iDeCoの商品選びは、投資初心者でなくとも難しい。日常の生活が忙しいならなおさらだ。忙しいビジネスパーソンが、iDeCoの商品選びで失敗しないためにはどうしたらよいか。iDeCoの商品の選び方のコツと、プロがおすすめする商品5本を紹介する。

目次

  1. 1.iDeCo(イデコ)のおすすめ金融機関
  2. 2..iDeCo(イデコ)の商品の選び方
  3. 3.プロが選ぶ!iDeCo(イデコ)でおすすめの商品ランキングTOP5
  4. 4.iDeCo(イデコ)で話題の「ターゲットイヤーファンド」とは
  5. 5.iDeCo(イデコ)ではある程度リターンが見込める商品がふさわしい
  6. 6.iDeCoに関するQ&A
  7. 実際にiDeCoを始めてみる

1.iDeCo(イデコ)のおすすめ金融機関

まずはiDeCo(イデコ)でおすすめ金融機関を紹介しよう。既にiDeCo口座を持っているという人でも、iDeCo口座は変更することが可能なため、この機会に他の金融機関と自分の口座を比較してみてほしい。

iDeCo口座おすすめランキング
証券会社 開設・管理
手数料
投資
信託
おすすめ
ポイント
1 SBI証券 無料 75本 加入者数No.1!
ロボアドが便利
2 楽天証券 無料 32本 サポートが充実
iDeCoアプリも◎
3 マネックス証券 無料 27本 iDeCo専門スタッフ
によるサポート
4 松井証券 無料 12本 厳選された
ラインナップ

iDeCoを始めるならネット証券がおすすめだ。

Q
A
なぜiDeCoを始めるのにネット証券がおすすめなのか?
上記4社をはじめとするネット証券は、金融機関に支払う運営・管理手数料が無料のうえ、運用中にかかる手数料が低いのが特徴。取扱投資信託の本数も多く手数料が安い銘柄も豊富で、iDeCo制度をフルに活用することができる。

iDeCoで負担しなくてはならないのは金融機関に支払う手数料だけではない。制度特有の手数料として、以下を支払う必要がある。

・加入・移換時に国民年金基金連合会に2,829円(初回1回のみ)
・毎月掛け金を納付するごとに国民年金基金連合会に105円、事務委託先金融機関に66円(計171円)
・給付ごとに事務委託先金融機関に440円
・還付がある場合は国民年金基金連合会に1,048円
・事務委託先金融機関440円/回

2..iDeCo(イデコ)の商品の選び方

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

iDeCoは2018年5月に規定が変更され、各証券会社の取り扱い商品数は35本になった。ただしSBI証券の場合、商品本数を絞るための経過措置として、「セレクトプラン」と「オリジナルプラン」それぞれで35本以下になるよう調整されている。2023年までに削除・入れ替えを完了させる予定だ。

篠田わかな

改正前には運用商品数が60を超える金融機関もありましたが、運用商品を指定せず放置する利用者の多さが専門委員会で問題視されました。選択肢が広すぎると選択をあきらめる傾向があることが原因だったようです。運用上限数がもうけられたことで選択肢がかなり絞られましたが、初心者がここから数本に絞るのは簡単ではありません。

ではiDeCoの商品をどのように選べばよいのかコツをお伝えしよう。

iDeCo(イデコ)の商品選びの前に——投資界のカリスマが示す『投資の大原則』とは

世界を代表する資産運用の思想家であるバートン・マルキールとチャールズ・エリスは、共著『投資の大原則』で、個人投資家が投資に成功するのに必要な要素は以下だと書いている。

  • (1)再投資(複利)の効果を認識すること
  • (2)市場の値動きに左右されず一定額をこつこつと投資すること
  • (3)資産タイプの分散をできるだけ図ること
  • (4)市場全体に投資するインデックスファンドを選ぶこと
  • (5)コストの低い商品を選ぶこと
篠田わかな

このうち(1)と(2)はiDeCoを利用する時点で満たしています。

残りの3つについて解説していこう。

iDeCo(イデコ)の商品選びの原則1……資産タイプの分散をできるだけ図ること

iDeCoで投資を始める初心者がよくおすすめされるのはバランス型だ。バランス型投資信託が採用する資産の種類や配分比率はファンドにより異なる。

バランス型とは?
投資信託には国内株式、海外株式、国内債券、海外債券、国内REIT(不動産投資信託)、海外REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金など)に投資するものがある。バランス型の投資信託はそれらに複合的に資金を配分する。
Q
A
なぜバランス型は初心者に向いているのか?
バランス型投資信託なら、1つの銘柄で複数の資産に分散投資でき、自動的に「リバランス」されるから。初心者が分散投資やリバランスを自分でやるのは大変だが、投資信託ならプロに任せられる。
リバランスとは?
市場の状況に合わせて、最も利益を期待できる資産配分に組み直すこと。
篠田わかな

iDeCoでバランス型ファンドを選ぶならば、必ず資産配分を確認しましょう。銘柄によって株式偏重であったり債券偏重であったりするためです。

債券比率の高いバランスファンドは安全性が高いが、iDeCoの節税効果の一つである運用益の非課税効果を活かしにくい。

バランスファンドは運用に手間がかかるため、一般的に手数料(信託報酬)が高めであることにも注意が必要だ。

40代の投資初心者がiDeCoでバランスファンドを運用する場合、どのような資産配分が適切なのだろうか。年齢的には収入に増加の余地があり、老後までまだ20年程度の時間があるが、住宅ローンや教育費などの出費がかさむ時期でもある。

篠田わかな

40代ならリスク資産である株式の組み入れ比率は40%~60%ですが、積極的な投資に不安がある初心者なら40%~50%にとどめるのが良いでしょう。

この資産配分に該当するiDeCo対象商品のバランスファンドで、株式組み入れ比率が40%~50%、信託報酬が1%を下回る商品をピックアップした。

・iDeCo(イデコ)対象のバランスファンド(株式組み入れ比率40%~50%、信託報酬1%以下)

銘柄 信託報酬
(年率)
取扱証券会社
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.154%以内 SBI証券(セレクトプラン)
マネックス証券
松井証券
DCインデックスバランス(株式40) 0.154% SBI証券(オリジナルプラン)
iFree 8資産バランス 0.242% SBI証券(オリジナルプラン)
DCマイセレクション50 0.319% 岡三オンライン証券
マネックス資産設計ファンド<育成型> 0.550% マネックス証券
セゾン・バンガード・
グローバルバランスファンド
0.590% 楽天証券
SBI証券(セレクトプラン)
三菱UFJ DCバランス・
イノベーション(KAKUSHIN)
0.660% 楽天証券
SBI資産設計オープン(資産成長型) 0.748% SBI証券(オリジナルプラン)
※筆者作成

「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「iFree 8資産バランス」は、株式の組み入れ比率が37.5%だが、人気が高く取扱金融機関が多いため、あえて掲載した。
信託報酬が年率0.5%を切るようなバランスファンドは、原則として資産配分が固定、もしくは±5~10%であることが多いです。一方、信託報酬が高めのバランスファンドは、資産配分を投資環境に応じて動的に入れ替えるタイプが主流です。
篠田わかな

どちらが良いかは意見が分かれるところです。わかりやすさとコストの低さを重視するなら固定タイプ、市場の動きに合わせてプロに判断してほしいと考えるなら変動タイプが良いでしょう。

iDeCo(イデコ)の商品選びの原則2……市場全体に投資するインデックスファンドを選ぶこと

投資信託には市場の指数と連動するインデックス型と、市場平均を上回るリターンを目指すアクティブ型がある。

インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、基準価額が特定の指標に連動するよう設計された投資信託のことだ。パッシブファンドとも呼ばれる。指数に組み入れられている銘柄と全く同じ構成にすることで、同じような値動きをする特性がある。機械的な運用が可能であるため手数料が低く、市場とかけ離れた値動きをすることもない。

1つの企業や分野に投資するのではなく、日本やアメリカ、先進国、グローバルといった市場全体に投資できるインデックス型は初心者や長期投資に適している。

アクティブファンドとは?
アクティブファンドとは、運用会社が独自の銘柄選択や資産配分をすることにより、市場平均よりも高いパフォーマンスを目指す投資信託のこと。経済情勢の調査や企業分析にコストがかかる反面、大きなリターンが期待できる点が魅力だ。
一般的に債券より株式、国内より海外、インデックス型よりもアクティブ型のほうがリスクとコストが高く、その代わり期待できるリターンも大きいです。

投資初心者は、できるだけリスクとコストを抑えるべきなのでインデックス型が向いていると言われている。新興国やコモディティは値動きが激しいので、投資に慣れてからチャレンジしたい。

篠田わかな

iDeCoの投資タイプや投資対象は、各証券会社のホームページや投資信託の目論見書に詳しく記載されています。キーワードを拾えば、どういった種類のファンドなのかがわかるでしょう。

iDeCo(イデコ)の商品選びの原則3……手数料が低いファンドを選ぶ

信託報酬は投資信託を保有している限り発生する。長期間保有することが前提のiDeCoでは、信託報酬は厳しくチェックすべきポイントだ。

信託報酬とは?
投資信託はプロに運用・管理を代行してもらう金融商品なので、投資家は保有期間中ずっと手数料を払い続ける必要がある。それが信託報酬と呼ばれる運用管理手数料だ。

信託報酬はタイプによって水準が異なる。

  • 安全性の高い国内外株式・債券のインデックス型……0.15~0.18%程度
  • バランス型……0.17~1.20%
  • ターゲットイヤー型……0.7~0.9%

ターゲットイヤーについては後述する。

信託報酬は年々値下げ傾向にあり、特にインデックス型はコスト安競争が激しい。新興国・成長株・アクティブ型には2%を超える銘柄もある。

iDeCoでも最安だと思っていたファンドが相対的にコスト高になっていることがあるため、定期的にチェックしましょう。
篠田わかな

信託報酬はパーセンテージで見ると小さい数字に思えるかもしれませんが、iDeCoのような長期投資においては1%の違いは大きいです。

例)iDeCoで毎月3万円を10年積み立て、年率2%運用した場合
信託報酬1.0%…17万円
信託報酬1.9%…32万円

支払わなくてはならない信託報酬は、パーセンテージで見たときの数字の小ささに反して金額は大きい。純資産総額が大きくなるほど信託報酬も高くつくので、わずかな違いも長期的には影響が大きいことを覚えておきたい。

篠田わかな

iDeCoを始めてリスク管理に自信がついてきたら、大きなリターンが見込めるファンドに挑戦してみるのもいいでしょう。

参考に、大手ネット証券であるSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券のiDeCo採用銘柄から、信託報酬の安い銘柄上位10商品をランキング化した(2021年5月13日時点)。

信託報酬の安いiDeCo(イデコ)商品ランキング
銘柄 信託報酬 取扱証券会社
1 eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.0968%以内 SBI証券(セレクトプラン)
マネックス証券
松井証券
2 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ外国株式
インデックスファンド
0.1023%以内 SBI証券(セレクトプラン)
3 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.1023%以内 SBI証券(セレクトプラン)
マネックス証券
松井証券
4 たわらノーロード先進国株式 0.10989% 楽天証券
5 SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
(愛称:雪だるま(全世界株式))
0.1102%程度 SBI証券
(セレクトプラン)
6 eMAXIS Slim 全世界株式
(除く日本)
0.1144%以内 SBI証券(セレクトプラン)
松井証券
7 eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー)
0.1144% マネックス証券
松井証券
8 eMAXIS Slim 全世界株式
(3地域均等型)
0.1144% 松井証券
9 eMAXIS Slim
国内債券インデックス
0.132%以内 SBI証券(オリジナルプラン)
松井証券
10 三菱UFJ 国内債券
インデックスファンド
(確定拠出年金)
0.132% SBI証券(オリジナルプラン)
マネックス証券
松井証券
※筆者作成

手数料(信託報酬)の低さでは、三菱UFJ国際投信のインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」の銘柄が多数上位入りしている。 「eMAXIS Slim」シリーズは常に信託報酬の業界最低水準を目指すと銘打っており、各カテゴリーにおける低信託報酬ファンドも同シリーズのものが多い。

インデックスファンドシリーズ以外では、債券を主な投資先とする商品がランクインした。低コスト商品を多く扱うiDeCoの証券会社として存在感があるのは、SBI証券(セレクトプラン)だ。

SBI証券の2つのシリーズのうちもう一方であるオリジナルプランは2021年1月4日をもって新規受付を終了している。


3.プロが選ぶ!iDeCo(イデコ)でおすすめの商品ランキングTOP5

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

では、前述の条件を満たしているiDeCo商品ならどれでも問題ないのだろうか。

篠田わかな

iDeCoで投資する以上は、コストやリスクだけなく利益についても無視することはできません。

投資対象が単一ではない投資信託のうち、過去1年間のトータルリターンが高く、信託報酬がインデックス型投資信託で0.2%未満、アクティブ型投資信託で0.9%未満、バランス型投資信託で0.5%未満のiDeCo商品から、初心者にもおすすめできる銘柄5つを選んだ(データは2021年5月13日時点)。

直近1年のトータルリターンを検証した結果、新興国株式や中小型株式に投資する投資信託が健闘したようだ。

トータルリターンとは?
トータルリターンとは、投資信託の2つの収益である値上がり益と分配金を投資コスト(購入価格)で割ったもの。1年間の利回りを表す。
篠田わかな

株式中心の銘柄は株価下落局面になると値下がりリスクがあります。現在は株高局面なので、リターンに注目すると、必然的に債券に投資する銘柄は除外され、株式中心の銘柄がランキング入りしやすくなります。そのため実際に投資する際はそのときの動向に注視し判断してください。

1位,EXE-i グローバル中小型株式ファンド……世界中の中小型株にETFを通じて分散投資

SBIアセットマネジメントが運用するEXE-i グローバル中小型株式ファンドは、日本を含む世界の中小型株式市場の値動きに連動するインデックスファンドである。1年トータルリターンは64.74%と好調だ。

大型優良株とは違い中小株の投資信託はコストが高くなりがちだが、同ファンドは信託報酬が年率0.327%程度と低く抑えられている。投資先を個別株ではなくETF(上場投資信託)に限定しているからです。

具体的には以下のETFに投資している。

  • 米国の小型株式市場に連動する「バンガード・スモールキャップETF」
  • 米国を除く世界の小型株式市場に連動する「バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF」
篠田わかな

国内や米国、先進国の大型株にポートフォリオが偏りがちな場合は、バランスをとるのに最適な商品でしょう。

<購入できる金融機関例>
SBI証券(セレクトプラン)


2位,iFreeNEXT NASDAQ100インデックス……GAFAMなど米国巨大IT企業にまとめて投資

iFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、大和アセットマネジメントのインデックスファンドシリーズ「iFree(アイフリー)」のうち、特徴のある分野に特化したNEXTシリーズの一つだ。3,000以上あるNASDAQ銘柄のうち、特に注目度が高い100銘柄で構成されている。

NASDAQとは?
NASDAQとはアメリカの新興企業向けの株式市場のこと。約3,000の企業の株式が採用されている。成長しても上場し続ける企業が多く、アマゾン、アップル、アルファベット(グーグル)といった巨大IT企業も含まれる。

組み入れ銘柄の上位にはアップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、テスラといった時価総額の高いIT企業が並ぶ。

1年トータルリターンはそれらの好業績を受けて58.60%だ。

篠田わかな

信託報酬は約0.5%とインデックスファンドとしては高めですが、内容はどちらかというとアクティブ型に近いのでランクインさせています。

今後も米国のビッグテックに期待できる場合は有力な銘柄であるが、比較的新しいファンドなのでもう少し運用実績が欲しいところだ。

<購入できる金融機関例>
マネックス証券


3位,インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式……中国・台湾・韓国など新興国株式の成長力に期待

インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式は日興アセットマネジメントの海外新興国株式ファンドの一つで、「愛称:DCインデックス海外新興国株式」と呼ばれている。1年トータルリターン55.69%と好成績だ。「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」に連動する。

MSCI エマージング・マーケット・インデックスとは?
MSCI エマージング・マーケット・インデックスとは、全世界の新興国株式をカバーしている代表的な指数である。MSCI社(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出している。

2008年4月1日に設定されており、運用実績は長い。

篠田わかな

新興国株式は中国や台湾の株式を中心に構成されており、米中貿易協議の合意や米国の景気回復期待などから新興国全体へプラスの影響が期待されることにより株価が上昇しています。

信託報酬は年率0.374%と同カテゴリーの中でも低い。組み入れ銘柄はアリババ、テンセント、台湾セミコンダクターなどだ。1年リターンは50%を超え、5年では年率11.58%、10年では5.82%となっている。

<購入できる金融機関例>
楽天証券

4位 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))……中小型株も含めた全米株式にETFを通じて低コストで投資

楽天・全米株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問の米国株式インデックスファンドだ。運用会社バンガード社のETFに投資することにより、低コストで米国株式市場全体に投資できる。

米国株式に投資する投資信託は数多く存在するが、同ファンドは「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動する。

CRSP USトータル・マーケット・インデックスとは?
CRSP USトータル・マーケット・インデックスとは、米国の代表的な株式指数で、4,000を超える米国株式の時価総額平均を表す。S&P500とは異なり、中小型株式も対象としている。

1年トータルリターンは55.60%である。

篠田わかな

信託報酬年率0.162%でこれだけのリターンが得られれば優秀だと言えるでしょう。

好調な米国経済を前提にしているので、主要企業の業績によっては今後値下がりもあり得る。他地域に投資する運用資産と組み合わせて活用したい。

<購入できる金融機関例>
楽天証券
松井証券

5位 eMAXIS Slim新興国株式インデックス……全世界の新興国株式に投資するタイプではコストの低さ・純資産総額の高さで定評

eMAXIS Slim新興国株式インデックスは、三菱UFJ国際投信の人気インデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」の一つだ。

「eMAXIS Slim」シリーズの合計純資産総額は2021年4月に1兆円を突破しています。

( ※三 菱UFJ国際投信株式会社の2021年4月13日発表「Press Release」より

新興国株式に特化した同ファンドは「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」を連動指標とし、1年トータルリターンは53.72%。この期間では同シリーズの中で最も収益が高い。

篠田わかな

3年のトータルリターンでは年率7.95%なので、特にこの1年は好調だったようです。

国別構成比率ではケイマン諸島が23.6%、台湾、韓国、中国と続く。信託報酬は0.187%と新興国に投資する銘柄としてはかなり低い。

3位のインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式と同じ指標に連動するが、トータルリターン順にランク付けをしたので今回は5位とした。

篠田わかな

コストを考えるともう少し上位でも違和感はない銘柄です。

<購入できる金融機関例>
SBI証券(セレクトプラン)
松井証券
マネックス証券

4.iDeCo(イデコ)で話題の「ターゲットイヤーファンド」とは

(画像=MONEY TIMES編集部制作)

上述したバランスファンドの一つに「ターゲットイヤーファンド」と呼ばれるものがある。

ターゲットイヤーファンドとは?
ターゲットとなる年を2030年、2050年のように決め、始めは株式を中心に積極的な投資を行い、ターゲットイヤーに向けて徐々に安定資産に切り替えていく商品。
篠田わかな

老後資金形成を目的として60歳まで運用を続けるiDeCo向きの商品と言えるでしょう。

米国で成長してきたターゲットイヤーファンドは、近年日本でも普及しつつある。

ターゲットイヤーファンドは、かつては手数料が高かったが、最近は低コスト商品も開発され、現在の手数料はインデックスファンドとアクティブファンドの中間あたりです。

参考に、ネット証券で展開しているターゲットイヤーファンドを以下にまとめた。

銘柄 信託報酬 取扱証券会社
SBI-セレブライフ・ストーリー2025 0.6604% SBI証券
松井証券
SBI-セレブライフ・ストーリー2035 0.659% SBI証券
松井証券
SBI-セレブライフ・ストーリー2045 0.6599% SBI証券
松井証券
SBI-セレブライフ・ストーリー2055 0.6448% SBI証券
松井証券
楽天ターゲットイヤー2030 0.8575% 楽天証券
楽天ターゲットイヤー2040 0.8675% 楽天証券
楽天ターゲットイヤー2050 0.8675% 楽天証券
※筆者作成


主要ネット証券のうち、SBI証券(オリジナルプラン、セレクトプラン)と楽天証券、松井証券ならターゲットイヤーファンドの取り扱いがある。

ターゲットイヤーファンドの運用は名称を見ればわかりやすい。 たとえば「セレブライフ・ストーリー2045」なら2025年まで株式比率高めの積極運用を行い、徐々にリスク資産を減らして2045年には債券を中心とした安全運用に切り替える。楽天の「ターゲットイヤー」シリーズも同様だ。

篠田わかな

40代であれば2035年をターゲットとするファンドを選ぶのがちょうど良いでしょう。信託報酬は1%を切る水準でおさめられています。

気をつけたいのが「ターゲットイヤー」の後だ。主に安定資産に投資しているため、あまり利益は期待できないが信託報酬は発生する。 ターゲットイヤー後はそのままにせず、定期預金や他の運用資産に振り替えるなどの対策をしたい。

5.iDeCo(イデコ)ではある程度リターンが見込める商品がふさわしい

プロが選ぶ!iDeCo(イデコ)でおすすめの商品ランキングTOP5
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

iDeCoに対応している金融機関では、投資信託以外にも定期預金などの元本保証商品も対象商品に含まれていることが多い。iDeCoの商品選びをする時間がないためとりあえず定期預金にしている人が多いが、早めに投資商品に切り替えることをおすすめする。

Q
A
なぜiDeCoでは定期預金ではなく投資商品のほうがいい?
iDeCoでは口座管理手数料が発生するから。iDeCoの加入時に2,829円の手数料がかかるほか、運用期間中には安くて171円、高くて611円の口座管理手数料が発生する。

iDeCoの掛け金を拠出しているだけで年間2,052円~7,548円の負担だ。定期預金の利息でこれらを補うことはできない。つまり元本割れということになる。

iDeCoのメリットとして、所得税・住民税の控除の対象となるだけでなく、運用益が非課税になることも大きい。このメリットを最大化するためには、iDeCoで選ぶ銘柄はある程度リターンが見込める金融商品がふさわしいと言えそうだ。

6.iDeCoに関するQ&A

iDeCo(イデコ)のおすすめ金融機関は?
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券がおすすめだ。運営・管理手数料が無料なのに加えて、運用中の手数料が低いのが特徴。SBI証券は商品ラインアップ数が豊富、楽天証券はiDeCO専用アプリがありサポート体制が充実しているという特徴がある。
iDeCo(イデコ)の商品の選び方は?
資産タイプを分散すること、インデックスファンドを選ぶこと、手数料(信託報酬)が低いことがiDeCoの商品選びのポイント。アクティブ型はインデックス型よりもリスクとコストが高い反面、リターンも大きいという傾向があるので、投資にある程度慣れてから検討したい。
iDeCo(イデコ)でおすすめの商品の特徴は?
①過去1年のトータルリターンが高い、②「グローバル」「国際」「バランス」ファンド、③信託報酬が安い(インデックス型なら0.2%未満、アクティブ型なら0.9%未満)という特徴も持つ商品が初心者にはおすすめだ。
iDeCo(イデコ)でおすすめの商品は?
グローバルなら「EXE-i グローバル中小型株式ファンド」、米国なら「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、新興国なら「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」、「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」に注目したい。
なぜiDeCoでは定期預金ではなく投資商品のほうがいい?
iDecoでは加入時に2,829円、運用中は最高で171円〜611円の手数料が発生し、年間最高7,548円負担することになるが、定期預金利息では口座手数料をまかなえず、元本割れになってしまう。加えて運用益が非課税になるため、ある程度リターンが見込める投資商品のほうがマッチしている。

実際にiDeCoを始めてみる

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篠田わかな
執筆・篠田わかな

外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。

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