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iDeCo(イデコ)を40代から始めるのは遅いのか メリット、デメリットをわかりやすく解説

2019.5.15
FINANCE
(画像=Flamingo Images/Shutterstock.com)
(画像=Flamingo Images/Shutterstock.com)
iDeCo(イデコ)は老後の収入の軸である公的年金を補い、より豊かなセカンドライフを送るための資産形成法の1つ。40代になって老後の問題がより現実的になり、気になっている人も多いのではないだろうか。実は40代はiDeCo(イデコ)の始め時だ。iDeCoのメリット・デメリットや40代から始める場合のポートフォリオまで、40代が知っておきたいiDeCo(イデコ)の基礎知識を紹介しよう。

iDeCo(イデコ)とは?4つのメリットを解説

iDeCoは現在、20歳以上60歳未満のほとんどの人が加入できるようになり、平成30年8月時点の加入者は100万人を超えている。iDeCoの最大の特徴は節税メリットだ。

iDeCo(イデコ)のメリット1……掛け金が全額所得控除される

iDeCoは自分で決めた掛け金の全額が所得から控除される。掛け金の上限は、国民年金の第1号被保険者から第3号被保険者の加入者区分や、勤め先の企業で企業年金が実施されているかどうかなどによって異なる。例えば毎月の掛け金が1万円の場合は年額が12万円となり、課税される所得が330万円超695万円以下の人であれば、所得税20%住民税10%の合計3万6,000円が軽減されるのだ。

iDeCo(イデコ)のメリット2……運用益が非課税

iDeCoの運用商品には定期預金、保険商品、投資信託がある。自分で許容できるリスクのレベルや目標とする利回りなどを決めたのちに商品を選んで掛け金を運用する。通常は運用益に源泉分離課税20.315%が課税されるが、iDeCoであれば課税されることはない。運用益は再投資の資金に含まれる。

iDeCo(イデコ)のメリット3……受け取るときも控除の対象になる

iDeCoの受け取り方法は年金か一時金を選択できる。金融機関によっては年金と一時金を組み合わせて受け取ることができる。年金として受け取るのであれば「公的年金等控除」が適用されて税額が抑えられる。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」の対象となり、20年間、積み立てると800万円までが非課税になる。

iDeCo(イデコ)のメリット4……持ち運びができる

iDeCoで積み立てた年金資産は、転職や離職したあとに移換の手続きを取って持ち運ぶことができ、掛け金の拠出が継続できる。厚生年金基金や確定給付企業年金等から資産を引き継ぐこともできるので、まとまった資産を60歳時点で受け取れる。

iDeCo(イデコ)の2つのデメリット

メリットばかりに思えるiDeCoだが、デメリットもある。

iDeCo(イデコ)のデメリット1……60歳まで引き出せない

iDeCoは原則として60歳になるまで積み立てた資産を引き出すことができない。この点は、これから教育費の負担が増える、住宅購入の予定があるなど、支出がかさむ時期には少し不安に思えるかもしれない。

また、60歳から受け取るためには10年以上の通算加入者等期間が必要になる。加入者期間等に応じた受給開始年齢は以下の通りだ。
  • 10年以上……60歳
  • 8年以上10年未満……61歳
  • 6年以上8年未満……62歳
  • 4年以上6年未満……63歳
  • 2年以上4年未満……64歳
  • 1年以上2年未満……65歳
通算加入者等期間とは、加入者期間と運用指図者期間を合算した期間のことを言う。毎月一定の掛け金を拠出している期間だけでなく、教育費や住宅ローンが重なり掛け金の拠出を止め、運用だけを行っている期間があったとしても、支給要件に合算してもらえる。

iDeCo(イデコ)のデメリット2……加入時と運用時に手数料がかかる

iDeCoの口座では証券口座や銀行口座と異なり手数料がかかる。iDeCoにかかる手数料には、加入時に国民年金基金連合会と金融機関に支払う初期手数料と、運用期間中に金融機関、国民年金基金連合会、事務委託先金融機関に毎月支払う手数料がある。

国民年金が未納などの理由でiDeCoの掛け金を還付する時にも手数料は必要だ。手数料は金融機関ごとに違い、すべて掛け金の中から支払うことになるので、できるだけ安い金融機関を選びたい。

iDeCo(イデコ)を始めるなら遅くとも40代までがいい 積立額と節税額をシミュレーション

子育て中は何かとお金がかかるため、「iDeCoは50代になって子どもが社会人になってから」と考える人もいるだろう。しかしiDeCoの掛け金は拠出限度額が定められている上に、上述の通り60歳から受け取るためには10年以上の通算加入期間が必要になる。

掛け金の拠出が難しい時期に差しかかった場合は掛け金の減額や、停止して運用指図者になることもできるので、なんとか40代のうちに始めて節税メリットを享受したい。

確定給付年金に加入しているサラリーマンの場合について、40代と50代それぞれでiDeCoを始めた場合の積立額、運用利回り3%の場合の受取利息額、節税額を比較してみよう。年収は800万円で、拠出限度額は月1万2,000円とする。

45歳から始めると…
  • 積立額総額……1万2,000円×12ヵ月×(60歳-45歳)=216万円
  • 運用利回り3%の場合の受け取り利息……56万3,672円
  • 運用益の節税額…… 11万2,734円
  • 節税額……64万8,000円
  • 受け取り開始……60歳
55歳から始めると…
  • 積立額総額……1万2,000円×12ヵ月×(60歳-55歳)=72万円
  • 運用利回り3%の場合の受け取り利息……5万5,761円
  • 運用益の節税額……1万1,152円
  • 節税額……21万6,000円
  • 受け取り開始……63歳
※楽天証券の確定拠出年金(iDeCo)でシミュレーション

45歳からiDeCoを始めた場合、15年間で貯めることができるお金は、267万8,256円、節税効果は75万1,651円になる。

一方、55歳から始めた場合は5年間で76万4,496円、節税効果は22万4,899円にしかならないうえ、受け取り開始時期は63歳からとなる。潤沢な老後資金を別に用意しておかない限り、これでは心もとないだろう。

iDeCoを最大限に生かすなら、できれば上限額で取り組みたいところ。積み立てを新たに始めるためには、固定費の見直しや生活費の節約など家計の見直しが必要になる。毎月の他の貯蓄をiDeCoにまわすのではなく、家計の見直しを行うことで新たに捻出した資金を掛金に充てて将来に備えよう。
 
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iDeCo(イデコ)にかかるコストは各金融機関を比較検討

iDeCoを始める時には、運営管理機関である金融機関を決める必要がある。iDeCoを扱う金融機関は、証券会社や銀行、保険会社など218社だ(2018年11月20日時点)。

どの金融機関でも共通でかかるコストは、加入時に国民年金基金連合会に支払う手数料2,777円、運用期間中に国民年金基金連合会へ支払う手数料103円、事務委託先金融機関へ支払う手数料64円だ。

一方で金融機関の中には、加入時に運営管理機関手数料が1,000円ほどかかったり、運用中に口座管理手数料がかかったりするところもある。手数料は金融機関によって異なるので、必ず確認しておこう。ここでは代表的なネット証券4社のコストを比較し、表にまとめてみた。
 
加入時・運用時の手数料表
  支払先 SBI証券 楽天証券 マネックス
証券
松井証券
加入時手数料 国民年金基金連合会 2,777円
運営管理機関 0円
合計額 2,777円
毎月の手数料 運営管理機関の口座管理手数料 0円
国民年金基金連合会 103円
事務委託先金融機関 64円
合計額 167円
 
特定の場合の手数料表
  支払先 SBI証券 楽天証券 マネックス
証券
松井証券
初回手数料 国民年金基金連合会 他金融機関から
変更、プラン変更0円
運用指図者
2,777円
他金融機関から変更0円
運用指図者
2,777円
運営管理機関 0円
都度の手数料 運営管理機関の口座管理手数料 他金融機関、企業型DCへ変更
4,320円
還付648円
他金融機関、企業型DCへ変更4,320円
国民年金基金連合会 還付1,029円
事務委託先金融期機関 給付、還付432円
運用指図者64円/月

※各社ホームページより筆者作成、2019年4月時点

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iDeCo(イデコ)を40代から始める場合のポートフォリオ

iDeCoでは自分の運用方針を決めて、金融機関が取り扱うラインナップの中から運用商品を選ぶことになる。40代でiDeCoを始める場合、どのような点に気を付けてポートフォリオを組むべきだろうか。

ポートフォリオとは、運用商品の組み合わせのことだ。ポートフォリオを組むとは、具体的にどの投資信託をどういった組み合わせで購入するか検討することを指す。

それに対しておおまかな資産配分のことをアセットアロケーションという。自分がいつまでにいくら必要なのかという運用目的と、運用期間の長さに合ったアセットアロケーションを考えて、適した運用商品を選ぶ。そうしてできあがった組み合わせがポートフォリオだ。こうすることで、リスクをコントロールしてリターンを目標に近づける。

しかし、投資初心者にとっては自分でアセットアロケーションを考えたり、数多くの投資信託の中からどの商品を選べば自分の投資の目標に有効なのかを判断したりすることは難しい。そんな人には「バランス型ファンド」が良いだろう。

「バランス型ファンド」とは、複数の資産を組み合わせて運用してくれる投資信託のことだ。その中に値下がりした資産があっても、他の資産が値下がりしなければ資産全体が大きく目減りする可能性は低くなる。

資産配分の再調整もお任せにできる。資産配分の構成比が変わった時は値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う「リバランス(再調整)」を行ってくれる。

信託報酬はインデックスファンドに比べて少し割高になるが、ファンドによっては安い手数料で運用できるものもある。信託報酬を複数のファンドで比較したうえで目論見書などをしっかり確認して、自分の運用目的に合っているものを購入しよう。

家計を見直して今すぐiDeCo(イデコ)を始めよう

40代は住宅購入資金や教育費が重くのしかかってくる世代でもあるので、iDeCoへ加入する前にまず自分の生活設計に合っているかを十分検討しよう。教育費などが増加したことで毎月の生活費が増えて拠出が困難になった場合は、掛金額の変更・停止・再開もできる。その後、生活にゆとりが生まれたら、再び掛け金を増やすことも可能だ。iDeCoの掛け金が決まったら、すぐ申し込み手続きに取り掛かろう。何もしないまま20年後を迎えても、時すでに遅しだ。

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文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)

 

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