株式交換とは何か?
株式交換は企業再編手法の一つであり、他の会社(A社)を完全子会社化するため、対象会社の株主が保有する発行済株式のすべてを、自社(Z社)の株式と交換することをいう。
自社株(完全親会社の株式)以外の株式との交換も認められている(※大和総研の2012年11月21日『いまさら人には聞けない株式交換のQ&A』より)。
<株式交換>
株式交換により、A社はZ社の完全子会社に、Z社はA社の完全親会社になる。A社が上場会社であれば、上場廃止となる。
もともとのA社株主にはA社株式と引き換えに、保有していたA社の株数に応じてZ社株式が割り当てられる。これにより、A社株主はZ社株主に変わる。
A社の株数に対して割り当てられるZ社の株数の比率を「株式交換比率(カブシキコウカンヒリツ)」という。
株式移転との違い
完全子会社化には「株式移転(カブシキイテン)」という手法もある。株式移転では、完全親会社となる会社を新たに設立する点が株式交換と異なる。
株式交換のメリット・デメリット
株式交換には、以下のようなメリット・デメリットがある。
- 多額の買収資金を準備しなくてよい
- 既存会社が消滅しない(子会社として存続・一定の独自性を保ちながら経営統合が可能)
- 株主から個別に同意を得なくても株式を取得できる
- 少数株主(親会社以外の株主)からも強制的に株式を取得できる
株式交換は企業買収(M&A)でもよく利用される。反対株主がいても強制的に株式を取得できるため、応募のあった株主からのみ買付を行う「株式公開買付(TOB)」とは異なり、確実に完全子会社化を実現できるというメリットがある。
- 原則として株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上の賛成)が必要
※小規模の株式交換の場合、一定の要件を満たせば取締役会決議による「簡易株式交換」が認められる - 株式移転に反対する株主には株式買取請求権があり、権利行使があれば株式の買い取りが必要
- 対価として新株を発行すると、親会社の株価下落要因となる
- 親会社の株主構成が変化する
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