SBI証券はiDeCo(イデコ)に力を入れている金融機関の一つだ。SBI証券のiDeCoでは、セレクトプランとオリジナルプランから選択する必要がある。それぞれのプランの違いや、プランごとのおすすめ投資信託を5本ずつ紹介する。
目次
1.SBI証券のiDeCo(イデコ)の特徴と3つのメリット
SBI証券は2005年から個人型確定拠出年金制度であるiDeCoの提供を続けており、iDeCo口座数は44万口座を超えている(※株式会社SBI証券の『2021年3月期 通期決算説明資料』より)。
同時期のiDeCo口座数が約194万口座(※iDeCo公式サイトの資料より)なので、口座数シェアでは2割超を獲得していることになります。SBI証券の調べでは、この数字はiDeCo取扱金融機関の中でNo.1です。
SBI証券にはセレクトプランとオリジナルプランがある
SBI証券で現在、新規申し込みができるのはセレクトプランのみ
SBI証券では2018年にセレクトプランの提供を開始してから、iDeCoを始める場合はセレクトプランとオリジナルプランのどちらかを選択する方法をとってきた。
既にオリジナルプランでiDeCoを運用している人は引き続きオリジナルプランの中で運用を行うことができます。
SBI証券のiDeCo(イデコ)のメリット
- 商品数が多い
- 充実したサポート体制
・メリット1…商品数が多い
SBI証券のセレクトプランで選択できる商品数は36本である(※SBI証券のホームページより、2021年7月12日時点)。楽天証券の31本(※楽天証券のホームページより)、マネックス証券の26本(※マネックス証券のホームページより)と比較しても選択肢が多い。
iDeCoは選択できる商品数に上限を設けていますが、SBI証券は上限ぎりぎりの商品数となっており、選択肢の多さが魅力です。
・メリット2……iDeCo(イデコ)の運営管理手数料が無料
SBI証券ではiDeCoの運営管理手数料が無料だ。国民年金基金連合会や事務委託先金融機関への手数料は発生するものの、これは他の金融機関でも同様であり、コスト面でもSBI証券が優れていることがわかる。
・メリット3……充実したサポート体制
iDeCoのサポートダイヤルは平日だけでなく土日も営業をしているため、平日に時間が取れない人でも安心だ。また、スマートフォンでiDeCo資産の確認やスイッチングなどを行えるため、気軽にiDeCoを管理することができる。
2.SBI証券のiDeCo(イデコ)セレクトプランのおすすめ商品5選
セレクトプランでのおすすめを国内株式型、海外株式型、国内債券型、海外債券型、バランス型に分け、それぞれの資産クラスから1本ずつ紹介する。
SBI証券のiDeCo(イデコ)セレクトプランのおすすめ商品
銘柄名 | 運用会社 | 運用方法 | 信託報酬(税込) | 純資産総額 | 基準価額 | トータル リターン(1年) |
---|---|---|---|---|---|---|
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) |
三菱UFJ 国際投信 |
インデックス型 | 0.1540% | 353.81億円 | 1万3,872円 | 26.65% |
<購入・換金手数料なし> ニッセイ外国株式 インデックスファンド |
ニッセイアセット マネジメント |
インデックス型 | 0.1023% | 3,070.62億円 | 2万3,765円 | 42.56% |
eMAXIS Slim 国内債券インデックス |
三菱UFJ 国際投信 |
インデックス型 | 0.1320% | 134.25億円 | 1万196円 | 0.27% |
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス |
三菱UFJ 国際投信 |
インデックス型 | 0.1540% | 271.97億円 | 1万1,768円 | 4.36% |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
三菱UFJ 国際投信 |
インデックス型 | 0.1540% | 1,037.70億円 | 1万3,313円 | 23.13% |
国内株式型……「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」——シンプルな日本株インデックスファンド
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……353.81億円
基準価額……1万3,872円
トータルリターン(1年)……26.65%
TOPIXをベンチマークとするわかりやすいインデックスファンド。
株式の好調を受け、過去1年のトータルリターンも26%と非常に好調だ。
国内株式は情報を得やすく、iDeCoでも運用の基本となる資産クラスです。投資初心者はわかりやすいこのファンドをポートフォリオの中心に据えるとよいでしょう。
海外株式型……「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」——低コストで世界の主要株式へ投資ができる
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.1023%(税込)
純資産総額……3,070.62億円
基準価額……2万3,765円
トータルリターン(1年)……42.56%
先進国の株式を投資対象とするインデックスファンドであり、非常に低コストで投資ができる点に特徴がある。
先進国株式はiDeCoの攻めの部分で最も重要な資産クラスです。リスクを取って高いリターンを得たいという人はこの商品の保有割合を高くしてみましょう。
国内債券型……「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」——なるべくリスクを取りたくない人向け
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.132%(税込)
純資産総額……134.25億円
基準価額……1万196円
トータルリターン(1年)……0.27%
日本国内の債券へ低コストで投資を行えるインデックスファンド。
過去1年間のトータルリターンは0.27%となっているが、株高の相場環境では債券型のパフォーマンスは相対的に劣ってしまうものだ。
長期運用が前提となるiDeCoで相場変動の影響を緩和するためにはこのような商品も組み込んでおきましょう。特に安定重視の運用をしたい人は、こうしたリスクの低い商品の比率を高くすることが重要です。
海外債券型……「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」——ポートフォリオのバランサー
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……271.97億円
基準価額……1万1,768円
トータルリターン(1年)……4.36%
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス 日本を除く先進国の債券へ低コストで投資を行えるインデックスファンド。
国内債券型と同様にiDeCoのポートフォリオのバランスを取る役割を果たす商品ですが、少しはリスクを取った運用をしたいといった人におすすめです。
バランス型……「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」——1本で8資産に分散投資
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……1,037.70億円
基準価額……1万3.313円
トータルリターン(1年)……23.13%
国内、先進国、新興国それぞれの株式と債券に、国内と海外のREIT(不動産)を加えた計8資産へ均等に分散投資をするバランス型のインデックスファンド。
この投資信託1本で各資産への分散投資が低コストでできる商品です。ある程度のリスクは取れるが、細かいポートフォリオの分散や見直しの時間を取りたくないような比較的若い世代の人におすすめです。
3,目標利回り別!SBI証券のiDeCo(イデコ)セレクトプラン、おすすめポートフォリオ
目標利回り別に、SBI証券のiDeCoのおすすめの資産配分を紹介しよう。iDeCoのセレクトプランでポートフォリオを組む際の参考にしてほしい。
利回り3%の安定重視型ポートフォリオ……債券の配分を高めた安定型ポートフォリオ
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド……10%
・eMAXIS Slim 国内債券インデックス……40%
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス……30%
利回り3%が目標の安定重視の運用を行う場合、債券の配分を高めたポートフォリオを組む必要がある。
- 株式と債券の比率が3:7
- 国内資産の配分も多くし、全体の6割が国内資産
利回り5%のバランス重視型ポートフォリオ……株式と債券を半分ずつ保有、新興国資産でアクセントを
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド……20%
・eMAXIS Slim 新興国株式インデックス……10%
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス……40%
・iFree 新興国債券インデックス……30%
利回り5%が目標のバランス重視の運用を行う場合、株式と債券の比率を50%ずつ保有するポートフォリオを組むことをおすすめしたい。
- 国内債券は大きなリターンが望めないため、投資対象から外し、その分先進国債券の配分を高めに
- 株式と債券ともに一部を新興国資産に回すことで利回りアップのアクセントに
利回り7%のリターン重視型ポートフォリオ……株式に比重を置いたポートフォリオ、新興国資産も積極的に活用
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド……30%
・eMAXIS Slim 新興国株式インデックス……30%
・eMAXIS Slim 先進国債券インデックス……20%
・iFree 新興国債券インデックス……10%
利回り7%が目標のリターン重視の運用を行う場合、株式の配分を高めたポートフォリオを組む必要がある。
- 株式と債券の比率が7:3
- 国内資産の配分割合は低く、一方で新興国資産の配分割合を高めてポートフォリオの期待リターンを高めに設定
4. SBI証券のiDeCo(イデコ)のオリジナルプランのおすすめ商品5選
セレクトプランと同様に国内株式型、海外株式型、国内債券型、海外債券型、バランス型に分け、それぞれの資産クラスからおすすめを1本ずつ紹介する。
SBI証券のiDeCo(イデコ)オリジナルプランのおすすめ商品
銘柄名 | 運用会社 | 運用方法 | 信託報酬(税込) | 純資産総額 | 基準価額 | トータルリターン (1年) |
---|---|---|---|---|---|---|
三井住友・DCつみたてNISA・ 日本株インデックスファンド |
三井住友DS アセットマネジメント |
インデックス型 | 0.176% | 527.60億円 | 3万1,500円 | 26.65% |
DCニッセイ 外国株式インデックス |
ニッセイ アセットマネジメント |
インデックス型 | 0.154% | 649.41億円 | 1万8,609円 | 42.49% |
三菱UFJ国内債券 インデックスファンド (確定拠出年金) |
三菱UFJ 国際投信 |
インデックス型 | 0.132% | 469.86億円 | 1万1,166円 | 0.25% |
野村外国債券 インデックスファンド (確定拠出年金向け) |
野村アセット マネジメント |
インデックス型 | 0.154% | 475.20億円 | 2万101円 | 4.44% |
DCインデックスバランス (株式60) |
日興アセット マネジメント |
インデックス型 | 0.154% | 148.26億円 | 2万6,217円 | 18.15% |
国内株式型……「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」——王道のTOPIXインデックスファンド
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.176%(税込)
純資産総額……527.60億円
基準価額……3万1,500円
トータルリターン(1年)……26.65%
TOPIXをベンチマークとするシンプルなインデックスファンド。
過去1年のトータルリターンもTOPIXに比例して好調であり純資産総額も伸びています。特に投資初心者には手を出しやすいファンドと言えるでしょう。
海外株式型……「DCニッセイ外国株式インデックス」——ポートフォリオの核となる先進国株式のインデックスファンド
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……649.41億円
基準価額……1万8,609円
トータルリターン(1年)……42.49%
先進国の株式を投資対象とするインデックスファンドであり、マザーファンドはセレクトプランでおすすめ銘柄に挙げた「ニッセイ外国株式インデックスファンド」と共通だ。
iDeCoのポートフォリオの中核を担うにふさわしい商品であり、初心者から上級者まで投資を検討したい商品です。
国内債券型……「三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)」——低コストで安定運用を行いたい人向け
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.132%(税込)
純資産総額……469.86億円
基準価額……1万1,166円
トータルリターン(1年)……0.25%
日本国内の債券へ投資を行うインデックスファンドであり、マザーファンドはセレクトプランでおすすめ銘柄に挙げた「eMAXIS Slim 国内債券インデックス」と共通だ。
安定重視の運用をしたい人はこの商品の保有比率を高く運用するのがよいでしょう。
海外債券型……「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」——安定した運用を続ける老舗ファンド
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……475.20億円
基準価額……2万101円
トータルリターン(1年)……4.44%
日本を除く先進国の債券へ投資を行うインデックスファンド。
こちらも投資初心者から上級者までポートフォリオのバランサーとして幅広く活用できるファンドです。
バランス型……「DCインデックスバランス(株式60)」——コストの低さ定評があるバランスファンド
運用方法……インデックス型
信託報酬……0.154%(税込)
純資産総額……148.26億円
基準価額……2万6,217円
トータルリターン(1年)……18.15%
国内外の株式・債券に分散投資を行うバランス型のインデックスファンド。基本資産配分は株式60%、債券40%。関連ファンドとして、株式比率を80%に高めた「DCインデックスバランス(株式80)」や、株式比率を40%や20%に下げた「同(株式40)」、「同(株式20)」も揃う。
関連ファンドも合わせてリスク許容度に応じた選択ができるので、銘柄選びが億劫な投資初心者向けのファンドと言えるでしょう。
5,目標利回り別!SBI証券のiDeCo(イデコ)オリジナルプラン、おすすめポートフォリオ
目標利回り別におすすめのポートフォリオを紹介しよう。SBI証券のiDeCoのオリジナルプランでポートフォリオを組む際の参考にしてほしい。
利回り3%の安定重視型ポートフォリオ……債券の配分を高めた安定型ポートフォリオ
・DCニッセイ外国株式インデックス……10%
・三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)……40%
・野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)……30%
利回り3%が目標の安定重視の運用を行う場合、債券の配分を高めたポートフォリオを組む必要がある。
- 株式と債券の比率が3:7
- 国内資産の配分を高めることで為替変動の影響も小さめに
利回り5%のバランス重視型ポートフォリオ……株式と債券を半分ずつ保有 新興国資産でアクセントを
・DCニッセイ外国株式インデックス……20%
・EXE-i 新興国株式ファンド……10%
・野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け))……40%
・三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド……10%
- 株式と債券の配分を50%ずつ
- 国内債券は大きなリターンが望めないため投資対象から外し、その分先進国債券の配分を高めに
- 株式と債券の一部を新興国資産に回すことで利回りアップを狙う
利回り7%のリターン重視型ポートフォリオ……株式に比重を置いたポートフォリオ 新興国資産も積極的に
・DCニッセイ外国株式インデックス……30%
・EXE-i 新興国株式ファンド……30%
・野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)……20%
・三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンド……10%
- 株式と債券の比率が7:3
- 海外資産と新興国資産の割合を増やすことでポートフォリオの期待リターンを高める
6.SBI証券のオリジナルプランからセレクトプランへの変更方法は?注意点は?
SBI証券のiDeCoにはセレクトプランとオリジナルプランの2つのプランがあるが、オリジナルプランは新規で申し込みを行うことができなくなった。よってSBI証券のiDeCoでは既にオリジナルプランで運用を行っている人がセレクトプランへ変更するという手続きのみ行うことができる。
2018年10月31日以前からSBI証券でiDeCoを行っている人は、オリジナルプランに登録されている。セレクトプランへの変更を希望する人は、手続きが必要だ。
SBI証券のiDeCo(イデコ)のプラン変更方法
SBI証券でiDeCoのプランを変更する場合、プラン変更届を書面で提出する必要がある。プラン変更届はSBI証券のiDeCoホームページから請求する。インターネット上の手続きだけでは、プランは変更できない。
SBI証券のiDeCo(イデコ)のプラン変更の注意点
SBI証券のiDeCoでは、オリジナルプランからセレクトプランへは自由に変更できるが、以下の点に注意してほしい。
・プラン変更には時間がかかる
書類の受理が6日以降になった場合、新プランでの運用は翌々月26日の掛金引き落としからだ。
・プラン変更が終わるまで運用できない
現在オリジナルプランで保有している資産は一旦すべて売却された後、2~3ヵ月後にセレクトプランに移管される。
また、セレクトプランで買い付けの指示が必要になるため、忘れずに行いましょう。
・プラン変更に伴う資産の売却はSBI証券のタイミングで行われる
それを避けたい場合は、先にスイッチングで元本確保型商品に資産を移した上で、プランを変更することになります。
SBI証券のiDeCo(イデコ)のプランを変更すべきタイミング
では、プランの変更はどのようなタイミングで行うべきだろうか。
相場が大きく動いているタイミングでプランを変更すると、価格が下がったタイミングで売却し、その後の回復局面では現金化されていて運用が行われないという状況に陥る可能性もあります。
前述のとおり、先にスイッチングで元本確保型商品に資産を移す方法もあるが、手間がかかる。また、現金化されている間は運用できないことは変わらない。SBI証券のiDeCoのプラン変更は、なるべく相場が安定している時に行うようにしたい。
SBI証券のiDeCo(イデコ)についてよくある5つのQ&A
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