株式投資の平均利回りは何%?計算方法や目安など、投資初心者が知っておきたい投資の基礎知識を紹介

2020.5.8
INVESTMENT
(写真=lovelyday12/Shutterstock.com)
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「利回り」は、一般的には「投資元本に対して何%の利益が出ているか」を示している。株式投資における「利回り」とは、具体的にどのような利益に対して用いられるのだろうか。平均的な株式投資の利回りが何%程度なのか、またその算出方法を見てみよう。 

目次
1,株式投資による利益は2種類―キャピタルゲインとインカムゲイン
2,株式投資の利回り算出方法はインカムゲインが基準
3,株式投資の平均的な利回りを紹介――東証一部は2.41%
4,株主優待がある銘柄は配当と株主優待を含めた利回りで比較
5,東証一部上場会社の利回りランキングTOP10!配当と株主優待がもらえる人気銘柄は?
6,高配当利回りランキングTOP10企業の詳細を確認
7,平均利回りを目安に、好利回り銘柄かどうかを評価しよう

1,株式投資による利益は2種類―キャピタルゲインとインカムゲイン

株式投資によって得られる利益には、主に「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類がある。

キャピタルゲイン―株を売却することで得られる利益

キャピタルゲインは、株式の売却金額から買付金額を引いた残り(利益)のこと。購入時よりも株価が上がった時に売却すればキャピタルゲイン(譲渡益/値上がり益)が得られるが、株価が下がった時に売却するとキャピタルロス(譲渡損/値下がり損)が発生する。

インカムゲイン――株を保有しつづけることで得られる利益

インカムゲインは、株式を保有することによって得られる配当や株主優待などの利益のこと。1年に1回または2回、1株につき一定額の配当金が株主に対して分配される。株主優待は、単元株以上の株式を保有する株主に対して企業が設けている優待制度のことであり、割引券や自社製品、名産品など、企業の裁量でさまざまなものが株主に贈られる。

2,株式投資の利回り算出方法はインカムゲインが基準

株式投資の利回りを左右する利益は、インカムゲインである。株式投資の利回りを考える際には、配当利回りだけでなく、株主優待利回りについても確認するといいだろう。

配当利回りの算出―必要なのは「予想年間配当金」と「株価」

「配当利回り」は、株価に対する年間配当金の割合を示す指標であり、通常は企業が公表する年間配当金の予想値を使って、以下の式で算出する。

配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金÷株価×100(最低保有株数)

例えば、2020年4月22日の終値で日本マクドナルドホールディングス <2702> の配当利回りを算出してみよう。同日終値は5,440円で、2020年12月期の予想年間配当金は1株33.0円だ。予想配当利回りは、以下の計算式で算出できる。

33.0円÷5,440円×100株=0.61%

配当利回りの数値が大きいほど好配当利回り銘柄として好感される。ただし、年間配当金が同じでも、株価が下がれば配当利回りは高くなり、株価が上がれば配当利回りは低くなる。さらに、期中であっても、企業は業績に応じて予想年間配当金を修正することがあるので覚えておきたい。 

株主優待利回りの算出―株主優待内容を金額に換算

「株主優待利回り」は、投資金額に対する株主優待の割合を示しており、以下の式で算出する。

株主優待利回り(%)=優待内容の金額換算÷(購入時株価×優待対象株数)×100(最低保有株数)

同じく日本マクドナルドホールディングス <2702> の株式を2020年4月22日の終値5,440円で100株購入した場合を想定する。

投資金額は54万4,000円、株主優待は12月末と6月末の年2回、優待食事券が各回1冊ずつ(1冊5,820円相当:ビッグマック@390円×6枚+ポテトL@330円×6枚+コーラL@250円×6枚で計算)贈呈される。よって、株主優待利回りは以下のようになる。

(5,820円×年2回)÷54万4,000円×100株=2.14%

株主優待利回りが高いほど、お得な株主優待と見なされる。しかし、上場銘柄のすべてが株主優待制度を導入しているわけではないことと、購入時の株価によって利回りが上下することに注意したい。

3,株式投資の平均的な利回りを紹介――東証一部は2.41%

各銘柄の利回りを評価する際には、上場銘柄の平均利回りを基準にするといい。「平均利回り」とは、配当利回りの市場平均を指す。国際比較には、上場株式数を勘案して算出する「加重平均利回り」を用いるのが一般的だ。

日本取引所グループの統計データによると、2020年3月現在、東証一部上場銘柄の有配会社(配当を実施している企業のこと)平均利回りは2.41%、加重平均利回りは2.77%。東証2部上場銘柄の有配会社平均利回りは2.76%、加重平均利回りは2.02%である。 

4,株主優待がある銘柄は配当と株主優待を含めた利回りで比較

インカムゲインを重視した株式投資をする場合、株主優待制度を設けている銘柄については、配当利回りだけでなく、株主優待利回りも合算した実質的な利回りで、利回りの良し悪しを判断することが重要だ。

日本マクドナルドホールディングスは、予想配当利回り0.61%+株主優待利回り2.41%=3.02%が実質的な利回りなので、これを他の銘柄と比較するといいだろう。

5,東証一部上場会社の高配当利回りランキングTOP10!配当と株主優待がもらえる人気銘柄は? 

好利回り銘柄を探すなら、東証一部上場銘柄の中から売買取引が活発な銘柄を抽出して、その中からお気に入りの銘柄を探すといいだろう。

東証一部上場会社「売買代金ランキング」(2020年4月21日現在)

順位 コード 会社名 取引値 売買代金(円) 配当利回り
1 9984 ソフトバンクグループ 4,593円 1,739億3,271万円 0.96%
2 9983 ファーストリテイリング 47,880円 580億6,009万円 1.00%
3 7974 任天堂 46,030円 560億417万円 1.93%
4 6758 ソニー 6,722円 435億2,378万円 0.67%
5 8035 東京エレクトロン 22,495円 366億1,759万円 2.40%
6 7203 トヨタ自動車 6,560円 296億7,972万円 3.35%
7 8306 三菱UFJ
フィナンシャル・グループ
416.5円 249億7,804万円 6.00%
8 4901 富士フイルム
ホールディングス
5,187円 235億7,250万円 1.83%
9 6098 リクルート
ホールディングス
2,788円 214億7,322万円 1.08%
10 4502 武田薬品工業 3,678円 209億5,999万円 4.89%
※Yahoo!ファイナンス「株式ランキング」の、東証一部上場会社対象「売買代金」ランキングを参照した

売買取引が活発な銘柄であれば、流通量が多いので取引が成立しやすい。多くの人が銘柄分析した上で投資を決めているので、会社の財務状態や業績も多くの場合申し分ない。東証一部上場会社の人気銘柄は安定性が高く、倒産リスクなども低い超優良銘柄ばかりだ。

ただし、配当利回りが必ずしも高いわけではなく、株主優待制度を設けていない企業も多い。株式を中長期で保有して、インカムゲインや株主優待を楽しみたい人には、上記の銘柄は不向きかもしれない。

配当と株主優待のどちらも獲得できるお得な銘柄を探すなら、東証一部上場銘柄で売買代金の多いものの中から、配当と株主優待の合計利回りが高い銘柄を選ぶといい。

配当利回り&株主優待利回りランキングTOP10(2020年4月21日基準)

順位   会社名 取引値 配当&優待
合計利回り
配当利回り
※1
株主優待利回り
※2
1 6758 ソニー 6,722円 40.61% 0.67% 39.94%
2 8591 オリックス 1,210円 15.86% 6.28% 9.58%
3 7267 ホンダ 2,387.50円 10.43% 4.69% 5.74%
4 2914 JT 1,969.50円 9.09% 7.82% 1.27%
5 9433 KDDI 3,160円 4.59% 3.64% 0.95%
6 4543 テルモ 3,524円 4.24% 0.81% 3.43%
7 4901 富士フイルム
ホールディングス
5,187円 2.60% 1.83% 0.77%
8 6594 日本電産 5,401円 1.71% 1.06% 0.65%
9 4911 資生堂 6,788円 1.17% 0.88% 0.29%
10 4661 オリエンタル
ランド
14,100円 0.89% 0.31% 0.58%
※1.配当利回り(%)=1株当たり配当金(予想)÷2020年4月21日終値
※2.株主優待利回り(%)=株主優待相当額または割引額÷(2020年4月21日終値×100株)

銘柄選びの手順は、以下のとおりだ。

  1. Yahoo!ファイナンス「株式ランキング」ページの、「東証1部」と「売買代金上位」を選択して、上位60社程度のランキングを確認する
  2. ①の60社のうち、株主優待を実施している銘柄を抽出して一覧表を作成する
  3. ②で抽出した銘柄の配当利回りと優待利回りを算出してから、配当利回りと優待利回りを合算する
  4. 配当利回りと優待利回りの合計が高い順に並べ直して、上位銘柄をチェックする
この方法であれば、売買も気軽にできて、配当利回りも得られる銘柄を絞り込むことができる。

6,高配当利回りランキングTOP3の優待内容を確認

上記の手順で作成したランキングの、上位3企業の詳細を見てみよう。

第1位、ソニー<6758>――合計利回り40.61% ソニー製品好きなら、株主優待がお得

第1位の「ソニー」は、配当利回りこそ低く抑えられているが、株主優待クーポンを使いこなせば非常にお得だ。年1回贈呈されるクーポンは、テレビやカメラなどのAV商品用(15%割引)とVAIO用(3%割引)の2種類。それぞれ、1年で5回まで使用できる。

例えば、ソニーのBRAVIAは高精細テレビとして人気があり、価格が税込みで30万円にもなる高額商品だが、クーポンを使えば、4万5,000円ほど割引される。

ソニー製品愛用者なら、優待目当ての株式保有も大いに価値があるだろう。

第2位、オリックス<8591>――合計利回り15.86% 配当利回りも株主優待の内容も高水準

第2位の「オリックス」は、配当利回りが6.28%。これだけを見ても、かなり高利回りだ。

さらに、株主優待の内容も盛りだくさんだ。全国各地の名産品から選べる年1回のカタログギフトや、水族館の入館料、レンタカー使用料、京セラドームでの野球観戦チケットが割引になる株主カードは年2回もらえる。

配当も欲しいし、株主優待を活用して家族揃って出かけたいという人には最適な銘柄だ。

第3位、ホンダ<7267>――合計利回り10.43% 工場見学やレース・イベント招待

「本田技研工業」(ホンダ)は配当利回りが4.69%、株主優待利回りが5.74%であり、長期保有に適した銘柄だ。

利回りの観点だけでなく、株主優待の内容もホンダならでの魅力が満載だ。鈴鹿サーキットやツインリングもてぎの優待券、工場見学やレース・イベントへの招待(抽選あり)とカレンダー贈呈、「Enjoy Honda」への招待券が1年で3回に分けて届けられる。

7,平均利回りを目安に、好利回り銘柄かどうかを評価しよう

上場銘柄の利回りを評価する際には、各銘柄の「配当利回り」もしくは「配当利回り+株主優待利回り」を算出の上、日本取引所グループ公表の平均利回りや加重平均利回りを上回る銘柄を好利回り銘柄と見なすといいだろう。これによって、インカムゲイン重視の銘柄選びがしやすくなる。

これに加えて、各証券会社のホームページで提供されている上場株式の配当利回りランキング情報も活用してほしい。

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文・近藤真理(フリーライター)

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