マネックス証券はIPOに力を入れている。2018年には50件の取扱実績を誇り、原則として全てのIPOの配分を公正な抽選によって行うのが特徴だ。今回はマネックス証券で幸運にもIPOの抽選が当たったときに、IPO株を初値売りする場合の売り方や注意点について紹介しよう。
IPO株をマネックス証券で初値売りするには
IPO株に当選した場合、その売り方に悩む人も多いだろう。IPO株は初値を付けた後、さらに上昇していくケースも確かにある。ただし、IPO株は初値決定後に株価が乱高下しがちだ。大型案件やその銘柄に対する強い思い入れなどがある場合を除き、当選したIPO株は初値で売却を行うのが無難である。
マネックス証券でIPO株を初値売りする際の具体的な売り方を説明していこう。
マネックス証券でのIPO株の売り方
マネックス証券におけるIPO株の基本的な売り方は次の通りである。
(1)証券口座へログインし、「保有残高・口座管理」をクリックする
(2)売却を行うIPO銘柄の「売却」ボタンをクリックする
(3)株数、価格(成行・指値)、有効期間、執行条件を選択し、「次へ(注文内容確認)」をクリックする
(4)内容確認画面で注文内容に誤りが無いことを確認し、暗証番号を入力して「実行する」をクリックする(暗唱番号の入力は設定で省略可)
初値売りの場合、(3)において価格を「成行」と選択するのが重要なポイントだ。指値を選択した場合、初値がその指値以下となった際には初値売りは成立しないからだ。「成行」を選択しておけば、必ず初値で売れることになる。この点は必ず確認しておきたい。
マネックス証券では上場日前営業日の17時頃から売却注文が可能
マネックス証券の特徴はIPO株の売却注文を「上場日前営業日の17時頃」から出しておける点である。
証券会社によってIPO株の売却注文の受付開始時間は異なるが、なかには上場日当日にならないと売却注文できない証券会社もある。マネックス証券の場合は、上場日の前営業日の夜には発注しておけるので、上場当日の朝に慌てて注文を出さなくてよい。
当日の寝坊などのリスクを避けるためにも、マネックス証券でIPOの初値売りを行う場合には、極力前営業日の夜に売却注文を行っておこう。
マネックス証券でIPO株の初値売りを行う際の注意点
マネックス証券でIPOを初値売りする場合の注意点を説明しておこう。
初値が付かなかった場合には注文が失効していないかを確認する
IPOでは、注文が買い方(または売り方)に集まり、売買が成立しないケースがある。1日中売買が成立しなかった場合、その日は値付かずとなり、初値の形成は翌営業日に持ち越される。このように初値が付かなかった場合には自身の注文の状況を必ず確認したい。
例えば、売却注文の有効期間を「当日中」としていた場合、初日に値付かずとなれば、その注文は失効してしまう。有効期間を「今週中」としていた場合には、金曜日の取引終了時の時点で初値がついていなければ失効となる。
当然の話だが、注文が失効している状態では初値売りはできないので、注文を出し直す必要がある。初値売りを行う予定の銘柄が値付かずとなった場合には、必ずその日の内に注文の状態を確認すべきだ。
IPO株の初値売りは必ず儲かるわけではない
マネックス証券でのIPOに限った話では無いが、初値売りにもリスクはあるという点を強調しておこう。近年の活況なIPO相場において、初値売りでの投資成功談が大きく取り上げられている。しかし、初値売りの場合でも公募価格を下回るという可能性は常に存在する。
初値売りはIPOの売り方の一つであり、必勝法ではない点は頭に入れておきたい。マネックス証券の場合は、上場日の前営業日から売却注文を出しておいたほうがいいが、極力上場日にも銘柄の板状況などを確認し、相場の状況は気にかけておくようにしたい。
また、大型案件の場合は時価総額が大きいため、個人投資家の売買が価格変動に与える影響が相対的に小さいことに加え、機関投資家などが買付を行う可能性もある。初値売りを行わずに市場の流れを見て売却するというのも手である。
文・樋口壮一(金融ライター)
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