一般NISAからつみたてNISAに口座変更すると保有資産はどうなる?

2019.2.6
INVESTMENT
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
(写真=fizkes/Shutterstock.com)
2018年1月からスタートし、順調に口座数を伸ばしているつみたてNISA。つみたてNISA口座開設者のうち、33%は一般NISAからの切り替えだ。一般NISAに保有資産があっても変更は可能なのだろうか。

一般NISAとつみたてNISAは「年単位」の選択制

つみたてNISAは毎年40万円を上限に投資が可能で、分配金や売却益が最長20年間非課税になる制度だ。一般NISAの毎年120万円・最長5年間に比べ、長期的で安定的な資産運用に向いている。

一般NISAとつみたてNISAは同時利用できない。現在一般NISAの口座を開設しているなら、つみたてNISAへの変更手続きをすればつみたてNISAに切り替えできる。ただし変更できるのは年に1回だけ。その際、タイミングに注意が必要である。同年中につみたてNISAを始めたい場合は、次の2点を満たす必要がある。
  • 一般NISAで今年の投資枠を1円も使っていない
  • 9月30日までに手続きを終えている
すでに一般NISA口座においてその年の投資枠で買い付けをおこなっていると、切り替えは翌年までおあずけだ。つみたてNISAの開始は翌年まで我慢して、今年の一般NISAの投資枠を使い切ることに注力しよう。また、投資枠がまっさらな状態でも、10月に入ってしまうといずれにしても翌年ということになる。つみたてNISAへの切り替えは、年の早い時期に済ませてしまうのが良いだろう。

一般NISAで運用している資産はそのまま非課税扱い

つみたてNISAに切り替える際、一般NISAに運用中の資産がある場合はどうなるのだろうか。よくある誤解なのだが、一般NISAが使えなくなるのではとあわてて売却する必要はない。

保有中の資産が購入年から5年間非課税なのは、つみたてNISAに変更した後でも変わらない。できなくなるのは買い付けだけで、保有し続けても期間内は非課税のままだ。非課税期間が終わったら(1)翌年の非課税投資枠にロールオーバーする、(2)課税口座に移す、(3)売却する、の3択になるのも変わらない。

(1) は少々複雑なのでもう少し説明すると、ロールオーバーは有効期間切れの資産を次の投資枠を使って一般NISA口座に保有し続けることができる仕組みだ。これをすることで課税口座に移したり売却したりする必要がない。

ただし、つみたてNISA口座を選択している状態だと一般NISAのロールオーバーはできないので注意したい。ロールオーバーは買い付けと同じ行為なので、適用されていない口座では実行できない。どうしてもロールオーバーしたければ、その年に一般NISA口座に設定を戻すのを忘れないようにしなければならない。

逆に、つみたてNISAに資産がある状態で一般NISAに切り替えをしても、非課税が継続されるのは同じだ。つみたてNISAの場合購入後20年間有効ということになる。ただしつみたてNISAはロールオーバーの制度がないので、20年経つと課税口座への移管か売却かのいずれかを選択することになる。

一般NISAに資産がある人の切り替え例

あなたが一般NISAに2018年度投資枠で購入した資産を保有している状態で、2019年からはつみたてNISAを検討しているとする。一般NISAの銘柄は好調で分配金もよく、5年いっぱい非課税の恩恵を受けた後も継続したいと考えているとするなら、次のように活用するのはどうだろうか。

2018年 一般NISAで買い付け(→2022年まで非課税)
2019年 つみたてNISAに切り替え・買い付け(→2038年まで非課税)
2020年 つみたてNISAで買い付け(→2039年まで非課税)
2021年 つみたてNISAで買い付け(→2040年まで非課税)
2022年 つみたてNISAで買い付け(→2041年まで非課税)
2023年 一般NISAに切り替え・ロールオーバー(→2027年まで非課税)

一般NISAとつみたてNISAは同年に買い付けすることはできないが、双方の口座に資産を保有するのは問題ない。上記のように、一般NISAのロールオーバーの年だけつみたてNISAから一般NISAに戻し、翌年からまたつみたてNISAに変更しなおせば、両方の非課税効果を享受することも可能というわけだ。あくまでも例だが、参考にしてはどうだろうか。

同一金融機関か別の金融機関かで手続きが異なる

手続き方法について簡単に説明する。細かい手順については各金融機関のホームページを参考にしてほしい。

同じ金融機関内で一般NISAからつみたてNISAに切り替える場合

その年に一般NISAで買い付けをおこなっていないなら、「金融商品取引業者等変更届出書(勘定変更用)」を金融機関に提出するだけで同年からつみたてNISAが利用できる。当年中に間に合わせるには9月30日までに手続きを完了させる必要があるので余裕を持って進めたい。その年に一般NISAで買い付けをおこなってしまっている場合は、翌年からつみたてNISAを選択できるよう「非課税口座異動届出書」を提出する。

異なる金融機関のつみたてNISAを開設したい場合

金融機関の変更はその年の9月30日までに手続きが終わっていれば同年中に利用が開始できる。変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出すると、「勘定廃止通知書」を交付してもらえる。それを新しい金融機関の「非課税口座開設届出書」に添付して提出するのだが、その際非課税口座は「つみたてNISA」に設定すれば手続きは完了だ。

一般NISAからつみたてNISAへの変更はタイミングが重要

つみたてNISAは、長期で少額な投資に向いているということで、20~40代の投資家に人気がある。忙しい現役世代である彼らには、銘柄が低リスク・低コストなものに絞られている点も魅力だろう。

一般NISAからつみたてNISAへの変更は年ごとに変更が可能となっている。そのため、これまで一般NISAで運用をしていたがつみたてNISAに切り替えたいという場合には、上述したようなポイントに注意しながらうまく変更手続きを行ってほしい。一般NISA、つみたてNISAにはそれぞれに特徴があるため、自分のニーズに合ったものを選択したい。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

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