株式移転とは何か?

株式移転は企業再編手法の一つであり、既存の会社(A社)が新たに会社(Z社)を設立し、その会社に発行済株式をすべて取得させる(移転する)ことをいう(※JPXのホームページより)。

<(単独)株式移転>

1.株式移転(カブシキイテン)
(画像=編集部作成)

株式移転により、A社はZ社の完全子会社となり、Z社はA社の完全親会社となる。

もともとのA社株主にはA社株式と引き換えに、保有していたA社の株数に応じてZ社が発行する新株(Z社株式)が割り当てられる。これにより、A社株主はZ社株主に変わる。

A社の株数に対して割り当てられるZ社の株数の比率を「株式移転比率(カブシキイテンヒリツ)」という。

株式移転のメリット
  • 多額の買収資金を準備しなくてよい
  • 既存会社が消滅しない(子会社として存続・一定の独自性を保ちながら経営統合が可能)
  • 比較的スピーディーな組織再編が可能
株式移転のデメリット
  • 原則として株主総会の特別決議(出席株主の議決権の3分の2以上の賛成)が必要
  • 株式移転に反対する株主には株式買取請求権があり、権利行使があれば株式の買い取りが必要
  • 完全親会社となる会社が非上場会社の場合、換金(現金化)が難しくなる

株式交換との違い

完全子会社化には「株式交換(カブシキコウカン)」という手法もある。株式交換では、完全親会社となる会社が既存会社である点が株式移転と異なる。

株式移転は複数社を経営統合して持株会社を設立する際に利用される

株式移転は、1社だけでなく複数社で行うこともできる(共同株式移転)。

例えば、既存のA社とB社が共同で完全親会社となるZ社を設立し、株式移転によってA社とB社、それぞれの株主にZ社の株式を交付するといった具合だ。

<(共同)株式移転>

2.株式移転(カブシキイテン)
(画像=編集部作成)

この手法は複数の事業会社を経営統合し、持株会社(ホールディングス)を設立する際によく利用される。

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