これから株式投資を始める人の中には、長期的かつ本格的な投資に取り組みたいと考えている人も多いと思う。だとしたら、直感やイメージに頼った投資ではなくしっかりとした知識や情報、分析に基づいた投資を行えるように、関連する資格や検定を取得してみてはいかがだろう。

目次

  1. 1,『外務員資格試験(二種・一種)』――証券営業員の基本資格取得を目指せる
  2. 2,『日商簿記検定2級』――財務諸表を作成する知識を学べる
  3. 3,『ビジネス会計検定2級』――財務諸表を分析する力を身に付ける
  4. 4,『ファイナンシャルプランナー(FP技能士)検定』――個人の資産管理方法を幅広く学ぶ
  5. 5,経済や会計の知識を学んで株式投資や資産運用に活かす
  6. 株式投資に生かせる資格についてよくある5つのQ&A
  7. 実際に株式投資を始めてみる

1,『外務員資格試験(二種・一種)』――証券営業員の基本資格取得を目指せる

金融商品取引業務を行う人には必須の資格で、証券外務員の資質を確保するために日本証券業協会が実施している。

近藤真理

証券営業に携わる銀行や証券関係者だけでなく、一般の人でも受験できます。

外務員試験は、一種外務員資格試験と二種外務員資格試験の2種類ある。

二種は、金融商品取引に関する基礎知識全般が問われます。一種はオプション・デリバティブ分野などを含む、より専門的・実務的な内容となります。さらに、一種はコンプライアンスに関わる重要事項についても出題範囲となります。

二種であれば、独学で学習して合格を目指すこともできる。

一種は難易度が高いため、日頃から業務に関わる人でないと独学での合格は難しい。

まずは二種に合格してから、じっくり一種の学習に取り組むのがベターだ。
出典:日本証券業協会『外務員資格』

2,『日商簿記検定2級』――財務諸表を作成する知識を学べる

簿記とは?
簿記とは、企業の活動状況によって変動する「利益」「財産」に関する情報を帳簿に付ける技術や方法のこと。簿記を学ぶことによって、「取引」「勘定」「決算」といった基本的な概念について理解できる。
簿記を学べば、企業の財務状態を客観視できるようになるので、株式投資に必要な銘柄ごとの企業分析や投資判断に役立てられます。

日商簿記検定は他の簿記検定主催団体に比べて知名度や評価が高く、個人事業主を想定した「商業簿記」だけを扱う3級は比較的勉強しやすい。

ただし、「商業簿記」と「工業簿記」の両方が含まれる2級のほうが中小以上の企業、全業種に対応するため、株式投資に活かしやすい。

近藤真理

株式投資の企業分析に必要なPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)をはじめとする指標や連結財務諸表については別途、知識を補う必要があるでしょう。

出典:日本商工会議所『簿記』

3,『ビジネス会計検定2級』――財務諸表を分析する力を身に付ける

ビジネス会計検定では、財務諸表に関する知識や分析力が問われるため、財務諸表の見方や、ビジネスにおよぶ影響を理解できます。

公式テキストを学習したり、各教育機関が公表・配付する模擬試験問題や模範解答集などを利用した勉強が可能。

3級では財務諸表の基礎知識と、財務諸表を使ってできる基本的な分析が出題範囲となっている。

2級は連結財務諸表について学ぶとともに、より多くの分析指標や企業の採算性を見積もる損益分岐点分析など高度な領域についても学べる。

近藤真理

簿記の知識がある人や、業務上財務諸表に接している人は、実践的でより高度な分析手法を学ぶためにも2級取得を目指して勉強するとよいでしょう。

出典:大阪商工会議所『ビジネス会計検定試験』

4,『ファイナンシャルプランナー(FP技能士)検定』――個人の資産管理方法を幅広く学ぶ

(画像=日本FP協会 公式サイトより)
ファイナンシャルプランナー(FP)とは?
ファイナンシャルプランナー(FP)は、相談者の価値観やライフスタイルや経済環境を前提に、家族の状況や収入と支出、資産、負債、保険などあらゆる個人の経済事情を分析して、それぞれに最適な資産設計のアドバイスをするための資格。

日本FP協会が認定する資格には、「CFP資格」(上級資格)、「AFP資格」、「FP技能士(1~3級)」がある。

FPは家計に関わる税制、年金制度、不動産、住宅ローンなど幅広い経済全般の知識や、さまざまな財務データを分析する技術力が習得できます。
近藤真理

FP関連の資格取得によって、広範な金融知識や経済状況を分析する力が身に付きます。金融データの分析方法や株式投資について掘り下げた知識を学ぶために、まずはFP技能士3級または2級の取得を目指すのがよいでしょう。

出典:日本FP協会『FP資格について』

5,経済や会計の知識を学んで株式投資や資産運用に活かす

(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

資格や検定を取得するということは、株式投資や資産運用に大いに役立てることができる。

近藤真理

学習の過程で経済や会計の基礎知識を体系的に学べ、マーケット分析や企業分析に役立つデータ分析技術が身に付く資格や検定ならば、受験のための学習にも意味があります。その上で、資格試験や検定に合格できれば一石二鳥です。

株式投資に生かせる資格についてよくある5つのQ&A

株式投資に生かせる資格や検定にはどのようなものがあるか?
証券営業員の基本資格取得を目指せる『外務員資格試験(二種・一種)』、財務諸表を作成する知識を学べる『日商簿記検定2級』―、財務諸表を分析する力を身に付ける『ビジネス会計検定2級』、個人の資産管理方法を幅広く学ぶ『ファイナンシャルプランナー(FP技能士)検定』などがある。

外務員資格試験とは何か?
金融商品取引業務を行う人には必須の資格で、証券外務員の資質を確保するために日本証券業協会が実施している。二種は、金融商品取引に関する基礎知識全般が問われ、一種はオプション・デリバティブ分野などを含む、より専門的・実務的な内容となる。さらに、一種はコンプライアンスに関わる重要事項についても出題範囲となっている。

日商簿記検定とは何か?
日本商工会議所が主催する検定。簿記を学ぶことによって、「取引」「勘定」「決算」といった基本的な概念について理解できる。個人事業主を想定した「商業簿記」だけを扱う3級は比較的勉強しやすい。ただし、「商業簿記」と「工業簿記」の両方が含まれる2級のほうが中小以上の企業、全業種に対応するため、株式投資に活かしやすい。

ビジネス会計検定とは何か?
大阪商工会議所の主催する検定。財務諸表に関する知識や分析力が問われるため、財務諸表の見方や、ビジネスにおよぶ影響を理解できる。3級では財務諸表の基礎知識と、財務諸表を使ってできる基本的な分析が出題範囲となっている。2級は連結財務諸表について学ぶとともに、より多くの分析指標や企業の採算性を見積もる損益分岐点分析など高度な領域についても学べる。

ファイナンシャルプランナー検定とは何か?
日本FP協会の主催する検定。ファイナンシャルプランナー(FP)は、相談者の価値観やライフスタイルや経済環境を前提に、家族の状況や収入と支出、資産、負債、保険などあらゆる個人の経済事情を分析して、それぞれに最適な資産設計のアドバイスをするための資格。「CFP資格」(上級資格)、「AFP資格」、「FP技能士(1~3級)」がある。

実際に株式投資を始めてみる

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近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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