2020年にBTSの所属事務所が上場したことで、韓国株が話題になった。韓国株に投資したい場合は、どの証券会社がおすすめなのか?サムスンやLGといったグローバル企業をはじめK-POPや韓国食品など、身近ではあるが株式投資ではあまり知られていない韓国株について紹介しよう。

この記事で分かること
  • 韓国経済は輸出に依存しており、外構の影響を受けやすい
  • 韓国株の取引は韓国取引所(KRX)で行われる
  • 韓国の代表的な市場はKOSPIとKOSDAQ
  • 韓国市場には、昼休みがない、値幅制限が前日終値の±30%、取引単位が1〜10株、などの特徴がある
  • 日本で韓国株を取引できるネット証券はSBI証券

目次

  1. 1,韓国マーケットの特徴――取引所や代表的な指数は?
  2. 2,韓国株式の2つの市場をチェック KOSPIとKOSDAQとは?
  3. 3,韓国株投資の3つのポイント 日本市場との違い
  4. 4,韓国株を購入できるおすすめの証券会社3社を比較
  5. 5,韓国株を購入できるおすすめの証券会社3社の特徴を解説
  6. 6,韓国株を始める3つのメリット
  7. 7,韓国株投資のデメリット・注意すべきポイントは?積極的な情報収集は必須
  8. 8,優良な韓国株を見つけて投資してみよう
  9. 韓国株が買える証券会社についてよくある5つのQ&A
  10. 実際に株式投資を始めてみる

1,韓国マーケットの特徴――取引所や代表的な指数は?

(画像=kai/stock.adobe.com)

最初に、大韓民国の概要と韓国経済、韓国株式市場の特徴を確認しておこう。

大韓民国と韓国経済の概要

大韓民国と韓国経済の基礎データ

項目 韓国 ※1 (参考)日本 ※2
国土の面積
(2019年末)
10万401平方キロメートル
※朝鮮半島全体の45%
(出典:韓国国土交通部
「2020年地籍統計年報」)
37万7,974平方キロメートル
(出典:国土交通省国土地理院
「全国都道府県市区町村別面積調」
人口 5,170万人
(出典:2019年中位推計
韓国統計庁)
1億2,555万2千人
(出典:2021年2月1日現在
総務省統計局
首都人口 ソウル 973万人
(出典:2019年中位推計、
韓国統計庁)
東京都 1,404万人
(出典:2021年7月1日現在、
東京都総務局統計部
主要産業 電気・電子機器、自動車、
鉄鋼、石油化学、造船
>製造業、IT産業、
エネルギー産業
通貨 ウォン
実質GDP成長率
(2019年)
2.0% 0.89%
名目GDP総額
(2019年期中平均)
1兆6,463億米ドル 5兆1,545億米ドル
1人当たりの名目GDP
(2019年期中平均)
3万1,838米ドル 4万847米ドル
失業率
(2020年期中平均)
3.8%
(出典:韓国統計庁)
2.8%
(出典:総務省統計局
政策金利(2019年末) 1.25% -0.10%
対ドル為替レート
(2019年期中平均値)
1,166韓国ウォン 109.01円
※1,韓国の国土の面積、人口、首都人口、失業率以外のデータの出典は韓国銀行
※2,実質GDP成長率、名目GDP総額、1人当たりの名目GDPの出典はIMF "World Economic Outlook Database"、政策金利と対ドル為替レートの出典はIMF "International Financial Statistics"


大韓民国は日本の4分の1程度の国土に、日本の2分の1弱の人口を抱える国である。

韓国は日本同様に天然資源が乏しいが、1960~1970年代に重化学工業や輸出産業を中心に驚異的な経済成長を遂げた。

現在、韓国の自動車、造船、家電、半導体などの関連企業は世界規模で事業を展開している。近年まで、日本を上回る堅調な経済成長率を維持していた。

韓国経済は輸出に依存しているため、外交の影響を受けやすい傾向にあります。韓国の最大の輸出国である中国との関係や対日関係の悪化、米中貿易摩擦の悪化が深刻で、経済成長率の失速が懸念されています。

韓国株式市場の特徴

韓国の株式取引は韓国取引所、通称KRXで行われている。

KRXとは?
韓国の総合取引所であり、2005年に韓国証券取引所、KOSDAQ、韓国先物取引所の3市場が統合して発足した。

かつての韓国証券取引所上場銘柄は、財閥系企業を中心とした韓国を代表する大企業だった。

現在も、大型株は韓国取引所の株式市場部門である「KOSPI」市場に上場している。

それに対して、統合前の店頭市場、KOSDAQに上場していたのは韓国の中小企業や新興企業で、現在も「KOSDAQ」市場として機能している。

東京証券取引所と韓国取引所は、相互協力関係の強化を図っています。その一環として東京証券取引所のウェブサイトで、韓国取引所上場銘柄の市況情報を20分遅延で見ることができるようになっています。

韓国株式市場の代表的な株価指数

韓国株式市場全体の指標となるのは「韓国総合株価指数」、通称「KOSPI」である。

KOSPIとは?
韓国取引所に上場されている全銘柄の時価総額を加重平均して指数化した、韓国を代表する株価指数。

KOSPIを代表する業績・財務に優れた大型株200銘柄で構成される「KOSPI200」、その中でも特に優れた100銘柄で構成される「KOSPI100」などもある。

新興企業を対象にしたKOSDAQ市場上場全銘柄の時価総額加重平均指数は「KOSDAQ指数」で、韓国の新興企業全体の株価の目安になっています。

2,韓国株式の2つの市場をチェック KOSPIとKOSDAQとは?

(画像= lisheng2121 /stock.adobe.com)

韓国株式が上場しているのは、総合取引所である韓国取引所(KRX)のうち、株式市場部門の「KOSPI」と店頭市場部門の「KOSDAQ」の2市場である。

KOSPIとKOSDAQの比較(2020年10月末時点)

市場 上場銘柄数 時価総額
(1韓国ウォン=
0.097円で換算)
代表的な銘柄
KOSPI 789銘柄 1,419兆5,208億韓国ウォン
(137兆6,935億円)
・サムスン電子<005930>
・LG電子<66570>
・現代自動車<5380>
・SKハイニックス<00660>
・ネイバー<35420>
KOSDAQ 1,343銘柄 236兆4,057億韓国ウォン
(22兆9,314億円)
・JGエンターテインメント
<122870>
・キーイースト<54780>
(参考)
東証一部
2,184銘柄
(2021年10月28日現在)
735兆572億円
(2021年10月28日現在)
・トヨタ自動車<7203>
・ソニー<6758>
・ファーストリテイリング<9983>
※KOSPI、KOSDAQのデータは、アイザワ証券公式ホームページを参照した
※東証のデータは日本取引所のホームページを参照した


KOSPI市場の特徴――韓国経済の主流、財閥系大企業やIT系優良企業が上場

韓国株式市場に上場する全銘柄のおよそ37%が上場するKOSPIには、韓国を代表するサムスン、SK、LG、現代(ヒュンダイ)、ロッテなどの財閥系大企業が多く上場しています。

KOSPI上場銘柄は789銘柄と東証一部に比べると少ないが、韓国経済に及ぼす影響力は絶大で、時価総額は韓国株式市場全体の86%を占める。

近年は、非財閥系の優良企業がKOSPIで存在感を放っている。

日本で浸透しているLINE<3938>の親会社であるネイバー<35420>や、メッセージアプリ「カカオトーク」で知られるカカオ<35720>といったIT企業は、KOSPIの新興勢力を代表する銘柄です。

KOSDAQ市場の特徴――韓国の中小企業や新興企業のための市場

KOSDAQは中小企業や新興企業が大半を占めているため、KOSDAQ全体の時価総額はあまり大きくありません。

韓国でも米国や中国、日本のように、IT企業を中心としたベンチャー企業が続々と生まれている。

しかしながら、韓国経済の構造上財務基盤や競争力は財閥系企業に劣るため、現状ではKOSDAQ市場拡大の原動力にはなっていない。

KOSDAQ市場には、日本でも人気のK‐POPアーティストが所属する芸能事務所やコンテンツ事業会社、音楽制作会社もいくつか上場している。

少女時代や東方神起、BoAなどが所属する大手芸能事務所のSMエンターテインメント<041510>や、かつて韓流ドラマで一世を風靡した人気俳優ペ・ヨンジュンらが出資する文化コンテンツ事業会社のキーイースト<54780>などは、日本でも有名です。

3,韓国株投資の3つのポイント 日本市場との違い

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

実際に韓国株を取引する際は、日本株との違いを押さえておきたい。具体的には次の3つだ。

日本市場との違い
  • 昼休みがない
  • 値幅制限は前日終値の±30%
  • 取引単位は1〜10株

日本市場との違い1,取引時間 昼休みなし

日本と韓国に時差はない。韓国株式市場の立会時間は9:00~15:30で、日本の株式市場とほぼ同じである。

韓国株式市場には日本市場のような昼休みがないため、日本のビジネスパーソンは昼休みや休憩時間を利用して、リアルタイムで韓国株を取引できます。

日本市場との違い2,値幅制限 前日終値の30%

韓国株取引にも、日本株同様に値幅制限が設けられている。

韓国株の値幅制限は、前日終値の±30%です。上限価格は、呼び値未満は切り捨て、下限価格は、呼び値未満を切り上げます。

日本株は前日終値の価格帯によって制限値幅が決められているが、おおむね20~30%程度に設定されている。

韓国株の制限値幅は、日本株と同程度かやや広めと考えてよいだろう。

日本市場との違い3,取引単位 1~10株単位

ここで紹介する証券会社3社のうち、SBI証券とアイザワ証券では、買い注文と売り注文のどちらも、取引単位は「1株以上1株単位」。岡三証券では10株単位。ただし、売り注文に取扱単位(10株)未満が発生する場合は、1株単位の発注ができます。

日本株の取引単位は単元株(100株)であることを考えると、韓国株は少額取引ができるため、資金の少ない投資家でも参入しやすいといえます。

4,韓国株を購入できるおすすめの証券会社3社を比較

国内で韓国株を取り扱う証券会社のうち、取引がしやすいインターネット取引口座を設けているのは、ネット証券ではSBI証券、対面証券では岡三証券、アイザワ証券の3社である。

3社の韓国株取引には、どのような違いがあるのだろうか。

各社の公式ホームページをもとに、基本情報を比較してみよう。

韓国株初心者におすすめ証券会社ランキング
順位 証券会社名 取扱銘柄数 取扱時間 韓国株
取引手数料
決済方法 為替手数料
1位 SBI証券 68銘柄 9:00~15:30 約定代金の
0.99%
日本円
韓国ウォン
100韓国ウォン
あたり20銭程度
2位 アイザワ証券 425銘柄 9:00~15:30 対面:売買代金×2.20%
対面以外:
売買代金×1.65~
2.20%
日本円
韓国ウォン
100韓国ウォン
あたり10銭
3位 岡三証券 店舗
問い合わせ
8:00~15:00 支店口座・通信取引口座:
売買金額(100万円以下の場合)の
1.875%(購入時)、
2.105%(売却時)
*1
日本円 1韓国ウォン
あたり0.2銭
SBI証券岡三証券アイザワ証券のホームページをもとに筆者が作成した、2021年10月27日更新
*1 岡三証券の売買金額100万円超の取引手数料はホームページを参照のこと

韓国株取引の手数料がもっとも安いSBI証券が初心者におすすめ

1位のSBI証券は、取引手数料が3社のなかで最安のため、初心者にもっともおすすめです。取り扱い銘柄数は68とそれほど多くないものの、国際的に知名度が高い韓国グローバル企業の多くは取り扱い銘柄に入っています。

SBI証券で気を付けたいポイントは、韓国ウォンの為替手数料がアイザワ証券より高いことだ。

SBI証券で韓国株を取引するなら、為替手数料を節約できる韓国ウォン決済が良いでしょう。

アイザワ証券は韓国株の取り扱い銘柄数が一番多い

2位のアイザワ証券は、取り扱い銘柄数が400を超えており、韓国の有名企業以外の株も取引したいならおすすだ。

アイザワ証券の韓国ウォンの為替手数料はSBI証券の半額程度であり、日本円決済した場合の為替手数料にインターネット・モバイル発注の取引手数料1.65%を加えると、SBI証券より手数料が割安になる(1ウォン=0.097円換算時)。

そのため、日本円決済を多く利用する人もアイザワ証券がおすすめである。

3位の岡三証券は、取り扱い銘柄をホームページに公開していない。

岡三証券を普段から利用していて、担当者などに気軽に問い合わせできる人におすすめである。

5,韓国株を購入できるおすすめの証券会社3社の特徴を解説

(画像= kai /stock.adobe.com)

ここからは、韓国株を取引できるおすすめの証券会社3社の特徴を詳しく見ていこう。

SBI証券――ネット証券最大手、韓国株を取引できる唯一のネット証券

SBI証券
韓国株を取り扱っている証券会社のうち、2020年7月末現在で最も口座開設数が多いのはSBI証券である。500万口座を超えるネット証券最大手であり、証券業界全体でも口座開設数第1位だ。

ネット証券は近年顧客数を伸ばしていますが、韓国株を取り扱っているのはSBI証券のみ。ネット証券で韓国株を取引したい人には、貴重な存在です。

SBI証券は2005年に韓国のオンライン証券会社「E*TRADE Korea Co.,Ltd.」を子会社化し、同年に韓国株式取引サービスを開始した。

SBI証券は、業界では韓国株取引の歴史が長く、資本提携を背景に韓国現地に基盤があることも強みだ。

ただしアイザワ証券に比べると、SBI証券サイトにおける韓国株の投資情報は圧倒的に少ない。

投資判断を下すためには、他の証券会社などに投資情報を求めなければならないだろう。

取扱銘柄は、SBI証券が厳選した66銘柄だ。

業績や財務基盤が安定した人気企業を選りすぐっているため、取扱銘柄数が少ないのが残念だ。

ちなみにSBI証券では、2020年10月15日にKOSPIに上場した人気アイドルグループBTSの所属事務所、HYBE(旧ビッグヒット・エンターテインメント)<352820>の株式も、上場初日から取り扱っています。

SBI証券の韓国株取扱状況

取扱銘柄数
(個別銘柄、KDR、ETF)
68銘柄
取引時間
(現地時間)
9:00~15:30
(現地時間9:00~15:30)
韓国株取引手数料
(税込)
約定代金の0.99%
(最低手数料は9,900韓国ウォン)
決済方法 ・日本円による円貨決済
・韓国ウォンによる外貨決済
為替手数料 為替スプレッド100韓国ウォン当たり20銭程度
外国株取引口座
開設、管理手数料
無料
その他 ・特定口座対応
・NISA口座対応
SBI証券のホームページをもとに筆者作成、2021年10月27日時点

岡三証券――オンライン取引にも力を入れている老舗中堅総合証券

岡三証券
中国以外にも、高い経済成長率を期待できるアジアの新興国、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシアの一部銘柄を取り扱っている。また、現在の韓国経済を支える岡三証券厳選銘柄を、現地取次業者を経由して委託販売で取引できる。

岡三証券は、対面取引がメインの証券会社だがオンライントレードにも力を入れており、サービスを申し込めば、支店口座、通信取引口座のどちらでもオンライントレードによる取引ができる。

オンライントレードで取引できる外国株式は中国株のみです。取扱銘柄情報を知りたければ問い合わせる必要があること、さらに韓国株を取引する際は、最寄りの店舗に赴かなければならないことは大きなデメリットといえます。

韓国株の売買単位は通常1株単位であるが、岡三証券での売買単位は10株単位であることも覚えておきたい。

岡三証券では、取引手数料以外の手数料も発生することに注意しましょう。一定の条件を満たす人以外は、外国株取引口座管理手数料がかかります。さらに、現地の取次業者に支払う現地手数料と取引税が別途発生します。SBI証券に比べると、ややコストが高い印象です。

岡三証券の韓国株取扱状況

取扱銘柄数
(個別銘柄、KDR、ETF)
店舗に問い合わせ
取引時間
(現地時間)
8:00~15:00
(現地時間8:00~15:00)
韓国株取引手数料
(税込)
・海外手数料:約定代金×0.5%
・有価証券取引税(売却時のみ):
約定代金×0.08%
・特別税(売却時のみ):
約定代金×0.15%
・国内取次手数料:
約定代金の価格帯と取引口座別に
手数料率を設定(上限110万円)
決済方法 ・韓国ウォンでの入出金の取り扱いなし
・日本円による円貨決済のみ
為替手数料 1韓国ウォン当たり0.2銭
外国株取引口座
開設、管理手数料
1口座あたりの外国株取引口座管理料(税込)
・1年で3,300円
・3年で7,920円
その他 ・特定口座対応
・NISA口座利用不可
岡三証券のホームページをもとに筆者作成、2021年10月27日時点

アイザワ証券――証券業界のアジア株のパイオニア

アイザワ証券
老舗対面証券。2000年にアジア株のパイオニアとして、韓国、香港、台湾3市場の株式取引を同時に開始した。その後アジア株の取扱市場は拡大し、現在は12市場。取扱銘柄数も多く、2021年10月27日現在は韓国株だけでも425銘柄に上る。

韓国株を含む10市場の取引は、アイザワ証券の「グローバルFIX」接続によって人手を介することなく、電子的、直接的に売買処理が行われている。

アイザワ証券では対面取引口座だけでなく、インターネット口座「ブルートレード口座」でも韓国株を取引できる。

ブルートレード口座でも、国内株だけでなく、韓国株を含むアジア株の投資情報を入手できる。

ブルートレード口座

インターネット口座ではあるが、営業員から投資情報の案内やアドバイスを受けることもできる。注文方法はオンライントレードシステムによる注文、コールセンターへの電話注文、営業員を介しての注文から選べる。

ブルートレード口座は韓国株初心者にとっては使い勝手の良い口座ですが、コールセンターへの電話注文または営業員を介しての注文方法を選ぶと、取引手数料が高くなるので注意しましょう。

アイザワ証券の韓国株取扱状況

取扱銘柄数
(個別銘柄、KDR、ETF)
425銘柄
取引時間
(現地時間)
9:00~15:30
(現地時間9:00~15:30)
韓国株取引手数料
(税込)
・対面取引:売買代金×2.20%
・ブルートレード(※):
ネット・モバイル発注・売買代金×1.65%
コールセンター発注・売買代金×1.98%
コンサルネット発注・売買代金×2.20%
(買いの場合のみ、最低手数料5,500円)
※現地諸費用込み
決済方法 ・韓国ウォンによる外貨決済
・日本円による円貨決済
為替手数料 100韓国ウォン当たり10銭
外国株取引口座
開設、管理手数料
無料
その他 特になし
アイザワ証券のホームページをもとに筆者作成、2021年10月27日時点

6,韓国株を始める3つのメリット

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

韓国株に投資するなら、そのメリットをぜひ活かしたい。

韓国株を始めるメリットを3つ紹介しよう。

韓国株を始めるメリット
  • 日本に近くて企業情報を得やすい
  • 世界トップレベルのグローバル企業に投資できる
  • 東南アジアなどの新興国に間接的に投資できる

韓国株を始めるメリット1,日本に近くて企業情報を得やすい

韓国経済などのニュースは日本語でも比較的入手しやすい。

韓国のニュースを日本語で配信するメディアがあり、日本のメディアも韓国の出来事を取り上げることが多い。

韓国の個々の企業の情報は、日本語で韓国上場企業の情報を探せるウェブサイトなどがあり、日本でも情報収集しやすいといった特徴があります。

韓国株を始めるメリット2,世界トップレベルのグローバル企業に投資できる

韓国には、日本企業にはない強みをもつ企業がある。

世界的にエレクトロニクス製品が強いサムスン電子やLG電子、半導体のSKハイニックス、ITのNaver(ネイバー)やカカオなど、グローバル展開を進めている企業が多い。

たとえば、半導体関連企業では、日本にも信越化学工業などの半導体材料の企業や東京エレクトロンなどの半導体製造装置の企業があり、これらの企業は世界トップレベルだ。

しかし、半導体製品について日本企業はあまり強くない。

半導体製品の世界トップレベルの企業に投資するなら、韓国か米国の企業を選ぶことになる。

韓国株を投資先に加えれば、さまざまな強みをもつ韓国企業をポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)に加えることが可能です。

韓国株を始めるメリット3,東南アジアなどの新興国に間接的に投資できる

韓国は日本に比べると人口が少なく、外国へのビジネス展開で稼ぐ企業が多い。

特に経済成長が進む東南アジアの国に進出する韓国企業が多く、韓国株式を通して間接的に東南アジアへの投資が可能です。

東南アジアへの投資は、東南アジアの企業の株式に投資する方法もある。

しかし、政治的な混乱や未成熟な株式市場などによりカントリーリスクが高いことがあり、国によっては投資リスクが高くなる。

韓国は、それらの国よりもカントリーリスクが低いと考えることもでき、株式の投資対象にしやすいと言えます。

7,韓国株投資のデメリット・注意すべきポイントは?積極的な情報収集は必須

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

投資では、メリット以外にデメリットも知っておきたい。

韓国株への投資の4つのデメリットを把握しよう。

韓国株のデメリット
  • 韓国株の投資情報が限定される
  • 財閥企業の業績が株式市場に大きく影響する
  • 中国・米国・日本・東南アジア諸国との国際関係の影響が強い
  • 輸出依存度が高いために国外の影響を受けやすい

韓国株投資のデメリット1,韓国株の投資情報が限定される

芸能や文化、食品など、韓国に関する情報は巷にあふれているが、韓国株の投資情報となると入手先が限定される。

メリット1で紹介したように、日本語での韓国ニュースの確認や韓国企業情報の検索は可能だが、投資情報としては不十分なことがある。

そのため、自分で積極的に韓国株の投資情報を収集する必要があると認識してほしい。

韓国株を取り扱う証券会社でも、提供される韓国株の銘柄情報や投資情報は少なく、銘柄選択や投資判断には不十分です。
韓国株に投資する際は、証券会社のサイトだけでなく、世界経済のニュースや韓国のニュースなどから韓国企業に関わる情報を入手して、その中から業績好調な企業や将来性のある企業を探しましょう。

投資したい企業が証券会社の韓国株取扱銘柄リストに載っていなかったら、取扱銘柄に加えてもらえるよう依頼してみましょう。証券会社の取扱基準を満たす企業であれば、早々に取引できるようになるかもしれません。

韓国株投資のデメリット2,財閥企業の業績が株式市場に大きく影響する

韓国経済は、財閥企業の影響を大きく受ける特徴がある。

韓国株式市場のKOSPIには財閥企業が多く上場しており、財閥企業が時価総額全体に占める割合が高いため、財閥企業の業績が株式市場を大きく左右します。

韓国の財閥には、サムスン、現代、SK、LGなどがあるが、半導体やスマートフォンなどに世界的に大きなシェアをもつサムスン電子の影響が特に大きい。

世界の家電製品市場などでは、中国企業の存在感が大きくなってきており、サムスン電子の好調な業績が今後も続くのか注目です。

韓国株投資のデメリット3,中国・米国・日本・東南アジア諸国との国際関係の影響が強い

韓国経済は、中国、日本、東南アジア諸国との結びつきが強いため、それらの国との国際関係の影響を受けることがデメリットです。
たとえば、1997年のタイ・バーツの下落をきっかけにしたアジア通貨危機は韓国に波及し、財閥の起亜グループなどが破綻した。通貨危機により外国資金は韓国から流出し、IMF等の国際支援を受けることになった。

出典:日本総研『アジア通貨危機の背景とその影響』、財務省『第1章 アジア通貨危機の原因と特徴』

現在では、中国と米国、日本、東南アジア諸国との貿易額が多く、それらの国との国際関係によっては韓国の株式市場が強く影響を受けてしまいます。

出典:JETRO『世界貿易投資動向シリーズ 韓国2021年8月24日

韓国株投資のデメリット4,輸出依存度が高いために国外の影響を受けやすい

韓国経済は輸出依存度(GDPに対する輸出の比率)が高く、2017年のデータでは37%程度であった(同年の日本の輸出依存度は14%程度)。 出典:経済産業省『第2節 米中という二大経済国と各国・地域の経済関係』

韓国の輸出依存度は日本の2倍以上であることから、韓国経済は国外の影響が大きいことが分かる。

2020年の韓国の輸出先は、中国が25.9%と最多であり、次いで米国の14.5%、ベトナムの9.5%と続く。
出典:JETRO『世界貿易投資動向シリーズ 韓国』

ベトナムへの輸出が多いのは、東南アジア諸国のなかで特にベトナムに進出する韓国企業が多いからだ。
出典:JETRO『韓国企業の活発な対ベトナム投資が続く』

韓国株への投資では、特に中国、米国、ベトナムの影響に注目しておきましょう。

8,優良な韓国株を見つけて投資してみよう

(画像= olliethedesigner /stock.adobe.com)

韓国は日本に比べて経済成長率が高く、今後も一定の成長が期待できる。

日本で人気のある韓国製品や韓国製の半導体、世界中で使われている家電製品など、市場で存在感のある製品を見つけたら、それを韓国株の投資機会ととらえてみてはどうだろうか。

銘柄選択が吉と出れば、数年後に大きな値上がり益を得られるだろう。

グローバル展開している大企業の株式であれば、将来にわたって安定的に高い配当利回りも期待できる。

情報が少なく一般的でないだけに、自分の裁量で購入した韓国株の成長は一層嬉しく感じられるはずだ。

日中多忙なビジネスパーソンが、信頼のおける国内の証券会社を利用して、インターネット取引で気軽に韓国株を購入するとなると、SBI証券とアイザワ証券の2社が現実的な選択肢となるだろう。

韓国株が買える証券会社についてよくある5つのQ&A

韓国株式市場の特徴は?
韓国の株式市場はKRXといい、2005年に韓国証券取引所、「KOSDAQ」、韓国先物取引所の3市場が統合して発足した。KRXは二つの市場があり、大型株は韓国証券取引所の株式市場部門である「KOSPI」に、中小企業や新興企業は店頭市場部門の「KOSDAQ」市場に上場していることが多い。

KOSPI指数とは?
韓国総合株価指数のことで、韓国取引所に上場されている全銘柄の時価総額を加重平均して指数化した、韓国を代表する株価指数。

KOSDAQ指数とは?
新興企業を対象にしたKOSDAQ市場上場全銘柄の時価総額加重平均指数。韓国の新興企業全体の株価の目安になっている。

韓国株市場と日本株市場にはどのような違いがあるか?
日本市場との違いは、昼休みがないこと、値幅制限は前日終値の±30%なこと、取引単位は1〜10株からということが挙げられる。

韓国株を購入できるおすすめの証券会社は?
口座開設数も取引コストも安く、ネットで取引できるSBI証券、早くからアジア株に力を入れており、情報量の多いアイザワ証券などがおすすめだ。

積立NISAのおすすめ証券会社
2022年4月時点
1 2 3 4 5
会社名
取扱銘柄数 181本 179本 173本 152本 164本
売買手数料 無料 無料 無料 無料 無料
最低投資金額 100円 100円 100円 100円 100円
ポイント還元 楽天ポイント Tポイント
Pontaポイント
Vポイント
dポイント
松井証券ポイント マネックスポイント Pontaポイント
クレジット
カード積立
ポイント還元率
楽天カード
1%(※1)
三井住友カード
0.5%(※2)
非対応 マネックスカード
1.1%
1%(※3)
積立コース 毎月
毎日
毎月
毎週
毎日
毎月 毎月
毎日
毎月
ココがおすすめ ・楽天カード積立のポイント還元が高い ・口座数主要ネット証券No.1柔軟な積立設定
・積立アプリでラクラク管理
・サポート体制に強み
・投信毎月現金還元サービス
・マネックスカード積立で1.1%ポイント還元 ・「NISA割®」で手数料割引
・Pontaポイントが貯まる
詳細はこちら
公式サイトへ
詳細はこちら
公式サイトへ
詳細はこちら
公式サイトへ
詳細はこちら
公式サイトへ
詳細はこちら
公式サイトへ
※1.2022年9月より1%または0.2%
※2.三井住友カードの一般カード。一部のカードは1%または2%
※3.2022年3月28日より。対象au回線契約者は最大5%
SBI証券楽天証券松井証券マネックス証券auカブコム証券の公式ホームページをもとに筆者作成、2022年4月17日時点

実際に株式投資を始めてみる

口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位
>>SBI証券の口座開設はこちら

口座開設数2位、外国株や投資信託に強く、マーケットスピードも使える
>>楽天証券の口座開設はこちら

米国株の取り扱いが豊富、ワン株も取引可能
>>マネックス証券の口座開設はこちら

株主優待名人の桐谷さんも開設、少額取引の手数料が0円
>>松井証券の口座開設はこちら

取引コストが抑えられ、中上級者も検討したい
>>ライブスター証券の口座開設はこちら

単元未満株、平等抽選IPO、充実の証券レポートも
>>au カブコム証券の口座開設はこちら

IPO当選確率を上げるなら!ツールも魅力的
>>岡三オンライン証券の口座開設はこちら

手数料が業界最安値水準な上に取引でポイントがたまる
>>DMM.com証券の口座開設はこちら

現物・信用ともに低コスト!
>>GMOクリック証券の口座開設はこちら

執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

この筆者の記事を見る

【関連記事】
ネット証券をランキングで比較!
スマホでネット証券の株取引を始める時に注意しておきたい3つのこと
株式投資に必要な資金はいくら?10万円以下で購入できる東証一部銘柄も紹介
株式投資の初心者がやってはいけない4つのこと 銘柄の選び方や投資方法は?
株の始め方5ステップ 証券会社選び、いくら投資すべきか、銘柄選び、NG行動など初心者が知っておきたいこと
ANAとJALの株主優待を徹底比較!お得なのはどっち?

    関連タグ