ネット証券と総合証券の違いはなんだろうか?違いから発生するそれぞれのメリットとデメリットを把握することで、資産運用もよりストレスなくできるだろう。ここでは、それぞれの証券会社がどんな投資家タイプに向いているかも紹介していこう。
1,ネット証券と総合証券の3つの違い
最初に、ネット証券と総合証券の大きな違いを確認しておこう。証券会社選びは、この違いにもとづいて、自分にとって都合の良い証券会社はネット証券と総合証券のどちらなのかを判断することから始めたい。
- 実店舗があるか、ないか
- 顧客一人ずつに営業担当者が付くか、付かないか
- すべて自己判断による投資か、コンサルティングを受けられるか
違い1,実店舗があるか、ないか
ネット証券と総合証券の最大の違いは、以下のとおりだ。
- ネット証券は基本的に実店舗を持っていない
- 総合証券には顧客対応窓口が設けられている店舗がある
実店舗を保有・運営しているかどうかは、施設維持費や人件費などの経費に大きく影響し、結果的に証券会社ごとの取引手数料が決まる要因になる。
実店舗があると、顧客が選択できる注文チャネルが「店頭、インターネット、コールセンター」の3チャネルになり、実店舗がないと「インターネットのみ、もしくはコールセンターも利用可(ネット証券による)」になります。
違い2,顧客一人ずつに営業担当者が付くか、付かないか
ネット証券では、顧客に営業担当者がつくことはない。
ネット証券への各種問い合わせは、メールやAIチャット、コールセンターへの電話で行われる。 電話注文ができるネット証券でも、コールセンターのオペレーターが注文を受け付けるのが通常だ。
それに対して総合証券(対面取引コース)では、顧客1人につき、営業担当者が1人ずつ割り振られる。この専任担当者が基本的に顧客の窓口となって、来店時対応や電話相談受付、新商品の案内、投資運用の相談、注文受付まで、サービス全般を請け負う。
違い3,すべて自己判断による投資か、コンサルティングを受けられるか
ネット証券では、原則的にすべて自己判断で取引を行う。銘柄は、ネット証券のサイト上にある検索機能を利用して選択する。あるいは、さまざまな投資情報を参考に銘柄を選ぶ。注文も、ネット証券サイトにログインして、注文画面から自分で発注する。
総合証券の対面取引コースでは、投資運用方法に困ったり、銘柄選択に迷ったりした時は、専任担当者に相談すれば適切な助言を受けることができる。取引も、担当者を通して発注する。
2,ネット証券と総合証券、それぞれのメリット・デメリットは?
これらの違いは、手数料に影響を与えるだけでない。ネット証券と総合証券のメリット・デメリットを簡単に比較すると、以下のようになる。
ネット証券と総合証券 メリット・デメリット比較表
ネット証券 | 総合証券 | |
---|---|---|
取引手数料 | 安い | 比較的高め |
投資の助言 | なし | あり |
IPO | ・個人投資家向け配分が多い ・完全平等抽選のネット証券が多い ・一部ネット証券では、 IPO取扱件数が少ない |
・機関投資家向け配分が多い ・個人投資家向けの抽選による 配分割合は多くない ・主幹事案件や取扱件数が多い |
投資信託取扱本数 | 取扱件数が豊富 | >取扱件数が限定的 |
外国株取扱本数 | ・SBI証券、楽天証券、 マネックス証券の3社のみ取り扱い ・米国株、中国株中心に 多くの銘柄を取引できる |
・米国株と中国株など、大和は取扱本数が多い ・野村や日興などでは主要銘柄のみ取引できる ・総合証券によっては、注文が店舗か コールセンター受付に限定される場合あり |
投資情報の内容や量 | ・検索機能や投資情報ツールが充実 ・外国株の投資情報は限定的 |
>・非常に多彩で豊富 ・専属アナリストや自社作成レポートなど多数 |
口座開設数No1
|
投資信託に強い
|
米国株が豊富
|
詳細こちら (公式サイトへ) |
詳細こちら (公式サイトへ) |
詳細こちら (公式サイトへ) |
3,ネット証券のメリット・デメリット 手数料が安い反面、自己判断が求められる
ネット証券のメリット・デメリットを具体的な例を挙げながら、個人投資家が特に注目したい点を確認していこう。
ネット証券の3つのメリット――手数料の安さ、取引のしやすさなど
ネット証券のメリットは、「手数料」「取引のしやすさ」「銘柄検索ツール」の3つに集約されるだろう。
- 手数料が安い
- 取引がしやすい
- 銘柄検索のためのツールや情報が充実している
・メリット1,手数料が安い
ネット証券大手・SBI証券と総合証券大手・野村證券(店舗)の国内株式1注文の約定代金にかかる手数料を比べてみよう。
約定代金 | SBI証券の手数料 (スタンダードプラン) |
野村證券 (店舗) の手数料 |
野村證券 オンライン専用支店 (オンラインサービス) の手数料 |
---|---|---|---|
5万円以下 | 55円 | 2,860円 | 152円 |
5万円超 10万円以下 |
99円 | ||
10万円超 20万円以下 |
115円 | 330円 | |
20万円超 30万円以下 |
275円 | 1.43% | |
30万円超 50万円以下 |
524円 | ||
50万円超 70万円以下 |
535円 | 1.1%+1,650円 | 1,048円 |
70万円超 100万円以下 |
0.946%+2,728円 | ||
100万円超 150万円以下 |
640円 | 0.800%+3,388円 | 2,095円 |
150万円超 300万円以下 |
1,013円 |
5万円以下の株を購入した場合、1取引につき2,805円もの違いがある。
ネット証券では、1日の約定金額の合計額に対して手数料がかかるプランも用意されている。その場合、楽天証券、松井証券の1日定額制料金は1日の約定代金合計が50万円以下なら手数料はかからない(※楽天証券、松井証券のホームページより)。SBI証券の場合は100万円以下まで手数料無料だ(※SBI証券のホームページより)。
外国株の手数料も安い。米国株を取り扱う主要ネット証券3社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)では、米国株の取引手数料は約定代金の0.495%(税込)、為替スプレッドは片道0.25円だ。
ネット証券で取り扱う投資信託についても、「買付手数料無料」が主流になっています。
・メリット2,取引がしやすい
ネット証券はインターネットを利用する取引なので、メンテナンス時間を除けば、自分の都合の良い時にいつでも注文を出すことができる。さらに、アプリをダウンロードすれば、スマートフォンやタブレットからでも取引できるので、場所を気にせずどこでも取引ができる。
AIチャットも導入されているため、週末や夜中でも簡単な質問なら回答が得られる。
いつでもどこでも取引ができることは本業がある会社員にとっては手数料の安さと並ぶ大きなメリットでしょう。
・メリット3,銘柄検索のためのツールや情報が充実している
ネット証券では、銘柄検索で使用できるスクリーニング機能やランキング情報、分析チャート情報などが充実している。これらを駆使することで、自分の投資方針に適した銘柄を選別しやすくなる。
特に使い勝手が良いと評判のネット証券のサービスは以下だ。
ネット証券の2つのデメリット――すべてが自己判断、加えてセキュリティ上のリスクも
さまざまなメリットがあるネット証券だが、デメリットも押さえておきたい。
- 銘柄選びから取引まで自分で行うため手間がかかる
- セキュリティ上のリスク
・デメリット1,銘柄選びから取引まで自分で行うため手間がかかる
総合証券のように店舗窓口で新規取扱投資信託の案内や、電話で新発債の勧誘を受けることもないので、何に投資するかも含めて、すべて自分で一から探す必要があります。
銘柄選びで迷ったり、保有する株式の売却時期に悩んだりしても、状況に応じたプロのアドバイスを受けることはできない。自分で投資情報を収集し、企業分析を行って、答えを見つけなければならないのだ。
・デメリット2,セキュリティ上のリスク
もう1つのデメリットは、インターネットならではのセキュリティリスクだ。
IDやパスワードを忘れてしまうからといって、クラウド上に保存することは避けましょう。そのクラウドサービスから情報が抜き取られてしまった場合、自分の資産が危険にさらされてしまうからです。
4,総合証券のメリット・デメリット IPOで有利、手数料が高いなど
総合証券には、店舗窓口での対面取引が主体であることによるメリット・デメリットがある。以下で、それぞれを確認していこう。
総合証券の3つのメリット――営業担当者が決まっている、IPOで有利になるなど
- 営業担当者が決まっている
- IPOで有利になる
- 投資情報が豊富
「固定の営業担当者」「IPOで有利」「投資情報の豊富さ」が、総合証券の主なメリットだ。
・メリット1,営業担当者が決まっている
担当者は顧客の運用目的や投資方針を把握しているので、的確な助言や運用プランの提案を受けられるだろう。
折に触れて新商品などの案内や勧誘を受けるので、その都度判断して、興味があれば投資するという流れを作りやすいです。
・メリット2,IPOで有利になる
預かり資産が多ければ、抽選によらない配分や優遇を受けることもあり、有利な条件でIPOに参加できます。
・メリット3,投資情報が豊富
専属アナリストによる個別銘柄調査レポートや最新のマーケット動向レポート、エコノミストやストラテジストによる資産管理アドバイスや相場アドバイスなどが掲載された季刊誌、ウィークリーレポート、マンスリーレポートなど、質の高い投資情報をいつでも閲覧できる。
もちろん店舗に行けば、知識が豊富な営業担当者から、さまざまな投資情報を得ることもできます。
総合証券の2つのデメリット――手数料が高い、取引時間に制約がある
総合証券には、デメリットもある。
- 手数料が高い
- 取引は営業時間内に限られる
・デメリット1,手数料が高い
・デメリット2,取引は営業時間内に限られる
日中多忙な会社員にとっては、対面取引コースは時間的な制約があるのが難点でしょう。
口座開設数No1
|
投資信託に強い
|
米国株が豊富
|
詳細こちら (公式サイトへ) |
詳細こちら (公式サイトへ) |
詳細こちら (公式サイトへ) |
5,ネットと総合、どちらの証券会社が向いている?投資家タイプ別診断
ネット証券と総合証券にはそれぞれ特徴があり、メリットを生かせる投資家のタイプが異なる。具体的に、どのようなタイプの投資家がどちらに向いているかを整理しよう。
近年ネット証券の低コスト志向、手数料無料化が進んでいる。それを踏まえると、ネット証券のメリットを最大限に活かせるのは、低コスト第一主義の人だろう。
また「証券会社からの勧誘は一切お断り」という人や、「銘柄選びから注文まで、自分で納得いくまで調査や分析を行い、自己完結したい」人は、デメリットをカバーできるという意味で、ネット証券が適しているだろう。
投資情報の収集や分析に充てる時間を取れないが、何らかの資産形成をしたいと考える効率性重視の人は、手数料は高めだが、総合証券を検討してみるといいだろう。
商品知識が豊富な営業担当者が、運用方針に適した商品を吟味して、提案してくれるので便利です。
預かり資産が多い人も、大口の資産運用商品が揃い、資産運用サービスだけでなくIPOを含めた各種優遇サービスを受けられる総合証券が向いているだろう。
6,ネット証券と総合証券の違い 証券会社選びの確認ポイントに
ネット証券と総合証券は、窓口対応の有無や手数料など、大きな違いがある。この違いは、証券会社を選ぶ際に最初に確認すべきポイントだ。
それぞれのメリット・デメリットを考慮して、自分の投資方針に合った証券会社を選んでほしい。
ネット証券と総合証券の違いについてよくある7つのQ&A
ネット証券で株式投資を始めてみる
口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位
>>SBI証券の口座開設はこちら
口座開設数2位、外国株や投資信託に強く、マーケットスピードも使える
>>楽天証券の口座開設はこちら
米国株の取り扱いが豊富、ワン株も取引可能
>>マネックス証券の口座開設はこちら
株主優待名人の桐谷さんも開設、少額取引の手数料が0円
>>松井証券の口座開設はこちら
取引コストが抑えられ、中上級者も検討したい
>>ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)の口座開設はこちら
IPO当選確率を上げるなら!ツールも魅力的
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら
手数料が業界最安値水準な上に取引でポイントがたまる
>>DMM 株の口座開設はこちら
現物・信用ともに低コスト!
>>GMOクリック証券の口座開設はこちら
【関連記事】
・初心者向けネット証券ランキング
・ネット証券NISA口座ランキングTOP10!
・つみたてNISA(積立NISA)の口座ランキングTOP10
・日本の証券会社ランキングTOP10 売上高1位は?
・スマホ証券おすすめ6社を比較!ネット証券との違いや手数料など>
・楽天証券のメリットとデメリット SBI証券と比較 >