配当性向とは何か?

配当性向とは、その事業年度の税引後の利益(当期純利益)に対して、配当金をいくら支払っているかを割合で示したものであり、以下のように計算される。

配当性向(ハイトウセイコウ)

例えば、1株あたり年間配当金が30円、1株当たり当期純利益が100円の銘柄の配当性向は、(30円÷100円)×100=30%となる。

配当性向は株主に対する「利益還元率」ともいえ、配当性向が高い企業は株主還元に積極的であると判断できる。

株主還元の方法には、会社が市場から自社株を買い戻す「自社株買い(ジシャカブガイ)」もある。買い入れた株を消却して株数を減らせば、純利益は同じでも1株あたり純利益が増えるため、株式の価値(株価)が上がる。

自社株買いを含めた株主への利益還元率の指標に、「総還元性向(ソウカンゲンセイコウ)」がある。

配当性向(ハイトウセイコウ)

配当から企業を評価する指標としては、これらの他に「配当利回り(ハイトウリマワリ)」もよく利用される。

配当性向は高いほうがよい?

「配当性向は高いほうがよい」と思われがちだが、そうとは言い切れない。利益の多くを配当として株主へ支払うと、事業への投資や将来の備えとして企業が貯めておくお金(=内部留保)が減ってしまうからだ。

特に今後成長が期待される新興企業については、配当性向の高さにこだわる必要はあまりないだろう。このような企業では、利益を配当せず事業拡大のために使ったほうが、長期的に見てより大きな利益や、株価の上昇を期待できる。

一方で、配当を期待して成熟企業へ投資を検討する際は、配当性向が有効な指標となる。

ただし、配当性向は業績悪化によって純利益が減ることでも高くなることに注意したい。業績の低迷が続けば、減配や株価下落のリスクが高まるため、業績や配当金額の推移なども踏まえて総合的に判断したい。

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