投資信託の短期売買は投資初心者にはあまり向いていません。理由として取引価格が把握しづらい点や売買を繰り返すことで手数料がかさむ点、複利効果が得にくい点などが挙げられます。
投資信託の中にも、株式中心の商品やレバレッジ型、テーマ型など、短期売買で利益を期待できる商品もありますが、集中投資を避けるなどの工夫が必要になります。
- 投資信託の短期売買は手数料や複利効果などの面でデメリットがあるためおすすめできない
- 投資信託はリターンの安定化や複利効果を得るために、長期投資をおこなったほうがよい
- 短期売買のメリットはリスクコントロールや保有コストの低減など
- 短期売買するなら「成長が期待できる株式中心」「レバレッジ型」「テーマ型」投信を検討
- 債券中心の投資信託は手数料で損をする可能性があるため注意
- 投資信託の売買を始めるなら楽天証券がおすすめ!投資銘柄数2645本と豊富な上に、全ての投資信託の購入時の手数料が無料
(公式サイト)
投資信託で短期売買がおすすめされない理由
個人投資家や初心者には、投資信託の短期売買で成功することは難しいと言われている。理由は主に「取引価格が分からない」「コストがかさむ」「短期では値動きが小さく利益が出にくい」「複利効果が得にくい」の4つだ。
取引価格が分からない
投資信託の注文は価格を指定する「指値注文」を利用できない。購入・売却の取引が成立する日を約定日といって、約定日に更新される基準価額が取引価格になる。
約定日は銘柄によって異なる。一般的には、国内市場に投資するファンドは注文の当日が約定日になり、海外市場に投資するファンドは注文の翌営業日が約定日になる。
海外の証券市場や金融機関の休業日も影響します。海外の休日事情によっては、投資信託の約定日がずれてしまうケースがあります。
引用:一般社団法人 投資信託協会
注文は締切時間が決まっていて、通常15時まで(一部の銘柄を除く)の注文が当日の注文として扱われ、15時以降の注文は翌営業日の注文になります。
海外市場に投資する「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を2022年11月1日の15時までに注文した場合、翌営業日11月2日の基準価額2万701円が基準価額だ。
投資先 | 投資信託 | 注文日 | 約定日 |
---|---|---|---|
国内市場 | ニッセイ日経225 インデックスファンド |
11月1日(15時まで) | 11月1日 |
海外市場 | 楽天・全米株式 インデックス・ファンド |
11月1日(15時まで) | 11月2日 |
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手数料がかさむ場合がある
投資信託は株式よりもかかる手数料の種類が多い。買い付け・売却時には以下の3つの手数料が発生する。
⑵ 保有期間中発生する運用管理費用(信託報酬)…年率0.1%〜2.4%程度
⑶ 売却時の信託財産留保額…0%〜0.75%程度
購入時手数料と信託財産留保額の負担がある投資信託について、購入と売却を繰り返した場合のコストをシミュレーションしよう。
購入時手数料1%・信託財産留保額0.5%の投資信託を資金100万円で半年ごとに購入・売却を2回ずつ繰り返す。なお、基準価額は変化しないものと仮定する。
時期 | 取引 | 購入時手数料 1% |
信託財産留保額 0.5% |
評価額 |
---|---|---|---|---|
1ヵ月目 | 購入 | 1万円 | - | 99万円 |
7ヵ月目 | 売却 | - | 4,950円 | 98万5,050円 |
13ヵ月目 | 購入 | 9,850円 | - | 97万5,200円 |
19ヵ月目 | 売却 | - | 4,976円 | 97万224円 |
このケースでは、2回ずつの購入・売却の手数料によって評価額が100万円から97万円あまりに3%近く減った。
購入時手数料が無料の証券会社はネット証券が多い傾向だ。すべての投資信託の購入時手数料が無料の代表的な証券会社が次である。
・楽天証券
・auカブコム証券
・マネックス証券
・松井証券
(公式サイト)
短期では値動きが小さく利益が出にくい
投資信託は多数の銘柄を組み込む分散投資をしているため、リスクを抑える効果がある一方でリターンも小さくなる。
2021年の個別株式と日経225に連動するインデックスファンドの騰落率を比較してみたい。2021年に株価が大幅上昇した日本郵船<9101>と投資信託「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」の2021年の騰落率が次だ。
種別 | 銘柄 | 株価終値・基準価額 2021年 |
騰落率 | |
---|---|---|---|---|
1月4日 | 12月30日 | |||
株式 | 日本郵船<9101> | 2,401円 | 8,760円 | 265% |
投資信託 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) |
12,614円 | 14,280円 | 13% |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)は10%強の上昇であったのに対して、日本郵船は200%を超える上昇で株価が3倍以上になった。
投資信託を短期で取引しても、大きな利益を得にくいといえる。短期で大きな利益を狙うなら、個別の株式取引を選んだほうがいいだろう。
投資信託の短期取引で大きな利益を得たいなら、株価指数が大きく下落した際に買って、その後の株価の回復による上昇を狙うのが現実的です。
株価指数が大きく下落した例は、2000年ころのITバブル崩壊、2008年ころのリーマンショック、2020年のコロナショックなどがある。
ただし、株価が大きく下落してもコロナショックのようにすぐに回復するとは限らない。ITバブル崩壊やリーマンショックは数年間にわたって株価が低迷した。株価指数が大きく下落した場合には、その後の数年間も株価が低迷する可能性を考慮しておきたい。
(公式サイト)
短期では複利効果を得にくい
「投資期間」と「複利」の効果には関係があり、投資期間が長いほど、複利効果も大きくなる傾向があります。
引用:金融庁『投資の基本』
複利の対義語を「単利」という。
複利と単利をシミュレーションで確認してみたい。元本100万円を年利回り5%の投資信託に投資して10年保有した場合の、複利と単利の比較が次だ。
複利と単利の差 元本100万円、年利回り5%
10年後の評価額は単利が150万円であるのに対して、複利は162万円あまりと12万円強の差が生まれた。
実際の投資信託のデータを利用して複利と単利の違いをシミュレーションしたい。「eMAXIS TOPIXインデックス」を2012年から2022年までの10年で比較しよう。
複利では、2012年1月4日に投資信託を100万円分購入し、10年間保有する。
単利では、2012年1月4日に投資信託を100万円分購入する。1年後の年初にすべて売却して100万円分買い直す。これを10年間毎年繰り返し、年間収益は投資せずに保有しておく。
日付 | 基準価額 | 年間騰落率 | 複利 | 単利 | |
---|---|---|---|---|---|
資産評価額 | 資産評価額 | 年間収益 | |||
2012/1/4 | 8,603円 | - | 100万円 | 100万円 | - |
2013/1/4 | 1万498円 | 22.03% | 122万272円 | 122万272円 | 22万272円 |
2014/1/6 | 1万5,497円 | 47.62% | 180万1,348円 | 169万6,458円 | 47万6,186円 |
2015/1/5 | 1万7,074円 | 10.18% | 198万4,657円 | 179万8,220円 | 10万1,762円 |
2016/1/4 | 1万8,671円 | 9.35% | 217万0,289円 | 189万1,754円 | 9万3,534円 |
2017/1/4 | 1万9,564円 | 4.78% | 227万4,090円 | 193万9,582円 | 4万7,828円 |
2018/1/4 | 2万3,854円 | 21.93% | 277万2,754円 | 215万8,862円 | 21万9,280円 |
2019/1/4 | 1万9,170円 | ▲19.64% | 222万8,292円 | 196万2,501円 | ▲19万6,361円 |
2020/1/6 | 2万2,577円 | 17.77% | 262万4,317円 | 214万227円 | 17万7,726円 |
2021/1/4 | 2万4,356円 | 7.88% | 283万1,105円 | 221万9,024円 | 7万8,797円 |
2022/1/4 | 2万8,016円 | 15.03% | 325万6,538円 | 236万9,294円 | 15万0,271円 |
10年間の投資結果は、複利が約325万円、単利が237万円弱と89万円近くの差が生まれ、10年間の利回りは37%ほど複利が上回った。
このように売買を繰り返すと複利効果を得にくいため、投資信託の短期売買はおすすめしにくいのです。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 4位 | ||
取扱銘柄数 | 2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
ノーロード 商品数 |
2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
最低投資金額 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
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クレカ 投信積立 |
○ 三井住友カード |
○ 楽天カード 楽天キャッシュ |
○ au PAYカード |
○ マネックスカード |
× | |
還元率 | 0.5%〜 2.0%※1 |
【楽天カード】 0.2%または 1.0%※2 【楽天キャッシュ】 0.5% |
1.0% | 1.0%〜 1.1%※3 |
- | |
ポイント還元 (キャンペーン を除く) |
投信マイレージ | ハッピープログラム | auカブコム証券の 資産形成 プログラム auの投資信託 ポイントプログラム |
投信ポイント プログラム |
投信毎月 ポイント・ 現金還元 サービス |
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ポイント投資 | ○ | ○ | ○ | × | × | |
投信積立 自動引落 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
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そもそも短期売買とは?長期投資との違いは?
短期売買とは
1日で売買するような超短期売買の場合、ほぼグラフやチャートと向き合って投資をするような状況です。
短期投資と長期投資との違い
長期投資と短期投資では注目する要素が異なる。重視する分析手法やメリット・デメリットの比較まとめた。
短期投資 | 中期・長期投資 | |
---|---|---|
投資期間の目安 | 数日から1年程度 | 1年程度以上 |
重視する分析方法 | テクニカル分析 | ファンダメンタル(ズ)分析 |
向いている金融商品 | FXや株式、ETFなど | 株式やETF、投資信託など |
メリット | ・短期間での収益の可能性 ・短期売買によりリスク回避しやすい |
・配当金などの安定した収益の可能性 ・忙しくても始めやすい |
デメリット | ・配当金などの安定した収益を得にくい ・頻繁に市場をチェックするなど手間がかかる |
・短期間での収益を得にくい ・短期でリスク回避しにくい |
投資対象や投資タイミングを分析する方法は、短期投資ではテクニカル分析が、長期投資ではファンダメンタル分析が重視される傾向がある。
短期的な値動きは、需要(買いたい人)と供給(売りたい人)により大きく変動することがあるためテクニカル分析を重視する人が多い。中期・長期での値動きは、景気や企業業績などの影響を受けやすいため、ファンダメンタル分析を重視する人が多い傾向だ。
金融商品では、FX(外国為替保証金取引)は短期投資に向いていて、投資信託は中期・長期投資に向いている。株式やETFは短期から長期までのさまざまな投資で利用しやすいといえる。
短期投資のメリットは、短期間での収益やリスク回避の可能性です。長期投資のメリットは、安定した収益の期待や長期視点による投資であまり手間をかけなくてもできることです。
投資信託で長期分散投資がおすすめされる理由
投資信託で長期投資や分散投資がすすめられるのは、なるべく失敗せずに済む方法だからだ。具体的な理由は「リターンを安定化させ、複利の効果を享受できる」「投資先を分散することで値下がりリスクが資産全体に影響することを防ぐ」だ。
時間軸を長くとることによりリターンを安定化させ、複利の効果を享受できる
株式などの市場は、コロナショックによる急落や金融緩和による上昇などがあり、短期投資ではリターンが安定しない場合がある。
次の米国株式指数S&P500の30年間のチャートを確認してほしい。
S&P500指数の30年間チャート
短期では急落があるものの、長期で見れば右肩上がりで上昇していることが分かる。長期投資ならリターンが安定化する傾向がある。
投資から得た収益の再投資により利益がさらに利益を生む複利についても、投資期間が長くなるほど高い複利効果を期待できます。
長期投資がおすすめされるのは、リターンの安定化と複利効果が大きい期待があるからだ。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 4位 | ||
取扱銘柄数 | 2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
ノーロード 商品数 |
2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
最低投資金額 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
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クレカ 投信積立 |
○ 三井住友カード |
○ 楽天カード 楽天キャッシュ |
○ au PAYカード |
○ マネックスカード |
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還元率 | 0.5%〜 2.0%※1 |
【楽天カード】 0.2%または 1.0%※2 【楽天キャッシュ】 0.5% |
1.0% | 1.0%〜 1.1%※3 |
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ポイント還元 (キャンペーン を除く) |
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投信ポイント プログラム |
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ポイント投資 | ○ | ○ | ○ | × | × | |
投信積立 自動引落 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
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投資先を分散することによって1つの要素による値下がりリスクが資産全体に影響することを防ぐ
投資には「タマゴは一つのカゴに盛るな」という格言がある。
投資先を複数に分散しておけば、1つの個別銘柄が急落しても、資産全体に与えるダメージを抑えることができる。分散投資はリスクを抑える方法である。
分散の対象は、銘柄、資産(株式や債券など)、市場(国)があり、複数の銘柄や資産、市場に分散できる。
異なる値動きをする資産や銘柄を組み合わせて投資を行うのが「資産・銘柄の分散」の手法です。
引用:金融庁『投資の基本』
投資先を分散できるように選ぶことで、リスクを抑えた分散投資が可能です。
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短期投資に向いている投資法
短期投資に向いている一般的な投資法には株式投資やFXがある。
株式での短期投資はデイトレードやスイングトレードが一般的
株式の短期投資にはデイトレードやスイングトレードなどがある。
図はスイングトレードの基本として、買いと売りのタイミングを表している。株価が下がった時に購入し、上がった時に売れば収益を得る。株価が上がった時に信用取引で空売りして、株価が下がった時に買い戻しても収益を得られる。
1日のうちの株価の上下を利用して取引する。スイングトレードと同じように、低い株価で買い、高い株価で売ることで差益を得る。
デイトレードで1日に何度かの取引が成功すれば、大きな収益を得ることも可能だ。大きな収益を狙うなら、その日に値動きが大きな銘柄を取引する。
デイトレードに対するスイングトレードのメリットは、デイトレードに比べて株式の保有期間が長いため、1回の取引で得る収益が大きくなりやすい。
デイトレードに対するスイングトレードのデメリットは、株式の保有期間が長いために投資リスクが上がり、損失はデイトレードより大きくなりやすいことだ。
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FXは超短期のスキャルピングトレードも人気
FXではデイトレードやスイングトレードもおこなわれ、スキャルピングトレードにも人気がある。
FXでスキャルピングトレードが人気なのは、株式と違って平日24時間近く(メンテナンス時間を除き)取引できるため、仕事終わりやちょっとした空き時間にできるからだ。また、個別株式より参加者が多いため、超短期でもテクニカル分析が機能しやすいという理由もある。
なお、FX会社によってはスキャルピングトレードを違反行為とみなして口座を凍結することがある。スキャルピングトレードをするなら、スキャルピングで評判の良いGMOクリック証券やヒロセ通称などのFX会社を選びたい。
FXを利用する場合でも、スキャルピングトレード、デイトレード、スイングトレードのメリット・デメリットを理解して、適切なリスク管理のうえで取引したい。
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投資信託で短期売買をする3つのメリット
投資信託で短期投資をすることにもメリットがある。「早めの損切りによりリスクをコントロールできる」
「保有コストを抑えることができる」「短期売買を繰り返すことで多くの投資経験が積める」の3つだ。
早めの損切りによりリスクをコントロールできる
短期売買ではロスカット(損切り)によるリスク管理をしやすい。
株式投資では保有している株が値下がりしたときには傷口が広がりすぎる前に売却します。投資信託でも同様の手法は有効なはずです。
たとえば、NASDAQ100指数の2倍の値動きをめざす投資信託「iFreeレバレッジ NASDAQ100」を2022年の年初1月4日に100万円分購入したと仮定する。購入後の基準価額のチャートが次だ。
iFreeレバレッジ NASDAQ100チャート(2022年1月~10月)
100万円で購入した投資信託をそのまま保有し続けると、次のように含み損が増えてしまう。
日付 | 基準価額 | 年初からの騰落率 | 評価額 |
---|---|---|---|
2022年1月4日 | 4万2,451円 | - | 100万円 |
2022年10月31日 | 1万8,668円 | ▲56.0% | 約44万円 |
もし20%下落した時点でロスカットするなどのルールを決めて、ロスカットしていれば20万円ほどの損失で済んだ。ロスカットしなければ10月末時点で56万円ほどの含み損を抱えることになる。
ロスカットで気を付けたい点は、基準価額は短期的には上下するものなので、ロスカット後に上昇に転じてしまうリスクがあることだ。
保有コストを抑えることができる
投資信託は保有期間中に信託報酬という費用が日々発生することを考えると、長期保有は必ずしも安全とは言えない。
株式投資のコストと比較してみよう。株式(現物)は取引手数料のみなので、ここまでの費用は発生しない。SBI証券や楽天証券などのネット証券には、株式の1日の約定代金100万円まで取引手数料無料のところがある。株式は手数料無料での投資も可能である。
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短期売買を繰り返すことで多くの投資経験が積める
「ほったらかし投資」では手間をかけずに資産運用が可能だが、スキルを高めたいと考える人には、勉強の機会の損失ともとれる。
経験を積むなら、失敗しても損失が少ない少額で取引するのがおすすめだ。投資信託なら金融機関によっては100円から購入時手数料無料で取引でき、信託財産留保額が無料のファンドなら、わずかな信託報酬だけで短期取引の経験を積める。
また、投資信託は日中に大きな値動きがあって注文しても、約定は翌営業日以降のため、日中の急な値動きに狼狽しない経験にもなる。
絶対に勝てる投資はないことを考えると、経験を積むことで勝率を上げる利点は見過ごせないものがあります。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 4位 | ||
取扱銘柄数 | 2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
ノーロード 商品数 |
2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
最低投資金額 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
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クレカ 投信積立 |
○ 三井住友カード |
○ 楽天カード 楽天キャッシュ |
○ au PAYカード |
○ マネックスカード |
× | |
還元率 | 0.5%〜 2.0%※1 |
【楽天カード】 0.2%または 1.0%※2 【楽天キャッシュ】 0.5% |
1.0% | 1.0%〜 1.1%※3 |
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ポイント還元 (キャンペーン を除く) |
投信マイレージ | ハッピープログラム | auカブコム証券の 資産形成 プログラム auの投資信託 ポイントプログラム |
投信ポイント プログラム |
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ポイント投資 | ○ | ○ | ○ | × | × | |
投信積立 自動引落 |
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短期売買に向いている投資信託とは?
投資信託にはさまざまな種類がありすべてが長期分散投資に向いているわけではない。短期間でリターンが期待できる投資信託の特徴は「成長が期待できる株式中心」「レバレッジ型インデックス」「テーマ型」投資信託の3つだ。ただしリターンが高いということはリスクも高いという点には十分注意したい。
成長が期待できる株式中心の投資信託
このような銘柄は基準価額の変動を表す騰落率はやや高め、同時にリスクも高めだ。
例として、高成長を期待できる国内新興企業に投資するファンド「MHAM新興成長株オープン」と代表的な資産クラスとの年間騰落率の比較が次の図である。
MHAM新興成長株オープンと代表的な資産クラスとの年間騰落率の比較
債券と株式の資産クラスを比べると、株式のほうが大きな騰落率のため、株式中心のファンドなら短期取引でもある程度の収益を期待できる。
先進国株や新興国株に比べて、このファンドの騰落率最大値が大きいのは成長株に投資するからだ。
最大値が高く最小値が低いのは、他の資産クラスに比べてリスクが高いことを表している。
一般的にインデックス型は安定株と成長株に合わせて投資するため、成長株に投資する投資信託を選ぶと必然的にアクティブ型になる。
参考としてMHAM新興成長株オープンとベンチマークのTOPIX(東証株価指数)のリターンを比較した。
1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 | 3年(年率) | |
---|---|---|---|---|---|
MHAM新興成長株オープン | 7.7% | 5.3% | 3.3% | ▲18.9% | 9.20% |
ベンチマーク(TOPIX) | 5.1% | ▲0.6% | 1.6% | ▲3.6% | 4.98% |
MHAM新興成長株オープンとベンチマークのトータルリターン比較チャート(3年)
MHAM新興成長株オープンのほうがTOPIXより値動きが大きく、短期投資でも大きめの利益を得る可能性がある。
アクティブ型投資信託は信託報酬が高めに設定されることが多いです。リターンが高めの信託報酬を上回る成績を期待できるかをチェックすることが重要です。
インデックス型の信託報酬は0.5%を下回るものが多いが、アクティブ型の信託報酬は1%を上回るものが多い。MHAM新興成長株オープンの信託報酬は1.87%(税込)である。
(公式サイト)
レバレッジ型インデックス投資信託
株式市場に連動するインデックス投信の中には、1日の変動率が市場の値動きの2倍以上に設定されるレバレッジの銘柄がある。
商品名に「レバレッジ」「ブル」とある場合は相場が上昇しているとき、「インバース」「ベア」とある場合は相場が下落しているときに利益が出るように設計されています。
このなかからSBI 日本株4.3ブルとSBI 日本株3.8ベアのリターンとチャートを比較しよう。
1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 | |
---|---|---|---|---|
SBI 日本株4.3ブル | 26.20% | ▲6.50% | 0.90% | ▲34.15% |
SBI 日本株3.8ベア | ▲23.03% | ▲9.07% | ▲26.87% | ▲28.65% |
SBI 日本株4.3ブル、SBI 日本株3.8ベア、日経平均株価のトータルリターン比較チャート(1年間)
テーマ型の投資信託
たとえば、AI(人工知能)が話題だがどの銘柄に投資したらいいかわからない場合、テーマ型なら関連する複数の企業に分散投資することができる。
最近なら「ESG(環境関連)」「自動運転」「次世代通信」「AI」「バーチャルリアリティー」などが話題のテーマだ。
このうち、話題になって数年経過している自動運転関連の銘柄「eMAXIS Neo 自動運転」のリターンとチャートを確認してみよう。eMAXIS Neo 自動運転は全世界の自動運転関連企業に投資するファンドであり、比較対象としてインデックスファンド「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」をピックアップしている。
1ヵ月 | 3ヵ月 | 6ヵ月 | 1年 | 3年(年率) | |
---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Neo 自動運転 | 0.59% | ▲11.79% | ▲12.06% | ▲37.66% | 25.90% |
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) |
8.15% | 3.36% | 4.59% | 4.79% | 16.34% |
eMAXIS Neo 自動運転とeMAXIS Slim全世界株式のトータルリターンチャート(3年)
eMAXIS Neo 自動運転は2021年第4四半期までは大きく上昇したものの、そこから下落に転じている。
テーマが盛り上がっても上昇が永久に続くことはありません。投資して基準価額が上昇すれば、利益確定する出口戦略をしっかりと立てておきましょう。たとえば、20%や30%などの収益の計画をしておき、そこまで上昇したら分割して利益を確定する方法があります。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 4位 | ||
取扱銘柄数 | 2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
ノーロード 商品数 |
2,659本 | 2,645本 | 1,613本 | 1,278本 | 1,637本 | |
最低投資金額 投資単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
100円以上 1円単位 |
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クレカ 投信積立 |
○ 三井住友カード |
○ 楽天カード 楽天キャッシュ |
○ au PAYカード |
○ マネックスカード |
× | |
還元率 | 0.5%〜 2.0%※1 |
【楽天カード】 0.2%または 1.0%※2 【楽天キャッシュ】 0.5% |
1.0% | 1.0%〜 1.1%※3 |
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ポイント還元 (キャンペーン を除く) |
投信マイレージ | ハッピープログラム | auカブコム証券の 資産形成 プログラム auの投資信託 ポイントプログラム |
投信ポイント プログラム |
投信毎月 ポイント・ 現金還元 サービス |
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ポイント投資 | ○ | ○ | ○ | × | × | |
投信積立 自動引落 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
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投資信託で短期売買をする際の3つの注意点
短期投資に向いている人が適切な銘柄選びをして一貫性のある運用を行えば、投資信託で短期売買することも1つ資方法として成立する。
しかし、以下のケースのような運用を行うくらいなら、セオリー通りの長期分散投資を選ぶのが無難だろう。
- 債券中心の投資信託は短期売買に向かない
- 1つの銘柄に資金を集中投資しない
- 多忙な人やストレス耐性の低い人は短期売買に向かない
注意点1,債券中心の投資信託は短期売買に向かない
低い信託報酬で定評のあるeMAXIS Slimの国内債券と先進国債券インデックスファンドについて、それぞれの利回り(2022年10月31日時点)が次だ。
ファンド | 騰落率(利回り) | 手数料(税込) | ||
---|---|---|---|---|
過去3ヵ月 | 過去6ヵ月 | 過去1年 | 信託報酬 | |
eMAXIS Slim 国内債券インデックス |
▲1.4% | ▲1.9% | ▲3.6% | 0.132% |
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス |
0.8% | 3.3% | 2.6% | 0.154% |
過去1年の騰落率が数%と値動きが少なく、短期取引では収益が限られてしまう。短期取引で投資信託を利用するなら、株式などに投資するファンドを選びたい。
積立投資を短期でおこなうことはおすすめできません。積立投資は通常は長期でおこなうもので、価格が下がったら平均取得単価を下げる効果があり、短期的な価格下落は歓迎できます。しかし、短期で積立投資をすると、価格が下がり続けると含み損がふくらんでいき、大きな損失になることがあります。
一方、インデックス投信でも株式指数に連動するものなら意外とリターンが狙える。
出典:三菱UFJ国際投信『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 月次レポート』
数日では無理ですが、数ヶ月を短期と定義するならインデックス銘柄も十分視野に入ります。
(公式サイト)
1つの銘柄に資金を集中投資しない
銘柄を分散して資金を投じれば、1つの銘柄で失敗しても損失を抑えられる。
1つの資産だけに投資するよりも、投資信託をとおして値動きの異なる複数の資産に分散投資を行うことで、価格の変動が小さくなり、リスクを軽減することが期待できます。
引用:金融庁『つみたてNISA早わかりガイドブック』
基準価額が10%上昇したら利食いすると、1回の利食いで20万円の10%の2万円の収益を得る。2万円の利食いを10回積み重ねれば、20万円の収益になり、投資資金100万円の合計20%を得られる。課税口座で取引した場合は税率20.315%であり、16万円近くの利益を得る。
このような利食いをさらに積み重ねれば、利益をさらに増やすことが可能だ。また、損切する場合でも、銘柄を分散しておけば損失額を抑えられる。
多忙な人やストレス耐性の低い人は短期売買に向かない
短期投資では、売買のタイミングを見極めるためにマーケットのウォッチが欠かせない。
保有銘柄の価格動向だけでなく、為替・金利・指数、各種統計発表、国内外の政治情勢に触れることで相場を予測して売買の判断に活かす。
また、性格的に完璧主義な人や心理的ストレスに弱い人には向かない可能性が高い。
多くの売買をこなしてトータルで6勝4敗を目指すくらいのドライさが必要で、失敗を長く引きずったり自己嫌悪に陥ったりするタイプの人は短期売買を継続するにはストレスが大きすぎるでしょう。
投資信託内で行われている短期売買に注意
アクティブ型投資信託は株式市場を上回る成績をめざして運用される。運用では組み入れている銘柄を売買によって入れ替える。
投資信託が組み入れている銘柄をどのくらい入れ替えているかは「売買高比率」で把握できる。
売買高比率は運用報告書(全体版)で確認可能です。なお、ファンドによっては売買高比率を公表していないこともあります。
人気のアクティブ型投資信託「ひふみプラス」と「おおぶね」、売買高比率が高めの「三菱UFJ 日本株アクティブ・ファンド」の売買高比率が次だ。
投資信託 | 期間 | 期間中の株式 売買金額 |
期間中の平均組入 株式時価総額 |
売買高比率 |
---|---|---|---|---|
ひふみプラス | 2020年10月1日~ 2021年9月30日 |
5,633.2億円 ※1 |
6,442.8億円 ※1 |
0.87 |
農林中金<パートナーズ> 長期厳選投資 おおぶね |
2021年6月22日~ 2022年6月20日 |
343.8億円 ※1 |
330.6億円 ※1 |
1.03 |
三菱UFJ 日本株 アクティブ・ファンド |
2020年10月31日~ 2021年11月1日 |
209.3億円 | 90.6億円 | 2.31 |
アクティブ型投資信託の多くは、中長期での投資成果をめざして銘柄を入れ替える。組入銘柄の頻繁な入れ替えは、短期での基準価額の値動きに影響する可能性がある。たとえば、短期取引で重視するテクニカル分析が十分機能しないことも考えられる。
投資信託の短期売買は金融庁から禁止される?
一時期、投資信託の短期売買を繰り返しすすめる金融機関の営業活動が問題になった。短期売買の繰り返しは回転売買とも呼ばれ、購入時手数料を目的とした営業活動であり、顧客のためにならない行為である。
この問題の是正のために金融庁が動き、現在では短期売買の繰り返しをすすめる営業行為をしないように金融機関が指導されている。
出典:金融庁
ただし、購入時手数料が数%と高い投資信託の販売がなくなったわけではない。投資信託を買う際には、必ず購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額をチェックすべきだ。
顧客が自発的に投資信託の短期売買をするのはこの限りではありません。投資信託の短期売買で利益を狙いたいなら、少額取引から始めてみるのがいいでしょう。
投資信託の短期売買でよくあるQ&A
また、短期売買に取り組んでいると、経済に関するニュースを頻繁にチェックするなど、長期投資にも役立つ情報の入手や投資の考え方も養われる。
手数料は短期売買の利益を減らす要因であるため、購入時手数料と信託財産留保額は売買の前に必ずチェックしておきたい。
株式などの市場は短期の上昇や下落を繰り返す。市場の値動きを正確には予想できないため、短期投資で利益を積み重ねることは誰でもできるわけではない。
iDeCoなどの長期投資では長期保有するケースが多いと思われるが、短期投資なら1年未満の短期保有で解約(売却)するのも選択肢のひとつだろう。
投資信託の取引は、個別企業の株式に投資するよりもリスクが分散されるため、投資を失敗することが少ないといえる。
ただし、投資信託で儲けるには、適切な手数料と利益を生む金融資産を組み入れているかが重要だ。
特に短期投資では、購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額などの手数料が高いと、手数料の負担で儲からない可能性がある。
株式や債券などの金融資産は、保有していると企業活動や利息などによって利益を生む。短期では金融資産の値動きによって元本割れすることがあるものの、長期投資では金融資産が生む利益が積み重なってプラスのリターンを得る可能性が高まる。また、長期投資では利益を再投資して、さらに利益を生む複利効果を期待できる。
高配当銘柄の投資信託は大きな利益を期待しにくいため、短期投資には向いていないといえる。
自らの投資経験をもとに、株式・投資信託や証券会社などの情報を発信。金融アドバイザーとして、これまでに300件以上の金融記事の執筆を手掛けている。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
自らの投資経験をもとに、株式・投資信託や証券会社などの情報を発信。金融アドバイザーとして、これまでに300件以上の金融記事の執筆を手掛けている。興味のある分野はフィンテックや新しい金融商品など。
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