一般NISAでは株式が取引できるが、単元未満株にも投資できることをご存じだろうか。単元未満株ならまとまった資金がなくても個別銘柄に投資できるが、デメリットもあるため注意して取引したい。NISAで単元未満株を売買できる主な証券会社も紹介しよう。

目次
1.単元未満株とは
2.NISAで単元未満株を売買できる証券会社一覧
3.NISAで単元未満株を売買できる証券会社5社を徹底比較
4.NISAで買える単元未満株のおすすめ銘柄ランキングTOP10
5.NISAで単元未満株を買う場合の注意点
6.NISAで単元未満株を上手に活用しよう

1.単元未満株とは

単元未満株への投資は、通常の株式投資と何が違うのだろうか。

単元未満株とは

単元未満株とは、通常よりも取引単位が少ない株式のことだ。株式投資は100株を1単元とし、100株単位でしか購入できないが、単元未満株は1株単位で取引できる。もともと単元未満株を取引できる証券会社もあるが、株式分割や合併、減資などで100株に満たない単元未満株が発生することもある。

単元未満株のメリットとデメリット

単元未満株の主なメリットとデメリットを押さえておこう。

・単元未満株のメリット……少額投資・分散投資・配当金

単元未満株のメリットは、最低1株から取引できるため少額でも個別銘柄に投資できることだ。株価が3,000円の銘柄なら1単元(100株)で30万円かかるが、単元未満株なら1株(3,000円)から投資できる。上場企業の中には株価が数万円で、最低数百万円の資金が必要な銘柄もある。そのような場合も、単元未満株を利用すればハードルが下がるだろう。

単元未満株によって今まで買えなかった銘柄を買えるようになると、分散投資も可能になる。個別銘柄に集中して投資すれば値下がりした場合のリスクが高くなるため、分散投資を心がけたい。通常の株式投資では分散投資にそれなりの資金が必要だが、単元未満株なら少額で分散投資ができる。基本的に単元未満株に株主優待はないが、配当金を受け取れるため、高配当銘柄を狙った分散投資も可能だ。

・単元未満株のデメリット……取り扱いの有無・割高な手数料・売買の制約

単元未満株を取り扱っている取り扱い証券会社は限られている。株式分割などで単元未満株が発生した場合は、売却や買い増しによって単元株にできる。ネット証券は単元未満株を通常の株式のように売買できるところが多いが、銘柄によっては単元未満株の対象外になっているものもある。単元未満株の取引を目的に口座を開設する場合は、その証券会社の取扱状況を確認しよう。

単元未満株の取引が可能でも、手数料の違いや売買に制約があることに気をつけたい。

手数料は通常の株式取引よりも割高になるケースがほとんどで、約定代金の0.5%程度が一般的だ。最低手数料を設定している証券会社もあるので、手数料体系を確認したい。売買のルールも「注文は成行のみ」「約定タイミングは1日1~3回」など、証券会社によって異なる。通常の株式のようにリアルタイムで売買できないので注意してほしい。

2.NISAで単元未満株を売買できる証券会社一覧 代表的な5社を比較

NISA(一般NISA)はNISA口座で得た上場株式や投資信託の配当金や分配金、譲渡益が毎年120万円まで、最長で5年間非課税になる制度だ。一般NISAはつみたてNISAと違い株式の取引もできるが、単元未満株の譲渡益なども非課税になる。NISAで単元未満株を売買できる証券会社は限られているが、代表的な5社を一覧で紹介しよう(2020年12月16日時点)。

証券会社 手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
SBI証券
(S株)
0.5% 50円 0:00~7:00 前場始値
7:00~10:00 後場始値
10:30~13:30 後場終値
13:30~24:00 翌営業日前場始値
マネックス証券
(ワン株)
0.5% 48円 11:30まで 後場始値
auカブコム証券
(プチ株)
0.5% 52円 0:01~10:00 後場始値
10:01~23:00 翌営業日前場始値
23:01~24:00 翌営業日後場始値
岡三オンライン証券 200円~ 200円 16:15~21:00 翌営業日前場始値
21:00~0:00 翌営業日後場始値
0:00~10:30 後場始値
野村證券
(まめ株)
1% 500円 6:00~14:00 後場終値
15:35~2:00 翌営業日後場終値
(※各証券会社のホームページより筆者作成)

 

証券会社によっては、単元未満株に愛称を付けているところもある。各証券会社を比較していこう。

3.NISAで単元未満株を売買できる証券会社5社を徹底比較

ここからは、NISAで単元未満株を売買できる証券会社について詳しく見ていきたい。

SBI証券(S株)……「テーマキラー!」を使えば初心者でも投資を始めやすい

SBI証券の単元未満株(S株)は、取引時間が他社より細かく区切られており、約定タイミングが1日に3回あるのが特徴だ。時間が経つと株価が上がってしまうことがあるため、買いのタイミングを逃したくない人にとって取引しやすいネット証券といえるだろう。手数料も業界最低水準に設定されている。

特定の投資テーマを選ぶだけで、複数の関連銘柄に投資できる「テーマキラー!」というサービスもある。テーマは随時追加されており、コースは5万円・10万円・20万円・30万円の4つ。テーマ内の各銘柄は100株を上限に調整することもできるので、自分専用のアクティブファンドを持つイメージだ。テーマを選ぶだけで分散投資ができるため、初心者でも株式投資を始めやすい。

手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
0.5% 50円 0:00~7:00 前場始値
7:00~10:00 後場始値
10:30~13:30 後場終値
13:30~24:00 翌営業日前場始値
(※SBI証券のホームページより筆者作成)

 

マネックス証券(ワン株)……専用アプリで直感的に投資できる

マネックス証券の単元未満株(ワン株)の約定は1日1回だが、最低手数料が他社より低く設定されている。単元未満株(ワン株)専用のSNS型投資アプリ「ferci(フェルシー)」から取引できるのも特徴だ。「ferci」は直感的でデザイン性に優れたアプリで、SNS感覚で企業の口コミを確認できたり、興味のあるカテゴリから銘柄を探したりできる。現在はiOSのみ対応で、取引以外の機能は無料だ。

本格的に銘柄分析をして単元未満株(ワン株)を売買したい場合は、日本株分析ツールの「銘柄スカウター」を利用しよう。過去10期以上の業績やPERといった投資指標、バランスシートなどをグラフで表示できる。「銘柄スカウター」を使えば銘柄分析がビジュアル的にわかりやすくなるため、業績の数値を確認するのが苦手な人でも投資しやすいはずだ。

手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
0.5% 48円 11:30まで 後場始値
(※マネックス証券のホームページより筆者作成)

 

auカブコム証券(プチ株)……単元未満株の積立投資は買付手数料無料

auカブコム証券の単元未満株(プチ株)も手数料がもともと割安だが、「プチ株積立」にすれば買付手数料が無料になる。「プチ株積立」は毎月の積立を500円以上に設定し、その範囲内で単元未満株(プチ株)を買い付けるサービスだ。継続して購入したい銘柄に予算内の金額で積立投資ができ、100株以上になれば単元株として売却することもできる。

銘柄選びのサポートとして、「PICK UP!株テーマ」や「PICK UP!株チャート」のアプリも提供されている。「PICK UP!株テーマ」は投資テーマから銘柄を探すことができ、テーマごとの平均騰落率や連想テーマなども確認できる。「PICK UP!株チャート」は過去10年のデータからテクニカルシグナルを検証し、銘柄を選べるアプリだ。どちらも無料で利用できるので、末永く投資をサポートしてくれるだろう。

手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
0.5% 52円 0:01~10:00 後場始値
10:01~23:00 翌営業日前場始値
23:01~24:00 翌営業日後場始値
(※auカブコム証券のホームページより筆者作成)

 

岡三オンライン証券……顧客満足度の高いネット証券

岡三オンライン証券の単元未満株の手数料は他社より割高ではあるが、NISAで単元未満株に投資できる数少ない証券会社の一つだ。1日の注文受付時間は3つに分かれており、Webサイトの日本株取引画面から売買注文を出せる。岡三オンライン証券は、株式の取引ツールや顧客満足度で高い評価を得ているが、通常の株式とは取引環境が異なる点に気をつけてほしい。

手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
200円~ 200円 16:15~21:00 翌営業日前場始値
21:00~0:00 翌営業日後場始値
0:00~10:30 後場始値
(※岡三オンライン証券のホームページより筆者作成)

野村證券(まめ株)……単元未満株のNISA取引に対応する国内最大手の証券会社

野村證券は国内最大手の証券会社だ。単元未満株(まめ株)の取引は、オンラインのみである。手数料はネット専業の証券会社と比べると高く、最低手数料が500円なので、5万円以下の取引では割高になる。普段の売買で利用するよりは、株式分割や合併などで単元未満株が発生した際に、買い増しや売却のために利用するほうがよいだろう。

手数料(税抜) 最低手数料 取引時間 約定価格
1% 500円 6:00~14:00 後場終値
15:35~2:00 翌営業日後場終値
(※野村証券のホームページより筆者作成)

 

4.NISAで買える単元未満株のおすすめ銘柄ランキングTOP10

NISAで単元未満株に投資する場合、どのような銘柄を選べばよいのだろうか。単元未満株は注文してから約定するまでにタイムラグがあるため、短期売買にはあまり向かない。そのため値動きの荒い新興市場は避け、東証一部の大型株など中長期の保有に向く銘柄を選ぶとよいだろう。

候補になる銘柄はたくさんあるが、今回は各業界のトップ企業で、初心者でも事業内容をイメージしやすい銘柄をおすすめしたい。業界のトップ企業は事業の競争力や優位性が高いため、国内だけでなく海外からも中長期的な投資資金が集まりやすい。競争力や優位性があれば、不況で株価が下がっても回復が期待できるため、その意味でも初心者にも向いているだろう。

NISAで買える単元未満株のおすすめ銘柄ランキングは、以下のとおりだ(2020年12月18日時点)。

順位 銘柄 株価 配当利回り
1位 ファーストリテイリング 8万4,700円 0.57%
2位 ニトリホールディングス 2万2,065円 0.52%
3位 ソニー 1万315円 0.48%
4位 任天堂 6万6,480円 2.21%
5位 富士通 1万4,140円 1.41%
6位 イオン 3,093円 1.16%
7位 資生堂 7,177円 0.56%
8位 NEC 5,560円 1.44%
9位 日立製作所 4,198円 2.38%
10位 日本製鉄 1,318.5円 0%
(※筆者作成)

1位.ファーストリテイリング……UNIQLOとGUが主力の世界的企業

ファーストリテイリングは、世界展開をしているUNIQLOと若年層向けのGUを主力とするアパレル大手だ。国内と海外の売上構成比は約50%ずつで、商品の企画から製造、販売までを行う「SPA」と呼ばれるビジネスモデルで世界3位でもある。店舗作業のデジタル化やネット販売にも積極的で、利益率も比較的高く、今後も高い競争力を維持していくだろう。

普段UNIQLOやGUで買い物をする人なら、ファーストリテイリングの勢いを肌で感じやすく、投資しやすいのではないだろうか。しかし株価は8万円を超えており、単元株だと100株でも800万円以上の資金が必要になる。世界的な優良企業だが、個人投資家として購入するには資金的に勇気のいる銘柄だ。単元未満株なら8万円程度から購入できるため、ハードルはかなり下がるだろう。

2位.ニトリホールディングス……高収益率で競争力が高い

ニトリホールディングスは、家具・インテリアの製造・小売チェーンとして国内トップだ。コロナ禍においても33期連続で増収増益を達成しており、日本を代表する優良企業といえる。ニトリは品質の良い商品をお手頃な価格で提供しているが、自社生産や経営合理化によって高い利益率を誇っている。利益率の高さは競争力にもつながるため、投資においても重要な要素といえる。

配当金も16期連続で増配しており、株主還元にも積極的であることがわかる。継続的な増配は中長期的に投資資金を呼び込むため、個人投資家も配当を楽しみにしながら安心して保有できるのではないだろうか。株価は2万円を超えているため、単元未満株での投資を検討するとよいだろう。

3位.ソニー……ブランド力と豊富なコンテンツが強み

ソニーは世界的なエレクトロニクス企業だ。中でも音響やゲーム、映像機器、放送機材では世界屈指のブランド力を持つ。主力事業は世界トップのイメージセンサー、プレイステーションなどのゲーム、映画・音楽のコンテンツ事業だ。ソニーは電気機器に分類される銘柄だが、売上の半分以上はソフト(コンテンツ)で稼いでおり、「乃木坂46」や「NiziU」、アニメ「鬼滅の刃」などもソニーが手掛けている。

ソニーはもはやコンテンツメーカーといえ、米国のアニメ配信会社を買収するなど相乗効果を狙ったM&Aにも積極的だ。ゲーム分野でもプレステ5が発売日に完売するほど好調で、ゲームソフトのラインアップ拡充に伴ってさらに人気を博すだろう。単元株だと最低でも100万円以上かかるため、単元未満株への投資を検討してはいかがだろうか。

4位.任天堂……ハードとソフトで総合首位のゲームメーカー

任天堂は人気ゲーム機と豊富なゲームソフトコンテンツを有しており、ゲーム業界のハード・ソフトで総合首位の企業だ。主力のニンテンドースイッチは国内外で爆発的に売れており、発売当初から品薄状態だったが、巣ごもり消費によって再び供給が不安定になるほど人気となった。ゲームソフトも「あつまれ どうぶつの森」を筆頭に絶好調で、株式市場でも人気の銘柄だ。

ニンテンドースイッチの生産は中国・ベトナムに加え、2020年夏にはマレーシアでも生産を開始しており、しばらくは安定供給が続くだろう。2021年2月にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンでマリオ関連の施設も開業し、人気を集めるだろう。株価は約6万6,000円なので、単元未満株での投資を検討したい。

5位.富士通……DXや5Gによる社会変化の恩恵を受けやすい

富士通は、ITサービスやサーバーで国内首位。2020年9月に誕生した菅政権は行政や企業のデジタル化を加速する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を推進しており、今後世の中が変化していくにあたって恩恵を受けやすい。官公庁向けの事業も多く、2021年に発足するデジタル庁の関連銘柄としても期待できる。

5G対応のiPhoneが発売されるなど、日本でも5G関連の需要が高まっていることも富士通には追い風になる。DXも5Gも短期的には終わらない息の長いテーマであるため、富士通の業績も中長期的に後押しすることになりそうだ。株価は約1万4,000円と単元株だと手を出しづらいため、投資するなら単元未満株を検討したい。

6位.イオン……株主優待で個人投資家に人気の銘柄

イオンは、株主優待で個人投資家に人気の銘柄だ。株主優待のオーナーズカードはイオングループの対象店舗での買い物で、現金還元を受けられる。持株数によって変わるキャッシュバック率は3%・4%・5%・7%で、半年間で100万円までの買い物が対象だ。3年以上継続して1,000株以上保有する株主には株数に応じたイオンギフトカードも贈呈されるので、日々の買い物がかなりお得になるのは間違いない。

株主優待は100株以上なので単元未満株は対象外だが、買い増していき単元株にすれば株主優待を受けられるようになる。単元未満株に少しずつ投資していけば購入タイミングの分散効果が働き、価格変動リスクを抑えやすい。株価は3,000円程度と過去の高値と同水準であるため、時間を分散して少しずつ買い足していくほうが、心理的にも投資しやすいのではないだろうか。

7位.資生堂……ブランド力のあるグローバル化粧品メーカー

資生堂は、化粧品メーカーの国内大手だ。高級化粧品をグローバル展開しているが、ドラッグストアなどで中・低価格帯の商品も幅広く販売している。コロナ禍で苦戦しているものの、Eコマースやスキンケア商品を強化しており業績に貢献している。もともと化粧品は景気に左右されにくいといわれているが、事業改革によってより強い企業に生まれ変わる可能性がある。

化粧品業界は競争が激しいが、資生堂にはブランド力があるため今後の回復が期待できる。日本での回復は遅れているが海外市場は回復傾向にあり、中国ではすでに前年比プラスに転換している。化粧品に触れる機会の多い人なら、店舗などで資生堂の動向を感じやすいため投資しやすいかもしれない。株価は7,000円程度なので、単元未満株だと買いやすくなる。

8位.NEC……あらゆる産業に関わるIT総合企業

NECはIT総合企業の大手であり、通信インフラでは国内首位。ITシステム構築から宇宙関連まで、さまざまな産業に関わって事業を展開している。民間だけでなく官公庁向けの事業も強く、国内のデジタル化の加速による業績拡大も期待できる。NECは5G関連の設備投資事業も積極的に進めており、社会が変化する中でも引き続き存在感を放つだろう。

新たな事業分野として、フィンテック領域にも進出しつつある。NECはスイスのIT大手アバロック(金融資産管理向けのソフトウェアにおいて欧州1位)を買収した。それをきっかけにフィンテック領域でのグローバル進出を狙っており、今後の動向が楽しみである。投資資金は単元株だと約55万円からだが、単元未満株なら5,500円程度から投資できる。

9位.日立製作所……リスクに強い総合電機メーカーを目指し構造改革を実行中

日立製作所は日本を代表する総合電機メーカーだ。特定の事業領域に経営資源を集中させ、子会社の整理や統合を進めている。いわゆる「選択と集中」を進めているのだが、単なる事業再編ではなく不況下でも優位性を保てるように構造改革を行い、リスク耐性の向上を図っているのだ。テレワークを前提とした働き方を模索するなど、事業だけでなく総合的に経営改革を行っている。

「2021中期経営計画」では、売上の年成長率3%や営業利益率10%超を目標にしており、達成されれば投資資金の呼び水にもなり得る。2030年度の自社生産におけるカーボンニュートラルも宣言しており、脱炭素社会など世界的な環境政策の波に乗れるかどうかもポイントになるだろう。配当利回りは約2.4%と今回のランキングの中で最も高い。

10位.日本製鉄……景気敏感株の代表格

日本製鉄は鉄鋼メーカーとして国内首位、世界第3位の企業だ。特に高級鋼板に強く、世界的に鉄鋼業界をリードしている。鉄鋼メーカー株は典型的な景気敏感株であり、景気に応じて株価が上下する傾向がある。そのため初心者にはあまり向かない業種ではあるが、コロナ禍による世界的な景気停滞からの回復過程で大きく上昇する可能性もあり、気にかけておきたい銘柄だ。

日本製鉄の純利益は2021年3月期も赤字予想だが、赤字幅が前期より縮小する見込みであり、来期の黒字転換を期待して徐々に投資資金が集まる可能性もある。景気敏感株は株式市場の先行指標になり得るため、単元未満株による少額投資で株価動向を追っていくと投資の勉強になるだろう。

5.NISAで単元未満株を買う場合の注意点

NISAで単元未満株を取引できるが、同じ単元未満株でも「株式ミニ投資」もあるため間違えないようにしよう。株式ミニ投資は「ミニ株」とも呼ばれ、通常の株式投資の10分の1である10株単位で売買できるものだ。株主優待や議決権はなく配当を受け取れる点は変わらないが、1株から購入できる単元未満株のほうが投資しやすいだろう。

6.NISAで単元未満株を上手に活用しよう

NISAは非課税投資枠が年間120万円までなので、株価の高い銘柄はNISAでは購入しづらい。単元未満株なら120万円のNISA非課税投資枠に収まる金額で購入できるため、好きな銘柄を選びやすいはずだ。単元未満株によって株価を気にせず買えるようになれば、銘柄の分散ができるためリスクを抑えられる。単元未満株にはデメリットもあるが、それを上回るメリットがあるので上手く活用してほしい。

 

國村功志
執筆・國村功志
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも開催。CFP®、証券外務員一種保有。
大手証券会社で株式・債券・投資信託などの金融商品販売に携わる。その後、ファイナンシャルプランナーの養成団体やFP事務所を経て、現在は資産形成FPとして活動。個人の資産運用経験も活かし、金融機関や一般の人向けに毎月セミナーも行っている。CFP®、証券外務員一種保有。

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