SBIネオモバイル証券はTポイント投資や少額投資ができ、開業から1年余りで30万口座を超える口座開設があった注目のネット証券会社だ。ここでは、この話題の証券会社の手数料やサービス、メリット・デメリット、特徴についてわかりやすく解説していこう。

目次
1,SBIネオモバイル証券の特徴は?
2,SBIネオモバイル証券の3つのメリット
3,SBIネオモバイル証券の2つのデメリット
4,SBIネオモバイル証券の評判・口コミを紹介!
5,株式投資を本格的に始めるきっかけ作りに最適な証券会社

1,SBIネオモバイル証券の特徴は?

SBIネオモバイル証券、通称「ネオモバ」が注目される理由は何だろうか。同社が提供するサービスなどを詳しく見ながら、その理由を探ってみよう。

特徴はTポイント投資と少額投資

SBIネオモバイル証券の特徴
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

SBIネオモバイル証券のキャッチコピーは、「日本初!Tポイントを使って株が買えちゃう」。Tポイントを使った株式の購入は、新進気鋭のSBIネオモバイル証券がその先陣を切ったわけだ。現在は、SBI証券でもTポイントで投資信託を購入できるサービスを提供しており、楽天証券でも楽天グループの共通ポイントである楽天スーパーポイントを使って、投資信託や株式を購入できる。

少額投資が基本であることも、大きな特徴だ。SBIネオモバイル証券が取り扱う商品は、少額投資ができるものばかり。S株(単元未満株)の売買や、1株でもIPO抽選に応募できる「ひとかぶIPO」、月1万円からのロボアドバイザーによる自動積立「WealthNavi for ネオモバ」、そして個人型年金制度の「iDeCo」といったラインアップで、少額投資家を支援している。

SBIネオモバイル証券の基本情報

ネット証券界の新鋭、SBIネオモバイル証券の会社概要や取引手数料、取引ルールなど、口座開設前に知っておきたい情報を紹介する。

SBIネオモバイル証券のサービス基本情報一覧(2021年7月22日現在)

会社情報 会社名 SBIネオモバイル証券
設立 2018年10月30日
資本金 21億円
自己資本規制比率 687.8% 
(2020年12月末)
口座開設数 50万口座
(2020年1月24日時点)
信託保全 日本投資者保護基金加入
100%信託財産保全
口座 口座開設手数料 無料
サービス利用料
(月間約定代金合計額別、税込)
50万円以下―月額220円
300万円以下―月額1,100円
500万円以下―月額3,300円
1,000万円以下―月額5,500円
1,000万円超、100万円ごとに
1,100円加算
即時入金
(住信SBIネット銀行)
無料(会社負担)
銀行振込入金手数料 ユーザー負担
出金手数料 無料(会社負担)
PC版取引ツール なし、Webサイト利用
スマートフォン版取引ツール ネオモバ株アプリ
ネオモバFXアプリ
取扱商品 国内現物株式 上場株式、国内ETF(国内上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)、インフラファンド
(ネオモバ株アプリ使用可)
国内株式定期買付サービス 金額指定、株数指定
国内IPO ひとかぶIPO
(ネオモバ株アプリ専用サービス)
ロボアドバイザー資産運用 WealthNavi for ネオモバ
iDeCo
FX ・26通貨
・スプレッド0銭~
・レバレッジ最大25倍
(ネオモバFXアプリ使用可)
・ロスカット水準、
証拠金維持率50%未満
サポート体制 ・Webガイド
・FAQ
(電話サポートなし)
※上記一覧は、SBIネオモバイル証券ホームページを参照して作成した

2,SBIネオモバイル証券の3つのメリット

SBIネオモバイル証券のメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

他のネット証券とは一線を画した特徴的なサービスを提供するSBIネオモバイル証券。この証券会社で取引するメリットは何だろうか。

メリット1,Tポイント投資ができる――株だけでなくFXにも

SBIネオモバイル証券の最大の特徴であり最大のメリットでもあるのが、Tポイントで株式を購入できることだ。

Tポイントは日本の共通ポイントプログラムの元祖であり、日本国内の年間利用会員数は7,068万人(2021年6月末現在)、国内の提携店舗数は16万5,548店舗(2021年6月末現在)に上る。利用者数が多く、提携店舗数も国内最多の共通ポイントだ。

Tポイントが使える店舗は、レンタルCD・DVDのTSUTAYAや蔦屋書店、ファミリーマート、すかいらーく、ドトールなど、若年層が頻繁に利用する店舗が多い。買い物で貯まったポイントを使って少額投資ができれば、資金が少ない若年層のTポイント会員でも、Tポイントを使って株式を購入できる。

現金を投資に回すとなれば、たとえ少額でも二の足を踏むかもしれない。しかし、Tポイントは買い物で得たオマケなので、株価が下落して評価損や売却損が出ても痛手は小さいはずだ。

SBIネオモバイル証券のTポイント投資は、株式の購入だけでなく、FXの拠出金にも使うことができ、気軽に始めることができる点も大きなメリットと言える。FX投資も株式投資と同様に、相場が悪くなった場合を考えると、未経験者は恐怖を感じてしまうこともあるだろう。FXの拠出金にもTポイントを使えるとなれば、「せっかくだからFXにチャレンジしてみよう」という気持ちになる人もいるはずだ。

メリット2,単元未満株投資ができる――配当や株主優待も狙える

株式の少額投資の代表格は、単元未満株だ。SBIネオモバイル証券ではS株という名称で、株式を1株単位で購入できる。もちろん、単元株(100株)での投資もできる。

単元未満株とはいえ、株式を保有することで株主の権利を得られ、株数に応じて配当金を受け取ることができる。株主優待を現金に換算できるサービスであれば、保有株数に応じた現金を受け取ることもできるのだ。

毎週あるいは毎月、株数指定でS株を定期買付して単元株にすれば、企業のオリジナル商品や地元の名産品など、さまざまな株主優待を受け取ることができるようになる。

メリット3,1株でIPO抽選に参加できる――少額からチャンレジできる

通常、IPOに参加するには単元株(100株)単位で応募する必要があり、同社のような前金制の場合は申込までに数万円から数十万円単位のまとまった資金を入金する必要がある。

それに対してSBIネオモバイル証券の「ひとかぶIPO」は、1株以上(整数倍)で抽選に応募することができる。これならせ数千円から数万円で応募できるので、お手軽にIPOに挑戦できる。さらに、抽選には一般的なネット証券にはない「若年優遇」や「取引継続優遇」といった独特の優遇措置があり、若年層でも取引の仕方次第で当選確率が上がる。

SBIネオモバイル証券の「ひとかぶIPO」には、応募に際して以下のような注意点があるので気を付けてほしい。

  • 「ひとかぶIPO」はスマホアプリ「ネオモバ株アプリ」の専用サービス
  • 購入の申込みにTポイントを使えない
  • 一般的なIPOと異なり、売却と買増ができるのは初値が付いた日の翌営業日
  • ブックビルディングは実施されず、発行価格での申し込み

3,SBIネオモバイル証券の3つのデメリット

SBIネオモバイル証券のデメリット
(画像=MONEY TIMES編集部制作)

他のネット証券と比べて、不便さを感じるのはどのような点だろうか。口座開設後の取引で「知らなかった」とならないように、デメリットについても確認しておこう。

デメリット1,手数料体系が単元株投資には不向き――あくまで少額投資向き

SBIネオモバイル証券の料金体系は、取引金額に応じた月額使用料制だ。単元株で取引金額が大きくなってしまうような場合は、お得感を感じられない。

月間の国内約定代金合計額によって、月額使用料は以下のように変わる。

  • 0~50万円:220円(税込)※以下同じ
  • 300万円まで:1,100円
  • 500万円まで:3,300円
  • 1,000万円まで:5,500円
  • 1,000万円超は100万円増えるごとに1,100円加算

    月間の約定代金が0~50万円であれば220円であり、50万円まで少額取引を何度も繰り返すことができるので、手数料の安さを実感できるだろう。

    しかし、手元資金に余裕があるからといって1ヵ月に何度も単元株単位で株式を売買すると、途端に50万円を超えて手数料が割高になってしまう。たとえば、8月の株主優待銘柄を2銘柄購入するケースを見てみよう。

    「コメダホールディングス」<3543>の株主優待では、全国の「コメダ珈琲店」で使える電子マネーを年2回受け取ることができる。1株1,798円で1単元購入すると、投資金額は17万9,800円になる。

    「イオン」<8267>の株主優待では、保有株数に応じたキャッシュバックが受けられて、イオンモールの会員制ラウンジも利用できる株主優待カードと、長期保有者向けの自社グループ優待券を受け取れる。1株2,508円で1単元購入すれば、投資金額は25万800円だ。

    上記2銘柄を購入すると合計43万600円で、50万円までは残り6万9,400円。単元株をもう1銘柄購入するとなると、比較的株価が高い飲食業界の銘柄の購入は難しい。

    SBIネオモバイル証券の良さは、少額投資であれば低コストで投資ができることだ。売却益で稼ぎたい、あるいは株主優待で企業の自社製品やオリジナルサービスを享受したいという目的がある人には、あまりメリットがないだろう。

デメリット2,取扱商品が少ない――投資信託の取り扱いもない

取扱商品のラインアップが絞り込まれていてわかりやすいことは、あまり商品知識がない初心者にとってメリットではあるが、中級レベルの投資家は物足りなさを感じるだろう。

SBIネオモバイル証券が提供するサービスは、投資初心者や資金の少ない人でも気軽に投資できることを目的としている。そのため、信用取引やオプション・先物、外国株式などのハイリスクハイリターン商品が取り扱われていないので、投資意欲があっても資産を大きく増やすチャンスがない。

投資信託の取り扱いもないので、人気のある「ひふみプラス」のようなアクティブ型ファンドや「NF日経レバレッジ指数ETF」といったレバレッジ型ETFを購入することもできない。

ただしFX取引はできるので、少額の株式取引に飽き足らなければFXを始めるという手もある。1通貨単位から取引できて、500通貨単位までなら米ドル/円のスプレッドが0銭、501~1万通貨単位でも0.20銭というFX業界最狭水準だ。為替リスクがあっても利益を狙いたいという人は、FXという選択肢もいいだろう。

SBIネオモバイル証券の取扱商品は、すべてのレベルの人にとって納得がいくラインアップではないことを覚えておきたい。

デメリット3,投資情報が少ない――取引に慣れてくると物足りなく感じる

これもデメリット2と同じで、投資中級者や上級者にとっては大きなデメリットになるだろう。同社は、あくまで株式投資を始めるきっかけ作りに最適なネット証券なので、これは仕方ないかもしれない。

投資経験を積んだ投資家は、市況や企業情報、チャートなどの投資情報を自分で分析し、その結果に基づいて投資判断を下す。このような中上級者が必要とする投資情報は、SBIネオモバイル証券のWebサイトのものでは十分とは言えない。

4,SBIネオモバイル証券の評判・口コミを紹介 利用者が感じるメリット・デメリットは?

実際にSBIネオモバイル証券を利用しているユーザーは、どう評価しているのだろうか?評判・口コミを紹介していこう。

SBIネオモバイル証券のメリット・良い口コミ

T・Sさん|40代男性
設計職の会社員

SBIモバイル証券は、Tポイントを使って投資ができるので非常におすすめです。私が愛用している某ネット証券もポイントで投資ができるので何かと助かっております。それに1株単位から投資できうるので、初心者にも簡単に始められ、投資の基礎知識や初めてで株式投資が怖いというユーザー様にもお勧めであると思います。株式投資ミドルユーザーの方でもユニクロ株、TDL株を買いやすくなるので非常におすすめできると思います。

Kさん|30代女性
日本語教師

Tポイントで投資できるところです。ポイントを使って株式や投資信託を購入するので、実質かかっているお金はゼロ円です。しかもかなりの少額から購入できるので、これなら損出してもまぁいいやという軽い感覚で投資デビューができます。投資はやってみないとよさやノウハウが分からないもの。そのハードルをぐっと下げてくれたこのシステムはすばらしいです。

K.Mさん|30代男性
営業職の会社員

現金だけではなく、Tポイントでも投資ができる点が嬉しいです。これは「Tポイントで資産が買える」ということです。投資の初心者からすると少しの損失でも心が痛みます。汗水流して働いて稼いだお金なら尚更です。ただ、街中で貯まったポイントでの投資ならそこまでの痛みはありません。そして、良い投資先を選べれば、その何倍もの価値にてリターンを得られるからです。

H.Yさん|30代男性
個人投資家

ネオモバイルのメリットと言えば、なんと言ってもTポイントで投資ができる所です。実際は「Tポイントも使える」と思った方がわかりやすいかもしれません。一株から単元株まで買えます。普通に株を買う感覚で現金で取引します。その時にTポイントが余っていれば使う事ができます。Tポイントだけでも買えます。そして株を購入すれば、Tポイントへは戻らないので、実質Tポイントが現金になります。

N.Sさん|30代女性
専業主婦

良いところはやはり単元未満で一株から買えるところだと思います。企業によっては一株から株主優待がもらえたりすることがあるので、そういうところはネオモバイル証券で単元未満で購入して優待を貰ったりすることがあります。あとはTポイントで株を買えるのもいいところだと思います。

I.Kさん|30代男性
海事代理士

メリットは、Tポイントで株式投資をすることができる点です。これが一番のメリットです。Tポイントを貯める際に使い道に困っていたので、Tポイントを株式投資に運用できるようになってからは、Tポイントにも価値を見出すことができました。またロボアドバイザー「WealthNavi for ネオモバ」が利用できる点もメリットがあります。最低投資金額が1万円からできるのも嬉しいです。

SBIネオモバイル証券のデメリット・改善してほしいところ

T・Sさん|40代男性
設計職の会社員

単元未満株は指し値注文できないのが不満ですが、これはまあ制度もあるので仕方ないと思います。サービス料が少し高いように思います。もう少し安くして頂けると助かります。Tポイント以外も投資できるようにして欲しい。

Kさん|30代女性
日本語教師

Tポイント以外のポイントでも投資に使えるよう、様々な企業と連携して欲しいです。楽天のポイントでも投資できるようになれば、投資額が格段に増えます。クレジットカード会社のポイントやポイ活サイトのポイントが投資に使えるようになれば、もっと積極的に投資をやってみようと思えるようになると思います。

K.Mさん|30代男性
営業職の会社員

銘柄説明は個別であるのですが、サイト内でのテクニカル的な分析ができないのが残念です。

H.Yさん|30代男性
個人投資家

ネオモバイルのデメリットは、一株単位の取引の場合、リアルタイム取引ができない事です。注文と約定のタイミングが縛られますし時間がややこしいです。これでも増えた方で、以前はもっと少なかったです。他社ではリアルタイム取引できるところもあるので改善して欲しいものです。

N.Sさん|30代女性
専業主婦

アプリでの画面がすこし見にくいというか操作しにくいところがあります。アプリで企業情報を見ようと思うといろいろなところをクリックしないと情報が見えないのがちょっと残念だと思います。あと株を購入する際にもいろいろクリックするところが他の証券会社のアプリにくらべて多いような気がするのでもっと操作性をシンプルにしてほしいと思います。

I.Kさん|30代男性
海事代理士

デメリットを挙げるとすれば、まずは投資商品がとても限定的になってしまう点です。Tポイントで投資ができる強みがこの投資できる商品が限定的で少ないことから、いまいち投資効率を上げることができません。もう少しTポイントで投資ができる投資商品を増やして欲しいです。また、単元未満株を自分の好きなタイミングで売買することができない点もデメリットに感じています。通常の単元株の売買と異なるので、そこが残念です。

5,株式投資を本格的に始めるきっかけ作りに最適な証券会社

SBIネオモバイル証券は自身でアピールしているように、株式投資の初心者や、資金の少ない若年層が気軽に株式投資ができる環境を提供している。

シンプルなラインアップ、少額投資を前提とした商品設計、高リスク銘柄などをあらかじめ排除して比較的低リスクで投資できる環境、わかりやすい料金体系などからもわかるように、「初心者が投資経験を積んで、本格的な株式投資に気持ち良くステップアップするための証券会社」という位置付けなのだ。

同社の設立にSBI証券が大きく関与しているのは、グループ内の棲み分けのためと考えられる。

株式投資に若干の不安を感じる人や資金不足の人は、まずはSBIネオモバイル証券で十分な経験を積みたい。その後、商品や投資情報が豊富で、利益獲得機会も多い主要ネット証券で取引を始めるといいだろう。

実際に株式投資を始めてみる

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近藤真理
執筆・近藤真理
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。
証券会社の引受業務やビジネス系翻訳携わったのち、個人投資家として活動。現在は総合証券、ネット証券の両方を使いこなし、経済、金融、HR領域で多数の媒体で執筆中。2019年にフィナンシャルプランナーの資格取得。

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