楽天証券は口座開設数が多い人気のネット証券だ。楽天証券でつみたてNISAを始めるために、メリットや口座開設方法、つみたてNISAの設定方法などを紹介する。他の金融機関でNISA口座を利用している人が、楽天証券でつみたてNISAを始めるための手続きについても解説しよう。
目次
1.楽天証券のつみたてNISAの概要
2.楽天証券のつみたてNISAの3つのメリット
3.楽天証券のつみたてNISA始め方……ステップ1,つみたてNISAの口座開設
4.楽天証券のつみたてNISA始め方……ステップ2,つみたてNISAの積立設定
5.楽天証券のつみたてNISAの注意点は分配金の再投資
6.楽天証券のつみたてNISAはどんな人におすすめ?
1.楽天証券のつみたてNISA(積立NISA)の概要
楽天証券は大手ネット証券の一つで、取扱商品が豊富だ。特に楽天グループのサービスを利用している人は、楽天証券をするとポイント優遇などのメリットがある。
楽天証券のつみたてNISAの基本情報は以下の通りだ。
楽天証券 つみたてNISA基本情報 | |
取扱商品数 | 170本 |
最低積立金額 | 100円 |
積立頻度 | ・毎月 ・毎日 |
引き落とし方法 | ・証券口座 ・楽天カードクレジット決済 ・楽天銀行 ・楽天カード支払口座 |
サポート時間 | ・電話:平日8:30~17:00 (土日祝・年末年始を除く) ・有人チャット:平日9:00~18:00 (土日祝・年末年始を除く) ・AIチャット:24時間 ・メール:24時間受付 |
楽天証券のつみたてNISAは取扱商品数が多く、積立資金の引き落としを多くの方法から選択できるのが特徴だ。
最低積立金額は100円からと業界最低水準であり、数百円程度の少額から積立投資を気軽に始められる。
積立頻度は「毎月」に加えて「毎日」も選ぶことができ、時間の分散投資効果を高めたい人に向いている。
サポートは電話以外にAIチャットや有人チャットなどがあり、状況に応じて問い合わせ方法を選択できる。
2.楽天証券のつみたてNISA(積立NISA)の3つのメリット 貯めて使える楽天ポイントなど
楽天証券のつみたてNISAのメリットを3つ紹介しよう。楽天証券が他社と大きく違うのは、ポイント制度だ。
メリット1……楽天カードのクレジット決済で楽天ポイントが貯まる
楽天証券では、投資信託の積立金の引き落としに楽天カードのクレジットカード決済を利用すると、決済額100円につき1ポイント(楽天ポイント)が楽天カードから付与される。
例えば毎月3万円を積み立てる場合は、月に300ポイント、年間3,600ポイントが貯まる。
なお、楽天カードのクレジットカード決済は「毎日」積立では利用できず、「毎月」積立でのみ利用できる。
メリット2……楽天ポイントを使って投資信託の積立ができる
投資信託の積立の一部または全部に、楽天ポイントと楽天証券ポイントを利用できる。
積立注文でポイントを利用する方法は、ポイントをすべて使うか、「毎日」「毎月」の利用上限ポイントを設定して使うかのどちらかである。
なお、ポイントを利用できる引き落とし方法は、証券口座引落または楽天カードクレジット決済だ。
楽天証券にてポイントを利用して投資信託を購入するとSPU(スーパーポイントアップ)の対象になり、楽天市場の買い物でのポイント付与率が上昇する。
メリット3……つみたてNISAの対象商品が豊富
つみたてNISAの対象商品は金融機関によって異なるが、対象商品は多いほうがポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)の自由度が高くなる。
主要証券会社のつみたてNISA対象商品数は、以下のとおりだ。
証券会社 | つみたてNISA商品数 |
楽天証券 | 投資信託170本 |
SBI証券 | 投資信託172本 |
野村證券 | 投資信託7本 |
大和証券 | 投資信託15本、ETF 7銘柄 |
SMBC日興証券 | 投資信託147本 |
※データは2021年1月6日時点
2020年12月23日時点の金融庁のデータによると、つみたてNISA対象の全商品数は投資信託186本、ETF 7銘柄である。
楽天証券では、つみたてNISAの対象商品の大部分を購入できるため、商品の選択肢が多い。
3.楽天証券のつみたてNISA始め方……ステップ1,つみたてNISA(積立NISA)の口座開設
楽天証券のつみたてNISAの始め方を見ていこう。つみたてNISAの口座開設をステップ1、積立設定をステップ2として紹介する。
楽天証券のつみたてNISAの口座開設は、他社のNISA口座や楽天証券の総合取引口座(証券口座)の有無によって手続きが異なる。
楽天証券につみたてNISAの口座を開設するには、以下の表のステップ1a~1eから該当するステップを参照してほしい。
NISA口座の保有状況 | 楽天証券の総合取引口座の保有状況 | 参照する ステップ |
初めてNISA口座を開設する | 楽天証券の総合取引口座がない | ステップ1a |
楽天証券の総合取引口座がある | ステップ1b | |
他社にNISA口座がある | 楽天証券の総合取引口座がない | ステップ1c |
楽天証券の総合取引口座がある | ステップ1d | |
楽天証券に一般NISAの口座がある | ステップ1e |
ステップ1a……初めてのNISA口座で楽天証券に総合取引口座がない場合
NISA口座を開設するが初めてで、楽天証券の総合取引口座がない場合は、証券口座・つみたてNISA口座を同時に申し込む。
手続きは楽天証券ウェブサイトの「つみたてNISA口座開設方法のご案内」から、「総合口座・NISA口座同時申込み」へ進む。申し込みに必要な本人確認書類はウェブでアップロードする。
郵送で「ログイン情報のお知らせ」が届いたら、記載されているIDとバスワードで楽天証券ウェブサイトにログインする。
初期設定とマイナンバー登録が完了すれば、つみたてNISAの取引が可能になる。
ステップ1b……初めてのNISA口座で楽天証券に総合取引口座がある場合
楽天証券の総合取引口座を持っているなら、つみたてNISAの口座開設を申し込む。申し込み方法はオンラインと郵送を選択できる。
オンラインでNISA口座を開設する場合は、楽天証券ウェブサイトにログインして「つみたてNISA口座開設方法のご案内」から「オンラインで口座開設」の「NISA口座申込み」へ進み、本人確認書類をウェブでアップロードする。
つみたてNISA口座が開設されるとメールが届き、つみたてNISAの取引を開始できる。
郵送で口座を開設する場合は、楽天証券ウェブサイトにログインして「つみたてNISA口座開設方法のご案内」から、「郵送で口座開設」の「NISA口座申込み」へ進み、本人確認書類は「郵送で提出」を選択する。
申込書が届いたら、本人確認書類のコピーを同封して返送する。メールでお知らせが届けば、つみたてNISAの取引を開始できる。
なおオンラインでも郵送でも、楽天証券にマイナンバーを登録していない場合は、マイナンバーの提出が必要だ。
ステップ1c……他社にNISA口座があり楽天証券に総合取引口座がない場合
他社にNISA口座があり、楽天証券に総合取引口座がない場合は、NISA口座の金融機関変更と総合取引口座の開設の手続きを行う。
まず、NISA口座がある金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取得する。そして、楽天証券ウェブサイトの「NISA口座金融機関変更方法のご案内」から「総合口座・NISA口座同時申込み」へ進み、申込書類を請求する。
書類が届いたら、変更前の金融機関から取得した書類を同封して返送する。楽天証券と税務署での審査が完了すると、つみたてNISAの取引が可能になる。
ステップ1d……他社にNISA口座があり楽天証券に総合取引口座がある場合
他社にNISA口座があり、楽天証券に総合取引口座がある場合は、NISA口座の金融機関の変更手続きを行う。
まず、NISA口座がある金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を取得する。そして、楽天証券ウェブサイトの「NISA口座金融機関変更方法のご案内」から「NISA口座申込み」へ進み、申込書類を請求する。
書類が届いたら、変更前の金融機関から取得した書類を同封して返送する。楽天証券と税務署での審査が完了すると、つみたてNISAの取引が可能になる。
ステップ1e……楽天証券に一般NISAの口座がある場合はNISAを区分変更する
楽天証券の一般NISAをつみたてNISAに変更するには、NISAの区分変更(一般NISA⇔つみたてNISA)を行う。
楽天証券ウェブサイトにログイン後、「区分変更方法のご案内」から「NISA口座の区分変更申込み」へ進み、申込書類を請求する。書類が届いたら、必要事項を記入して返送する。楽天証券での手続きが完了すると、通知される。
4.楽天証券のつみたてNISA始め方ステップ2……つみたてNISA(積立NISA)の積立設定
楽天証券のつみたてNISAの口座を準備したら、つみたてNISAの設定を行う。流れは以下のとおりだ。
ステップ2-1……楽天証券にログインして「NISA・つみたてNISA」を選ぶ
楽天証券ウェブサイトにログインして、「NISA・つみたてNISA」タブをクリックする。
ステップ2-2……つみたてNISAで買い付ける商品を選ぶ
すると、つみたてNISAで買い付ける商品を選ぶためのポップアップが表示される。
自分で投資信託を選ぶ場合は「ファンド一覧から選ぶ」、選び方がわからない場合は「パッケージから選ぶ」、買い付ける投資信託が決まっているなら「ファンドを個別に探す」から積立を行う投資信託を選択する。
つみたてNISAの商品は主に株式を資産とする投資信託であり、長期での積立投資では地域を分散する分散投資が一般的だ。例えば国内株式の投資信託と米国株式の投資信託など、複数の投資信託を組み合わせる。
ステップ2-3……引き落とし方法・積立頻度・積立金額・ポイント利用を指定する
投資信託を選んだら、「引き落とし方法」「積立タイミング」「積立の設定」「増額の設定」「ポイントの利用」を指定する。
引き落としは、以下の5つの方法から選ぶ。楽天カードを保有しているなら、ポイントが貯まる楽天カードクレジット決済がおすすめだ。
引き落とし方法 | コメント |
証券口座 | 証券口座の預り金から月1回振り替える |
楽天カードクレジット決済 | 楽天カードのクレジット決済でポイントが貯まる |
楽天銀行 | 楽天銀行から月1回資金を振り替える |
楽天カード支払口座からの 引き落とし |
楽天カード支払口座から毎月27日に引き落とし |
その他金融機関の設定 | 指定した金融機関口座から毎月引き落とし |
積立タイミングは「毎月」または「毎日」を選び、「毎月」の場合は積立指定日を設定する。
投資信託ごとに「積立金額」を設定し、「分配金コース」と「ボーナス設定」を選ぶ。
年の途中でつみたてNISAを始める場合は、必要に応じて「増額の設定」を指定する。
ポイントの利用設定は、必要に応じて変更できる。設定完了したら「目論見書の確認へ」に進む。
ステップ2-4……商品の目論見書を閲覧し注文を確定する
すると、目論見書の閲覧画面が表示される。
目論見書を閲覧して約款を確認すると、注文内容の確認画面が表示される。
注文内容を確認して「注文する」をクリックすれば、設定は完了だ。
5.楽天証券のつみたてNISAの注意点 分配金の再投資
楽天証券のつみたてNISAでは、分配金の再投資に注意したい。つみたてNISAで分配金コースの「再投資型」を選択すると、分配金が支払われた場合につみたてNISAの投資枠で再投資の買い付けが行われる。
その年の積立累計金額と12月までの積立予定金額の合計が年間投資枠(40万円)を超える場合、分配金はNISA口座ではなく課税口座(特定口座・一般口座)で再投資される。
分配金が支払われない投資信託で積立を行えば、つみたてNISAの投資枠を使わないため、つみたてNISAの非課税メリットを最大限に活かせる。
分配金支払い実績が0円のものを選べば、将来の分配金支払いの可能性が低い。
6.楽天証券のつみたてNISAはどんな人におすすめ?
楽天証券のつみたてNISA主なメリットは、楽天カードクレジット決済で楽天ポイントが貯まることと、楽天ポイントを利用して積立ができること。よって、楽天グループのサービスをよく利用する人には、楽天証券のつみたてNISAがおすすめだ。
また楽天証券はつみたてNISAの対象商品が多く、ポートフォリオの自由度が高いため、さまざまな商品を選びたい投資経験者にもおすすめできる。
投資初心者でも自分で投資信託を調べて選べるなら、初心者に適した投資信託を扱っている楽天証券でつみたてNISA口座を始めるとよいだろう。
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