IPO投資はたった数日で大きな利益がでることもある。その利益から税金が差し引かれず全額が手に入ればどれほどうれしいだろう。NISA口座なら年間120万円まで非課税で運用できるため、その恩恵を受けやすい。IPO株をNISA口座で買い付ける方法や注意点もふまえて解説しよう。

目次
1. IPO投資とは
2. NISA口座でIPO株を買うメリット
3. NISAでIPO投資に対応している証券会社
4. NISA口座でIPO株を売買する流れ
5. NISAでIPO投資を始める前の注意点
6. NISAでIPO投資を始めよう

1.IPO投資とは

IPO投資でなぜ大きな利益が見込めるのか、買い付けるに当たって重要なポイントは何かを解説する。

IPO投資は値上がり益を得やすく人気が高い

IPOとは「Initial Public Offering」の略で、「新規公開株」または「新規上場株式」と呼ばれる。経営者はそれまで未公開だった株式を上場することで市場での資金調達を目指す。投資家は新規上場する予定の株式を買う権利を証券会社から抽選で入手する。

IPO投資が人気なのは、かなりの高確率で値上がり益を得られるからだ。上場直後はじめて付く株価(初値)は上場前の公開価格を上回る確率が高く、「安く買って高く売る」を実現しやすい。2019年の平均騰落率は74.8%、新規上場銘柄は平均して株価が平均1.75倍になっている。

IPO投資では証券会社の選定が重要

IPO投資はひと昔前に問題となった未公開詐欺の類ではない。抽選はIPOの割り当てを受けた信用ある証券会社によって行われる。抽選に当たりさえすれば初値で売り抜けることで利益を得られることが多い。

唯一の欠点はIPO件数が非常に少ないことだ。新規上場数は年間100社にも満たない。2019年は86件、2018年は90件であった。IPO株は口座を保有している証券会社でしか買えないので、いかに多くの割り当てがある証券会社を選ぶかが重要になってくる。

2.NISA(ニーサ)でIPO株を買うメリット

一般NISAは毎年120万円まで5年間売却益や配当が非課税になる制度だ。このNISAではIPO株も適用される。取り扱いのある証券会社などを詳しくみていこう。

NISA(ニーサ)ではIPO株の譲渡益税が非課税になる

一般NISAでIPO株を売買すれば、本来売却益と配当に課税される税金が非課税になる。IPO株はわずか数日で大きな利益になることもあるので、かかる税金も大きい。だからこそIOP株をNISAで買えるメリットは大きい。

たとえば2019年にサーバーワークスという企業が東証マザーズに新規上場した。そのとき公募価格4,780円で1万8,000円の初値がつき、初値売りでの損益は(1万8,000円-4,780円)×100株=132万2,000円にもなった。譲渡益税の税率は20.315%なので通常の口座なら26万8,564円が差し引かれるが、NISAなら非課税だ。

3.NISA(ニーサ)でIPO投資に対応している証券会社

NISA口座がIPOに対応しているかどうかは証券会社によって方針が異なる。対応していたとしてもそもそもの取り扱い件数が少なければ抽選に当たる確率も低くなる。過去のIPO取扱実績を参考にNISA口座でIPO株が買える証券会社をピックアップした。

<NISA口座でIPO株が買える証券会社>

金融機関名 2019年IPO取扱数 うちIPO主幹事数
SMBC日興証券 64社 20社
野村証券 35社 17社
SBI証券 82社 7社
マネックス証券 45社 0社
岡三オンライン証券 35社 0社
auカブコム 24社 0社
松井証券 21社 0社
ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券) 4社 0社
※筆者作成

 

「主幹事」とは、株式の新規公開のときに引き受け・販売などを行う幹事会社のうち引き受け数量が多く全体的なスケジュール管理など中心的役割を果たす会社を指す。主幹事会社はSMBC日興証券や野村證券、表にはないがみずほ証券や大和証券など従来の対面型証券会社が強い。ネット証券ではSBI証券が健闘している。

IPO投資での証券会社選びのポイント

IPO投資で証券会社選ぶポイント
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

IPO当選の確率を上げるには、どの証券会社を選ぶかが重要になってくる。各IPOの主幹事証券会社はどこか、IPO取扱件数が多いのはどこか、各社の抽選方法の特徴などを抑えておくと良い。

たとえばSBI証券はIPO取扱実績で群を抜く。直近3年で80件を超える取り扱いがあり、ネット証券ながら主幹事を務めることもしばしば。抽選時に個人に配分される株式は全体の70%で、残りはチャレンジポイントの多い申込者順に配分される。チャレンジポイントはIPOに落選した場合に付与される。

IPOの主幹事として存在感があるのはSMBC日興証券だ。主幹事かどうかは当選しやすさに影響するので投資家が注目すべきポイントである。マネックス証券は資産残高やポイント数によって当選確率が変動しない「完全平等抽選」が投資家からの支持を得ている。

4.NISA(ニーサ)口座でIPO株を売買する流れ

NISAでIPO株を売買する4ステップ
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

IPO株をNISA口座で買い付け・売却する方法は以下である。今回はSBI証券の例だが、基本的な流れはどの証券会社でも同じである。

IPO株の売買の流れ(1)……IPOのブックビルディングに参加する

IPOのブックビルディングは購入希望者から希望株数および価格を募ることで適正な発行価格を決定する制度だ。価格決定方式には一般競争入札もあるが、現在はブックビルディング方式が主流である。

目安になる仮条件が設定されているので、その範囲内の価格を入力して申し込む。IPO株の申込期間は仮条件決定日の約3日後から1週間ほどだ。

IPO株の売買の流れ(2)……発行価格の決定・抽選

ブックビルディングの結果を受けて発行価格(売出価格)が決定する。申込者のうち発行価格×有効申込株数の買付余力がある人を対象に抽選が行われる。この時点で買付余力が不足すると無効になる。

IPO株の売買の流れ(3)……当選したらIPO株の購入意思表示をする

抽選結果は「当選」「補欠当選」「落選」「抽選対象外」で通知される。申込者は購入意思表示期限内に購入か辞退かを意思表示する。このときに預り区分を「NISA預り」にすることでIPO株をNISA口座で保有できる。特定口座や一般口座を指定してしまうと後で移管することはできない。

IPO株の売買の流れ(4)……上場日に初値で売却する

取引所での売買開始日に、初値で売却するよう注文する。注文受付開始時間は上場日午前4時頃だ(証券会社によって異なる)。必ず初値で売り抜けたい場合は希望株価を指定しない「成行注文」で注文する。「指値注文」だと売買が成立しない場合があるので初値売りに向かない。

人気があるIPO株は初日に初値が付かない場合がある。その場合、翌日改めて注文を出す必要がある。

5.NISA(ニーサ)でIPO投資を始める前に注意すべきこと

NISAでIPO投資を始める注意点
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

IPO投資にはメリットが多いが、NISAでIPO投資をするときの注意点も解説しよう。

NISA(ニーサ)でIPOを行う注意点1……初値が公開価格を下回ることもある

2019年の実績で新規上場86社のうち公募価格割れをしたのは9社だ。そう多くはないが、値下がりする確率がゼロではないことは認識しておこう。

記憶に新しいのは2018年に東証一部に上場したソフトバンクだ。IPOの規模2.4兆円の超大型新規上場で期待も大きかったが、最終的には公募価格1,500円を下回った。

NISA(ニーサ)でIPOを行う注意点2……NISA口座では損益通算できない

IPO株を初値で売り抜けられなかった場合、IPO銘柄は値動きが激しくボラティリティも高いため、大きく損失が出る可能性がある。また売却損が出たとしても、NISA口座では損益通算が認められていない。

損益通算とは株取引等で発生した利益と損失を相殺することで節税する方法だ。譲渡損益がA証券会社で+100万円、B証券で-50万円の場合、何もしなければ20万円の税金を支払わなければならないが、確定申告で損益通算することで利益は50万円とみなされ支払う税金は10万円となる。これがNISA口座ではできない。

NISA(ニーサ)でIPOを行う注意点3……NISA口座の非課税枠には上限がある

NISAの年間投資可能枠は120万円が上限である。すでにNISA預りでの買い付けがあり、IPOのブックビルディング時に買付余力が足りない場合は抽選から外される。未約定注文により資金が拘束されている場合もNISA投資可能額から差し引かれる。

IPO以外でNISA口座を利用している場合は枠の奪い合いになってしまう。

NISA(ニーサ)でIPOを行う注意点4……総合口座とNISA口座の両方から申し込んでも抽選権は1つ

IPO株の申し込みは証券総合取引口座とNISA口座どちらからでもできる。ただし両方から申し込んでも当選確率は変わらない。複数の証券会社で口座開設してIPOに申し込む方法は当選の可能性を高めるが、同じ証券会社で複数口座から申し込んでも抽選権は1つにしかならない。

6.メリットの高いNISA(ニーサ)でIPO投資を始めよう

NISAでは枠の上限があったり損益通算などができなかったりと注意点はあるが、何より非課税メリットが大きいだろう。IPO投資をするならNISAで買い付けができる証券会社を検討したい

 

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篠田わかな
執筆・篠田わかな
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。
外資系経営コンサルティング会社にて製造・物流・小売部門のコンサルタントとして業務/システム改革プロジェクトに参画。退職後独学でFP技能士の資格を取得。開業して個人事業主となり、マネー・ビジネス分野の執筆、企業からの請負業務を手がける。

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