が拡大する事態は避けたい。よって、ギリギリの指値で注文を入れるのはNGだ。

初心者は「大局的に見て利益が出ればOK」と考えて、成行を軸に注文を出すほうがいいだろう。

NG行動3,情報商材に頼る→「これで勝てる」と謳う商材より、科学的分析を

「デイトレードで~億稼いだ」「この方法なら絶対勝てる」などといった売り文句の情報商材は、あくまで他人の勝ちパターンだ。参考にしても、鵜呑みにしないこと。

デイトレードは綿密なチャート分析、板と歩み値の分析、結果検証、そして実践というPDCAサイクルの上に“勝ち”がある投資手法だ。さまざまな情報を取り入れながら、自分に合った方法を見つけるべきだ。

5,同じ短期トレードのスキャルピングやスイングトレードと何が違うのか?

短期投資の手法には、デイトレードの他に、スキャルピングとスイングトレードという手法もある。この3つの手法には、どのような違いがあるのか確認しておこう。

短期投資手法3種の比較
手法 取引サイクル 特徴 対象者
デイトレード ・数分~数時間に1回
・長くてもその日
のうちに手仕舞い
・1日に数回~数十回
・ポジションを翌日
に持ち越さない
・利益幅は中程度
・投資判断は主に
板情報、歩み値、
(チャート)
初心者、
もしくは
中上級者~
スキャルピング ・数秒~数分に1回
・何度も取引を
繰り返す
1円の値動きでも
利確して、それを繰り返す
ことで利益を積み重ねる
・利益幅は小さい
・テクニカル分析
・強い精神力が必要
上級者、プロ
スイングトレード ・数日~数週間、
長くても3ヵ月
程度に1回
・ポジションを保有
したまま、翌日以降
に持ち越す
・利益幅は大きい
・投資判断は主に
チャート分析
初心者~

6,デイトレードは持続的な集中力のある人が有利

デイトレードといえば、専業トレーダーや証券ディーラーの仕事と思われがちだ。しかし時間の確保と自分なりの勝ちパターンを見つけられれば、デイトレードは初心者の投資手法としても十分成り立つ。

ただし「稼げるデイトレーダー」となると、持続的な集中力と迅速な判断力、広範なデータの分析力を持ち、日々の振り返りを実践できることが条件になるだろう。これらに自信のある人であれば、一度挑戦してみるのもいいかもしれない。

文・近藤真理(フリーライター)
 

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