野村證券は国内最大手の証券会社で、「取扱商品が多い」「情報提供が充実している」「サポート体制が手厚い」といった特徴がある。ここでは、証券口座の開設を検討している投資初心者に向けて、野村證券の特徴や利用するメリット、注意点などを解説する。
目次
1,野村證券の3つの特徴は?
野村證券の主な特徴は、以下の3点だ。
- 特徴1,ネット&コールと本支店から選べる
- 特徴2,取扱商品が幅広い
- 特徴3,サポート体制が手厚い
特徴1,ネット&コールと本支店から選べる
野村證券の口座は、ネットや電話で取引をするオンライン専用の「ネット&コール」と、窓口で担当者と会話しながら取引をする「本支店」から選べる。
おすすめは、本支店よりも手数料が安く設定されているネット&コールです。手数料については後ほど詳しく解説するので、そちらも参考にしてください。
特徴2,取扱商品が幅広い
大手の証券会社だけあって、取扱商品のバリエーションが多いことも特徴だ。
主な取扱商品は以下のとおり。
• IPO
• 外国株式
• 投資信託
• 債券
• FX
• ラップ口座
• 保険
野村證券は、株式以外にもさまざまな商品を取引したい人や、さまざまな商品を試したいものの証券口座を複数持つのは面倒という人に適しています。
特徴3,サポート体制が手厚い
野村證券では、取引・商品・サービスなどの問い合わせは、電話で受け付けている。
受付時間は以下のとおりだ。
• 土日9:00~17:00(祝日・年末は対象外)
野村證券では土日でも電話問い合わせを受け付けているため、平日は多忙な会社員でも電話で相談できます。その他にホームページでも問い合わせを受け付けており、サポート体制は比較的手厚いといえるでしょう。
2,野村證券のネット口座の基本情報
ここでは、野村證券の会社情報や取扱商品などの基本スペックを整理しておこう。
野村證券のサービス基本情報一覧(2021年10月12日現在)
会社情報 | 会社名 | 野村證券株式会社 |
設立 | 2001年5月7日 | |
資本金 | 100億円 | |
自己資本規制比率 | 314.7%(2021年6月末時点) | |
口座開設数 | 533万口座(2021年3月末時点) | |
口座 | 口座開設手数料 | 無料 |
口座管理手数料 | 無料 | |
入出金・振替 | 入金方法 | 日本円 |
リアルタイム口座振替 | 無料(会社負担) | |
出金日数 | ・銀行振込:翌営業日 ・野村カード:即日 |
|
出金手数料 | ・銀行振込:無料 ・野村カード:無料または110円 |
|
リアルタイム入金 提携金融機関数 |
10 | |
ツール・サービス | PC版取引ツール | ・オンラインサービス |
スマートフォン版 取引ツール |
・野村株アプリ | |
現物株注文方法 | ・成行 ・指値 ・逆指値 |
|
執行条件付き注文 | ・寄指 ・引指 ・不成 ・寄成 ・引成 |
|
自動売買発注方式 | ― | |
取扱商品 | 株式 | ・現物株取引 ・制度信用取引 ・一般信用取引 ・単元未満株(まめ株) ・株式積立(株式累積投資) |
先物・オプション | ― | |
外国株 | ・米国 ・ドイツ ・オーストラリア ・香港 |
|
その他 | ・ETF/ETN ・REIT ・NISA ・つみたてNISA ・iDeCo ・投資信託 ・債券 ・FX ・ラップ口座 ・ローン ・保険・年金保険 |
|
株式取扱銘柄 | ・東京証券取引所上場株式 (マザーズ、JASDAQ、外国株を含む) ・名古屋証券取引所上場株式 (セントレックスを含む) ・福岡証券取引所上場株式 (Qボードを含む) ・札幌証券取引所上場株式 (アンビシャスを含む) |
3,野村證券のネット口座の手数料を確認
野村證券は口座開設手数料・維持費が無料なので、気軽に口座を開設できる。
ここからは、各種手数料を見ていこう。
オンライン専用支店のほうが手数料は安い
野村證券では、オンライン専用支店と店舗(本支店)で手数料が異なり、オンラインのほうが安い。
たとえば、現物株の場合は以下のような違いがある。
約定代金 | オンライン専用支店 | 本店・支店 |
50万円 | 524円 | 7,150円 |
100万円 | 1,048円 | 6,094円 |
300万円 | 3,143円 | 1万4,894円 |
500万円 | 5,238円 | 2万3,364円 |
オンラインサービスの現物株手数料
約定代金 | 手数料 |
~10万円 | 152円 |
~30万円 | 330円 |
~50万円 | 524円 |
~100万円 | 1,048円 |
~200万円 | 2,095円 |
~300万円 | 3,143円 |
~500万円 | 5,238円 |
~1,000万円 | 1万476円 |
~2,000万円 | 2万952円 |
~3,000万円 | 3万1,429円 |
~5,000万円 | 4万1,905円 |
500万円超 | 一律7万8,571円 |
オンラインサービスの信用取引手数料
信用取引の手数料は、約定代金にかかわらず1注文あたり524円。
野村證券では、現物・信用とも、電話で取引することも可能ですが、手数料が高いため、オンラインサービスのほうがコストを圧縮できます。
4,野村證券で口座を開設する4つのメリット
ここまで野村證券の基本情報や手数料について見てきたが、ここからは実際に口座を開設すると得られるメリットを見ていこう。
- メリット1,セミナーなど情報提供サービスが充実
- メリット2,少額投資ができるサービスもある
- メリット3,IPOはオンライン抽選ならチャンスが平等
- メリット4,債券の取り扱いも充実
メリット1,セミナーなど情報提供サービスが充実
野村證券は、セミナーやレポートなど、投資に関するさまざまな情報を入手しやすい。
口座を開設しなくてもセミナーは公式ホームページで検索できるため、自宅や職場の近くで開催されるセミナーを調べてみるとよいでしょう。
メリット2,少額投資ができるサービスもある
野村證券には、少額で投資できるサービスも複数ある。
具体的には「まめ株」と「株式積立」だ。
まめ株は、単元株に満たない端数株式を1株単位で購入できるサービス。
まめ株ならば、少額で複数の銘柄を購入できるため、リスクを分散することもできます。また、まめ株でも保有株数に応じて配当金を受け取れます。
株式積立は1銘柄につき月1万円から積立購入ができるサービス。1万円以上1,000円単位で金額を調整できるため、無理なく積立投資を続けられる。
株式積立は、一定金額を毎月購入しつづけることで、購入時期を分散できるのもメリットです。「ドルコスト平均法」とも呼ばれる手法で、価格が低いときも高いときも一定金額の購入を続けることで、結果的に平均購入単価を低く抑えらます。
メリット3,IPOはオンライン抽選ならチャンスが平等
出典:野村證券公式サイト
野村證券のIPOにはオンライン抽選と取引店での販売があり、オンライン抽選は完全抽選なので当選チャンスは平等。
前受金を支払う必要がないのも、オンライン抽選ならではのメリットです。IPOの預かり区分をNISAに指定することもできるので、積極的に活用しましょう。
メリット4,債券の取り扱いも充実
債券は国や企業が資金調達のために発行するもので、購入者は定期的に利息を受け取れるという特徴がある。
リスク分散として、株式と併用する投資家も多い。
出典:野村證券『債券』
リスクを分散したい投資家にとっては、心強いだろう。
5,野村證券の2つのデメリット
大手ならではのメリットを享受できる野村證券だが、デメリットもある。
具体的なデメリットは次の2点。
- デメリット1,ネット専業の証券会社と比べると手数料は安くない
- デメリット2,つみたてNISA(積立NISA)の対象商品が少ない
デメリット1,ネット専業の証券会社と比べると手数料は安くない
現物取引の手数料を楽天証券・SBI証券と比較すると、以下のようになる。
野村證券 (オンライン) |
楽天証券 (超割コース) |
SBI証券 (スタンダードプラン) |
|
10万円 | 152円 | 99円 | 99円 |
50万円 | 524円 | 275円 | 275円 |
100万円 | 1,048円 | 535円 | 535円 |
200万円 | 2,095円 | 1,013円 | 1,013円 |
楽天証券の超割コースとSBI証券のスタンダードプランは同額で、野村證券よりも安い。SBI証券には「アクティブプラン」もあり、1日の約定代金が100万円以内なら手数料がかかりません。
デメリット2,つみたてNISA(積立NISA)の対象商品が少ない
とはいえ野村證券が「厳選」した7本であり、各ファンドとも購入時手数料は無料で信託報酬も低く、長期的な積立に適した銘柄が揃っている。
「つみたてNISAの商品数が多すぎで選べない」という人には向いていますが、「多くの選択肢から自分で調べて選びたい」という人には向きません。
6,野村證券のネット口座はどんな人におすすめ?
ここまで解説した内容を踏まえると、野村證券を利用するのに向いているのは以下のような人だ。
- IPOに当選するチャンスが多い証券会社を選びたい
- 少額で投資を始めたい
- カスタマーサポート体制がしっかりしているところを選びたい
野村證券では、まめ株や株式積立など少額投資ができるサービスもあるため、初心者でも無理なく投資を始められるでしょう。自分のニーズと合致するなら、野村證券のネット口座を開設することをおすすめします。
野村證券の口座開設についてよくある5つのQ&A
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
2013年より、総合証券とネット証券を使い分けながら、資産運用を開始。2017年から各種WEBサイトのフリーライターとして活動、現在は経済金融系記事を中心に執筆している。
■保有資格
証券外務員一種、二種
投資診断士
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
AFP認定者
【関連記事】
・初心者向けネット証券ランキング
・ネット証券NISA口座ランキングTOP10!
・つみたてNISA(積立NISA)の口座ランキングTOP10
・日本の証券会社ランキングTOP10 売上高1位は?
・スマホ証券おすすめ6社を比較!ネット証券との違いや手数料など>
・楽天証券のメリットとデメリット SBI証券と比較 >