IPO(新規公開株式)は初心者でも儲けやすい投資として人気がある。ただしIPO株を買うためには、一般的に申し込み証券会社での抽選に当選しなくてはならない。当選しやすいおすすめの証券会社や、IPO株購入資金を用意するタイミングなどについて解説しよう。
目次
1,IPO投資のおすすめ証券会社を選ぶ3つのポイント
IPO投資のために抽選を受けるには、証券会社からのIPO申込が必要だ。
当選確率を上げるには、複数の証券会社からIPOに申し込むことが有効です。
複数の証券会社からIPOに申し込むには、複数の証券会社に口座を開設する必要がある。
その際、証券会社を選ぶ3つのポイントは次のとおりだ。
- 取扱銘柄数
- 主幹事数
- 抽選方法
IPO投資の証券会社選びのポイント1……「取扱銘柄数」が多ければ抽選機会も多い
証券会社によって、IPOの取扱銘柄数は大きく異なる。
IPOに申し込むには、証券会社がその銘柄を取り扱っている必要がある。
IPO投資の証券会社選びのポイント2……「主幹事」であれば当選確率上昇を期待できる
幹事証券会社とは、IPOで上場する会社を支援する証券会社のこと。
主幹事証券会社とは、幹事証券会社のなかでも、中心としてIPOを支援する証券会社のこと。
IPO投資の証券会社選びのポイント3……「抽選方法」により資金配分を変える
IPOの抽選方法も証券会社によって異なる。
一人一票の平等抽選を採用していたり、申込株数や取引手数料などによって、抽選が有利になったりする証券会社もある。
2,IPOの「取扱銘柄数」の多いおすすめネット証券ランキングTOP5
IPOの証券会社選びのポイント1で紹介した「IPOの取扱銘柄数」が多いネット証券ランキングを1位から5位まで紹介しよう。
先に述べたように、IPOの抽選に多く申し込んだほうが当選の機会が増えるので、取扱銘柄数が多いネット証券の口座開設を検討したい。
IPO取扱銘柄数の多いネット証券1位……SBI証券
ネット証券に限らず日本の全証券会社のなかで、IPO取扱銘柄数がトップレベルなのはSBI証券だ。
SBI証券は「IPOチャレンジポイント」という独自のポイント制度があります。貯めたポイントを使うことでIPOの抽選が有利になります。
SBI証券 IPO取扱銘柄数 |
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
85本 | 84本 | 86本 | 85本 |
IPO取扱銘柄数の多いネット証券2位……
マネックス証券の2020年IPO取扱銘柄数は50と全銘柄数93のうちおよそ半数超の取り扱いがあった。
マネックス証券では、取り扱う新規公開株をメールで知らせるサービス「新規公開・公募株アラートメール」も提供しています。
マネックス証券 IPO取扱銘柄数 |
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
50本 | 45本 | 50本 | 49本 |
IPO取扱銘柄数の多いネット証券3位……岡三オンライン証券
岡三オンライン証券の2020年IPO取扱銘柄数は39と全銘柄数93のうち約4割の取り扱いがあった。
岡三オンライン証券ではIPO申込時の事前入金が不要であり、気軽に申し込みできるのも特徴です。
岡三オンライン証券 IPO取扱銘柄数 |
2019年 | 2018年 | 2020年 | 2017年 |
39本 | 37本 | 50本 | 24本 |
IPO取扱銘柄数の多いネット証券4位……楽天証券
楽天証券の2020年IPO取扱銘柄数は38と全銘柄数93のうち約4割の取り扱いがあった。
楽天証券は、年々IPO取扱銘柄数が増えており、今後の取扱数増加も期待できます。
楽天証券 IPO取扱銘柄数 |
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
38本 | 26本 | 11本 | 7本 |
IPO取扱銘柄数の多いネット証券5位……松井証券
松井証券の2020年IPO取扱銘柄数は18本と全銘柄数93のうち約2割超の取り扱いがあった。
松井証券はIPO申込時の事前入金が不要です。
松井証券 IPO取扱銘柄数 |
2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 |
18本 | 21本 | 9本 | 14本 |
3,IPOの「主幹事実績」があるおすすめネット証券会社2選
IPOの主幹事は対面型証券会社が務めることが多い。
ネット証券で主幹事実績があるのは一部の証券会社だけだ。
主幹事実績がある、おすすめのネット証券会社は以下だ。
主幹事実績があるネット証券の代表はSBI証券
SBI証券は近年10銘柄前後のIPO主幹事実績があります。2019年のIPO主幹事数は6銘柄で、2020年は15銘柄でした。今後、SBI証券が主幹事を務めるIPO銘柄がさらに増えることが期待できます。
グループ証券会社がIPO主幹事実績のあるネット証券はau カブコム証券
auカブコム証券(旧カブドットコム証券)は同グループに三菱UFJモルガン・スタンレー証券がある。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事の銘柄は、auカブコム証券にIPO株が多く配分される可能性があります。
4,IPOの「抽選方法」でネット証券会社を選ぶ3つのポイント
IPOの抽選は証券会社によりさまざまだ。
自分に適した抽選方法の証券会社を選ぶための3つのポイントを紹介する。
- 一人一票の平等抽選
- 申込株数に応じてIPOの抽選権利が増える
- 株などの取引が多ければIPO抽選が有利になる
⑴一人一票の平等抽選の証券会社なら限られた資金でも不利ではない
IPO投資をする多くの人は限られた資金での申込になり、IPOの申込株数にも限りがある。
一人一票の平等抽選を採用するネット証券なら、限られた資金でもIPOの抽選で不利にならない。
資金やIPOの申込口数に関係なく、一人一票の平等抽選であるネット証券会社は以下だ。
出典:マネックス証券、auカブコム証券、GMOクリック証券、松井証券、SBIネオトレード証券
SBIネオモバイル証券も一人一票の平等抽選を採用していますが、若年者などが優遇される制度になっています。また、SBIネオモバイル証券は「ひとかぶIPO」という制度を採用しており、1株単位から購入できるのも特徴です。
⑵申込株数に応じてIPOの抽選権利が増える証券会社は資金の多い人が有利
資金に余裕があれば、IPOの申込株数を増やすことで抽選が優位になるネット証券会社がある。
申込株数に応じて、抽選権利が増えるネット証券は以下の2つだ。
- SBI証券
- 楽天証券
⑶株などの取引が多ければIPO抽選が有利になる証券会社もある
株など過去の取引により手数料などが多ければ、IPO抽選で有利になる証券会社がある。
- 岡三オンライン証券
岡三オンライン証券は、取引手数料や信用取引残高により3段階のステージ制で抽選されます。この証券会社では、資金が多く取引をたくさん行っている人がIPO抽選で有利になります。
出典:岡三オンライン証券
先述のとおり、SBIネオトレード証券も一部、ステージ制抽選を採用している。
5,IPOの抽選では資金を複数の証券口座に分散させて当選確率を上げるのがおすすめ
個人投資家が上場前のIPO株を公募価格(公開価格)で購入するには、IPO抽選で当選を狙うのが一般的だ。
IPOの抽選では、資金を用意するタイミングが証券会社によって異なることにも気を付けたい。
証券会社によっては、IPO申込時点で「購入希望価格×申込株数」の購入資金が必要になる場合もある。
6,IPO投資での購入の流れと資金を用意するタイミング
資金を準備するタイミングを考えるにあたり、IPO株を購入する流れを把握しておこう。
多くの証券会社で採用されているIPOの流れは、(1)ブックビルディング申込、(2)抽選、(3)購入申込の順だ。
なかには、楽天証券、auカブコム証券、GMOクリック証券のように、(1)ブックビルディング申込、(2)購入申込、(3)抽選という流れの証券会社もある。
(1)申込……IPOの抽選を受けるためブックビルディングに申し込む
多くの証券会社では、抽選の対象になるにはブックビルディング(BB)への申し込みが必要だ。
ブックビルディングに申し込むには、購入希望する口数(株数)と価格を申告する。
購入希望価格は仮条件という金額の範囲から選ぶ。
多くのIPO銘柄は、需要が高いため公募価格は仮条件の上限で決まることが多いです。
(2)抽選……IPO株の配分が決定され結果発表
ブックビルディングにより公募価格が決定された後に、IPO株の抽選が行われる。
IPO抽選方法は証券会社によって異なるので、あらかじめ自分が申し込む証券会社の抽選方法を把握しておきたい。
(3)購入申込……IPO株の購入意思を申告する
IPO抽選で「当選」または「補欠当選」になったら、購入申込によりIPO株の購入意思を申告する。
7,証券会社によってIPO株の購入資金を用意するタイミングが異なる
IPO株の購入資金を用意するタイミングは、証券会社によって異なる。
大別すると、次の3つだ。
- ブックビルディング申込時点
- IPO抽選時点
- IPO抽選発表後
資金の拘束や解除されるタイミングも証券会社によって異なります。
IPO申込時点で資金が必要なネット証券会社
以下の証券会社は、IPO申込時点で購入資金を証券口座に用意しておく必要がある。
- マネックス証券
- 楽天証券
- au カブコム証券
- SBIネオモバイル証券
出典:マネックス証券
出典:楽天証券
出典:auカブコム証券
出典:SBIネオモバイル証券
IPOの抽選時点から資金が必要になるネット証券会社
以下のネット証券会社は、IPO抽選時点で購入資金を証券口座に用意しておく必要がある。
- SBI証券
- GMOクリック証券
出典:SBI証券
出典:GMOクリック証券
IPO抽選発表後に資金が必要になるネット証券会社
以下のネット証券会社は、当選や補欠当選してから資金を用意すれば良い。
- 松井証券
- 岡三オンライン証券
- ライブスター証券
出典:松井証券
出典:岡三オンライン証券
出典:SBIネオトレード証券
8,IPO投資では資金を移動しやすい銀行口座を用意しておくのがおすすめ
IPO投資は銘柄ごとに取扱のある証券会社が異なる。
状況に応じて、IPO銘柄の取扱がない証券会社から取扱がある証券会社へ資金を移動することも考えられる。
たとえば、証券会社間の資金移動は、銀行口座を経由することで手数料が無料になることもあります。IPO投資では、対応する証券会社が多いメガバンクやネットバンクの口座を用意しておくと、資金を移動しやすくなるのでおすすめです。
IPO投資にネット証券を使う際によくある5つのQ&A
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