ネット証券は金融商品が充実しており、比較的安い手数料で取引できるため個人投資家にとても人気だがデメリットもある。本記事ではネット証券口座開設のデメリットとメリットを徹底検証するとともに、店舗型の証券会社との違いを解説しながら、ネット証券の良い点、良くない点を探っていく。
- 店頭に行く手間をはぶける
- 手数料が安い
- 豊富な投資情報から、銘柄を選ぶことができる
- 手数料を抑えながら、より多くの投資情報から銘柄を選びたい人はネット証券での開設がおすすめ
- おすすめはSBI証券と楽天証券。IPO実績や投資信託の取り扱い本数が他社と比べて圧倒的!
2023年1月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | |||||
国内現物株式 取引手数料 <1約定ごと プラン> |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
※1日定額 コースのみ |
IPO実績 (2021年) |
122社 | 74社 | 65社 | 42社 | 56社 |
単元未満 株取引 |
◎ S株 |
× 買取請求のみ |
◎ ワン株 |
◎ プチ株 |
× 売却のみ |
投資信託 取扱本数 |
2662本 | 2662本 | 1278本 | 1604本 | 1632本 |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
ネット証券とは?
ネット証券と店舗型証券の最大の違いは、「担当者への相談の有無」と手数料の安さだ。
担当者に相談しながら銘柄を決めたい人は店舗型証券、コストを優先したい人はネット証券がおすすめだ。
ネット証券 | 店舗型証券 | |
---|---|---|
店舗・担当者 | なし | あり |
相談 | できない | 可能 |
手数料 | 安い | 高い |
ネット証券の6つのデメリット
ネット証券には主に以下6つのデメリットがある。
ネット証券のデメリット1……アドバイスを直接、証券会社の担当者からもらうことができない
通常、ネット証券には担当者がつかない。
そのため投資にあまり詳しくない人や初心者は、総合証券で担当者と相談しながら株を買うほうが、安心して投資できるケースもある。
特に仕事で忙しく、具体的な銘柄や市場のトレンドを調べる時間がない投資家にとって、信頼できる担当者からの助言は投資判断の助けになる。
もしも証券会社の担当者と相談しながら投資先を決めたいなら、ネット専業の証券会社は物足りなく感じるでしょう。
一方で、担当者からの営業を煩わしく思う人には、ネット証券のほうが合っている。
ネット証券のデメリット2……株取引初心者が注文を間違えても自己責任
100株買い注文をするところを、桁を間違えて1,000株と入力してしまい約定しても、取引をなかったことにはできない。
約定していない注文は取り消すこともできるが、それもネット証券の取引画面に慣れていないと戸惑うこともあるだろう。
身近に株取引に慣れていて教えてくれる人がいないと、初心者は一人で分かりにくい取引をしなければならない。
ネット証券を初めて使う人は、株取引を良く知る身近な人にアドバイスをもらったり、少額から取引を始めたりしたほうがいいでしょう。
またパソコンやスマートフォンにも慣れていないとネット証券は使いにくく、これらの操作も十分にできないとネット証券の強みを生かしきれない。
ネット証券のデメリット3……自分で投資方法を決めたり考えたりしなければいけない
大手のネット証券では、国内株式や海外株式、投資信託、債券、FX、先物、コモディティなど様々な金融商品の注文ができる。
ネット証券を最大限に活用するためには、主体的に投資について学んだり、日々のニュースにも注意したりしなければなりません。
ネット証券のデメリット4……ネット証券だけだとIPO投資に不利
IPO株は、誰でも必ず買えるわけではない。
まずIPOの取り扱い割り当て株数は、証券会社によって異なる。
またネット証券では、IPO株が買えるかどうかは抽選で決まるが、総合証券では抽選によらない裁量配分という方法で、資金量や取引量などで当選が決まるケースもある。
ネット証券のデメリット5……セキュリティ上のリスクがある場合も
ネット証券の取引は、パソコンやスマートフォンで行われる。
仮想通貨のネット取引では、セキュリティが破られ、資産が抜きとられるという事件が発生している。
証券会社でのパソコンやスマートフォンを使った株取引でも、IDやパスワードなどの管理はしっかり行いましょう。
ネット証券のデメリット6……通信環境によっては機会損失のリスクがある
店舗型の対面証券なら電話や店頭で注文できるため、ネット証券のデメリットといえる。
ネット証券によってはコールセンターでの注文も受け付けています。一般的に、通常より手数料が高いものの、通信環境が不安定なときの注文方法として一考してみましょう。
出典:SBI証券
ネット証券のメリット
ネット証券のメリットは主に以下3つが挙げられるだろう。
ネット証券のメリット1……店頭に行く必要がない
ネット証券の場合、顧客はインターネットを通じて取引できる。
店舗型証券の多くは土日祝日が休日で、また平日も営業時間が9~15時前後と短い。
大和証券 新宿支店……平日8:50〜15:30
日興証券 新宿支店……平日9:00〜15:30
忙しくて店頭へ行く時間がない方には、ネット証券はメリットが大きいでしょう。
ネット証券のメリット2……手数料が安い
【店舗型証券とネット証券 株式手数料の比較】
取引金額 | ||||
---|---|---|---|---|
10万円 | 50万円 | 100万円 | ||
店舗型証券 | 野村證券 | 2,860円 | 7,150円 | 1万2,188円 |
大和証券 | 2,750円 | 6,325円 | 1万2,650円 | |
ネット証券 | SBI証券 | 99円 | 275円 | 535円 |
楽天証券 | 99円 | 275円 | 535円 |
ネット証券のメリット3……豊富な投資情報
口座を開設したり、取引ツールを活用することで、以下のような情報が入手・閲覧できる。
・アナリストによるレポート
・株価情報
・取引金額や過去の高値・安値などの情報
大手ネット証券会社5社の特徴は?
ネット証券とひと口にいっても、その内容はさまざまだ。
ここでは以下5社の大手ネット証券を紹介したい。
2023年1月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | |||||
国内現物株式 取引手数料 <1約定ごと プラン> |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
※1日定額 コースのみ |
IPO実績 (2021年) |
122社 | 74社 | 65社 | 42社 | 56社 |
単元未満 株取引 |
◎ S株 |
× 買取請求のみ |
◎ ワン株 |
◎ プチ株 |
× 売却のみ |
投資信託 取扱本数 |
2662本 | 2662本 | 1278本 | 1604本 | 1632本 |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
SBI証券……ネット証券を牽引するトップランナー
・SBI証券:20兆円(2021年6月末)
・楽天証券:14.0兆円(2021年9月末)
・マネックス証券:5.4兆円(2021年9月末)
・松井証券:2.9兆円(2021年8月末)
楽天証券……総合証券口座、外国証券口座ともに急激にシェアを拡大
ネット証券で初めて600万口座を達成したのはSBI証券だが、約2ヵ月遅れて楽天証券も到達した。
また外国証券口座については楽天証券のほうが明らかに多い。
総合証券口座 | 外国証券口座 | |
---|---|---|
SBI証券 | 600万口座 (2021年3月) |
300万口座 (2021年6月) |
楽天証券 | 600万口座 (2021年5月) |
600万口座 (2021年6月) |
PayPay証券……1,000円で日米の株式に投資できるスマホ証券のパイオニア
株価の大きな株式にも少額投資できるため、資金が潤沢にない人にはメリットが大きいでしょう。
松井証券……取引額が1日50万円以下の場合手数料無料
出典:松井証券『手数料』
本記事執筆時点(2021年10月21日)では外国株式の取り扱いはないが、2022年2月から米国株式の取り扱いを始める予定。
出典:松井証券『米国株式サービス提供に関するお知らせ』
マネックス証券……手数料無料で単元未満株が購入できる
出典:マネックス証券『ワン株』
一般的に、単元未満株のサービスは少額取引できる反面、100株単位の取引より手数料が高い傾向にある。
ワン株なら買付手数料が無料なので、1株単位で取引したいならマネックス証券を検討してみましょう。
【主な単元未満株サービスの手数料】
買い | 売り | |
---|---|---|
マネックス証券 (ワン株) |
無料 | 0.55% |
SBI証券 (S株) |
0.55% | 0.55% |
auカブコム証券 (プチ株) |
0.5% | 0.5% |
ネット証券を利用するのに向いている人
上述したデメリットを踏まえると、ネット証券が向いているのは以下のような方だ。
- 投資判断に自信がある
- パソコンなど十分な取引環境を用意でき、かつ十分にその操作ができる
ネット証券は担当者がいないため投資相談ができない。
投資情報の収集から売買の判断まで、顧客はすべて自己責任で行う必要がある。
取引環境も大切だ。
ネット証券はインターネットに接続できる環境にないと取引できず、また誤発注も原則取り消しができない。
これらに対処できる場合、ネット証券がおすすめです。手数料の安さや豊富な投資情報など、ネット証券のメリットを活かして取引できるでしょう。
店舗型証券会社とは
店舗型証券は店舗を持ち、顧客一人一人に担当者を配するフルサービスの証券会社だ。
従来からある伝統的な証券会社で、預かり資産ベースではネット証券よりも圧倒的なシェアを持つ。
・野村證券:126.6兆円
・大和証券:75.3兆円
・SMBC日興証券:70.1兆円
(参考)SBI証券:20兆円
店舗型証券会社のメリット
- 投資相談
- 調査依頼
投資情報の調査や商品の提案を依頼できる点もメリットだ。
投資の経験や知識を持っていても、忙しく資産運用に割ける時間がないという方は少なくない。
そのようなケースでも、担当者に依頼すれば投資に必要な情報を得られるだろう。
店舗型証券会社のデメリット
- 手数料の高さ
【(再掲)店舗型証券とネット証券 株式手数料の比較】
取引金額 | ||||
---|---|---|---|---|
10万円 | 50万円 | 100万円 | ||
店舗型証券 | 野村證券 | 2,860円 | 7,150円 | 1万2,188円 |
大和証券 | 2,750円 | 6,325円 | 1万2,650円 | |
ネット証券 | SBI証券 | 99円 | 275円 | 535円 |
楽天証券 | 99円 | 275円 | 535円 |
手数料の高さは売買を頻繁に繰り返すほどデメリットが大きいです。短期的な取引をしたい場合は、店舗型よりもネット証券のほうが向いています。
店舗型証券会社を利用するのに向いている人
上述の内容から、店舗型証券は以下のような方に向いている。
- 相談しながら投資したい
- 中長期的な投資をしたい
投資相談できる点は、ネット証券にない店舗型証券のメリットだ。
専門家から助言を受けながら投資したい方は店舗型証券を選ぶといいだろう。
しかし、店舗型証券会社はやはり手数料が高いため短期的な取引には向きません。店舗型証券は、その中でも中長期投資をしたい方に向いているでしょう。
2023年1月時点
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
会社名 | |||||
国内現物株式 取引手数料 <1約定ごと プラン> |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
~5万円:55円 ~10万円:99円 |
※1日定額 コースのみ |
IPO実績 (2021年) |
122社 | 74社 | 65社 | 42社 | 56社 |
単元未満 株取引 |
◎ S株 |
× 買取請求のみ |
◎ ワン株 |
◎ プチ株 |
× 売却のみ |
投資信託 取扱本数 |
2662本 | 2662本 | 1278本 | 1604本 | 1632本 |
外国株式 取扱国数 |
9カ国 ※1 |
6カ国 ※2 |
2カ国 ※3 |
米国のみ | 米国のみ |
つみたてNISA (取扱銘柄数) |
◎ 184本 |
◎ 182本 |
◯ 156本 |
◎ 177本 |
◎ 177本 |
口座開設数 | 833万口座 | 805万口座超 | 217万口座 | 147万口座 | 141万口座 |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
詳細はこちら 公式サイトへ |
ネット証券のデメリットについてよくある5つのQ&A
実際に株式投資を始めてみる
口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位
>>SBI証券の口座開設はこちら)
口座開設数2位、外国株や投資信託に強く、マーケットスピードも使える
>>楽天証券の口座開設はこちら
米国株の取り扱いが豊富、ワン株も取引可能
>>マネックス証券の口座開設はこちら
株主優待名人の桐谷さんも開設、少額取引の手数料が0円
>>松井証券の口座開設はこちら
取引コストが抑えられ、中上級者も検討したい
>>ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)の口座開設はこちら
IPO当選確率を上げるなら!ツールも魅力的
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら
手数料が業界最安値水準な上に取引でポイントがたまる
>>DMM 株の口座開設はこちら
現物・信用ともに低コスト!
>>GMOクリック証券の口座開設はこちら
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
【関連記事】
・初心者向けネット証券ランキング
・ネット証券NISA口座ランキングTOP10!
・つみたてNISA(積立NISA)の口座ランキングTOP10
・日本の証券会社ランキングTOP10 売上高1位は?
・スマホ証券おすすめ6社を比較!ネット証券との違いや手数料など>
・楽天証券のメリットとデメリット SBI証券と比較 >