ウェルスナビは、ロボアドバイザーによる個人資産運用サービスである。投資・運用を自動化してお任せできる、長期の分散投資ができるといった点が特徴だ。ここでは、投資初心者に向けて、ウェルスナビの特徴や利用するメリット、注意点などを解説しよう。

目次
1,ウェルスナビの3つの特徴は?
2,ウェルスナビの基本情報
3,ウェルスナビの手数料
4,ウェルスナビの5つのメリット
5,ウェルスナビの3つのデメリット
6,ウェルスナビはどんな人におすすめ?

1,ウェルスナビの3つの特徴は?

ウェルスナビの主な特徴は、以下の3点が挙げられる。

特徴1,初心者にとって難しいプロセスを自動化できる

ウェルスナビは、投資に関連するプロセスをほぼすべて自動化できるため、投資をしたことがない初心者も手軽にチャレンジできる。自動化できるのは、具体的には下記の項目だ。

・リスク許容度と目標金額の設定
・金融商品や銘柄の選定
・購入
・売却
・リバランス(ポートフォリオの保有割合を調整すること)
・再投資

ウェルスナビで導入しているのは「ロボアドバイザー」で、ロボットが自分の代わりに資産を運用してくれる仕組みだ。お任せでほったらかしでも運用ができる。

特徴2,長期・分散・積立投資ができる仕組み

資産運用で重要なポイントは、長期・分散・積立の3点だ。ウェルスナビで資産運用することにより、この3つを簡単に実践できる。

株や投資信託などの金融商品は、一度にすべて購入してしまうと、結果的に高値掴みになってしまうリスクがある。少しずつ長期的に積み立てることで、購入価額を平準化できる。

また1つの金融商品や銘柄に集中することなく、分散投資をすることによって価格変動リスクを抑えることにつながる。

特徴3,運用実績を公開している

ウェルスナビは運用実績を公開しており、サービス当初から積み立てた場合にどれだけのリターンが生まれたかが分かる。リスク許容度によって異なるが、25%~47%のリターンとなっている。

これはあくまでもウェルスナビがサービスを始めた2016年1月から積み立てた場合であって、今から積み立てる場合にこれと同じリターンが得られるわけではない。しかし、長期積立の効果が具体的に表れている実例の1つと言えるだろう。

2,ウェルスナビの基本情報

ウェルスナビの会社情報や取扱商品などの基本スペックを、以下に整理しておこう。

ウェルスナビのサービス基本情報一覧(2021年2月12日現在)

会社情報 会社名 ウェルスナビ株式会社
設立 2015年4月28日
資本金 17億6,147万1,125円
(2021年1月20日時点)
自己資本規制比率 886.2%
(2020年12月末)
口座開設数 37万口座
(2021年2月5日)
口座 口座開設手数料 無料
口座管理手数料 無料
入出金・振替 入金方法 日本円
入金手数料 無料
(リアルタイム入金)
リアルタイム
口座振替
無料
(会社負担)
出金日数 3営業日後
出金手数料 無料
リアルタイム入金
提携金融機関数
以下7の金融機関
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・住信SBIネット銀行
・auじぶん銀行
・イオン銀行
・ソニー銀行
ツール・サービス PC版取引ツール 公式サイト
スマートフォン版
取引ツール
・公式サイト
・ウェルスナビスマホアプリ
現物株注文方法
執行条件付き注文
自動売買発注方式
取扱商品 株式
先物・オプション
外国株
その他 ・ETF
株式取扱銘柄
(※ウェルスナビのホームページを元に筆者作成)

3,ウェルスナビの手数料は?

ウェルスナビは口座開設手数料・維持費が無料で、気軽に口座開設ができる。運用手数料については、預かり資産の年率1%(消費税抜き)が手数料としてかかる。

ウェルスナビには、続けることで次第に手数料が割引される「長期割」の制度もある。資産が50万円以上なら毎年0.01ポイントずつ、200万円以上の場合は毎年0.02ポイントずつ減少する。

最大で0.10ポイントの割引を受けられるため、手数料は最安で0.90%となる。

4,ウェルスナビの5つのメリット

これまでウェルスナビの基本情報や手数料について説明してきたが、実際に口座を開設した場合にどのようなメリットを享受できるのか見ていこう。

メリット1, スマホで簡単に積立投資ができる

ウェルスナビはスマホがあれば、入金・出金・積立がすべてできる。いちいちパソコンでログインするのが面倒な人も手軽に利用可能だ。

毎月1万円から自動積立ができ、一度設定しておけば、ほったらかしでも自動的に購入できる仕組みだ。貯金の延長のようにコツコツ積立をしていきたい人に向いている。

メリット2,自分に最適なポートフォリオを構築できる

ポートフォリオとは、資産の構成内容・割合のことを意味する。たとえば現金20%、国内株式25%、海外株式25%、海外債券20%、金10%といった具合だ。

ポートフォリオの構成方法に絶対的な正解はなく、個人のリスク許容度や投資スタンスなどを考慮することが必要だ。

ウェルスナビでは、6つの質問によってリスク許容度を測定。個人のリスク許容度に応じて、最適と思われるポートフォリオを自動で構築できる。

メリット3,セキュリティを高める取り組みを実施

ウェルスナビは顧客資産を守るための取り組みも実施。まず会社の資産と顧客資産を分別管理し、万が一の際には日本投資者保護基金による補償を受けられる(1人あたり1,000万円まで)。

ログインでは2段階認証を取り入れ、スマホの認証アプリで生成される6桁のコードを用いることで、さらにセキュリティを高めている。第三者による不正ログインや乗っ取りのリスクを低減させる効果がある。

またすべての通信は256bitで暗号化され、個人情報や口座情報などは外に漏れないような体制にしている。

メリット4,資産管理サービスと連携可能

ウェルスナビは、下記の資産管理サービスと連携している。

・Money Forward
・Zaim
・Moneytree

これらのサービスでは、クレジットカードや銀行口座などを登録することにより、お金の出入りを可視化できる。資産管理だけでなく、家計管理にも役立つサービスだ。

メリット5,節税機能を利用できる

口座保有者は節税機能の「DeTAX」を利用できる。投資では、分配金の受け取りやETF(上場投資信託)の売却で利益が確定するが、その利益に対して税負担が生じる。DeTAXは、税負担の一部または全部を翌年以降に繰り延べることが可能だ。

具体的にはリターンがマイナスの銘柄をいったん売却して損失を確定させ、すでに実現している利益と相殺する仕組みだ。売却と同時に同じ銘柄を、同じ数量・価格で買い戻すので、ポートフォリオを維持したまま税負担を最適化する。

繰り延べをしない場合よりも運用できる金額が増えるため、投資効率の向上が期待できる。

5,ウェルスナビの3つのデメリット

ウェルスナビにはさまざまなメリットがある半面、下記の点には注意しておきたい。

デメリット1, 最低投資額は10万円

ウェルスナビを始めるには最低10万円が必要となる(※利用サービスによっては1万円から始められる場合もある)。毎月の積立額は1万円からで、人によっては負担が大きいと感じるケースもあるだろう。

その場合はさらに少ない元手資金で始められる証券サービスを選ぶのがおすすめだ。他社では、数百円から積立ができるサービスもある。

デメリット2, 元本保証のサービスではない

簡単にできる資産運用というと、貯金の延長のような感覚を持つ人もいるかもしれない。しかしウェルスナビは株式や債券などに投資するETFに投資をする仕組みで、貯金ではない。

景気や経済動向などによりETFの価格は変動するため、元本割れとなるリスクもあることは認識しておこう。

デメリット3, 手数料が発生する

ウェルスナビの手数料は年率で資産の1%であり、投資信託などと比較すると若干高い。たとえばインデックス型の投資信託では、信託報酬が年率0.1%~0.5%などウェルスナビより低い商品も見られる。

その代わりウェルスナビは投資商品の選定からリバランスまで自動的に行ってくれるメリットがある。手数料を多めに払って手間を省くか、自分で手間を取って手数料を節約するか、判断が分かれるポイントだ。

6,ウェルスナビはどんな人におすすめ?

これまで解説した内容から、ウェルスナビは以下のような人が利用するのに向いている。

・ほったらかしで資産運用をお任せしたい人
・自分に最適なポートフォリオを知りたい人
・ある程度まとまった資金を用意できる人

自身のニーズと合致すると感じたら、ウェルスナビの口座開設を検討してみてはいかがだろうか。

近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。


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