
日本の直接金融を支える証券業界の巨人・野村證券をはじめとする5大総合証券、さらにはSBIや楽天など時代の寵児である主要ネット証券の時価総額や口座数における順位は?40代のビジネスパーソンなら知っておきたい、証券会社トップ10を紹介する。
- 時価総額・売上高ランキング第1位は野村ホールディングス!
- 顧客預かり資産ランキングも野村證券が圧倒的第1位!
- 口座数は楽天証券、SBI証券が伸長
- 店舗数が一番多いのはみずほ証券
- 証券口座を開設するなら人気の楽天証券、SBI証券がおすすめ
目次
「売上高」ランキングTOP10、収益力の高い証券会社は?格付け一覧も紹介!

証券会社の売上高は、一般企業の売上高に相当する。2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)における、証券会社の売上高上位10社のランキングと、各証券会社の信用状態を評価する信用格付は以下のとおりである。
順位 | 証券会社名 | 売上高 | 証券会社の 発行体信用格付 長期/短期 |
---|---|---|---|
1位 | (連)野村ホールディングス (野村證券) |
1兆4,018億 7,200万円 |
A/a-1(R&I) AA-/-(JCR) Baa1/-(Moody’s) BBB+/A-2(S&P) A-/F1(Fitch) |
2位 | (連)大和証券グループ本社 (大和証券) |
5,761億 7,200万円 |
A/a-1(R&I) A+/-(JCR) Baa1/-(Moody’s) BBB+/A-2(S&P) A-/F1(Fitch) |
3位 | (連)SMBC日興証券 | 4,471億 5,500万円 |
AA-/a-1+(R&I) AA/-(JCR) A1/P-1(Moody’s) A/A-1(S&P) |
4位 | みずほ証券 | 4,410億 2,000万円 |
AA-/a-1+(R&I) AA/J-1+(JCR) A1/P-1(Moody’s) A/A-1(S&P) |
5位 | 三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 |
2,468億 4,600万円 |
AA-/a-1+(R&I) AA/-(JCR) A1/P-1(Moody’s) A/A-1(S&P) A-/F1(Fitch) |
6位 | (連)SBI証券 | 1,603億 5,600万円 |
BBB+/a-2(R&I) BBB+/A-(JCR) |
7位 | 楽天証券 | 723億 600万円 |
A-/-(R&I) |
8位 | (連)岡三証券グループ (岡三証券) |
672億 5,900万円 |
BBB+/-(JCR) |
9位 | (連)東海東京フィナンシャル・ ホールディングス (東海東京証券) |
616億 9,400万円 |
BBB+(JCR) BBB+/-(R&I) |
10位 | 松井証券 | 300億 8,200万円 |
BBB+(R&I) |
売上高ランキングでは、第1位~第5位までを大手総合証券5社が占めている。これは、大手総合証券では、売上高に占める機関投資家あるいは大口投資家向けの取引やホールセールの割合が多いことに起因する。
売上高ランキング上位10社のうち、3社はネット証券のSBI証券、楽天証券、松井証券であり、中堅総合証券を抑えてのランクインとなった。

ネット証券の顧客はもともと個人投資家が中心であるが、近年のインターネット取引の浸透と、2020年初旬以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、個人投資家による新規口座開設数が増加して、各社の業績も伸長しました。これが、証券業界全体での売上高ランキングにおいても如実に表れました。
第1位:野村ホールディングス(野村證券)……好調な営業とアセット・マネジメント部門

野村グループの中核である野村證券では、良好な市場環境により投資家心理が向上し、株式売買や投信買付が増加して、売上高の前年比大幅増を打ち出した。
顧客層拡大に向けてのさまざまな取り組みやコストダウンも奏功して、2021年3月期は結果的に、営業部門(主に野村證券)とアセット・マネジメント部門(野村アセットマネジメントなど)は増収となった。一方、ホールセール部門では、米国子会社による現地顧客との取引により巨額の損失が発生し、減益に終わった。

2021年3月期を総括すると、ホールセール部門の損失額を、好調な営業部門とアセット・マネジメント部門で吸収した格好となりました。
第2位:大和証券グループ本社(大和証券)、投資部門を除いて各セグメントとも堅調

大和証券を中心とするリテール部門では、2020年度第2四半期以降、株式市場の好調を受けて、商品募集と販売額がともに大幅に改善した。預かり資産残高も過去最高を記録し、結果として、2021年3月期は増収となった。
株式と債券発行引受の主幹事案件が堅調、M&A案件も多数手掛けて過去最高益を記録したことで、ホールセール部門全体としても過去最高益となった。
アセット・マネジメント部門も資金純増に加えて、株式相場の上昇が追い風となり、公募株式投信の残高が上昇。セグメント情報の開示以来、過去最高益で終わっている。

業績の上では確認できませんが、2021年3月期は個人投資家の大和証券への資産導入額がマイナスになっていますこの点については今後注視したほうがよいでしょう。
第3位:SMBC日興証券……他社同様に2021年3月期の業績は好調

野村證券や大和証券と同様に、良好な市場環境を背景に、SMBC日興証券での商品販売額が大幅に伸長し、預かり資産残高もSMBCグループ傘下に入って以来の過去最高額となった。
グローバル・インベストメント・バンキング部門では、海外発行体による資金調達需要が高く、DCM(債券発行引受)を中心に、ECM(株式発行引受)による引受手数料収入が好調であった。

国内でも、IPO、PO、債券引受、M&A案件は前年比と同水準で確保し、順調な営業収益の獲得に貢献しています。
「時価総額」ランキングTOP10、市場価値が高い証券会社は?

上場企業の規模と価値を測る指標である時価総額。証券業界で時価総額から見た大手証券といえばどこなのか?
SBI証券のスクリーナーを使用して、以下の3つの条件で、証券会社または証券会社を中核とする金融グループを抽出し、時価総額ランキングTOP10を作成した。
- ① 証券業界に属する東証上場企業が対象
- ② 時価総額(2021年11月21日22時00分時点の株価)を基準に降順で並べ替える
- ③ 総合証券会社とインターネット専業証券会社だけに絞り込む
証券会社名 | 時価総額 | 株価 | 発行済株式数 | |
---|---|---|---|---|
1位 | 野村ホールディングス(野村證券) <8604> |
1兆5,831億 5,200万円 |
489.6円 | 32億3,356万 2,601株 |
2位 | 大和証券グループ本社 <8601> |
1兆840億 3,400万円 |
637.9円 | 16億9,937万 8,772株 |
3位 | SBIホールディングス(SBI証券) <8473> |
7,187億 5,400万円 |
2,935円 | 2億4,489万 790株 |
4位 | 松井証券 <8628> |
2,100億 400万円 |
810円 | 2億5,926万 4,702株 |
5位 | マネックスグループ(マネックス証券) <8698> |
2,095億 3,000万円 |
809円 | 2億5,899万 8,600株 |
6位 | GMOフィナンシャル ホールディングス<7177> |
1,035億 2,400万円 |
878円 | 1億1,790万 9,153株 |
7位 | 東海東京フィナンシャル・ ホールディングス<8616> |
1,016億 2,700万円 |
390円 | 2億6,058万 2,115株 |
8位 | 岡三証券グループ (岡三オンライン証券) |
494億 2,700万円 |
386円 | 2億821万 4,969株 |
9位 | アイザワ証券グループ <8708> |
509億円 | 1,040円 | 4,752万 5,649株 |
10位 | 丸三証券 <8613> |
360億円 5,800万円 |
535円 | 6,739万 8,262株 |
時価総額ベースのランキングでは、総合証券を中核企業とする金融グループまたは総合証券が10社中6社を占めている。
ランキングでは、野村證券や大和証券といった大手はもちろんのこと、SBI証券を中心としたSBIグループや松井証券、マネックス証券が中核企業であるマネックスグループ、GMOクリック証券を擁するGMOフィナンシャルホールディングスが名を連ねており、ネット証券グループのランクインが目立つ。

ネット証券の市場価値の高さが、時価総額という絶対的指標からも明らかになった結果だと言えるでしょう。
参考までに、時価総額ランキングTOP10のうち、上位5社の主要指標(1注文あたりの取引手数料、外国株の対象国数、投資信託の銘柄数、IPO取扱銘柄数)を比較しておきたい。
<上位5証券会社による主要指標の比較>
証券会社名 | 外国株 取扱対象国数 ※1 |
投資信託 取扱銘柄数 ※2 (2021/11/21現在) |
IPO取扱実績 (2020/1/1~ 2020/12/31) |
---|---|---|---|
野村證券 | 4ヶ国 | (国内)990本 (外国)175本 |
41件 |
大和証券 | 1ヶ国 | 522本 | 43件 |
SBI証券 | 9ヶ国 | 2,639本 | 85件 |
松井証券 | なし | 1,562本 | 18件 |
マネックス証券 | 2ヶ国 | 1,235本 | 50件 |
証券会社名 / 1回の取引金額(※) | 10万円 | 50万円 | 100万円 |
---|---|---|---|
野村證券 | 152円 | 524円 | 1,048円 |
大和証券 | 1,100円 | 1,897円 | 3,795円 |
SBI証券 | 99円 | 275円 | 535円 |
松井証券 | 0円 | 0円 | 1,100円 (25歳以下はすべての 現物取引手数料無料) |
マネックス証券 | 110円 | 495円 | 1,650円 |
第1位:野村證券……証券業界の老舗であり圧倒的規模を誇るガリバー的証券会社

証券業界で圧倒的な企業規模を誇る総合証券で、顧客口座数や顧客資産残高、国内店舗数など、あらゆる分野で業界トップレベルを誇る。全国各地にある店舗での、機関投資家や大口顧客を対象とする対面営業を得とする。営業部門だけでなく、ホールセール部門やアセット・マネジメント部門にも強みがある。
現在では、グループをあげて、オンラインサービスの強化による顧客層の拡大に注力している。
- インターネット取引専用アプリ「野村株アプリ」
- 投資情報の取得に役立つツール「銘柄スクリーニング」
- スマホアプリ「FINTOS!」
- 資産一元管理アプリ「OneStock」
野村ホールディングスとLINE Financialによる共同出資で設立・運営されている「LINE証券」はスマホ特化型の証券会社である。
2021年5月には、LINEから申し込める個人型確定拠出年金「LINEのiDeCo」の提供を開始した。

LINE証券は従来野村證券が弱かった資産形成層をターゲットに据えています。野村證券が有するリソースやノウハウと、インターネット取引の利便性を融合したサービスを提供することで、若年層の投資家を中心に順調に新規顧客を増やしています。
第2位:大和証券グループ本社……証券会社によるインターネット取引の草分け

担当者から投資情報やアドバイスを受けられる「ダイワ・コンサルティングコース」と、インターネットを用いて格安な手数料で取引ができる「ダイワ・ダイレクトコース」があり、さまざまなニーズに対応している。
300万人超の利用実績があるオンライントレードのパイオニアとして、現在も付加価値の高いサービスを提供している。
- IPOやPOの主幹事銘柄の取り扱いが豊富
- 大和ネクスト銀行との「ツインアカウント(証券・銀行口座連携)」サービスを利用できる
- コンサルティングコースで世界19ヵ国もの外国株式を取り扱っているのは、総合証券や主要ネット証券の中では大和証券のみ

大和証券の持株会社である大和証券グループは、スマホ専用証券「CONNECT」を設立しました。若年層の投資家や投資初心者向けサービスを提供するチャネルとして、低コストで少額取引ができる専用アプリの運用を行っています。
第3位:SBI証券……証券業界でもトップクラスの口座数を誇るネット証券最大手

SBI証券のIPO銘柄の取扱数は85社(2020年)と、証券業界では群を抜いている。
「IPO銘柄に強い」といわれている野村證券や大和証券に迫る勢いだ。
特に20代~40代から支持されており、顧客層の広さも注目に値する。

SBI証券のTポイント投資や傘下のSBIネオモバイル証券の躍進が、若年層や投資初心者獲得につながっています。
地銀との連携・提携による、SBIマネープラザ(地銀共同店舗)の開設にも積極的だ。この仕組みを活かして、地方の中小企業や個人投資家を対象とした対面証券ビジネスやIFA(金融商品仲介)業務を強化している。
第4位:松井証券……わかりやすさと安心感で50代以上の顧客層に強いネット証券上の顧客層に強みをもつネット証券

松井証券の特徴の一つは、50歳以上の顧客層が全体の4割を占めていることだ。
利用者の利便性を追求したサービスの提供や、投資初心者が低額で取引できる投資環境も、松井証券の大きな魅力である。
また、以下のようにわかりやすく格安な手数料設定は、松井証券を代表するサービスとして知られている。
- 無期限信用取引や一日信用取引といった革新的なサービス
- 1日の約定代金合計で手数料が決まるボックスレート
- 50万円以下の現物取引は手数料無料

100円から取引できるFXサービスや、恒常的な25歳以下現物取引手数料無料サービスも導入されており、顧客層拡大を見込めるサービスとして注目を集めています。
第5位:マネックスグループ……米国株取引に強いマネックス証券が中核の金融グループ

- 米国株の買付時為替手数料は無料
- 米国株デビュー時には最大3万円のキャッシュバック
- 対象の米国ETF買付手数料は実質無料

IPOでは、マネックス証券の引受株数の100%が個人投資家向けに割り当てられており、完全平等のコンピュータ抽選が採用されていることも、人気の理由の一つになっています。
「顧客預かり資産」ランキングTOP10……預かり資産ベースで企業規模の大きな証券会社は?

証券会社の顧客預かり資産は、時価総額同様に、証券会社の規模を測る指標となる。
顧客預かり資産ベースでの証券会社ランキングTOP10で、企業規模の大きな証券会社は以下のとおりである。
順位 | 証券会社名 | 預かり資産 |
---|---|---|
1位 | (連)野村證券 | 128.7兆円 |
2位 | (連)大和証券 ※1 | 77.7兆円 |
3位 | SMBC日興証券 | 72.4兆円 |
4位 | みずほ証券 | 53.6兆円 |
5位 | 三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 |
42.7兆円 |
6位 | (連)SBI証券※2 | 20兆円突破 |
7位 | 楽天証券 ※3 | 12.88兆円 |
8位 | 東海東京証券 | 5.64兆円 |
9位 | マネックス証券 | 5.40兆円 |
10位 | 松井証券 | 2.9兆円 |
※2,2019年6月末以降SBIネオモバイル証券の値を、 2020年10月以降SBIネオトレード証券の値を含む
※3,3,外貨建て預かり資産、および自動入出金設定の楽天銀行普通預金残高を含む
※筆者作成、2021年11月22日時点
顧客預かり資産では、大手総合証券5社が順当にランキング上位にランクインしている。第6位~第10位には、多くの中堅総合証券を抑えて、主要ネット証券のうち4社が含まれている。
第1位:野村證券……預かり資産ベースでも業界第1位の規模を誇る

証券業界の時価総額第1位は野村ホールディングス(野村證券の持株会社)であったが、顧客預かり資産においても、野村證券が圧倒的第1位となっている。

口座数では野村證券を上回るSBI証券と比較しても、預かり資産はSBI証券の約6.4倍であり、企業規模の差は現在でも歴然としています。
預かり資産はSBI証券より100兆円以上多く、企業規模の差は歴然です。
証券会社としての歴史が長く、多くの機関投資家や大口投資家を顧客に抱える野村證券ならではの結果だろう。
第2位:大和証券、従来からの大口顧客が2021年3月期の増収増益を支える

大和証券は、新規顧客獲得においてはネット証券にはるかに及ばないが、顧客預かり資産では、依然として大手総合証券としての規模を反映した結果となっている。
第3位:SMBC日興証券、国内3大証券としての歴史と顧客層を反映

SMBC日興証券は、長期にわたって国内3大証券としての一角を担ってきた歴史をもち、優良な大口顧客も抱えている。
その一方で、若年層顧客や投資初心者に対して、取引しやすい低価格の取引手数料、少額投資商品、あるいはインターネットを活用した新たな投資機会を多数提供し、新規口座の開設につなげている。
「口座数」ランキングTOP10、投資家からの人気が高いのはどの証券会社?

口座数は、証券会社に対する投資家からの人気を単純に可視化できる指標として有用だ。
インターネット取引の普及とネット証券の台頭を受けて、総合証券では、オンライン取引専用口座の顧客獲得とサービス拡充に力を入れており、その割合も、対面取引口座数を上回るまでになっている。
そのため、証券会社の「口座数」ランキングでは、総合証券については、インターネット取引が可能な口座数も併記しながら、ランキング表を作成した。
順位 | 証券会社名 | 口座数 (インターネット取引口座数) |
---|---|---|
1位 | SBI証券 | 603.6万口座 |
2位 | 楽天証券 | 600万口座突破 ※2021年5月の情報より |
3位 | 野村證券 | 532.9万口座 (489.5万口座) |
4位 | SMBC日興証券 | 370.8万口座 (264.0万口座) |
5位 | 大和証券 | 303.1万口座 (347.7万口座) |
6位 | マネックス証券 | 197.6万口座 |
7位 | みずほ証券 | 183.8万口座 (134.9万口座) |
8位 | 松井証券 | 148.0万口座 |
9位 | auカブコム証券 | 134.3万口座 |
10位 | GMOクリック証券 | 47.6万口座 (証券取引口座のみ) |
2021年11月末現在の口座数ランキング第1位はSBI証券、第2位は楽天証券だ。
2021年3月時点から、楽天証券と野村證券の順位が入れ替わった。

日常的にインターネットを使っている30代~40代以下の方は、SBI証券と楽天証券の2社から選ぶ方が多いのではないでしょうか。
第1位:SBI証券……ネット証券最大手が口座数でも業界第1位に

SBI証券は2013年から着実に口座数を伸ばしており、2020年11月には600万口座を突破した。
2020年の初めに、新型コロナウイルスのパンデミックで株価が暴落。株価が反転した後は株式取引が活発になり、新規口座開設数がさらに伸びた。
「ネット証券は店舗をまったく持たない」と思っている人が多いが、SBI証券は地銀と共同で運営するSBIマネープラザという店舗を拡大している。

SBI証券は、2020年6月に連結子会社化した「ひふみ」ブランドの投資信託を設定・運用する資産運用会社「レオス・キャピタルワークス」が新規設定した投資信託の販売やIFAビジネスの拡大も行っており、これらも新規顧客の獲得につながっています。
第2位:楽天証券、新規口座開設数の増加率ではSBI証券を凌駕

楽天証券の口座数は、2021年3月末時点は証券業界全体で第3位だっただが、2021年11月に第2位に浮上した。
楽天証券とSBI証券の口座数増加率を比較すると、楽天証券は2019年12月末から2020年12月末までで+35.2%、SBI証券は2020年3月末から2021年3月末までで+25.51%だった。

直近決算期末を基準とした口座数増加率では、楽天証券はSBI証券を上回っています。今期以降、楽天証券とSBI証券の口座数の推移に注目したいところです。
第3位:野村證券……口座数は漸増で口座数ランキングは第3位に


野村證券は顧客層の拡大に向けて、各種アプリの導入などを積極的に行っています。このような取り組みが、今後若年層顧客の獲得や新規口座の開設にどのくらいつながるか、注目したいところです。
「現物株式 取引手数料」ランキングTOP10、手数料が安いのはどの証券会社?

新たに証券口座を開設するにあたって、最初に注目するのは各証券会社の現物株式取引手数料だろう。
証券会社によって現物株式の手数料体系が異なるため、一律での比較は難しい。
証券会社各社の手数料を簡易的に比較するために、1注文あたりの手数料体系に絞って、以下の3つのケースにおけ2021年11月22日現在の取引手数料(税込)を調べ、手数料が安い証券会社ランキングTOP10を作成した。
- 約定代金が10万円の場合
- 約定代金が50万円の場合
- 約定代金が100万円の場合
約定代金が10万円の場合の取引手数料ランキング | ||
---|---|---|
順位 | 証券会社名 | 約定代金10万円の手数料 |
1 | 松井証券 | 0円 |
2 | 立花証券(e支店) | 77円 |
3 | むさし証券 (トレジャーネット) |
82円 |
4 | DMM.com証券 | 88円 |
5 | SBIネオトレード証券 | 88円 |
5 | 立花証券 (ストックハウス) |
88円 |
5 | GMOクリック証券 | 96円 |
8 | SBI証券 | 99円 |
8 | 楽天証券 | 99円 |
8 | auカブコム証券 | 99円 |
8 | LINE証券 | 99円 |
・第1位:松井証券……低額投資なら手数料は誰でも0円
松井証券の手数料は、安くてシンプルなのが特徴だ。
売買回数に関係なく、1日の株式取引の合計約定代金で手数料が決まる。
売買回数が多く、手数料がかさんでいた人にとってはうれしい仕組みだろう。

少額投資は、投資初心者が株式投資を始める際の鉄則です。利益をあまり期待できない初心者にとって、少額投資の手数料が0円の証券会社は好都合でしょう。
少額投資の手数料が0円であれば、少額投資で経験を積む際にコストを抑えられる。
少額の取引を1日に何度も繰り返すデイトレーダーや、株式取引初心者にとってもメリットが大きい。
松井証券は、投資初心者の低コスト投資・少額投資のニーズに応えられる証券会社だ。
・第2位:立花証券e支店……約定代金にかかわらず手数料がお得
立花証券e支店は、取扱商品を株式の現物取引と信用取引に絞って、手数料を業界最安水準に設定した支店である。
委託手数料0円で金利1.6%、さらに業界最安値水準の手数料が魅力です。

立花証券e支店の手数料は、どの約定代金でも業界最安値水準です。手数料を抑えるために銘柄や投資方法を制限する必要がないため、高い利益率を目指せるのではないでしょうか。
・第3位:むさし証券(トレジャーネット)……埼玉県に本社を構える1919年創業の証券会社

取引手数料は第3位と低いため、取引を頻繁に行うプロのトレーダーやセミプロも手数料負担が軽くなるのではないでしょうか。
約定代金が50万円の場合の取引手数料ランキング | ||
---|---|---|
順位 | 証券会社名 | 約定代金50万円の手数料 |
1 | 松井証券 ※ | 0円 |
2 | 立花証券(e支店) | 187円 |
3 | むさし証券 (トレジャーネット) |
192円 |
4 | DMM.com証券 | 198円 |
5 | SBIネオトレード証券 | 198円 |
5 | GMOクリック証券 | 260円 |
7 | 立花証券 (ストックハウス) |
264円 |
9 | SBI証券 | 275円 |
9 | 楽天証券 | 275円 |
9 | auカブコム証券 | 275円 |
9 | LINE証券 | 275円 |
・第1位:松井証券……低位株や中位株の取引で手数料0円の効果を実感できる
約定代金の合計が50万円以上になるのは、1株5,000円以上の値がさ株を1単元(100株)以上取引した場合などに限られる。
つまり、松井証券なら1株500円程度までの低位株から、1株3,000〜4,000円程度の中位株の単元株取引までなら、取引手数料は無料なのだ。
・第2位:立花証券(e支店)……中堅総合証券の株式特化型低コストネット取引専用口座
ランキングの2位は立花証券e支店、7位は立花証券ストックハウスと、立花証券のインターネット証券の2つが10位以内にランクインしている。
2つの口座の違いは、取扱商品数と手数料にある。
取扱商品を株式の現物取引と信用取引に絞り込んで、手数料を業界最安水準に設定した口座
株式に関連する商品を全般的に取り扱っており、手数料はe支店より若干高め

立花証券e支店は、株式の現物取引と信用取引を投資対象とするシステムトレーダーやデイトレーダーから、手数料の安さと取引のしやすさで支持されているインターネット取引専用口座でもあります。
・第3位:むさし証券(トレジャーネット)……約定代金50万円の手数料でも3位をキープ
1位の松井証券と比べると192円は少し高く感じるかもしれないが、SBI証券や楽天証券、auカブコム証券などの275円と比べると1回あたり83円安い。

むさし証券は手数料が安いだけでなく、スマホやタブレットを使った投資情報の収集に便利なツールも導入されているので、使い勝手が良い証券会社といえます。
1注文あたり約定代金が100万円の場合の取引手数料ランキング | ||
---|---|---|
順位 | 証券会社名 | 約定代金100万円の手数料 |
1 | 松井証券(25歳以下) | 0円 |
2 | 立花証券(e支店) | 341円 |
3 | むさし証券 (トレジャーネット) |
352円 |
4 | DMM.com証券 | 374円 |
4 | SBIネオトレード証券 | 374円 |
6 | GMOクリック証券 | 460円 |
7 | 立花証券 (ストックハウス) |
517円 |
8 | SBI証券 | 535円 |
8 | 楽天証券 | 535円 |
10 | 岡三オンライン証券 | 660円 |
・第1位:松井証券(25歳以下)……若年層の投資初心者におすすめの手数料設定
25歳以下の投資未経験者は、概して投資に回す余裕資金が少ない。必然的に1回の取引額は少額になるため、取引手数料が0円であることには大きな意義がある。さらに、約定代金に関係なく手数料が常に0円であれば、初心者の投資に対する心理的なハードルを一気に下げる効果もある。

26歳の誕生日を迎えても、約定代金50万円以下なら手数料は0円なので、継続的に低コストで投資を継続できるメリットを享受できます。
ちなみに、26歳以上の場合、1日の約定代金合計が100万円の場合の手数料は1,100円である。
・第2位:立花証券(e支店)……株式限定なら初心者から上級者まで低コスト取引が可能
約定代金が100万円になる取引には、1株の株価が1万円を付ける値がさ株も含まれる。

高額取引でも取引手数料は格安なので、銘柄や投資手法を限定する必要もありません。純粋に値上がり益を狙って、自分の投資スタイルで取引したい上級者にも使いやすい、利益率の高い口座になるはずです。
・第3位:むさし証券(トレジャーネット)……埼玉地盤の老舗証券会社のネット専用口座
スマートフォンとタブレットを使った投資情報の収集に便利な情報ツールも導入されているので、投資情報を駆使して取引する中上級者にも使い勝手が良い。

取引手数料も安いため、取引を頻繁に行うセミプロやプロのトレーダーにとっても、費用負担が軽くなります。
対面証券会社「店舗数」ランキング

続いて、店舗数を比べてみよう。
店舗を持たないネット型証券会社が伸びているが、目と目を合わせる対面型接客を求める人も依然として多いだろう。
対面型証券会社において、店舗数の多さはホスピタリティの高さにつながる。
よって、顧客満足度にも影響するはずだ。
順位 | 証券会社名 | 店舗数 |
---|---|---|
1位 | みずほ証券 ※1 | 259店舗 |
2位 | 大和証券 | 180店舗 |
3位 | 野村證券 | 120店舗 |
4位 | SMBC日興証券 | 118店舗 |
5位 | 東海東京証券 | 69店舗 |
6位 | 岡三証券 | 65店舗 |
7位 | 藍澤證券 | 53店舗 |
8位 | 三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 ※2 |
51店舗 |
9位 | いちよし証券 | 50店舗 |
10位 | 東洋証券 | 32店舗 |
※2 来店できないダイレクトコンサルティング部とMUFGテラスは除く
東海東京証券や岡三証券など5位以下の店舗数も32~69店舗あるため、対面接客を求める人にとっても利用しやすいといえるだろう。
第1位:みずほ証券……証券会社店舗数NO.1

みずほ証券の店舗数には、みずほ証券単独の支店やみずほ銀行と共同店舗であるプラネットブース、本社・支社、営業所といった拠点も含まれる。
店舗数には現れないみずほ証券の強みとしては、都市銀行であるみずほ銀行の各支店のロビーでもフルラインの証券サービスが受けられることが挙げられる。
みずほ銀行とみずほ証券を併用することで、さらに利便性が高まるだろう。

みずほ銀行、みずほ信託銀行「トラストラウンジ」、みずほ証券「プラネットブース」の3つが合わさった店舗も全国に193ヵ所あり、ワンストップでさまざまなサービスを利用できます。
第2位:大和証券……ネットで来店予約ができる180店舗を構える

公式ホームページの店舗ページから、来店予約が可能だ。
大和証券では対面接客の予約に加えて、パソコンなどを使ったオンライン相談も受け付けている。

プライベートバンキング部に通うと、資産運用の専門家であるプライベートバンカーから、的確なアドバイスや最新の金融情報などが得られます。
第3位:野村證券……47都道府県に120店舗を展開

野村證券は各県に1店舗以上あるため、地方の人でも利用しやすいはずだ。
鳥取県や島根県には山陰合同銀行を窓口とした仲介カスタマーセンターを置いたり、第一生命に特設センターを設置したりと、自社店舗以外の窓口も展開している。
証券会社の動向

これまでとこれからの証券会社の動向を見てみよう。
証券業界の業績は国内外の景気の影響を大きく受けるため、証券業界の行く末を推測するためには、日本経済・世界経済をしっかり注視する必要があります。
ここで、大手5社(楽天証券・SBIホールディングス・野村ホールディングス・大和証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券)の営業収益の推移を見てみよう。
グラフは2016年の営業収益を100とし、2020年までの営業収益を表したものだ。

野村ホールディングスや大和証券などの店舗型大手証券会社は苦戦しているものの、法人向けのホールセール部門においては、海外企業の社債発行手数料やM&Aアドバイス料などが好調に推移している。
もし証券会社が倒産したらどうなる?

証券会社が倒産した場合、預けている資産はどうなるのだろうか?
もしも証券会社が分別管理義務を怠り、顧客の資産に手を出した状態で倒産した場合はどうなるのだろうか。
そのような場合に適用されるのが日本投資者保護基金制度で、1,000万円までは日本投資者保護基金が補填してくれる。
銀行のペイオフと似た仕組みといえるだろう。

証券会社に預けた資産はペイオフの対象外ですが、分別管理制度と投資者保護基金制度という二重のセーフティーネットで守られているため、安心して証券会社で取引ができます。心配であれば、1口座で1,000万円を超えないように資産を分散してもよいでしょう。
証券会社選びでは、規模や口座数だけでなく利用しやすさも最大限に考慮する
現在、証券業界には大きく分けて、総合証券会社とインターネット専業証券会社の2種類が存在する。インターネット取引の浸透により、総合証券でもインターネットが取引チャネルの主流になりつつあるのが実態だ。
技術的な背景や取引の手軽さ、利便性によって、ネット証券各社は30代~40代を中心に新規顧客を順調に獲得している。その結果、証券会社の人気のバロメーターである口座数では、ネット証券最大手のSBI証券とそれに続く楽天証券が野村證券を上回っている。
それに対して、時価総額は顧客預かり資産が大きく、機関投資家や大口投資家を多く抱える総合証券が市場から高い評価を得やすく、口座数ランキングと必ずしも連動しない。

個人投資家が証券会社を選ぶ際には、時価総額や口座数だけに注目するのではなく、自分の投資スタイルに適した手数料体系や利用しやすいサービスの有無など、利用者の視点で、証券会社を評価することも忘れないようにしましょう。
日本の証券会社についてよくある5つのQ&A
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2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
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