40代からiDeCo(イデコ)を始めるのは遅いのか

2018.9.13
FINANCE
(画像=Flamingo Images/Shutterstock.com)
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20代、30代の頃は老後のことはそれほど気にならなかったが、40代ではキャリアも中期にさしかかり、老後の問題がより現実的になってくる。「夫婦で旅行に行きたい」「住宅のリフォームをしたい」など、ゆとりあるセカンドライフを送るにはプラスαの資金が必要だ。老人ホームに入るという可能性もある。そのための資金を準備するにしても、いまさらiDeCoを始めても遅いのではないかと思う人もいるかもしれない。しかし、実は40代はiDeCoの始め時だ。

iDeCoを始めるなら遅くとも40代までがいい

子育て中は何かとお金ががかかるため、「iDeCoは50代になって子どもが社会人になってから」と考える人もいるだろう。しかしiDeCoの掛金は拠出限度額が定められている上に、60歳から受け取るためには10年以上の通算加入期間が必要になる。40代のうちに始めてメリットを享受したいところだ。

確定給付年金に加入しているサラリーマンの場合について、40代と50代それぞれでiDeCoを始めた場合の積立額、運用利回り3%の場合の受取利息額、節税額を比較してみよう。

※楽天証券の確定拠出年金(iDeCo)でシミュレーション

年収:800万円 拠出限度額:月1万2000円
45歳から始めると…
・積立額総額 1万2000円×12ヵ月×(60歳-45歳)=216万円
・運用利回り3%の場合の受け取り利息 56万3672円
・運用益の節税額  11万2734円
・節税額 64万8000円
・受け取り開始 60歳

55歳から始めると…
・積立額総額 1万2000円×12ヵ月×(60歳-55歳)=72万円
・運用利回り3%の場合の受け取り利息 5万5761円
・運用益の節税額 1万1152円
・節税額 21万6000円
・受け取り開始 63歳

45歳からiDeCoを始めた場合、15年間でも貯めることができるお金は、267万8256円、節税効果は75万1651円になる。

一方、55歳から始めた場合は5年間で76万4496円、節税効果は22万4899円にしかならないうえ、受け取り開始時期は63歳からとなる。潤沢な老後資金を別に用意しておかない限り、これでは心もとないだろう。

iDeCoを最大限に生かすなら、できれば上限額で取り組みたいところ。積み立てを新たに始めるためには、固定費の見直しや生活費の節約など家計の見直しが必要になる。毎月の他の貯蓄をiDeCoにまわすのではなく、家計の見直しを行うことで新たに捻出した資金を掛金に充てて将来に備えよう。

必ずかかるコストは各金融機関を比較検討

iDeCoを始めるには金融機関に口座を開設する必要がある。開設すると、国民年金基金連合会に支払う手数料、運営管理機関手数料、事務委託先金融機関手数料などの手数料がかかる。金融機関によって異なるので、必ず確認しておこう。

40代からiDeCoを始める場合のポートフォリオ

では40代でiDeCoを始める場合、どのような点に気を付けてポートフォリオを組むべきだろうか。

受け取りまで年数がある20代、30代なら積極的な運用に挑戦できるが、40代ならリスクをなるべく軽減したい。かといって、元本保証の金融商品の配分が多いと手数料が元本を割る原因にもなってしまう。そこで、値動きの大きい商品を取り入れながらも、一部を「バランス型ファンド」に振り分けるのがおすすめだ。

「バランス型ファンド」とは、複数の資産を組み合わせて運用し、値下がりした資産があっても他の資産が値下がりしなければ、資産全体が大きく目減りする可能性は低くなる。

資産配分の再調整もお任せにできる。資産配分の構成比が変わった時は値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う「リバランス(再調整)」を行う。

信託報酬はインデックスファンドに比べて少し割高になるが、ファンドによっては安い手数料で運用できるものもある。

家計を見直して今すぐiDeCoを始めよう

40代は住宅購入資金や教育費が重くのしかかってくる世代でもあるので、iDeCoへ加入する前にまず自分の生活設計に合っているかを十分検討しよう。教育費等が増加したことで毎月の生活費が増えて拠出が困難になった場合は、掛金額の変更・停止・再開もできる。その後生活にゆとりが生まれたら、再び掛金額を増やすことも可能だ。iDeCoの掛金が決まったら、すぐ申し込みの手続きに取り掛かろう。何もしないまま20年後を迎えても、時すでに遅しだ。

文・藤原洋子(ファイナンシャル・プランナー)
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