ネット証券会社を選ぶ上で最も気になるのが手数料の安さ。SBI証券と楽天証券が人気だが、2社と同等またはさらに安い手数料で現物・信用取引できるのが松井証券、SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)、DMM.com証券(DMM株)、GMOクリック証券だ。これら4社の手数料やサービスの特徴を紹介しよう(手数料は税込)。

目次

  1. 1,ネット証券と総合証券の手数料の違い
  2. 2,取引手数料の種類は2つ――「1約定ごと」と「1日定額制手数料」
  3. 3,信用取引の取引手数料も要チェック
  4. 4,松井証券――1日の約定代金合計50万円まで手数料無料
  5. 5,SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)――信用取引手数料完全無料!
  6. 6,DMM.com証券(DMM株)――VIPコースでは信用取引1約定ごと手数料0円
  7. 7,GMOクリック証券――SBI証券や楽天証券より安い手数料を実現
  8. 8,LINE証券――現物取引は低コストを実現、信用取引は手数料0円
  9. 9,その他のネット証券も比較する
  10. ネット証券の手数料についてよくある5つのQ&A

1,ネット証券と総合証券の手数料の違い

(画像= takasu /stock.adobe.com)

ネット証券が人気を集める理由の一つが、「総合証券よりも手数料が安い」という点だ。

ネット証券と総合証券で、なぜ大きく手数料が異なるのだろうか?

ネット証券は店舗運営費を抑えられるので手数料が安い

そもそもネット証券の手数料が総合証券に比べて安いのは、店舗を持っておらず、営業担当者による対面取引も行っていないことが大きな理由だ。

ネット証券では店舗運営の維持費や営業担当者の人件費が発生しない分、手数料を下げても利益を確保できるのです。

総合証券でも近年はインターネット取引に力を入れており、対面取引契約でもインターネット取引ができるだけでなく、インターネット取引専用契約も可能だ。

そのため総合証券では、店舗取引手数料体系と割安なインターネット取引手数料体系の2本立てが一般的になっています。

SBI証券と野村證券を比較

ネット証券と総合証券の取引手数料の違いについて、ネット証券最大手のSBI証券と老舗総合証券の野村證券を例に挙げて実際に比較してみよう。

国内現物株式取引で約定代金が50万円になる場合の取引手数料は、2021年11月4日現在、SBI証券では275円に設定されている。
出典:SBI証券『手数料』

一方、野村證券では店舗取引手数料が3,575円、インターネット取引手数料なら524円だ。
出典:野村證券『手数料・その他費用』

約定代金が100万円の取引手数料になると、SBI証券は535円、野村證券の店舗取引手数料が6,094円、インターネット取引手数料は1,048円となっている。

野村證券のインターネット取引手数料は店舗取引手数料より割安になりますが、それでもSBI証券の格安な手数料には及ばないのが現状です。

これから投資を始める人やコストを抑えて投資をしたい人がネット証券に注目すべき理由は、手数料の安さにある。

2,取引手数料の種類は2つ――「1約定ごと」と「1日定額制手数料」

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

国内株式の取引手数料には次の2種類がある。

  • 「1約定ごと」に手数料が発生するコース
  • 「1日の約定代金合計額ごと」に手数料が発生するコース

ネット証券によって2種類の手数料コースから好みのコースを選択できる場合や、いずれかの手数料しか設けていない場合があります。

数日に1回または月に数回取引する程度であれば、業界最低水準の手数料を設定しているネット証券で1約定ごとの手数料コースを選ぶとよいでしょう。デイトレードならば、1日定額手数料コースを用意しているネット証券を探すのがおすすめです。

2種類の手数料コースが用意されているネット証券では、途中でコース変更もできる。

まずは格安の1約定ごと手数料コースで取引を開始して、株式取引に慣れてデイトレードに変更するタイミングで、1日定額手数料コースに乗り換えるのもよいだろう。

3,信用取引の取引手数料も要チェック

(画像=Looker_Studio/stock.adobe.com)

取引手数料の安さが問われるのは、国内株式を対象にした現物取引だけでなく信用取引についても同じだ。

個人投資家による国内株式売買のうち、信用取引が60%を占めているという実態や、信用取引には金利や貸株料、品貸料といった費用が別途必要になることを考慮すると、信用取引の取引手数料が少しでも安いネット証券を選ぶほうが望ましい。
出典:日本取引所グループ『東証売買内訳データ(信用取引・空売り)の分析【要約版】』

信用取引にも現物取引同様に、1約定代金ごとの手数料と1日定額手数料を用意しているネット証券が多いです。

SBI証券や楽天証券、SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)をはじめとする大口信用取引の手数料が無料になるケースや、松井証券のように日計り取引(新規買い・新規売りした銘柄をその日のうちに決済すること)の手数料が無料になるケースなど、信用取引の手数料無料サービスや値引きサービスもさまざまである。
出典:SBI証券楽天証券SBIネオトレード証券松井証券

4,松井証券――1日の約定代金合計50万円まで手数料無料

松井証券 は、創業100年の歴史と実績がある証券会社である。

サービスの特徴は、1日の約定代金合計50万円まで手数料が無料であることです。特に少額から投資を始めたい人には嬉しい手数料設定です。手数料は現物取引と信用取引を合わせた1日の約定代金合計で決まります。

現物・信用取引の手数料
1日の約定金額合計 手数料
~50万円 無料
~100万円 1,100円
~200万円 2,200円
100万円増えるごとに1,100円加算
1億円超 11万円(上限)
出典:松井証券(2021年11月4日現在)

松井証券はサポートにも定評がある。

HDI-Japan(ヘルプデスク協会)主催の2020年度サポートポータル格付け(証券業界)にて、10年連続となる三つ星を獲得している。
出典:松井証券『受賞履歴(一覧)』

松井証券では、さまざまな投資情報ツールが無料で提供されており、スマホ版リアルタイムトレーディングアプリも利用できる。
出典:松井証券『ツール(投資情報ツール)』

PC版ツールは初心者向けと高機能なものがあります。さらに、「Amazon Echo」などのAlexa対応スマートスピーカーで利用できる、音声情報提供サービスもあります。

出典:松井証券『株価教えて! by 松井証券』

>>松井証券の口座開設はこちら

5,SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)――信用取引手数料完全無料!

SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券の手数料は、現物では1注文ごとの約定代金で手数料が決まる「一律(つどつど)プラン」と1日の約定代金合計額で手数料が決まる「定額(おまとめ)プラン」がある。

現物の取引手数料は、両プランともにSBI証券や楽天証券などに比べて安く設定されています。さらに信用取引の手数料はどの価格帯でも0円であり、圧倒的な安さを誇ります。

出典:SBIネオトレード証券

手数料の安さが目立つSBIネオトレード証券だが、トレードツールも見逃せない。

スマホ版アプリNEOTRADE Sは、メインやフッター画面を自由自在にカスタマイズ可能で、機種変更時もお気に入りの最大2,000銘柄をクラウドで管理できる機能などを持ちます。また、高性能なPC版ツールもあり、初心者から上級者まで対応しています。

>>SBIネオトレード証券(旧:ライブスター証券)の口座開設はこちら

6,DMM.com証券(DMM株)――VIPコースでは信用取引1約定ごと手数料0円

DMM 株 の手数料は、SBIネオトレード証券の「一律(つどつど)プラン」とほぼ同等の低額に設定されている。

DMM 株の特徴は信用取引手数料にVIPコースがあることです。VIPコースでは、当日の信用新規建約定代金合計が5,000万円以上などの条件で、約定金額にかかわらず手数料が0円となります。
信用取引/1約定ごと(一般コース)の手数料
約定金額 手数料
~300万円以下 88円
300万円超 0円
信用取引/1約定ごと(VIPコース)の手数料
約定金額 手数料
約定金額にかかわらず、手数料0円
出典:DMM.com証券(2021年11月4日現在)

DMM.com証券では、手数料の1%がDMM株ポイントとして貯まるのも魅力です。

出典:DMM.com証券『ポイント』

取引ツールは、スマホアプリとPCツールともに操作が簡単で高機能なものを用意している。

スマホアプリはお気に入り銘柄を2,000銘柄まで登録でき、PCツールとの連動が可能だ。

PCツールのDMM株STANDARDは、シンプルかつ使いやすさにこだわったWebブラウザ版取引ツールで、DMM株PROは、多彩な注文方法を搭載したインストール型取引ツールである。
出典:DMM.com証券『ツール・アプリ』

>>DMM 株の口座開設はこちら

7,GMOクリック証券――SBI証券や楽天証券より安い手数料を実現

GMOクリック証券の手数料は「1約定ごとプラン」と「1日定額プラン」がある。

現物取引と信用取引において、両プランともにSBI証券や楽天証券より安い設定となっています。

出典:GMOクリック証券『手数料』

スマホ版アプリでは、流れるようにスムーズな注文が可能だ。

PC版ツールは、フル板対応でテクニカル指標による分析を強力にサポートするスーパーはっちゅう君などがある。

GMOクリック証券では、ファンダメンタル分析をするツールも用意されており、企業価値がひと目でわかる株価分析やグラフ化された財務三表、収益性が直観的にわかる経営分析、成長率や利益率のシミュレーションなどに対応しています。

出典:GMOクリック証券『取引ツール一覧LINEUP』

>>GMOクリック証券の口座開設はこちら

8,LINE証券――現物取引は低コストを実現、信用取引は手数料0円

LINE証券も、手数料の安さが魅力の証券会社だ。

信用取引では手数料が0円であることに加えて、通常の現物取引でも約定代金が5万円以下の売買手数料は55円と業界最安水準です。

出典:LINE証券『手数料』

さらにLINE証券では、対象銘柄の取引コストが無料になる「アフタヌーンセール」なども実施している(2021年11月時点)。
出典:LINE証券

手数料以外にも、LINE証券には他にはない魅力がある。

その1つは、「LINE」アプリから投資や情報収集ができる点だ。

使い慣れているLINEアプリで、直感的に操作できるのがLINE証券の強みと言えるでしょう。

もう1つは、売買単位が1株であるということだ。

通常の株の売買単位は100株単位だが、LINE証券では1株単位で取引できるため、少額での投資が可能だ。

LINE証券は投資初心者の投資へのハードルを下げてくれる証券会社と言えるだろう。

>>LINE証券の詳細はこちら

9,その他のネット証券も比較する

>>SBI証券の口座開設はこちら
口座開設数1位、
IPO取扱数1位、
投信本数1位、
外国株取扱国数1位
>>楽天証券の口座開設はこちら
口座開設数2位、
外国株や投資信託に強く、
マーケットスピードも使える
>>松井証券で投資を始めるにはこちら
株主優待名人の桐谷さんも開設、
少額取引の手数料が0円
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら
IPO当選確率を
上げるならおすすめ、
ツールも魅力的
>>DMM.com証券の口座開設はこちら
手数料が業界最安値水準な上に
取引でポイントがたまる

ネット証券の手数料についてよくある5つのQ&A

松井証券の取引手数料は?
手数料は現物取引と信用取引を合わせた1日の約定代金合計で決まる。特に1日の約定代金合計50万円まで手数料が無料であることが特徴だ。

SBIネオトレード証券の取引手数料は?
現物では1注文ごとの約定代金で手数料が決まる「一律(つどつど)プラン」と1日の約定代金合計額で手数料が決まる「定額(おまとめ)プラン」がある。現物の取引手数料は、両プランともに業界最安値水準に設定されている。さらに信用取引の手数料はどの価格帯でも0円であり、圧倒的な安さを誇ります。

DMM.com証券(DMM株)の取引手数料は?
DMM 株 の手数料は300万円以下88円と、SBIネオトレード証券の「一律(つどつど)プラン」とほぼ同等の低額に設定されている。信用取引手数料にはVIPコースがあり、当日の信用新規建約定代金合計が5000万円以上などの条件で、約定金額にかかわらず手数料が0円となる。

GMOクリック証券の取引手数料は?
GMOクリック証券の手数料は「1約定ごとプラン」と「1日定額プラン」がある。現物取引と信用取引において、両プランともにSBI証券や楽天証券より安い設定となっている。

LINE証券の取引手数料は?
LINE証券も、手数料の安さが魅力の証券会社だ。信用取引では手数料が0円であることに加えて、通常の現物取引でも約定代金が5万円以下の売買手数料は55円と業界最安水準です。

執筆・近藤真理
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
南山大学外国語学部卒業。野村證券の引受部門で勤務後、ビジネス系翻訳や工業系翻訳業務に従事。
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。

■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者

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