ネット銀行は実店舗を構えずオンラインのみで営業することで、コスト削減を図っている新しい形の銀行だ。スマホやPCで振り込みなどを行えるため、店舗やATMに行く手間が省けるというメリットもある。今回はネット銀行の基本的な使い方や便利な機能について紹介する。

目次
1.今さら聞けないネット銀行の基本
2.ネット銀行のお得な使い方5選
3.ネット銀行を利用するときの注意点
4.ネット銀行を上手に活用しよう

1.ネット銀行とは 今さら聞けないネット銀行の基本

ネット銀行とは対面式の店舗を持たず、オンライン上の取引を主として営業する銀行のことだ。従来からある一般的な銀行は対面式の窓口がある店舗やATMを持ち、取引や手続きを行っている。それに対してネット銀行はPCやスマホ上で取引や手続きを行う「インターネットバンキング」を主に行う。

インターネットバンキングとは各種支払いや振り込みなどの銀行業務をインターネット上で行うことだ。対面型の銀行でもインターネットバンキングは行っているが、ネット銀行の特徴はインターネットバンキングのみを専業で行っている点だ。

ネット銀行は手続きをすべてオンライン上で行う

ネット銀行では新規口座開設はもちろん、振り込みや振り替え、残高照会や入出金明細の確認といった一般的な銀行で行う手続きをオンライン上で実施する。税金や各種料金の支払いもできる。

ネット銀行での手続きは、ウェブブラウザよりネット銀行の個人ページにログインするか公式アプリを利用する。今までは銀行の窓口やATMまで足を運ばなくてはならなかったが、自宅や会社からできるというのがネット銀行の魅力だ

2.ネット銀行のお得な使い方5選

一般的な銀行ではなく、ネット銀行を使うことにはどのようなメリットがあるのだろうか。ネット銀行の特徴を活かしてよりお得になる使い方を5つ紹介していこう。

ネット銀行の使い方1……高金利を活かして貯蓄口座にする

ネット銀行を使う大きなメリットとして挙げられるのが預金金利の高さだ。現在の日本は超低金利が続いており、普通預金に預けたとしてもほとんど利息は付かない。例えばみずほ銀行の普通預金の金利は0.001%、金利が良いとされる定期預金でも0.002%だ。それに対してネット銀行の中には、キャンペーンなどを利用すると0.2%と100倍ほどの金利がつくものもある。

ネット銀行の金利の高さを利用したお得な使い方は、貯蓄用として定期預金を行うことだ。ネット銀行では定期預金金利が高くなるキャンペーンがあり、キャンペーン以外でも定期預金の金利は一般的な銀行と比べてかなり高くなっている。

ネット銀行に不安を感じる人でも、元本1.000万円までは保護される預金保護制度(ペイオフ)がある。万が一、利用しているネット銀行が破綻した場合でも安心だ。投資とは違い、元本割れする可能性もないため、極めて安全性の高い資産運用として金利の高いネット銀行の定期預金をぜひ活用して欲しい。

ネット銀行の使い方2……振込手数料の安さを活かしメインバンクにする

ネット銀行では振込手数料などの各種手数料が安いというメリットもある。たとえばみずほ銀行の場合、窓口での振り込みを他行あてに行った場合の手数料は3万円未満で770円、みずほ銀行のインターネットバンキングを利用した場合で220円だ。

それに対し、たとえばauじぶん銀行の場合、3万円未満の振込は178円と安いうえ、「じぶんプラス」という会員ステージが上がると最大月15回まで振込手数料が無料になる。銀行口座から振り込みなどを行う場合も手数料が抑えられるため、メインバンクとして利用するのもよいだろう。

ネット銀行の使い方3……連携するポイントを貯めて相乗効果を得る

ネット銀行の中にはグループ企業と連携したポイント制度を取り入れているところがある。代表的なのが楽天銀行で、楽天グループで共通して使える楽天スーパーポイントが振り込み手数料などの各種手数料でも貯められる。

auじぶん銀行とローソン銀行ではPontaポイントが付与される制度がある。それぞれ自分が利用しているポイントカードと連携してよりお得に使える。

ネット銀行の使い方4……引き出し手数料のかからないデビットカードを利用する

ネット銀行のデメリットとして、自行ATMがないため現金を引き出すと引き出し手数料がかかる場合がある。ネット銀行では引き出し手数料無料となるサービスもあるが、何度も引き出しを行うと手数料を支払う場面も出てくる。

そんなときに役立つのがデビット機能のついたネット銀行のカードだ。デビット機能を使うことで引き出し手数料を支払う必要もなく、利用後すぐに預金が引き落とされるため現金感覚で使える。

ネット銀行の使い方5……自動入金サービスを利用する

自動入金サービスとは、自分名義の他行口座から毎月一定額を自動で取り寄せできるサービスだ。給与振り込み口座にネット銀行が指定できない場合、自分で他行口座から預金を引き出し、ネット銀行の口座に入金する必要がある。

自動入金サービスでは一度登録するだけで、毎月自動で入金されて手数料もかからない。auじぶん銀行、セブン銀行、ソニー銀行、イオン銀行などで利用できる。

振り込みを毎月行う場合、必要な金額を自動入金サービスで給与口座からネット銀行の口座に入金しておけば、あとはアプリやマイページから振り込みの手続きを行うだけでよい。ほかにもデビットの利用分や、普通預金の金利が高いネット銀行ならいざというときにすぐ使える貯蓄用として活用するのもよいだろう。

3.ネット銀行を利用するときの4つの注意点

ネット銀行は便利な反面、デメリットもある。ネット銀行を利用するときの注意点を4つ紹介しよう。

ネット銀行の注意点1……実店舗やATMがなく引き出し手数料がかかる

ネット銀行を利用するデメリットは実店舗や自行ATMがないという点だ。ネット銀行では実店舗や自行ATMを持たないことで経費を削減し、その分金利を上げるなどの顧客サービスを充実させている。

そのため預金を引き出すときに手数料がかかってしまうことがある。ネット銀行によっては月何回か引き出し手数料を無料にするサービスを行っているところもあるので活用するのもよい。また、ある程度まとめて預金を引き出したり、デビット機能を活用したりして手数料を抑える工夫をしていこう。

ネット銀行の注意点2……引き落とし口座に指定できない場合がある

ネット銀行は公共料金や税金の引き落とし口座に指定できない場合がある。特に印鑑が必要な場合、通帳を作らず印鑑を指定しないネット銀行では対応不可になりやすい。その場合はクレジットカード払いや他行を利用するなどして対応しなくてはならない。ネット銀行を利用するときは注意しよう。

ネット銀行の注意点3……IDとパスワードの保存が必要

ネット銀行を利用するためにはIDとパスワードが必須だ。これらを忘れてしまうとログインができず、取引が不可能になる。さらにパスワードを複数回間違えるとアカウントが凍結されてしまうこともある。アカウントが凍結されると、カスタマーセンターに連絡し対応してもらわなくてはならないので手間がかかる。

ネット銀行の注意点4……入出金明細に期限がある

一般的な銀行の場合は通帳が発行され、入出金明細は通帳記帳をすることで管理するが、ネット銀行では基本的に通帳は発行されない。ネット銀行の入出金明細はマイページで確認できるが、明細の保存期間が15ヵ月分などと決められている場合が多い。ネット銀行の記録を残したい場合はこまめにスクリーンショットを撮ったり印刷したりする必要がある。

4.ネット銀行のお得な使い方をおさえて上手に活用していこう

ネット銀行は金利や手数料など個人向けのサービスが充実している。実店舗や自行ATMがないというデメリットはあるものの、一般的な銀行と上手に使い分けることでよりお得になる。ぜひネット銀行の口座を開設し、活用してみてはいかがだろうか。

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執筆・松浦恭子(ライター)

住宅ローンを組んだことをきっかけに投資や資産運用に興味を持つ。マネー、ライフスタイル、子育てなど幅広い記事を制作中。  

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