「なかなかIPOに当たらない……」という人は多いだろう。新規上場株式を公募して売り出すIPOの抽選倍率は極めて高く、当選する人はほんの一握りだ。それにも関わらず、IPOは株式投資の初心者からベテランまで、幅広い層の投資家から人気がある。IPOの人気の理由と当選確率アップの方法などを紹介しよう。
1,IPOとは?IPO投資の3つのメリット
IPOの最大の特徴は、通常の株式取引には見られない過熱気味の人気だ。IPOには次の3つのメリットがあるため、投資初心者からベテランまで、幅広い層の投資家が注目している。
- 初値の急騰率が高い
- 公募は手数料無料
- 勝率が高い
IPO投資のメリット1,公募価格に対する初値騰落率の高さ
IPO株は、公募価格に対する初値の騰落率が極めて高い。初値の騰落率が100%、時には200%を上回ることも少なくない。
IPO抽選で運良く当選すれば、例えば「1,500円の公募価格で100株購入、3,000円の初値で全株売却して15万円のリターンを獲得」も夢ではない(手数料と税は考慮していない)。
IPO投資のメリット2,公募株式は購入手数料が無料
IPOの新規発行株式と売出株式は、どちらも公募によって販売される。公募株式の購入手数料は無料なので、どの証券会社を利用しても片道分の手数料を節約できる。
IPO投資のメリット3,IPO銘柄の勝率は9割と高い
新規公開株式は、勝率が高い。ここでいう「勝率」とは、「IPOの初値が新規発行株式と売出株式の公募価格を上回って、利益が出る率」のことだ。全IPO案件のうち、およそ9割程度の銘柄が公募価格を上回る初値を付けており、初値が公募価格の数倍に高騰する銘柄も散見される。
2018年1月から2020年8月までのIPO件数と勝率を、暦年ベースで確認してみよう。
直近のIPO件数と勝率
年 | 期間 | IPO件数 | 初値>公募価格 | 初値<公募価格 | 初値=公募価格 | 勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018年 | 1~12月 | 89件 | 79件 | 9件 | 1件 | 88.8% |
2019年 | 1~12月 | 82件 | 73件 | 8件 | 1件 | 89.0% |
2020年 | 1~12月 | 92件 | 69件 | 22件 | 1件 | 75.0% |
参考(4月~12月) | 66件 | 60件 | 6件 | 0件 | 90.9% |
2020年については、年初に新型コロナウイルス感染症が世界中で流行し、株価が大暴落した。これを受けてIPOの中止や延期が相次ぎ、初値の公募価格割れも増えた。その結果、2020年の勝率は75%となった。
ただし、コロナショックが落ち着いた2020年4~12月に限定すると、9割という高い勝率を叩き出している。
もちろん投資手法や投資の熟練度などによって、実際の勝率には個人差がある。また勝率は低くても、通算すると大きな利益を獲得できている人もいる。これらを考慮すると、約9割というIPOの勝率がどれほど高いか、実感できるのではないだろうか。
端的に言うとIPOに当選すれば、初値で売却するだけで相当額の利益を得られる可能性が高く、「高い初値騰落率」、「購入手数料不要」、「高い勝率」という普通株式にはない魅力が、IPOが多くの投資家を魅了する理由です。
2,IPOの当選確率は?ジャンボ宝くじ6等程度の確率
IPO投資には上述したメリットがあるが、「IPOの抽選になかなか当たらない」という声も多く聞かれる。しかし、もちろん当選確率はゼロではない。
IPO銘柄によって公募株数が異なり、人気・不人気もあるため、抽選倍率同様に当選確率も銘柄ごとに違いがある。
各IPO銘柄の抽選応募者数は公表されていないため、正確な当選確率はわからないが、小型の人気IPO銘柄だと1%未満、超大型案件だと10%程度になると言われている。100件のIPOに応募すれば、1~10回は当選する可能性があるわけだ。
ジャンボ宝くじ6等の当選確率(理論値)は約10%、BIG(サッカーくじ)6等の当選確率は約1.3%。IPOの1%未満~10%程度の当選確率は、宝くじ6等程度の低い確率ということになります。
とはいえ、宝くじ6等に当たる確率でIPOでも当選するとなれば、「少しは期待できる」と思えるかもしれない。
3,IPOの当選確率を上げる6つの方法
IPOの当選確率は低いものの、当選確率が1,000万分の1であるジャンボ宝くじ1等を当てるよりは可能性が高い。IPOの当選確率を上げるために、専門知識がない投資初心者でも無理なく実践できるテクニックがいくつかある。具体的には次の6つだ。
- ネット証券で申し込む
- 複数の証券会社に口座を開設する
- 主幹事証券から申し込む
- 口座数が少ない証券会社から申し込む
- 少額からIPO投資できる証券会社で申し込む
- 証券会社独自のIPOサービスを使う
IPOの当選確率を上げる方法1,ネット証券で申し込む――抽選は完全平等が基本
ネット証券では、IPOの引受(割当)株数のうち、個人投資家向けの抽選に配分される株式については、応募者1人1票の完全平等かつシステム抽選が基本になっている。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券、ライブスター証券(新:SBIネオトレード証券)のような一部ネット証券では、引受株数の大半が個人投資家向けの抽選に充てられる。
これに対して総合証券のIPOでは、証券会社が引き受ける株式の大半が機関投資家や富裕層、取引額の多い個人投資家に配分され、その残りがネット取引専用口座の個人投資家に抽選で配分されることが多い。ネット取引専用口座向けの抽選でも、残高や取引が多い投資家の当選確率を高くする、ステージ優遇制を導入しているところがある。
資金の少ない投資初心者であっても、抽選向けの配分が多いネット証券を使えば、他のIPO抽選応募者と同じ条件で抽選に参加しながら、当選確率を上げることができます。
IPOの当選確率を上げる方法2,複数の証券会社に口座を開設する――申し込みチャネルを増やす
どのIPO案件でも、複数の引受幹事証券会社や委託販売証券会社が公募株式の販売に携わっている。
以下の「主要総合証券&ネット証券対象 IPO取扱銘柄件数ランキング」を参考に、まずはIPO取扱銘柄件数が多い証券会社で口座を開設しよう。
主要総合証券&ネット証券対象 IPO取扱銘柄件数ランキング(2020年)
順位 | 証券会社名 | 取扱銘柄数 | 関与率 |
---|---|---|---|
1 | SBI証券 | 85件 | 91.4% |
2 | みずほ証券 | 55件 | 59.1% |
3 | SMBC日興証券 | 52件 | 55.9% |
4 | マネックス証券 | 50件 | 53.8% |
5 | 大和証券 | 43件 | 46.2% |
6 | 野村証券 | 41件 | 44.1% |
7 | 岡三オンライン証券 | 39件 | 41.9% |
8 | 楽天証券 | 38件 | 40.9% |
9 | auカブコム証券 | 19件 | 20.4% |
11 | 松井証券 | 18件 | 19.4% |
12 | SBIネオモバイル証券 | 11件 | 11.8% |
13 | SBIネオトレード証券 | 7件 | 7.5% |
10 | DMM.com証券 | 5件 | 5.4% |
13 | GMOクリック証券 | 2件 | 2.2% |
計 | 93件 | 100.0% |
3大証券(野村、大和、SMBC日興)と同等の取扱銘柄件数で躍進しているのが、主要ネット証券の1社であるマネックス証券だ(取扱銘柄件数50件、関与率53.8%)。
ネット証券では、岡三オンライン証券もコンスタントにIPO銘柄を取り扱っており(取扱銘柄件数39件、41.9%)、楽天証券もIPOの取り扱いを増やしている(取扱銘柄件数38件、40.9%)。
SBI証券やマネックス証券、岡三オンライン証券、楽天証券などランキング上位の証券会社は、IPOの当選確率アップに役立つはずです。手数料は無料なので、IPO投資を考えているなら、まとめて口座を開設しておくといいでしょう。
IPOの当選確率を上げる方法3,主幹事証券から申し込む――IPOでの引受株数が圧倒的に多い
主幹事証券を務めるような証券会社は、幹事証券会社としてIPOに参加する機会も増えます。したがって、多くのIPO案件で主幹事を務める証券会社に口座を開設して、主幹事と幹事証券のどちらの場合でもIPO抽選に応募すれば、当選確率は格段に高くなります。
IPO主幹事証券ランキング(2020年1~8月)
順位 | 証券会社名 | 主幹事銘柄数 | 占有率 |
---|---|---|---|
1 | 野村証券 | 22件 | 23.7% |
2 | みずほ証券 | 21件 | 22.6% |
3 | SMBC日興証券 | 14件 | 15.1% |
3 | SBI証券 | 14件 | 15.1% |
4 | 大和証券 | 12件 | 12.9% |
6 | いちよし証券 | 5件 | 5.4% |
7 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 2件 | 2.2% |
8 | 東海東京証券 | 1件 | 1.1% |
9 | エイチ・エス証券 | 1件 | 1.1% |
10 | 岡三証券 | 1件 | 1.1% |
計 | 93件 | 100.0% |
主幹事証券会社は総合証券が多いが、ネット証券ではSBI証券が同数で3位にランクインしています。したがって個人投資家がIPO投資に参加する場合は、SBI証券の口座は開設しておいたほうがいいでしょう。
IPOの当選確率を上げる方法4,口座数が少ない証券会社から申し込む――競争率の低さを利用する
抽選は応募者が増えるほど当選確率が下がる傾向になる。
応募者数が少ない証券会社の目安のひとつが口座数だ。
主要総合証券&ネット証券対象 口座数ランキング(2021年6月末)
順位 | 証券会社名 | 証券総合口座数 |
---|---|---|
1 | 楽天証券 | 624万口座 |
2 | SBI証券 | 604万口座 (※2021年3月末) |
3 | 野村証券 (オンラインサービス口座数) |
497万口座 |
4 | 大和証券 (オンライントレード契約口座数) |
346万口座 |
5 | SMBC日興証券 | 316万口座 |
6 | マネックス証券 | 196万口座 |
7 | みずほ証券 | 184万口座 |
8 | 松井証券 | 135万口座 |
9 | auカブコム証券 | 131万口座 |
10 | SBIネオモバイル証券 | 60万口座 (※2021年5月) |
11 | GMOクリック証券 | 47万口座 |
12 | 岡三オンライン証券 | 28万口座 |
IPOの抽選は証券会社ごとに行われるので、同一証券会社内の応募者が多くなればなるほど、当選しにくくなります。逆にその証券会社で応募者が少なければ、当選確率は上がります。
このことから、上述の「IPO取扱銘柄件数ランキング」で下位または圏外になっているネット証券にも注目したい。
これらの中堅ネット証券はIPO取扱銘柄件数も少ないが、少しでも当選確率を上げたい人は、中堅ネット証券でIPOの取り扱いが発表されたら、欠かさず抽選に参加しましょう。
IPOの当選確率を上げる方法5,少額からIPO投資できる証券会社で申し込む――SBIネオモバに注目
IPOの抽選は、正攻法ではなかなか当たらない。
よって、当選確率を上げるために別の手も検討したい。
ひとかぶIPOは、まだ認知度が高くないため、当選確率アップを期待できる。
「ネオモバ株アプリ」専用のサービスであることや、即時入金は住信SBIネット銀行に限られるなどの制約はあるものの、1株単位で数千円程度の資金があれば多くのIPO銘柄に申し込みが可能だ。
抽選には以下のような様々な優遇がある。
- 「若年優遇」……若年層(20~30代)向けの優遇枠
- 「取引継続優遇」……口座の長期継続保有者(3カ月以上)の優遇枠
- 「FX取引口座保持優遇」……FX取引口座を開設するだけで当選確率がアップ
また、前述のようにSBIネオモバイル証券は、主要ネット証券よりも口座数が少なく、当選しやすい可能性がある。
ひとかぶIPOの申し込みは簡単で、発行価格決定後に申し込む株数を入れるだけだ。
少額IPO投資サービスは、資金の少ない若年層投資家がIPOで当選を勝ち取る近道になるかもしれません。
IPOの当選確率を上げる方法6,証券会社独自のIPOサービスを使う――SBI証券や岡三オンライン証券など
IPOで当選確率を上げるためには、各証券会社の独自サービスも活用したい。
・SBI証券のIPOチャレンジポイント
IPOの独自サービスとして注目したいのが、SBI証券の「IPOチャレンジポイント」だ。
IPO抽選に落選するたびに加算されるSBI証券のIPO専用ポイントのこと。IPOチャレンジポイントが貯まったら、次のIPOでポイントを使って抽選に応募すると、使用ポイント数に応じて当選確率が高くなる仕組みだ。
どうしても当選したいIPO銘柄の抽選に、20~30ポイントを一度に使って当選を引き寄せるのが賢い使い方です。
・岡三証券、SMBC日興証券、大和証券のステージ優遇措置
資金に余裕のある人は、取引状況に応じたステージ優遇措置によって、IPOの当選確率が高くなる証券会社を使うのもいいだろう。
ステージ優遇措置を採用している証券会社では、独自の基準で対象期間中の顧客の資産残高や取引状況などからステージを判定する。
4,ネット証券8社のIPO抽選の特徴は?個人投資家への配分方法など
IPOを取り扱っているネット証券会社では、IPO株を個人投資家向けに配分する方法やNISA口座での取引の可否、前受金の有無など、手順や手続きに違いがある。以下の表で各社のIPO投資サービスの特徴を確認して、相性の良い証券会社を選んでほしい。
主要ネット証券 IPO比較表
証券会社名 | 取扱 銘柄数 2020年 |
主幹事 銘柄数 2020年 |
配分方法 | 抽選ルール | 前受金 | NISA口座 の取引 |
IPO申し込み チャネル |
---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 85件 | 14件 | 60%:抽選 30%:IPOチャレンジ ポイントによる配分 10%:裁量配分 |
申込単元毎に番号 (乱数)を与えて抽選 |
要 | 可 | ・PCサイト ・スマホサイト |
マネックス 証券 |
50件 | 0件 | 100%:抽選 | 1人1票の平等抽選 | 要 | 可 | ・PCサイト ・スマホサイト |
岡三 オンライン証券 |
39件 | 0件 | 10%以上:抽選 それ以外: ステージ別抽選 |
1人1票の平等抽選と ステージ別抽選 |
不要 | 可 | ・PCサイト |
楽天証券 | 38件 | 0件 | 大半:抽選 | 申込株数に応じて番号 (乱数)を与えて抽選 |
要 | 不可 | ・PCサイト |
au カブコム証券 |
19件 | 0件 | 10%以上:抽選 | 1人1票の平等抽選 | 要 | 可 | ・PCサイト |
松井証券 | 18件 | 0件 | 70%以上:抽選 | 乱数を用いた抽選 | 不要 | 可 | ・PCサイト |
DMM.com証券 | 5件 | 0件 | 大半:抽選 | 1人1票の平等抽選 | 不要 | 可 | ・PCサイト ・スマホアプリ |
SBI ネオモバイル証券 |
11件 | 0件 | 50%:抽選 50%:優遇枠による抽選 |
乱数を用いた抽選と 優遇枠による抽選 |
要 | 不可 | ・スマホアプリ |
ネット証券別にそれぞれの特徴を確認していこう。
SBI証券のIPO抽選の特徴,IPO抽選応募のチャンスが証券業界最多
配分方法 | IPO引受株数の配分割合(目安) ・60%――抽選 ・30%――IPOチャレンジポイントによる配分 ・10%――裁量配分 |
---|---|
抽選ルール | 申込単元ごとに番号(乱数)を配布して、番号を対象に抽選 |
前受金 | 必要(ブックビルディング後の公募価格決定 および抽選・配分時に買付余力を確認) |
NISA口座での取引 | 可能(当選、補欠当選後に預かり区分としてNISA口座を選択) |
IPO申込チャネル | PCメインサイト、あるいはスマホサイトから申し込む |
主な特徴 | ・一部、機関投資家向け配分あり ・抽選対象はブックビルディング参加者 ・圧倒的なIPO取扱銘柄件数 ・抽選に外れるとIPOチャレンジポイントが加算され、 次のIPO抽選で貯まったポイントを使うと当選確率が上がる ・「HYPER空売りサービス」で、IPO銘柄も空売りできる ・IPO抽選時の買付余力として、SBIハイブリッド預金が自動的に充当される |
マネックス証券のIPO抽選の特徴,取扱銘柄件数はネット業界で第2位、引受株数のすべてが抽選で配分される
配分方法 | 引受株数すべてを抽選により配分 |
---|---|
抽選ルール | 顧客1人につき1つの乱数(抽選券)を付与してから抽選し、 当選者に1単位ずつ配分 |
前受金 | 必要(残高確認後にブックビルディングに参加) |
NISA口座での取引 | 可能(抽選申込時に課税口座、非課税口座の優先順位を選択) |
IPO申込チャネル | PCサイトにもスマホサイトにもスマホアプリにも対応 |
主な特徴 | ・引受株数のすべてを抽選に配分 ・ブックビルディング参加者が抽選対象 ・IPO抽選は100%完全平等 ・IPO引受銘柄件数は証券業界第3位、主幹事案件もあり ・IPO銘柄は空売りの決済に使用できない |
岡三オンライン証券のIPO抽選の特徴,取扱銘柄数が多い、事前入金不要
配分方法 | 割当株数の配分割合 ・10%以上――第三抽選向け ・90%以下――第一抽選向けと第二抽選向けに二分 |
---|---|
抽選ルール | 1 抽選応募者全員にシステムで番号(乱数)を付与 2 第一抽選:ステージSを対象に抽選 3 第二抽選:ステージSとステージAを対象に抽選 4 第三抽選:ステージS、ステージA、ステージBを対象に抽選 |
前受金 | 不要(当選、補欠当選の場合のみ、購入申込に際して代金を入金) |
NISA口座での取引 | 可能 |
IPO申込チャネル | Webサイトの「日本株取引システム」ログイン後、抽選に申し込む |
主な特徴 | ・抽選申込と同時に需要を申告する ・ステージ優遇制により、取引または残高の多い顧客が有利 ・岡三証券のIPO引受分の割当あり |
楽天証券のIPO抽選の特徴,複数単元で需要申告や購入申込ができ、購入申込後に抽選
配分方法 | ・一部、機関投資家向け配分あり ・大半は個人投資家向け配分 |
---|---|
抽選ルール | ・ブックビルディング参加が購入申込の条件 ・購入申込者多数の場合、コンピュータの乱数による抽選 |
前受金 | 必要(需要申告時には不要、購入申込時に入金が必要) |
NISA口座での取引 | 不可 |
IPO申込チャネル | Webサイト専用ページから申し込む |
主な特徴 | ・抽選対象はブックビルディング参加者 ・複数単元の需要申告、抽選応募、当選後の購入申込ができる ・IPOの購入申込代金は楽天銀行との自動入金(スイープ)の対象 |
auカブコム証券のIPO抽選の特徴,ほどほどの取扱銘柄数、抽選は完全平等
配分方法 | 引受株数の配分割合 ・10%以上――抽選による配分 (「らくらく電子契約サービス」利用の個人投資家向け) ・90%弱――抽選によらない配分 (購入意思をコールセンターに通知したプロ口座 または個人投資家対象、審査部門の審査あり) |
---|---|
抽選ルール | 抽選応募には需要申告が条件 |
前受金 | 必要(買付可能額の入金がブックビルディングの参加条件) |
NISA口座での取引 | 可能(購入申込の際に、特定/一般/非課税から選択) |
IPO申込チャネル | Webサイトのログインサイトから申し込む |
主な特徴 | ・プロ口座(機関投資家を除く)または取引の多い 個人投資家向けに裁量配分あり ・抽選はシステム化かつ完全平等 ・引受株数のうち、抽選配分割合が少ない |
松井証券のIPO抽選の特徴,前受金不要
配分方法 | 割当株数の配分割合 ・70%以上――抽選による配分 |
---|---|
抽選ルール | 抽選は、公募価格以上で需要申告した顧客が対象 |
前受金 | 不要(需要申告後の購入申込締切時点で、 買付余力のある顧客を対象に抽選) |
NISA口座での取引 | 可能 |
IPO申込チャネル | Webサイトから申し込む |
主な特徴 | 公募で入手したIPO株は空売りの決済に充当できない |
DMM.com証券のIPO抽選の特徴,スマホアプリから抽選参加申込ができる、裁量配分なし
配分方法 | ・委託販売のため、割当があった場合のみ完全平等抽選 ・一部、機関投資家向け配分と従業員持株会などへの拠出あり |
---|---|
抽選ルール | 抽選参加申込者対象に、乱数を用いたシステム抽選 |
前受金 | 不要(当選後の購入申込時に入金) |
NISA口座での取引 | 可能(購入申込時に特定口座・一般口座・NISA口座を選択) |
IPO申込チャネル | PC Web版取引ツール「DMM株STANDARD」または スマホアプリ「DMM株」から抽選参加を申し込む |
主な特徴 | ・IPOには委託販売団として参加(需要申告なし) ・割当株数が少ない ・申込取消は電話で行う ・当選者には、取引ツールと電話・メールで通知 ・購入申込はカスタマーサポートで受付(繰上当選含む) |
SBIネオモバイル証券のIPO抽選の特徴,「ひとかぶIPO」で1株から抽選に応募でき、需要申告なし
配分方法 | ・対象は個人投資家のみ ・割当株数の100%が抽選 (うち50%はシステム抽選、50%は優遇枠) |
---|---|
抽選ルール | 購入代金残高を確認できる応募者に乱数を付して、 番号を対象に抽選 |
前受金 | 申込時までに入金 |
NISA口座での取引 | なし |
IPO申込チャネル | ネオモバ株アプリから申し込む |
主な特徴 | ・SBI証券のIPO取扱銘柄を一部委託販売 ・需要申告なし ・公募価格決定後に抽選、購入希望株数を申告 ・「若年優遇」や「取引継続優遇」の優遇枠あり ・初値が付いた翌営業日から売却できる ・ひとかぶIPO購入にはTポイントが使えない ・IPO抽選の参加にはクレジットカードの登録が必要 ・証券口座への入金は住信SBIネットからに限定 |
5,IPO投資の4つの注意点
抽選倍率が高いIPOで当選を勝ち取るには、何度抽選に落選してもあきらめずに、複数のネット証券から応募する手間を惜しまないことが重要だ。最後に、IPO投資の際に注意しておきたい点についても触れておこう。注意点は下記の4つだ。
- 需要申告後の購入申込を忘れないこと
- 応募した銘柄すべてのスケジュールを把握しておくこと
- 公募割れしそうな銘柄を見極めること
- IPOの応募に必要な資金を確保しておくこと
IPO投資の注意点1,需要申告後の購入申込を忘れないこと
需要申告した銘柄については、必ず購入申込をしよう。
どの証券会社でも、需要申告したら、あるいは当選したら自動的にIPO株を購入できる仕組みにはなっていない。
IPO抽選を実施するネット証券のほとんどでは、IPO抽選に当選し、購入申込をすることで、正式に新規上場株式取得の権利を得る。
ただし楽天証券とauカブコム証券では、購入申込後に抽選が行われます。購入申込を忘れると、抽選自体に参加できないので気を付けましょう。
IPO投資の注意点2,応募した銘柄すべてのスケジュールを把握しておくこと
3月や12月など、多くのIPO案件が同時進行する時期には、需要申告を忘れてしまったり、抽選結果の確認あるいは購入申込を忘れてしまったりするおそれがある。
自分が使いやすい「IPO手続きスケジュール表」を作成して、抽選に参加する予定のIPOや、進行中のIPOのスケジュールをしっかり把握しておきましょう。
IPO投資の注意点3,公募割れしそうな銘柄を見極めること
IPOの勝率は9割程度だが、裏を返せば1割程度のIPO銘柄は初値が公募価格を下回る(公募割れ)ということだ。公募割れしやすいIPO銘柄の主な特徴は、以下のとおりだ。
- 超大型株(上場時の資金調達額が非常に大きい)の新規上場
- 東証一部上場
- 業種や業務内容に新鮮味がない
- 公募価格が仮条件の上限未満に決定する
- 上場直前に、悪材料のニュースが出る
- 相場環境が急激に悪化する
購入申込後に公募割れリスクが高まった場合や、初値が付く前の板を確認して公募割れの可能性があると感じた場合は、初値売りを見送るのも手です。上場後に株価が上昇し、十分な利益が出るまでじっくり待つのも悪くないでしょう。
IPO投資の注意点4,IPOの応募に必要な資金を確保しておくこと
IPOの当選確率を上げるためには、多くの銘柄に応募するのがセオリーだ。抽選に外れると資金拘束は解除されるが、基本的には抽選に応募する分だけ資金を用意しておく必要があると考えたほうがいいだろう。
IPOの繁忙期になると多くの銘柄が同時に進行するので、多額の購入代金が必要になります。資金に余裕がない場合は、前受金不要(当選者だけ購入代金を入金する)の証券会社を選んでIPOに参加する、もしくは初値が高騰しそうな銘柄を厳選するといった対策が必要になります。
6,デメリットもあるが大きなリターンを期待できるIPO、まずはチャンレンジを
一般的な現物株取引に比べて、IPOは初値高騰による大きなリターンを期待できる、旨味のある株式投資手法だ。
財務状態や業務内容などは最低限チェックする必要があるが、チャート分析は不要なので、IPOは投資初心者や多忙なビジネスパーソンでも参加しやすい。
IPOには抽選という高いハードルがあり、実際にIPO株を購入できるかどうかは運次第です。興味があれば、近々需要申告が予定されているIPO銘柄を皮切りに、臆することなくどんどん参戦してみましょう。
7,IPOでよくある7つのQ&A
実際に株式投資を始めてみる
口座開設数1位、IPO取扱数1位、投信本数1位、外国株取扱国数1位
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2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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