つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は「どっちがトクか」だけで選んではいけない

2019.3.11
FINANCE
(写真=Billion Photos/Shutterstock.com)
(写真=Billion Photos/Shutterstock.com)
つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は似ている点も多いため、どちらを選ぶべきか議論されることが多い。しかし、それぞれの効果は年齢や年収によって異なる。非課税効果の大きさだけでなく、現金化のしやすさなど使い勝手についても知る必要がある。

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は似ているようで違う

つみたてNISAとiDeCo(イデコ)は、どちらも税金の優遇が受けられる積立式の投資制度だ。つみたてNISAは年間40万円まで運用益が非課税になり、最長20年間適用される。iDeCoは年金の被保険者の種別や企業年金の有無によって年間14万4,000~81万6,000円積み立てることができ、掛金は所得税・住民税から控除されるうえ、こちらも運用益が非課税になる。

この2つの制度は「毎月一定額を積立てていく」「運用益が非課税になる」「長期投資向き」という点は同じだが、比べてみると意外と違う点も多い。

iDeCo(イデコ)は私的年金の位置づけなので、60歳まではいくら運用益が出ていても引き出すことができない。一方、つみたてNISAは必要な時にいつでも引き出せる。

対象商品が限定されるのも同じだが、選べる商品種別にはそれぞれ特徴がある。つみたてNISAは選択肢は少ないものの手数料が一定以下で、リスクが比較的低い投資信託とETFが揃っている。iDeCo(イデコ)は、年々商品数が減りつつあるものの種類が多く、元本確保型の定期預金や保険から、国内外株式、新興市場向けやREIT、コモディティの投資信託などのリスク商品までがあり幅が広い。

さらに大きな違いは手数料だ。つみたてNISAは、口座の開設や管理に手数料はかからない。投資信託の信託報酬は発生するが、低コストの商品に限られる。しかしiDeCo(イデコ)は加入時に税込2,777円を国民年金基金連合会に徴収されるほか、運用期間中には年額2,004円~7,404円の国民年金基金連合会手数料、事務委託先金融機関(信託銀行)手数料、口座管理手数料が発生する。

節税効果だけを比較すればおトクなのは「iDeCo(イデコ)」

どちらが金銭的に有利かという観点では、断然iDeCo(イデコ)のほうがおトクだ。iDeCo(イデコ)はNISAと同じく運用益に対する税金が非課税になるのに加え、掛金が所得控除の対象になる。年間24万円積み立てたとしたら、その分が所得から差し引かれるため、支払う税金が少なくなるのだ。

シミュレーションで比較してみよう。年収800万円の人が毎月2万円を利回り1%で20年間投資した場合、つみたてNISA とiDeCo(イデコ)で節税効果がどれくらい違うか試算してみる。

・つみたてNISAの節税効果
運用益の非課税効果:10万4,244円

・iDeCo(イデコ)の節税効果
所得税・住民税の軽減効果:144万円
運用益の非課税効果:10万4,244円

運用益の利回りの想定が同じなので、非課税効果は同じだ。違うのは所得税・住民税の軽減効果である。これはiDeCo(イデコ)にしかない特典だ。

所得税の節税効果は、所得税をたくさん払っている人ほど恩恵が大きい。収入が高い人や、扶養家族が少なく社会保険料控除が少ない人は所得税が高くなりがちなので検討してみるといいだろう。逆に収入のない専業主婦は、つみたてNISAとiDeCo(イデコ)で節税効果は変わらないことになる。iDeCo(イデコ)は収入の少ない専業主婦も入れると話題になったが、メリットも少ないことを覚えておこう。

現金化のしやすさと安全性なら「つみたてNISA」

iDeCo(イデコ)に軍配が上がったように見えるが、節税効果だけで決めるのは早計だ。お金は流動性によっても価値が変わるので、「必要な時にいつでも引き出せるか」という観点も重要である。

iDeCo(イデコ)はあくまでも年金資金の積み立てが目的なので、他のライフイベントへの転用ができない。原則60歳になるまで現金化することはできず、最低10年の加入期間が必要になる。つまり、流動性が非常に低い。一方、つみたてNISAは保有資産をいつでも売却し引き出すことができる。教育資金が必要になった時などでも、すぐに対応できる。

つみたてNISAの対象商品は、金融庁によって厳格に基準が定められている点にも注目したい。一般のNISAでは、外国株式やコモディティ商品といったハイリスクな投資対象も含まれる。つみたてNISAは、安全で長期の積立投資に適したインデックスファンドとETFのみが対象となる。手数料も一定以下に限るなど、かなり基準は厳しい。選択の幅が狭いともとれるが、銘柄選びに手間をかける必要がないとも言える。

選ぶ際のポイントは「年齢」と「収入」、併用も可能

長期投資をするにあたって、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAのどちらを選ぶかは、年齢と収入を参考にするといいだろう。
  • 所得が十分にあり、老後資金の形成が目的なら「iDeCo(イデコ)」
  • 将来に不確定要素が大きい人なら「つみたてNISA」
iDeCo(イデコ)は、教育費や住居費などの確保ができていて十分な収入がある人に向いている。iDeCo(イデコ)では、「投資額×所得税率」が節税できると考えればいいだろう。加入対象は60歳までだが、加入者期間が10年必要なので、60歳から受け取りたければ50歳までに始める必要がある。

つみたてNISAは、お金を何十年も動かせないことに不安を持つ人に向いている。投資に慣れておらず、銘柄選びに不安がある場合にも適している。手数料が少なくて済むのもこちらだ。

なお、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは併用ができる。どちらの制度にも掛金の上限が設けられているので、もっと積極的に投資したい人は両方に資金を投入するのもありだ。ただし、生活費とのバランスをよく考えて選択したい。

文・篠田わかな(フリーライター、ファイナンシャル・プランナー)
 

【関連記事】
つみたてNISAを始める 金融機関選び 4つのポイント(PR)
40代でやっておきたい「投資・運用」3つのステップ
「つみたてNISA」(積立NISA)とは?メリットやデメリットも解説
「月1,000円から」「おつりで投資」スマホで投資できるアプリ4選
「1万円」でディズニーランドの株主になる(PR)

PREV ドコモのゴールドカード「dカード GOLD」がお得!ポイント還元率10%など
NEXT 住宅ローンの借り換え、プロのアドバイザーに相談するメリットとは?

READ MORE...